カナダ・アルバータ州 原油・ガス産業最新動向

ALBERTA
OIL & GAS INDUSTRY
QUARTERLY UPDATE
カナダ・アルバータ州
原油・ガス産業最新動向
1
カナダ・アルバータ州の
原油・ガスについて
アルバータ州とその石油部門は世界的
な油価下落と天然ガス価格の持続的低
迷の痛みに耐え抜きました。周期的に
変動する商品価格が最終的に適正な水
準に復帰すれば、アルバータ州はすぐ
にも立ち直れる状態です。
実際テクノロジーを通じて、アルバータ
州の在来型石油・天然ガス業界に再び
好況が訪れようとしています。数年前ま
で、アルバータ州の在来型石油・ガス業
界はゆっくりと斜陽に向かっていまし
た。2010 年には、石油生産量がピーク
時(1973 年)の日量 143 万バレルから日
量 46 万バレル前後まで落ち込んでいま
した。
目次
02
TABLE CONTENTS
アルバータ州の
原油・ガスについて
03
04
原油の分布地図
天然ガスの分布
地図
05-06
政府の最新動向
07-08
石油・ガス業界の
最新動向
09
技術の最新動向
10
労働市場の
最新動向
11-13
原油・ガス統計
14-15
注目される Duvernay
16-17
天然ガス関連
しかし原油掘削活動の促進を目的としたアル
バータ州の新ロイヤリティ優遇策が功を奏し
たのはもちろん、アルバータ州内各地のタイト
オイルプレイで長い水平井とマルチステージ
水圧破砕法の導入が進んだことにより原油掘
削活動が活発化し、生産量が増加した結果、
状況は好転しつつあります。価格軟化に伴い
天然ガスの掘削活動は鈍化しましたが、価格
が回復に向かえばアルバータ州にも好影響
が及ぶものと思われます。
米国から徐々に北へと波及しアルバータ州に
も及んだタイトオイル革命は、実際に州の石
油と天然ガスの探鉱や生産に新しい時代の
幕開けをもたらしました。
アルバータ州では、ますます多くのオイルプレ
イで新技術が使われるようになりました。
中でも新技術の導入が最も進んでいるのは、
アルバータ州中西部の Cardium プレイ、Swan
Hills 近郊の Beaverhill Lake Carbonates プレ
イ、アルバータ州中東部とエドモントン北方
Red Water の Viking プレイ、アルバータ州南部
Princess とアルバータ州北西部 Judy Creek
の Pemiscot プレイです。
さらに、近年明らかになってきた Duvernay
や Montney のような液体留分の多いシェール
層は有望です。実際に Duvernay は、開発がさ
らに進んでいく可能性が最も高い地層かもし
れません。
2013年末にChevron Canada社、Encana社な
どの業界大手は、特に価値の高いコンデンセ
ートを中心に軒並み好調な液体生産量を発
表しました。生産者は、2014年の活動拡大に
向けて準備を進めています。
Duvernayは、豊富な資源を誇るテキサス州の
Eagle Fordとしばしば並び称されます。どちら
も、ドライガスからウェットガス、そして石油ま
であらゆる種類の資源が賦存するシェールプ
レイだからです。ブリティッシュ・コロンビア州
のHorn Riber Basin、国境の南に位置する
MarcellusやBarnettなど、その他多くのシェー
ルプレイは、Duvernay、Eagle Fordと比べると
はるかにガス中心です。
プレイエリアの潜在的規模、源岩の豊富さ、そ
して初期の生産成果から見て、Duvernayは
「Eagle Fordと同規模か、あるいはそれを超え
るプレイへの道を順調に進んでいる」
とCanadian Discovery社は断言しています。
これはカナダの在来型資源残存埋蔵量
のおよそ3分の1にあたります。
2013年の生産量を差し引いたうえで全埋
蔵量を調整すると、2012年比で5%の増加
です。
アルバータ州の2013年在来型原油生産
量は合計2億1,300万バレル(前年比5%
増)でした。
アルバータ州は、カナダの石油および石
油同等資源の生産に最も大きく貢献して
います。また、粗オイルサンド油の市販成
分である改質・未改質ビチュメンを生産し
ているのはアルバータ州だけです。
アルバータ州は、カナダ最大の販売可能
天然ガス生産地です。2013年には、カナ
ダの総生産量の69%がアルバータ州で生
産されました(2012年の70%から減少)。
同時期に、カナダ第2位の生産地である
ブリティッシュ・コロンビア州のシェアは
25%から26%に増加しました。
天然ガス価格が比較的低水準で推移し
たため、ここ数年間アルバータ州では天
然ガス掘削活動が停滞しましたが、価格
が回復すれば利益を上げられる態勢に
あります。
カナダは世界第3位の天然ガス生産国で
す。そのカナダの天然ガスの大部分がア
ルバータ州で生産されています。2012年
末時点の州のデータによれば、在来型天
然ガス確認埋蔵量は33兆立方フィート、
炭層メタンの残存確認埋蔵量は2兆4,000
億立方フィートです。販売可能な在来型
天然ガスの残存潜在埋蔵量は74兆立方
フィートに達するとアルバータ州は推定し
ています。
在来型天然ガスは今なおアルバータ州の
天然ガス供給の非常に重要な部分を占
めていますが、水平掘削やマルチステー
ジ破砕により、新たなガス源である非在
来型天然ガス資源から天然ガスを開発す
ることが可能になりました。
アルバータ州の非在来型天然ガス資源
には、炭層メタンのほかにタイトガス(砂
岩や石灰石など、低浸透の堆積岩に閉じ
込められている天然ガス)やシェールガス
(頁岩に閉じ込められている)などがあり
ます。
用語集
18
お問合せ先
アルバータ州では在来型資源生産の急激な
落込みが予想されていましたが、水平掘削活
動の活発化でその穴は埋められそうです。
アルバータ州エネルギー監督庁は、州内に残
る在来型原油確認埋蔵量は合計18億バレル
と推定しています。
2
注: この資料には、オイルサンドを除くア
ルバータ州の原油・ガス産業に関する情
報を掲載しています。オイルサンドの情報
については、このウェブサイト上の「カナ
ダ・アルバータ州 オイルサンド産業の最
新動向」をご覧ください。
原油の分布地図
アルバータ州エネルギー監督庁
(AER=Alberta Energy Regulator)は、
州内の在来型原油の残存確認埋蔵量を
17 億バレルと推算しています。これはカナ
ダ全体の在来型石油残存埋蔵量の約 1/3
にあたります。
2011 年中に生じた生産量、埋蔵量調整、
掘削による増加を加味した結果、前年比で
9.5%の増加となりました。
アルバータ州エネルギー監督庁(AER)は
1994 年に当時の地質学的予想に基づい
て、在来型原油の埋蔵量ポテンシャルを
最大 197 億バレルと推定しました。最近、
低浸透率層(タイトオイルプレイ)の埋蔵量
が伸びていることから、この推定値は低す
ぎる可能性があるとエネルギー資源保護
委員会(ERCB)は考えています。
アルバータ州の原油総生産量は 1970 年
代初頭から減少傾向が続いていました
が、2010 年を起点として増加に転じまし
た。2010 年から 11 年にかけて、マルチス
テージ水圧破砕法の導入による掘削活動
が水平井を中心として活発化した結果、
軽・中質原油の生産量が増加し始めまし
た。この技術の利用が成功を収め、掘削
件数が増えたことに伴い、2011 年には原
油の総生産量が 7%増加しました。
アルバータ州の 2011 年在来型原油総生
産量は 1 億 7900 万バレルに達しました。
3
天然ガスの分布地図
アルバータ州には豊富な天然ガス資源
が賦存し、在来型資源と非在来型資源
の両方から天然ガスが生産されていま
す。アルバータ州の天然ガスは今もその
ほとんどが在来型資源から生産されま
すが、コールベットメタン(CBM)、頁岩
層(シェールガス)、砂岩層(タイトガス)
での生産も増加しています。今後は州
の天然ガス生産に大きく貢献することに
なると予想されます。
アルバータ州は、天然ガスの膨大な資
源基盤を有しています。コールベッドメタ
ン(CBM)に由来する天然ガスの残存確
認埋蔵量は約 33 兆立方フィート、推定
ポテンシャルは最大 500 兆立方フィート
に達します。さらに、アルバータ州ではシ
ェールガスのポテンシャルを探る大規模
な資源評価が進行中です。これにより、
州の天然ガス採掘有望地は著しく拡大
する可能性があります。
4
政府の最新動向
石油・ガス産業規制の詳細情報をアルバータ州民に提供
アルバータ州、Athabasca地域の環境保護を強化
アルバータ州の市民は、アルバータ州エネルギー監督庁
(AER=Alberta Energy Regulator)が石油・ガス開発をどのように
規制し、要件を執行しているかに関する詳しい情報にオンライン
でアクセスできるようになりました。
アルバータ州はオイルサンド開発の環境影響軽減に向けた継続
的取組みの一環として、尾鉱沈殿池を減らすとともに Athabasca
River からの取水を規制する新たな対策を導入しました。
AERがスタートさせたコンプライアンス・ダッシュボード
(Compliance Dashboard)は、事故通報ツールと月間活動概要に
代わるサイトです。このサイトには、2013年6月の開始以降に事
故通報ツールを通じて通報されたものを含む事故、アルバータ
州環境・資源維持開発省から移管された案件と2014年7月の時
点で解決済みの案件を含む調査、2014年7月に遡るコンプライア
ンス活動と執行措置に関する情報が掲載されています。
AERは毎年、数千件にのぼるコンプライアンス活動を実施してい
ます。ダッシュボードは、市民の安全や環境、資源保全に影響を
及ぼす恐れのあるコンプライアンス違反に焦点を当てています。
尾鉱管理枠組みは尾鉱沈殿池の修復を早め、尾鉱沈殿池の拡
大を抑えることを重視しています。 現在、尾鉱はアルバータ州エ
ネルギー監督庁の指令第 074 号に基づいて管理されています
が、この指令は既存尾鉱池の修復期限を定めていません。
地表水水量管理枠組みは、現在および将来の採掘可能オイル
サンド事業者について、厳格な取水要件を定めています。現在、
オイルサンド業界は毎年、この川の水を 1%使用しています。
アルバータ州の Kyle Fawcett 環境・資源維持開発大臣は次によ
うに説明しています。「アルバータ州のオイルサンド生産地は、す
でに世界で最も厳しい保護と規制がかけられたエネルギー開発
地域の一つとなっている。保護レベルを強化するためには、イノ
ベーションを常に促すシステムが必要だ。オイルサンド業界は、
尾鉱などの廃棄物の管理を継続的に改善し、地域に存在するあ
らゆる水管理の機会を尊重しなければならない」
AERのJim Ellis社長兼CEOはニュースリリースで次のように説明
しています。「情報の自由とプライバシーの保護法(Freedom of
Information and Protection of Privacy Act)の手続きを経ればこ
の情報はいつでも閲覧できるが、アクセスしやすく、読みやすく、
検索しやすいオンラインで提供したいと考えた。業界だけでなく
AERにもスポットライトを当てている。AERが規則と要件の遵守を
徹底させるためにどのような活動を行っているかについての情
報を州民にタイムリーに提供できるように引き続き改善を加えて
いく」
NEB、アルバータ州のパイプラインプロジェクトを承認
2015年3月初旬、連邦エネルギー委員会(NEB=National Energy
Board)は、NOVA Gas Transmission (NGTL)が提出したWolverine
River Lateral Loop (Carmon Creek Section)プロジェクト建設・運
営申請の承認を勧告する報告書を発行しました。
アルバータ州Peace Riverの北東約35キロメートルの地点で計画
されているこのプロジェクトの内容は、硫黄分の少ない天然ガス
を輸送する全長61キロメートル、直径20インチのパイプラインの
建設・運営です。約57キロメートルのパイプラインが既存の線形
干渉域に沿って建設されます。
尾鉱管理枠組みの骨子は以下の通りです。
• 堆積可能な尾鉱の量を制限する。
• これらの制約の範囲内で活動するための技術に投資する
よう企業に働きかける。
• 環境への害を防止するために、企業がどの時点で対策を
講じなければならないかを明確にするための厳格な限界値
を定める。
• 「保全および埋立規則」を通じて、起こりうる修復の問題に
対処するための追加的な資金保障を公表するよう企業に
義務付ける。プロジェクトのライフサイクル全体を通じて尾
鉱を漸次処理し埋め立てる。そのプロジェクトの鉱山寿命が
終わってから 10 年以内に尾鉱を埋め立てられるようにす
る。
地表水水量管理枠組みの骨子は以下の通りです。
• 渇水期に既存事業者の取水の大部分、および新規事業者
の全取水を停止することを義務付ける。
• 全ての取水の停止が技術的に不可能である古い事業者に
ついては、渇水期の取水を最小限に制限する。
• 毎週のトリガーを定め、制限に達する前の早期警告点とす
る。最善の科学を導入する全ての採掘可能オイルサンド事
業者の取水上限を設定する。
• 先住民の河川舟運と伝統的活動の遂行のために十分な量
の水を維持する。
5
政府の最新動向のつづき
アルバータ州政府は石油業界、先住民グループ、非政府の環境
保護団体その他の利害関係者と協力し、上記の枠組みを立案し
ました。これらの枠組みは、オイルサンド開発における環境問題
への取組みを導く役割を果たします。
アルバータ州とノースウエスト準州が二者間水管理協定を発表
アルバータ州とノースウエスト準州は、アルバータ州からノースウ
エスト準州に流れる水の水質を保護するための協定を締結しま
した。
「Athabasca 採掘可能オイルサンドの尾鉱管理枠組み(Tailings
Management Framework For The Minable Athabasca Oil Sands)」
と「Lower Athabasca River の地表水水量管理枠組み(Surface
Water Quantity Management Framework For The Lower
Athabasca River)」は、アルバータ州の「Lower Athabasca 地域
計画」のもとで提案されました。地表水水量枠組みは、「Water
Conversation」政策が掲げる工業用取水管理というテーマにも併
せて取り組んでいます。
eystone XL 法案に拒否権を発動したオバマ大統領の決定に
関するアルバータ州 Prentice 首相のコメント
アルバータ州とノースウエスト準州の二者間水管理協定に基づ
き、両州政府は水資源を協力して管理することを約束しました。
この協定の焦点は、カナダ最長・最大の河系であるMackenzie
River流域の水界生態系です。
「水は州境を越えて流れる重要な資源だ。アルバータ州民とノー
スウエスト準州の隣人が、現在だけでなく将来も健全で持続可能
な水の供給を受けられるようにすることを約束する」アルバータ
州のJim Prentice首相はこのように述べました。
今回の協定締結により、水管理計画では、科学的モニタリングに
基づき、いつ、どのような対策を講じるべきかを判断する適応的
管理手法がとられるようになります。また、この協定では政府の
管轄権が尊重され、環境、住民、経済の利益になるように水が協
同で管理されます。
アルバータ州 Jim Prentice 首相は、Keystone XL パイプラインを
承認する法案に対して米国のバラク・オバマ大統領が拒否権を
発動したことについて、以下のコメントを発表しました。
「オバマ大統領が Keystone XL パイプラインを承認する超党派
的法案に拒否権を発動することを選択したのは、残念だが驚い
てはいない。
「環境の維持と保護は、責任ある開発を通じた雇用と経済的機
会の創出に向けて政府がバランスの良いアプローチをとるため
に欠かせない部分だ。健康で豊かな住民を支える健全な環境の
実現に向けたアルバータ州の協力と熱意の共有を歓迎する。水
供給が常に健康で安全で持続可能であるように保証する責任を
我々全員が共有する。アルバータ州とノースウエスト準州は、共
有の水資源をしっかり保護するために協力し合うことを約束した」
ノースウエスト準州のBob McLeod首相はこのように述べました。
(今回の)決定は予想がついていたが、Keystone XL が、近しい
同盟国であり友人であるカナダで責任を持って開発されたエネ
ルギーへのアクセスを米国に提供しながら北米のエネルギー
安全保障と繁栄を推進するという事実に代わりはない。
責任あるエネルギー開発に対する我々の熱意は揺るがない。
また、我が州の環境基準は、米国市場に毎日石油を供給する
諸外国よりはるかに厳しい。アルバータ州は、炭素に価格をつ
けている唯一の対米国石油供給者だ。
カナダと米国の生産者は長い時間をかけて計画を調整し、他の
パイプラインや鉄道という手段を使って米国市場により多くの石
油を供給することに成功した。 その結果、我が州から米国への
原油輸出は今年も増加することが予想される。
議論は今後も続くだろう。最近のワシントン訪問時と同様に、私
は、安全で確実で信頼できるエネルギー供給者としてのアルバ
ータ州の実績と、Keystone XL プロジェクトおよびエネルギーに
関する北米の利益を増進するその他全てのインフラプロジェク
トへの確固たる支持を伝え続けていく」
6
石油・ガス業界の最新動向
景気後退に立ち向かうサービス事業者
アジア市場向けLNG供給に関して広がるカナダとアルバータ州の
役割を天然ガス会議で指摘
今、サービス事業者は受注の減少や顧客の値下げ要求だけでな
く、これまで採用や慰留のために高給を支払っていた技能労働者
のつなぎとめにも苦慮しているという声が最近開かれた会議で聞
かれました。
サービス事業者は、経営陣を含む組織全体で賃金引下げや無給
休暇、連邦ワークシェアリング・プログラムの導入を検討していま
す。カナダ石油サービス協会のElizabeth Aquinシニア・バイスプレ
ジデントは、カナダ・エネルギー研究所の年次天然ガス会議で次
のように発言しました。「各社はレイオフを避けようと努力してい
る。オペレーションからのキャッシュフローがある生産者と違って、
サービス事業者は活動したときしか収入が得られないので逆境を
切り抜けるのが難しい。サービス事業者が業界活動の停滞を乗り
切る態勢をどれだけ整えられるかは、業界での操業歴と不況の経
験、負債水準、バランスシートの強度、海外事業の有無によって
左右される。顧客が坑井の掘削や仕上げを継続していればサー
ビス事業者は助かる。(サービス事業者の顧客が)掘削、仕上げ、
最適化といった業種であろうとなかろうと、生産者が今も生産を続
けているということなのでサービス事業者にはプラスになる。彼ら
には債務を返済するためのキャッシュフローが必要だ。一部の企
業は生産を分散してリスクを回避している。よって、こうした状態が
正確にいつ終わるのかは不明だ。ご存じのように生産はまだ減少
していないが掘削の分野では活動レベルが当然下がっている。生
産者はコスト削減の方法を探り、サービス事業者に値下げを要求
する。多くのサービス事業者が、2009年の前回不況以降、実際は
ほとんど値上げしていないと言うだろう。20、30、40%の値下げを考
えるなら、ぎりぎりまで切り詰めることになる。それではやって行か
れない。誰もが利益を上げなければならない。さもなければ長くは
活動できないだろう。それでは、どうすればよいのだろうか」
タイトオイルの復元力
2015年3月4日に世界最大の上場石油・ガス会社のトップが発した
コメントは、北米のタイトオイル生産量が減少し、世界の石油価格
が上昇することを期待する人々をがっかりさせました。
ニューヨークでExxonMobil社の年次アナリスト会議に出席した同
社のRex Tillerson会長兼CEOは、石油価格が今後どのような形
で、どれぐらいの期間をかけて回復するかについて次のような見
解を示しました。
「石油価格には需給のファンダメンタルズが単純に反映される。そ
れ以上に複雑なものではない。ここ2~3年は欧州の不況や米国
の消費伸び悩みなどの要因により、需要に活気がなかった。中国
が需要を支えていたが、その後その成長ペースは鈍化した。需要
が軟化する中で北米の生産量は日量100万バレル増、さらに100
万バレル増とどんどん増大し、まるで貨物列車のようにこうした需
給状況へと突き進んでいった。世界の地政学的な出来ごとが一部
の供給を阻害し続けていた。それが長い間、石油価格を支えてい
たが、昨年、市場が実態を認識したためにそれが崩れた。その時
に一時的な反発が起きたのだと私は考える。 つまり、単に供給が
需要を上回っただけの話だ」
7
中国のエネルギー需要は貪欲です。成長が鈍化しても、この東ア
ジアの経済大国がその巨大な需要をどのように満たすのか、そし
て北米(特にアルバータ州)が中国のエネルギーミックスにおいて
最終的にどのような役割を果たし得るのかについては多くの疑問
が残されたままです。
Blake, Cassels & Graydon社のアジア地区担当パートナー兼会長
Michael Laffin氏は、3月初旬に開かれたカナダ・エネルギー研究
所の天然ガス会議において次のように述べました。「中国が国営
企業(SOE)の指示を通じてカナダ産エネルギーの生産機会に関
心を示していることは確かだ。北京以外で、中国の石油・ガス国営
企業主要3社が目立ったプレゼンスを示している都市はカルガリー
しかない。中国企業のプレゼンスは際立っている。現時点で、天然
ガスは中国の一次エネルギー消費の約4%を示すに過ぎないが、
政府の現行5カ年計画の一環として、来年までにこれを8%に引き
上げる予定だ。中国のガス消費が1%増加すると年間2,500万立方
メートルの増加になることを忘れてはならない。それだけのガスを
どこから調達するのか。中国国内でもシェールガスへの大きな期
待がある。中国国土資源部は、中国のシェールガス回収可能資
源が25兆立方メートルに達する可能性があると推定している」
カナダ・アジア太平洋財団のエネルギー・環境担当プログラムマネ
ージャーHeather Kincaide氏は次のように指摘しました。「中国の
残ったLNG需要にカナダがどれだけ食い込めるか。それを左右す
るのは、中国がロシア産天然ガスをパイプラインでどれだけ入手
できるかだ。昨年、近隣諸国と40兆円にのぼるガス購入契約を交
わしたことで、中国の調達能力は強化された。最大の問題は価格
だ。我々は中国が希望する価格を提示できるだろうか。パイプライ
ンガスが大量に入手できるとなれば、価格競争が激化することは
明らかだ」
石油・ガス業界の最新動向 つづき
エドモントン地区の工業施設の廃熱で熱電を供給
2015年の幕開けとともにM&A活動が活発化する可能性
最近行われたエドモントン地区工業地帯の調査で、工業施設には
大量の廃熱が存在することがわかりました。これを数千世帯の暖
房・給電に使用し、CO2等の排出を削減することが理論的には可
能です。
長期にわたる石油価格の低迷は、2014年後半にアルバータ州の
石油生産地区の合併・買収(M&A)活動に悪影響を及ぼしました
が、2015年の幕開けとともにM&A取引成立のチャンスを広げる可
能性があるとする新しい調査結果が発表されました。
「この調査結果によって、温室効果ガス排出の削減、競争力の強
化、効率の向上、経済多様化への貢献に向けた対策の実施に実
業界と政府がより深く関与するための前向きな価値提案が示され
た」CMC研究所の代表でプロジェクトリーダーを務めるJeff
Reading氏は、このように述べました。
「カナダ産石油・ガスの2015年見通し(Canadian Oil & Gas 2015
Outlook)」と題された報告書が作成されたこの調査は、Torys社が
Mergermarket社の協力を得て実施したものです。石油・ガス部門
の知見と予測を得るために、最近カナダ産石油・ガスを取り扱った
経験のある企業のエグゼクティブと投資銀行の行員100人を対象
として実施されました。
この種の調査としてはカナダ初となる「地域総合エネルギーマッピ
ング・フィージビリティスタディ(Community Integrated Energy
Mapping Feasibility Study)」では、エドモントン近郊のStrathconaと
Industrial Heartland両地区で16社(17カ所の工業施設)のデータが
収集されました。
調査報告書には次のように書かれています。「アルバータ州の主
要工業地帯では、地域のエネルギーの流れがほとんど知られて
いない。そこで、このプロジェクトは、施設レベルのエネルギー需
要情報(エネルギーの種類、燃料源、品質・量)に関する情報と、
廃エネルギー(排ガス、温水、蒸気等)の利用可能性に関する情
報を収集することを主眼とした。特に廃熱に関して地域のエネル
ギー統合を試み、その可能性を明らかにするためである。カナダ
において地域の工業エネルギーマッピングはこれまで行われてい
なかった。そこで、開発された方法、ツール、枠組みをカナダ国内
の他の工業地域にも適用できるようにプロジェクトを設計した」
調査報告書の代表執筆者であるAlberta Innovates - Technology
Futuresの環境・炭素マネジメント・リサーチャーCraig Aumann氏は
次のように説明します。「エネルギーマッピングの概念は、アルバ
ータ州のエネルギー統合ソリューションのビジネスケースを理解す
るための第一歩だ。調査結果と提案事項に基づいて次のステップ
へと進む準備は整った。エネルギー統合を阻む重大な技術的、社
会的障害を明らかにし、それらの障害に取り組むこともその一つ
だ」
2014年10月と12月の2回に分けて実施されたこの調査では、「石
油・ガス業界の企業が具体的な計画を練り、現在の市況の現実に
適応するだけの時間を与えられたので、今後1年間はM&Aが回復
しそうだ」と多数の回答者(78%)が考えていることがわかりました。
Torys社のパートナーScott Cochlan氏は次のように見ています。
「2014年後半は油価の急落がM&A活動を妨げたが、カナダのエネ
ルギー部門において、マクロ経済要因は必ずしもM&A取引の成立
をずっと阻害するわけではない。買い手も売り手も油価変動の継
続を織り込み済みだからだ。未公開株式投資会社も国際投資家
も強い関心を示すだろう」
Torys社のパートナーDerek Flaman氏は次のように話します。「資
金が潤沢な投資家、特にプライベート・エクイティ・ファンドの間で
は、カナダ西部の良質な石油資産獲得に向けた強い需要がある
が、現時点では、多くの売り手候補が新しい商品価格環境を受け
入れる意思を固めていないことを考えると、大がかりなM&A活動
は第2四半期末まで始まらないだろう。向こう数カ月の間に価格ス
プレッドが狭まり、2015年下半期には石油生産地域で大規模な
M&A活動が起きると予想される」
エドモントンの北東に位置するHeartland地域が調査対象に選ば
れた理由としては、産業と地方自治体が独特の形で合体している
こと、地域において大量の温室効果ガスが発生していること、アル
バータ・インダストリアル・ハートランド協会の協力が得られたこと
が挙げられます。
Heartland地域には5つの地方自治体が含まれます(Strathcona
Industrial地区はエドモントンとSherwood Parkの間に位置)。この
地区には多様な部門の企業約40社が本社を置き、主に石油、ガ
ス、石油化学製品の生産・加工や高度生産に従事しています。こ
の数十年間で、これらの地域はカナダ最大の炭化水素加工地区
へと成長しました。
*1 カナダドル=100 円
*1 アメリカドル=110 円
8
技術の最新動向
Crescent Point社のCEO、技術の重要性を強調
石油価格が下落する中で、Crescent Point Energy社のScott
Saxberg CEOは、コスト削減と回収率の向上を目指し、新技術の
テストと実施を重点的に進める考えを明らかにしました。
Millennium社、特許取得を発表
Millennium Stimulation Services社は、坑井フラクチャリング・オペ
レーションのための励起天然ガス(ENG)使用に関し、カナダ特許
庁で3件の特許を取得したと発表しました。
同社は特許協力条約に基づき、これら3件を含む特許を世界30
カ国以上で出願するとしています。
「当社は技術のナレッジベースを常に増やしている。最近は、
Flat Lakeプレイでさまざまな量と種類のフラクチャリング刺激法
の実験を成功させたほか、Viewfield BakkenとShaunavon資源プ
レイでも新しい開閉式滑りスリーブ仕上げ技術の実験を成功さ
せた。
Millennium社は、これ以外にも画期的技術に関する特許を開発
中です。
ENGは、天然ガスをフラクチャリング流体、フラクチャリングサンド
と混合して石油・ガス掘削坑に圧入し、生産中の地層を破砕する
坑井仕上げ技術です。Millenium社は、励起または泡によるフラク
チャリングでLNGを圧入する効率的な方法を開発したとしていま
す。
開閉式滑りスリーブと水攻法の組合せに代表される技術の進歩
は、当社の大規模な掘削現場全体でそれらを適用することによ
る回収率の改善や資本節約を通じて株主に非常に大きな価値
をもたらす可能性がある」
視覚モニタリング支援のための連携
Osprey Informatics社(本社カルガリー)とConvergint
Technologies社(本社シカゴ)が提携し、インフラの安全と操業効
率の向上を目的とした画期的な視覚モニタリング・ソリューション
を石油・ガス産業に提供することになりました。
同社は次のように説明しています。「励起によるフラクチャリング
は、かねてから平均を上回る石油・ガス資源回収率を実現するこ
とが知られていた。地層が多相流構造であるためにフローキャパ
シティが低くなる場合や、フローが制約される可能性がある場合
には特に効果的だ。ENGプロセスは、プロパンなどの空気より重
い天然ガス液を取り扱う危険を冒すことなく、これらの非常に大
きな利点をプレイに取り入れることができる。Millennium社のチー
ムは、全ての利害関係者に対して衛生・安全・環境に関する責任
を果たすことを固く約束する」
Convergint社の国内販売担当ディレクターBrian Haw氏は次のよ
うに説明しています。「当社は、オープンソース、オープンプロトコ
ル・ソリューションのトップ・インテグレーターとして、Osprey社の
ようなクラス最高のソリューション・プロバイダーとの提携を希望
していた。当社は、石油・ガス生産活動のような過酷な条件下で
の導入知識を持つ強力な技術者チームを擁している」
かつては電力・通信インフラの問題が、動画ベースのモニタリン
グ・ソリューションを貯留層に導入し、使用する際の障害になって
いましたが、Osprey Reachプラットフォームには、最も過酷な条
件のもとでも問題なく配置できたという実績があります。このプラ
ットフォームは、帯域幅効率が優れているだけでなく、クラウドソ
リューションとしての拡大縮小が容易で、企業のネットワークに
影響を与えません。
両社によれば、Osprey Reachは管理が容易で、誤った警告メッ
セージを減らすことができる高度な分析と画像認識の組合せと
いう特長を同時に備えています。通信は、カスタマイズされたイ
ンシデント・レポートを提供することによって効率化されます。生
産者は、規制要件と安全コンプライアンスを確実に遵守するため
に、この視覚データを使って施設と人員の操業状況を確認しま
す。
全ての動画と画像はクラウド経由で見ることができます。また、
スマートデバイスからいつでも簡単にアクセスできます。「石油・
ガス業界は、日常生活で使い慣れている技術やセキュリティ機
能にアクセスできるようになった」と、Haw氏は言います。
Osprey社のMichael von Hauff CEOは次のようにコメントしまし
た。「今回の提携を発表できたことに感動している。Convergint社
の素晴らしいチームとの協力が楽しみだ。Osprey社とConvergint
社には、高度な戦略的適合性に加えて共通の重点事項がある。
それは、顧客が抱える重大なビジネス上の問題を解決すること
だ」
9
労働市場の最新動向
カナダ石油(業界)人材審議会: 価格下落が労働市場に与える
影響は短期的
カナダ石油(業界)人材審議会(PHR=Petroleum Human
Resources Council of Canada)は、西部諸州では石油価格下落
の影響が強く見られるが、石油業界で直接的または間接的に雇
用される全国 55 万人のカナダ人が感じ始める物価下落の影響
には程度の差があるとの見解を示しました。
「石油・ガス業界で直接的・間接的に雇用される労働者への影響
は短期的なものとみている」PHR の Carol Howes 新委員長は、
同審議会の 4 部構成の報告書「石油価格が石油業界の労働者
に与える影響(Petro Prices to Petro People)」の第 1 部の中でこ
のように述べました。 PHR は、こうした見通しは、カナダの石油
産業は今年「軽度で一時的な」不況に見舞われるというカナダ帝
国商業銀行の予想と一致するとしています。
「確かに石油業界の拡大活動と雇用には陰りが見えるが、実際
には、それによって業界を長い間悩ませている労働力と技能の
不足が一時的に和らぐだろう。企業は、現在の生産を継続する
ために中核的な事業活動に集中するようになるが、これは現在
の労働力を維持しなければならないことを意味する」Howes 氏は
こう話します。
一方で、長期プロジェクトが延期されたり中止されたりしているた
め、特に下請/臨時雇用の労働者、派遣労働者やプロジェクト
ベースの労働者についてはレイオフが発生していると PHR は指
摘しています。
双方に機会を提供する先住民建設業界キャリア支援プログラム
アルバータ州政府、ボウ・バレー大学、ノークエスト大学、産業
界、先住民団体が共同で後援する 2 年間の実験プログラムによ
り、600 人を超える先住民の皆さんの建設業界でのキャリア教育
を支援します。
アルバータ州先住民建設業界キャリアセンター実験プロジェクト
は、職業キャリア形成の分野で先住民の皆さんの教育訓練と雇
用を支援する他の既存プログラムを補完するものです。
カルガリーのボウ・バレー大学とエドモントンのノークエスト大学
の各校が、新設のアルバータ州先住民建設業界キャリアセンタ
ー・プログラムをメインキャンパスで主催します。このプログラム
のもとで 2 つのセンターは、建設業に重点を置きながら、各校に
つき 300 人以上の先住民の皆さんに就職のための教育訓練、職
業訓練、カウンセリングを提供します。このプログラムは 2 年間の
実施期間中、最大 300 人の登録者に建設関係の就職を斡旋す
ることを目指します。
アルバータ州の Jim Prentice 首相は、「このプログラムは、我々
のパートナーが次世代のためになる機会を探し、そこに向かって
行動を起こした結果だ。州の成長に不可欠な業界において、これ
らのキャリアセンターは先住民の皆さんに機会の扉を開き、技能
労働者を求める業界のニーズに応えるだろう」と述べました。
ノークエスト大学の学長兼CEOの Jodi L. Abbott 氏は次のように
話しています。「ボウ・バレー大学とノークエスト大学は、都市部と
地方の先住民社会との間に相互の尊重と協力に基づく連携を築
くことを約束する。このプログラムの目的は、建設業界において
雇用成果を上げることを目指す既存のコミュニティ・リソースに力
を貸すことだ」
アルバータ州政府はこのプロジェクトに 1 億円を支援します。さら
に 2 つの大学が 5,250 万円、産業界と先住民利害関係者が 7,500
万円を拠出します。
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The Duvernay:
A Rising Star?
Duvernayは期待の新星か?
坑井の初期実績
2009年12月、アルバータ州政府によるその年最後の土地売却
で3億8,430万ドル(約374億3,000万円)という目を見張るような
巨額の取引が成立しました。州有地オークションに関しては、そ
の時まであまり見るところのない年でしたが、一筋の明るい光が
差し込みました。
この売却で高額入札が入った大きな理由は、アルバータ州
Deep BasinのDuvernayプレイの存在と考えられています。そ
してこれは前座に過ぎませんでした。この取引がきっかけにな
り、2年間にわたる州有地売却ブームが起きたのです。ブームが
最高潮に達したのは2011年6月1日です。アルバータ州は、1回
の売却では史上最高となる8億4,303万ドル(約843億300万円)
の巨額歳入を得ました。火をつけたのはDuvernayです。
売約済みの有望な土地の多くに関して今問われているのは、
Duvernayが北米の次なる期待の星として約束を果たすのか、
それとも土地獲得に費やされたこの巨額の資金が無駄になって
しまうのかです。
BMO Capital Markets社が2013年11月に実施した調査によ
れば、この1年半の掘削結果からマルチフェーズ・ウインドウ(乾
性ガス、湿性ガス、揮発性油、黒油)の存在と、真性の異常高圧
頁岩貯留の性質を示す地層の能力が確認されました。また、ほ
とんどの区域は炭化水素を経済的に産出します。
アルバータ州のロイヤルティ制度は、Duvernay坑井より
Duvernayガス井に有利です。これは、少なくとも短期的には、コ
ンデンセートと天然ガス液(NGL=Natural Gas Liquids)が豊富
な区域での画定と掘削に活動が集中することを意味すると調査
報告書は指摘しています。
「Duvernayの頁岩貯留が、珍重される世界クラスの非在来型シ
ェールプレイとして浮上した背景には、こうした継続的投資があ
る。重点は、新時代の金であるコンデンセートに置かれている」
と、BMO Capital Markets社はコメントしました。
Canadian Discovery社は、アルバータ州Duvernayで生産が
報告された坑井が59坑であることを確認しました。うち50坑で
は、2013年8月31日の時点でまだ生産中です。
最もハイピッチなのはRoyal Dutch Shell plcが
15-09-063-20W5のKaybob貯留層に所有する坑井です。この
坑井では、同月中に日量平均約200バレルが生産されました。コ
ンデンセート生産量が最も大きいのは、06-09-063-23W5の
Waskahigan貯留層にあるEncana社の坑井で日量平均480
バレルです。ガス生産量が最大なのは、02-16-062-20W5の
Kaybob SouthにあるChevron Canada社のガス井で、8月
の生産量は日量平均約250万立方フィートでした。
オペレーターが現在順調だからといって、Duvernayプレイが商
業的に成功すると断言するのは時期尚早だとCanadian
Discovery社は認めながらも、「可能性が最も大きいエリアはど
こか、これらのエリアで有効に機能する仕上げ計画はどれかをオ
ペレーターが判断すれば、プロジェクトの工費が大幅に下がり、
長期的にしっかりした採算性が約束されると見ている」と述べまし
た。
今後の開発
Petrel Robertson Consulting社のBrad Hayes社長は、
Duvernayにとって2014年は重要な年としながらも枢要な年とし
ては位置づけませんでした。各社は掘削・仕上げ活動を引き続き
最適化すると思われます。Chevron Canada社、Encana社な
ど一部の企業は、採算が取れるとみたエリアの開発を増強する
見込みです。
「Duvernayプレイの開発は進展するが、全体的な開発の道筋を
突然変えるような重要な出来事が起きる可能性は低い。当社は
数年間、状況を見守ってきたが、まだまだ調査が必要だ。採算性
が相応に見込めるエリアに位置するDuvernayの区画、すなわ
ちフェアウェイの液体資源が豊富な部分は企業が手放さない。
経済的メリットが不確定なエリア(乾性ガスまたは油のエリア)で
は土地の出物が若干ありそうだが、これらのエリアでは、生産性
と商業的メリットがはっきりするまで、土地取引が大きく活発化す
る可能性は低い」Hayes氏はこのように述べました。
BMO によれば、液体分が豊富な Duvernay のガス井の収益性
が高いこと、また、コンデンセートが価値に最も大きな影響を及ぼ
すことを示しています。そこで、オペレーターは、より多くのコンデ
ンセートを求め、油層区域の奥深くまでプレイの境界を押し広げ
ました。
14
Duvernay で活動する主な企業の紹介
Duvernay については、
Daily Oil Bulletin’s special digital magazine
の Duvernay プレイ特集をご覧ください。
Trilogy社、Duvernay開発を推進しつつも今年度支出を減額
Trilogy Energy社のDuvernayでの生産量は、2014年末の時点で
日量約4,500バレル(石油換算)まで増加しました。Duvernay掘削
のこれまでの成果に基づき、Trilogy社は回収率の最大化、コスト
削減、資本利益率の向上を目的とする掘削・仕上げ技術の進歩
を引き続き監視します。
一方で、2015年の最新商品価格予想をもとに、Trilogy社は
Duvernayオペレーションの支出を減額し、土地使用権を維持し、
第三者が操業する活動に参加するために必要な額のみにとど
めることにしました。
Trilogy社がDuvernayシェールプレイで操業を開始してから約4年
が経過しました。同プレイへの初参入以来、Kaybob地区の
Duvernayで42坑前後の掘削に参加しています。
同社は、2014年に坑井の掘削、仕上げ、連結や、Duvernayを対
象とした何件かの関連インフラ改善に約150億円を支出しまし
た。2015年には最大15坑(正味3.5)の坑井の掘削、仕上げ、連
結に約55億円計画です。
Duvernayで生産開始
Encana社は、2015年半ば前後までに、新興のDuvernayシェール
プレイで4カ所のパッド上に位置する坑井27坑の生産を開始する
予定です。
Encana社は当初、2014年中に3カ所のDuvernay坑井パッドを掘
削する計画でした。同社は4カ所を掘削しましたが、仕上げ作業
が遅れました。「フラクチャリング用水の供給が不足したために当
初の仕上げが妨げられたが問題は解決され、数週間にわたって
フラクチャリング・オペレーションが進行中だ」Encana社のMike
McAllister最高執行責任者はカンファレンスコールでこのように
述べました。
Yoho社のDuvernay掘削結果は有望
Yoho Resources社の2015年第1四半期生産量は日量平均1,479
バレル(石油換算)(石油・天然ガス液が33%)でした。
上記の報告期間が終了したあと、Duvernayの坑井1坑(正味
0.33)が2015年1月に生産開始になりました。Duvernayでさらに2
坑(正味1)の設備設置との連結が進行中です。これらの坑井か
らの初生産が2015年3月に予定されています。
Trilogy社は、Duvernayプレイの有望な土地を正味約200区画保
有しています。同社は、プレイの開発に合わせて基盤となるこの
土地を使用します。正味200区画のうち約125区画はDuvernayプ
レイの揮発性油ウインドウ、75区画はガスコンデンセート・ウイン
ドウに位置するとTrilogy社は見ています。
Chevron社がDuvernayでの最新活動情報を発表
2015年年初の時点で、Chevron社は、アルバータ州のDuvernay
掘削計画で坑井12坑を連結するとしていました。
同社はDuvernayシェール資産の開発を継続する過程で、プレイ
開発推進資金の外部調達を検討します。
同社は、年末に米国証券取引委員会に提出した書類に、アルバ
ータ州Duvernayシェールプレイに約22万8,000エーカー、Montney
石油根源岩地層において約20万エーカーを保有すると記載して
います。
同社によれば、プレイの調査結果はこれまでのところ有望とのこ
とです。業界は坑井掘削を進める過程で、さまざまな掘削・仕上
げ・生産技術を評価し、資本コストの低減、回収率の最大化、
Duvernayで得られる経済的利益の拡大のためのベストプラクテ
ィスを確立します。
15
Chevron社は2014年にDuvernayリース鉱区の大半で30%のファー
ムダウンを完了し、同社の所有・運営権益は70%になりました。
2014年を通じて、Duvernayでの初期多坑井開発計画が継続さ
れ、拡張後の16坑による試掘計画で掘削活動が開始されまし
た。2015年年初までに合計12坑が生産施設と連結されました。
天然ガス関連用語集
Abandoned Well 廃坑井
枯渇または原油や天然ガスの産出停止により
恒久的に廃坑した坑井。
ケーシング(陥没や地下水汚染を防ぐ井戸内
側を覆う筒)を設置し、生成層との行き来を確
立するためにケーシングへの穿孔を行う。
閉じないようにするため、破砕液とともに破砕
砂などのプロパントを注入する場合もある。
Acid Gas 酸性ガス
Compressed Natural Gas (CNG)
硫化水素(H2S)や二酸化炭素(CO2)、または
その両者の混合物は、水の存在下で酸また
は酸性溶液を形成するため、酸性ガスと呼ば
れる。
圧縮天然ガス
物質の三態の1つであり、ガスは形や特定の
体積がないという特徴があり、容器全体に広
がる。
Audits 監査
Condensate コンデンセート
企業が法令や社内規定を遵守しているかの
評価を支援し、改善の機会を与えるために、
職員や第三者団体により実施される活動。現
場調査、経営者との面談、文書の審査を伴う
こともある。
主にペンタンと天然ガスから抽出される重い液
体から成る炭化水素の混合物。ガソリン、ジェ
ット燃料や他製品の生成に使用可能であり、ア
ルバータ州では主に希釈剤として使用される。
次のいずれか1つ以上を行う施設。湿性ガス
か坑井ガスから液化可能な炭化水素を除去
する。天然ガスから不要な気体と微粒子成分
を除去する。ガス流から水や湿気を除去す
る。
Conventional Gas 在来型ガス
Gas Reservoir ガス貯留層
Blowout Preventer (BOP) 防噴装置
オイルやガス産業で一般的に採用されている
再生技術を用いて生成される天然ガス。在来
型と非在来型ガスの差異が不明確になりつつ
ある。「非在来型ガス」も合わせて参照のこと。
天然ガスが蓄積する多孔性や透過性の岩石
層。
Deep Cut ディープカット
生産地から消費地に高圧で天然ガスを運ぶ
パイプライン。
坑井掘削中または仕上げや生産修復のため
の是正作業中に、圧力や流体を制御し、貯留
層からの制御不能な流体の浸入を防ぐために
坑口に設置する装置。
Broker 仲介業者
天然ガスの売り手と買い手を引き合わせ、交
渉の援助や輸送、配送関連の手配に従事す
る個人または独立した法人。通常、仲介業者
自身は売り買いは行わず、売り手や買い手の
代理を務める。
Burner-tip バーナーチップ
天然ガスや残留燃料油など、特定燃料の最
終用途消費点。
Burner-tip Price バーナーチップ価格
最終消費者が支払う天然ガス(あるいはその
他の燃料)の価格。天然ガスの場合、ガス価
格に加え、処理、採集、送出、配送費が含ま
れる。
Butane (C4H10) ブタン
家庭燃料や冷却剤、エアゾール噴射剤、合成
ゴムの製造で使用される天然ガス液。
Caprock キャップロック・帽岩
貯留の岩石を覆い、貯留層に天然ガスや原油
を密閉する頁岩などの不浸透性の岩石。ま
た、地熱貯留層を覆う不浸透性の岩石。シー
リングロックともいう。
Carbon Dioxide (CO2) 二酸化炭素
物質の腐敗や動植物の生体による呼吸、化
石燃料を含む有機物の燃焼から生成される
非毒性ガスであり、人間の活動により生成さ
れる温室効果ガスの最も一般的なものであ
る。
Carbon Monoxide (CO) 一酸化炭素
化石燃料の不完全燃焼により生成される無色
無臭の有毒ガス。
Coalbed Methane コールベッド・メタン
石炭の生成過程で生じ、炭層に貯留された天
然ガス。一般的に石炭系天然ガスと呼ばれ
る。
Commingled Gas 混合ガス
物理的に(契約上の)多様な資源から生ずる
天然ガスの均一混合物。
Completion 仕上げ
新たに掘削した生産井の準備。通常、
体積の約1%まで圧縮され、20,000~27,500
キロパスカルで保存されている気体状態の天
然ガス。
パイプラインの仕様に見合うように、ガス販売
の必要量を上回る天然ガスから天然ガス液を
回収する工程。
Deliverability 引き渡し可能量
井戸、土地、採集、伝送または配送システムが
任意期間内に供給可能な天然ガスの容量。
Directional Drilling 傾斜掘削
垂直以外の角度での裸孔の掘削。掘削装置を
ターゲットの真上に設置できない場合や、一箇
所で複数の穴を掘削する際に使用する方法。
Gas ガス
Gas Processing Plant
ガス処理プラント
Gas Transmission Systems
ガス伝送システム
Gathering System 採集システム
生産井から地上施設に天然ガスを輸送する
小径のプラスチックや鉄パイプのシステム(採
集ライン)。
Horizontal Drilling 水平掘削
坑井に対する層の露出を増やすように貯留
層を通じて水平に行う掘削。
Hydrocarbons 炭化水素
石油産業で精製、販売を行う部門。
炭素と水素のみで構成される液体、固体、気
体有機化合物の大分類。ほぼ全ての石油製
品のもととなる。
Dry Gas ドライガス
Hydrogen Sulphide (H2S) 硫化水素
Downstream 下流
液体炭化水素のない井戸の天然ガス、または
液体を除去処理したガス。パイプラインガス。
Energy Resources Conservation
Board (ERCB)
エネルギー資源保護委員会
アルバータ州政府の準司法的な独立機関。公
平で責任のある公益という立場で、アルバータ
州のエネルギー資源を確実に、発掘、開発、
輸送する使命がある。
Established Reserves 確定埋蔵量
一般に、確認埋蔵量に推定埋蔵量の半分を加
えたものと定義される。
Ethane (C2H6) エタン
石油産業の燃料や原料としてオイル回収の向
上にも使用される天然ガス液。
Flaring フレア
自然発生する、腐卵臭のする毒性の高いガ
ス。
Inert gases 不活性ガス
他の物質と反応できない、または反応性の低
いガス。
Injection (oil and gas)
注入(オイルとガス)
注入強化技術。生産性の向上のために油田
に水や他の物質を注入すること。または、貯
留層の圧力保持のために天然ガスを再注入
すること。
Inlet Separation 圧入口分離
天然ガス処理施設で行う第1段階の処理。管
に流入してきた原料のガス流を次の段階に送
る前に、ここで水や天然ガスなどの自由液体
を除去する。
技術や経済的理由から販売不可能な天然ガ
スを、管理体制のもとで焼却すること。大部分
を占めるのは溶解ガスフレアであり、原油やビ
チュメンの生産に随伴して生成された天然ガス
を焼却するもの。
Land 地権
Fracturing (またはfracking)
Landman ランドマン
破砕/フラクチャリング
探鉱チームの一員で、オイルやガスの賃貸契
約など、合意の確保や管理を含め、地主や共
同出資者と石油会社の関係の管理を主たる
業務とする者。調査や開発戦略の考案の支
援も担当する。地権業者・地権担当者ともい
う。
貯留層に働きかける技術。生産性が見込める
層に液体を高圧で注入し、フラクチャー(割れ
目)を形成または拡大して、貯留層からのオイ
ルやガスの流量率を高める。フラクチャーが
16
石油産業で「地権」とは特定地域のオイルや
ガスの権利をいう。例えば、「地権販売」はオ
イルやガスの権利が「売却」される(実際には
権利は賃貸されている)。
Lease Agreement リース契約
Plays プレイ
オイルあるいはガスの掘削および生産のため
に、地表面を利用する権利を、オイルまたは
ガス会社に付与する、交渉に基づく法律文
書。
石油・ガスのトラップを形成する可能性の高い
地質や、物理探鉱アノマリーで、対象層がある
条件を共有しているものをさす。プロスペクトや
リードをある共通する条件にしたがってグルー
プ化したものである。
が比較的高い原天然ガス。硫化水素の含有
率が1%を超える天然ガスは、すべて酸性ガ
スとされる。カナダの天然ガス生産の約30%
は酸性ガスであり、そのほとんどがアルバー
タ州とブリティッシュ・コロンビア州北東部で見
られる。
液化天然ガス
Probable Reserves 推定埋蔵量
Source Rock 根源岩
マイナス160°C以下で液体に保たれた過冷天
然ガス。体積は元の1/640になるため、パイプ
ラインが使用不可の場合でも容易に輸送でき
る。
地質情報を元に、合理的な確実性をもって存
在すると考えられる埋蔵量。
熱と圧力によって、炭化水素が生成される、
あるいは炭水化物が炭化水素になる岩。原
岩は黒色頁岩であることが多い。
Liquefied Natural Gas (LNG)
Manufactured Gas 製造ガス
石炭の分解蒸留、オイルの熱分解、加熱され
た石炭やコークス層を通る蒸気の反応により
得られるガス。例として、石炭ガスやコークス
炉ガス、発生炉ガス、高炉ガス、水性ガス、気
化水性ガス(合成ガスともいう)。
Methane (CH4) メタン
メタンは1個の炭素原子と4個の水素原子から
構成される、天然ガスの主成分である。メタン
は低温、低圧で気体状態を保持。有機物の腐
敗によっても生成される。
Midstream Sector 中間部門
エネルギー産業で主に処理と保管、輸送を行
う部門。
Mineral Rights 鉱業権
地下の資源を調査し生産する権利。石油産業
では、鉱業権を「地権」ともいう。
Propane (C3H8) プロパン
燃料として使用される天然ガス液(天然ガスが
供給されていない地域にある世帯の調理、輸
送、暖房に使用)。
Proppant プロパント
破砕(フラクチャリング)の最後の工程で、新た
に生じさせたフラクチャー(割れ目)が閉じない
ように、持続性を強化するため、裸孔に注入す
る砂やセラミック、樹脂ビーズ。
Sweet Gas スイートガス
メタンに加え、次の物質の一部または全部から
成る混合物。エタン、プロパン、ブタン、コンデ
ンセート、窒素、二酸化炭素、硫化水素、ヘリ
ウム、水素、水蒸気、少量の不純物。貯留層で
自然に発見される加工前のガス。
Recoverable Reserves
現在の技術で生産可能な炭化水素埋蔵量。現
状では生産が経済的でないものを含む。
Natural Gas Liquids (NGLs)
天然ガス液
天然ガスを生産する際に得る液体。エタンや
プロパン、ブタン、コンデンセートから成る。
Non-associated Gas 非随伴ガス
天然ガスのみを含む貯留層から生産される天
然ガスで、原油の生産には関連しない。
Operator オペレーター
調査や開発、生産活動を管理する企業。
Orphan Wells 孤立井戸
権利を所有するオペレーターが不在になった
か、追跡できない井戸地。
Pentane (C5H12) ペンタン
5個の炭素原子、12個の水素原子からなる炭
化水素化合物。
Petroleum 石油
主に気体または液体の炭化水素からなる自
然発生の混合物。
Sulphur Recovery 硫黄回収
Raw Natural Gas 原天然ガス
可採埋蔵量
主成分のメタンと少量のエタンやプロパン、ブ
タン、ペンタン(存在量順)から成る石油ガス。
窒素や二酸化炭素、硫化水素、水など非エネ
ルギー化合物と同様に重い炭化水素。
ガス輸送ライン上あるいはライン付近に位置
し、天然ガスから天然ガス液を除去し、輸送ラ
インに戻すガス処理プラント。
既存技術を用いて、既知の貯留層から高い確
実性で経済的に生産できる埋蔵量。
Proved Reserves 確認埋蔵量
連邦エネルギー委員会
Natural Gas 天然ガス
ストラッドル抽出プラント
酸性ガスを回収プラントで処理して硫黄を抽
出し、カナダ内外の肥料製造業者や他産業
向けに販売する。アルバータ州の硫黄回収プ
ラントにおける硫黄の平均回収率は、1980
年の97.5%から2000年の98.8%に向上し
た。
National Energy Board (NEB)
オイルと天然ガス、電気の輸出を認可するカ
ナダ連邦の監督官庁。州間および国家間の
パイプラインを認証し、州間あるいは国家間の
送電線を指定する。また、連邦レベルでの司
法管轄権のもと、オイルとガスパイプラインの
通行税や関税を設定する。
Straddle Extraction Plant
Renewable Energy
再生可能エネルギー
継続的に補充される自然発生のエネルギー資
源。風力、太陽光、水力による再生可能エネル
ギーなど。
Reserves 埋蔵量
現在の知識や技術、経済を用いて活用可能な
資源の回収可能分。
Reservoir (oil and gas)
硫化水素など硫黄化合物の濃度が比較的低
い原天然ガス。
Syngas 合成ガス
石炭や石油コークスなど固体炭化水素から
製造される燃料。製造工程では蒸気や空気、
量を制御した酸素を用いて固体を分解し、一
酸化炭素と水素から成るガスを得る。一酸化
炭素と水素の含有量は様々。
Tight Gas タイトガス
浸透性の低い砂岩に含まれる天然ガス。
Trunk lines 幹線
原油や天然ガス液、精製石油品を精油所や
石油化学プラントに輸送する大径パイプライ
ン。精製品を消費地まで輸送する幹線もあ
る。
Unconventional Natural Gas
非在来型天然ガス
原油や天然ガスが自然蓄積した多孔性、浸透
性の地下岩石層が不浸透性の岩石や水壁に
閉じ込められ、他の貯留層から分離しているも
の。
石炭や硬質砂岩からの天然ガスおよびシェー
ルガスの場合、非在来型貯留層あるいは特
殊生産法や技術を要する貯留層で発見され
た在来型ガス。ガス水和物の場合、在来型貯
留層で発生した非在来型構造の在来型メタ
ン。
Sales Gas 販売ガス
Upstream 上流
貯留層(オイルとガス)
天然ガス処理施設で処理され、販売に適した
天然ガス。最終的に市場へ輸送するためにパ
イプラインに送る前に行う処理の例としては、
注入口分離、ガス処理、脱水、天然ガス液回
収などがある。
石油資源を調査、開発、生産する企業(一
方、下流は産業を構成する各種製品などを精
製、販売する企業)。
Western Canadian Sedimentary
Basin (WCSB)
Shale Gas シェールガス
西カナダ堆積盆地
頁岩層に溜まった天然ガス。頁岩は微粒子の
堆積岩で、豊富な石油や天然ガスの資源とな
り得る。
カナダ最大規模の堆積岩地帯。アルバータ州
全域とマニトバ州、サスカチュワン州、ブリティ
ッシュ・コロンビア州、ユーコン州の一部に広
がる現在では最大のオイルとガス生産源。
Solution Gas 溶解ガス
地下貯留層の原油に溶解している天然ガス。
原油が地表に出る際、ガスは膨張し原油から
遊離する。
Sour Gas 酸性ガス
硫化水素など、含有される硫化化合物の濃度
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Wet Gas ウェットガス
天然ガス液の濃度が比較的高い原天然ガ
ス。(エタンやプロパン、ブタン、コンデンセー
ト)
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