レジュメを開く(別ウィンドウで開きます)

第 4 回目
民法予習編
レジュメ
・民法 95 条「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。」
「錯誤」とは? ⇒ 間違えること
① 表示上の錯誤
② 内容の錯誤
① 表示上の錯誤
ex.書き間違えた場合
② 内容の錯誤
ex.レタスと間違えてキャベツを購入
「要素の錯誤」とは?
① 表意者(=錯誤のある意思表示をした本人)
② 一般人
ともに、そのような錯誤がなければ、そのような意思表示を
しなかったと認められること
・民法 95 条但書「ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主
張することができない。
」
⇒表意者に重大な過失がある場合は、無効主張が制限される
・動機の錯誤
A
B
「土地が将来値上がりする」という売買行為に及んだ理由に錯誤がある
⇒「動機の錯誤」
⇓
「動機の錯誤」は 95 条の錯誤にあたるのか?
・民法 95 条の「錯誤」とはなにか?
⇒表示内容に対応する効果意思のないこと
⇓
⇓
土地を買いますという表示
土地を買う意思
⇒Aは表示内容に対応する効果意思はある
⇒Aは錯誤無効の主張ができない
⇒ただ、判例は一定の場合には、動機の錯誤の場合についても、錯誤無効
の主張を認めている
「動機の錯誤」についての無効主張
① 動機が表示されること
② 動機が意思表示の内容となること
③ 「要素の錯誤であること」
「重過失のないこと」
「将来値上がりするから、この土地を買う」っていう動機について、
① 表示されていること + ② 意思表示の内容となっていること
・民法 96 条 1 項「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。」
・詐欺強迫
A
B
AがBに「この土地の近くに将来、新しい駅ができる。この土地買いませんか?」
① 欺罔行為によって
② 相手方を錯誤に陥らせ
③ 瑕疵のある意思表示をさせること
A
B
欺罔行為
甲
・民法 96 条 2 項「相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、
相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すこと
ができる。
」
⇒相手方Aに対する意思表示について第三者甲が詐欺を行った場合にお
いては、相手方Aがその事実を知っていたときに限り、その意思表示
を取り消すことができる
⇒Aが詐欺の事実を知っていた場合に限って、BのAに対する詐欺取消
の主張が認められる
A
B
C
Bの持っている土地をAが欺罔行為により安く買う
⇒Cに転売
・民法 96 条 3 項「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗
することができない。
」
⇒Cは第三者にあたる
⇒CがAB間の詐欺の事情について善意ならば、BはCから土地を取り
戻すことができない
・強迫取消
① 害悪を告知することによって
② 相手方を畏怖させ
③ 瑕疵のある意思表示をさせること
・民法 96 条 2 項 ⇒ 第三者の詐欺についての条文
3 項 ⇒ 詐欺取消を第三者に対抗できるか?についての条文
⇒強迫については規定されていない
⇒第三者による強迫に場合でも、取消の主張は認められる
第三者の善意悪意関係なく、第三者に対して取消の主張が認められる
(レジュメここまで)