新 製 品 準ミリ波帯MMIC FMM5815X,FMM5116X/FMM5117X FMM5703VZ(開発中)/FMM5804VY(開発中) 3次高調波歪み−40dBcを実現した低歪み高出力電力増幅用 MMICと,FWAや衛星通信などのアプリケーションに最適なアップコ ンバータ/ダウンコンバータを製品化し,MMICの実装を簡略化でき る表面実装用パッケージデバイスを開発中です。 概 要 最近のブロードバンドインターネットの普及に伴い,中小企業や個 人レベルでも大容量で低価格な情報の交換が身近になりつつあり ます。準ミリ波帯を使用した無線アクセスシステムは,このサービス の1つとして注目されています。当社では,準ミリ波帯RF送受信 部のキーデバイスとして,電力増幅用MMICチップと低雑音用 MMICチップを製品化してきましたが,今回新たなラインアップとし て,低歪み電力増幅用MMICとアップコンバータ/ダウンコンバータ を製品化しました。また,MMICの実装を簡略化する目的で,表 写真1 FMM5815Xチップ 面実装用パッケージデバイスも開発中です。 特 長 低歪み高出力電力増幅用MMIC(FMM5815X) 17.5 GHz∼20.5GHzにおいて,3次高調波歪み−40dBc (標準) (Pout=20dBm s.c.l.出力時)を実現しました。当社従来製品 (FMM5805X)に対して10dBの改善を行い,P−P通信を最適化 しています。 アップコンバータ (FMM5116X)/ダウンコンバータ (FMM5117X) アップコンバータ/ダウンコンバータともに,RF周波数20GHz∼ 32GHzの広帯域で動作するよう設計しており,FWAや衛星通信 写真2 FMM5116Xチップ などのアプリケーションに最適です。また,MMICチップ内にローカ ル2逓倍器とLO増幅器を内蔵しています。変換利得はアップコン バータが−8dB,ダウンコンバータが−10dBです。 表面実装用パッケ−ジMMICデバイス (FMM5804VY/FMM5703VZ) 電力増幅用MMICであるFMM5804Xと低雑音用MMICである FMM5703Xを,新しく開発した低損失BGA(Ball Grid Array) タイプの表面実装パッケージに搭載しました。従来のチップよりハン ドリングが容易で,リフローによる実装も可能です。 写真3 FMM5804VY外観(開発中) 46 FIND Vol.20 No.4 2002 FMM5815X,FMM5116X/FMM5117X,FMM5703VZ(開発中)/FMM5804VY(開発中) 特 性 低歪み電力増幅用MMIC 表2 主要特性(FMM5116X,FMM5117X) 表1にFMM5815Xの主要特性を,図1にIM3とIM5の出力電 FMM5116X 型 格 FMM5117X 力依存特性を示します。これらによると,Pin=20dBm s.c.l.におい 使用可能RF周波数 fRF(GHz) 20∼32 20∼32 て−40dBcのIM3が得られていることが分かります。 使用可能LO周波数 fLO(GHz) 9.5∼16.5 9.5∼16.5 アップコンバータ/ダウンコンバータ 使用可能IF周波数 fIF(GHz) 0.1∼3 0.1∼3 表2にアップコンバータ/ダウンコンバータの主要特性を,図2・ 動作電圧 VDD(V) 5 5 図3にアップコンバータ/ダウンコンバータの変換利得特性を示しま 変換利得 G(dB) −8 −10 す。これらによると,RF周波数20GHz∼32GHzの広帯域におい て−8dB∼−10dBの変換利得が得られていることが分かります。 表面実装用パッケージMMICデバイス 表3にFMM5804VYの主要特性を,表4にFMM5703VZの 図2 変換利得特性(FMM5116X) 主要特性を示します。また,図4にFMM5804VYのP1dBとG1dBの 周波数依存性を示します。これらによると,17.5GHz∼31.5GHzに @VDD=5 V,PLO=3 dBm,PIF=0 dBm,fIF=1.0 GHz おいて,P1dBは22dB∼25dB,G1dBは14dB∼18dBが得られている 0 図5にFMM5703VZのNF,Gasの周波数依存性を示します。 32GHzで17dBのGas,2.5dBのNFが得られていることが分かりま す。 ■ 表1 主要特性(FMM5815X) 型 格 Conversion Gain [dB] ことが分かります。 FMM5815X 周波数 (GHz) f 17.5∼20.5 動作電圧 VDD(V) 6 1dB利得圧縮時出力電力 P1dB(dBm) 31 1dB利得圧縮時利得 G1dB(dB) 21 1dB利得圧縮時電力付加効率 ηadd(%) 30 3次高調波歪 (Pout=20dBm s.c.l) IM3(dBc) RF Frequency [GHz] LSB @VDD=5 V,PLO=3 dBm,PRF=0 dBm,fIF=1 GHz IM3 17.5 GHz 18.0 GHz −45 19.0 GHz −50 20.0 GHz Conversion Gain [dB] IMD(dBc) −35 −5 −10 −15 −20 −25 −30 IM5 −65 16 18 20 22 24 26 Total Output Power(dBm) Vol.20 No.4 2002 USB 0 −55 FIND −25 図3 変換利得特性(FMM5117X) −30 −70 16 −20 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 −25 −60 −15 −30 VDD=6 V,IDD=600 mA del. F=10MHz −40 −10 −40 図1 出力電力依存特性(FMM5815X) −20 −5 28 30 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 2 x Lo Frequency [GHz] LSB USB 47 FMM5815X,FMM5116X/FMM5117X,FMM5703VZ(開発中)/FMM5804VY(開発中) 表3 主要特性(FMM5804VY) 型 格 表4 主要特性(FMM5703VZ) FMM5804VY 17.5∼30.0 周波数 (GHz) f 動作電圧 VDD(V) 1dB利得圧縮時出力電力 P1dB(dBm) 型 格 周波数 動作電圧 VDD(V) 3 6 雑音指数 NF(dB) 2.5 付随利得利得 Gas(dB) 17 24.5 22.5 1dB利得圧縮時利得 G1dB(dB) 17 ηadd(%) 10 図4 周波数依存特性(FMM5804VY) 図5 周波数依存特性(FMM5703VZ) VDD=6 V,IDD=250 mA P1dB 20 18 10 16 20 22 24 26 28 Frequency [GHz] 10 20 8 15 6 10 4 5 2 0 15 G1dB 18 25 Noise Figure [dB] 25 22 G1dB [dB] P1dB [dBm] 30 12 30 32 10 34 0 20 22 24 26 28 30 Frequency [GHz] 32 34 Gas [dB] VDD=3 V,IDD=20 mA 35 30 14 32 30.0∼31.5 1dB利得圧縮時電力付加効率 26 FMM5703VZ (GHz) f −5 36 お問い合わせ先【技術】:富士通カンタムデバイス㈱ 営業企画部 TEL(0426)43-5884 48 FAX(0426)43-5882 【営業】:最寄りの富士通カンタムデバイス㈱ 販売部(裏表紙をご参照ください) FIND Vol.20 No.4 2002
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