自動 車技術「学会」へ の道 Yoichi Hori 洋 一 松社)自 動車技術会 技術担当理事 自動車技術会は「学会」である。 しか し,現 場 の技術 者 を大切 に してお り,会 員は大学人が主体 とい う他 の学 会 とは一 味違 う とい う自負か らか,学 会 と名乗 っていな い.自 動車工業会 と間違える人 もい る。小生は,技 術会 議 の副議長→議長→ 副議長 と 2年 ずつ の任期 を務め,い ま 3期 目に入って い る。それで また,そ しておそ らく最 後 の巻頭言 を書かせて もらえる ことになった。深謝 しつ つ 私見 を記 してみたい。 い きな り技術会議副議長 とい う大役 を仰せ つ かったの は,広 義 の電気 自動車 を扱 う技術部門委員会 を 4∼ 5個 立ち上げなさい とい うH音 黙 の任務があ り,幸 い多 くの温 か いご支援 のおか げで実現す ることがで きた。現在 の議 長は慶應義塾大学の飯 田訓正先生で,電 気ブームは落ち 着 いてディーゼル など内燃機関の技術が大 きく進歩 して い る昨今 を反映 して い る.こ れに限 らず, 自動車技術会 は,5万 人近 い会員数 を有する大 きな学会 としては,異 例 といって もよい ほ どフ ッ トヮー クが 軽 い.技 術会議 傘下 にある 40あ ま りの技術部 門委員会 の設置や解散が 真摯な議論 に基 づ きなが らもかな り頻繁に行われて い る こと もそ の証左 で ある.こ の健全 さを失わない限 り, 自 動車技術会は栄え続 けるで あろう。 2011年 に春季大 会に併設す る形で,小 さい なが らも EVTeCと い う電気 自動車 の国際 WSを 開始 し,2014年 には 2回 目を開催 した。 い ま(2015年 5月 現在 )2016年 に開催す る 3回 目の企 画が佳境 であ る.順 調 にい くと 第 4回 目を開催す る 2018年 は,EVS31と い う電気 自動 車 の大 きな会議 をアジア (し か も日本)で 開催す る年 に 重 なってお り,受 諾 を検討 中 であ る.EVSは 過去 には 自動車会社 の多大 なるサポ ー トを受 けて JEVA,」 ARI な どが主催 して きた。EVS13は 1996年 に大阪で,次 の EVS22は 2006年 にパ シフィコ横浜で盛大 に開催 され小 生はプ ログラム委員長 を務めた.も う電気駆動 のクルマ は特 別 な もので はな くな ってい る。 わが 」SAEは 日本 を代表す る 自動車学会 としての 自覚 をもち,オ リジナ リ ティを出 しなが ら積極的に関わ ってい く時期 に来 ている よ うに思われる(注 ). 自動車技術会は,春 季大会 ,秋 季大会,人 とクルマの テクノロ ジー展 はもとよ り,極 めて多 くの講習会, シン , , II ポジウム, フォーラム な どを盛 況裏に開催 して きてい る そ の 内容 は,質 ,量 ともに超一流 であ り,深 い デ イス カッシ ョンも行われて い る。 しか し,こ れ らのアクテ イ ビテ イに比 較す ると,論 文集が 目立たないことが大問題 である.発 行部数が極端 に少ない。 いったい どれほどの 会員が 自動車技術会論文集 を ご覧 になったことがあるだ ろ うか ? 大学や企業 の若 い研究者が春季大会などで質 の高 い論 文を発表 して も, 自前 の論文集が こ うい う状態 では,価 値あ る学術論文 として定着 させ るのは機械学会や電気学 会な どよその学会にな って しまう。 これは宝物 を ドブに 捨てて い るような ものである.自 動車技術会が他学会か ら学術的に は一段低 く見 られてい る最大の原 因が ここに ある。応用研究が学術的でない などとい うことは断 じて ない.会 員諸賢 は悔 しい とは思い ませんか。会員資格 を 持 った人な ら誰で もアクセスで きる電子 ジャー ナ ルで十 分である.よ その学会が嫌がる ことは 日に見 えてい るけ れ ども,発 行部数 を増や しデ リバ リを改善す る ことに よってこの分野 の最強学会 になれることも明白である これは現在の 自動車技術会 の特長 を捨てるものではな い。普通の学会が もって いる機能,す なわち,質 の高 い ジャー ナ ル論文 を集めた権威あ る論文集 の発行機能を拡 充 しようとい う提案 である。ただ多 くの会員 は,そ の必 要 はない と思っているよ うで,ほ とんどすべ ての項 目で 最高点 をつ け られる優秀 な事務局 もこの点に関 してはあ ま り危機感がない よ うに見える.必 要な ことだけをして い れば十分 とい うことは なかろ う.自 動車技術「学会」 へ の機運が高 まる ことを切 に願ってい る . . . (注 )2015年 7月 ,」 AMAの 決 定 を 受 け て,JARIは EVS31の 日本 開催 を受諾 した.」 SAEも 企画運 営 に協 力 す る こ とになった . 1978年 東京大学工学部 電気工学科卒業 ,1983年 博士課程修 了 助手′請 師′助教授 を経 て,2000年 2月 電気工学科教授 2002年 10月 東京大学 生産技術研究所教授 2008年 4月 東京大学大学院新領域創成科学研究科先 端 エネルギーエ 学専攻教授 電気学会産業応用部門元部門長, 日本能率協会 モータ技術 シ ンポ ジウム委員長′キャパ シタ フォーラム会長, 日本 自動車研 究所理事な どをつ とめる EttE Fe ow′ 電気学会 フェロー 専 門 は制御工学′ パ ワーエ レク トロニクス′モータ &モ ーシ ョンコン トロール
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