知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会

い~な
診療所
あまみ
中
中 央
事務局
研究所
しらさぎ
つなぐの
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 2484 号 2015.6.5 発行
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介護需要、今後10年間で東京圏45%増予測
編集委員・浅井文和
朝日新聞 2015 年 6 月 4 日
有識者らでつくる民間機関「日本創成会議」
(座長・増田寛也元総務相)が4日、医療と介
護の将来推計をもとに高齢化問題への提言を発
表した。今後10年間で「東京圏」では、介護
需要が45%増え、施設不足、人材不足が深刻
になると予測。東京圏に住む高齢者の地方移住
を提言し、医療・介護に余力のある地方地域4
1カ所を発表した。
増田氏は「東京圏の人材不足で地方から若い
人が集まると地方消滅を加速させる。高齢者が
元気なうちから地方移住を選択できるようにし
てほしい」と話す。
介護や医療の需要は75歳以上の高齢者の増
加に伴って増える。厚生労働省の統計をもとに
将来人口で推計すると、2025年までの10
年間で介護サービス利用者が東京・埼玉・千葉・
神奈川1都3県の東京圏で45%、近畿36%、北海道32%などと増加する。東京圏で
は「介護施設への入所枠を奪い合うような深刻な事態が生じかねない」という。
医療需要を入院患者数で推計すると、25年までに東京圏で22%、近畿16%、北海
道16%などの増加になった。東京圏では救急患者の受け入れが悪化する可能性が高いと
いう。
東京圏の高齢化対策としては、①人手不足に対して外国人介護人材の受け入れや情報技
術、ロボットの活用②高齢者の集住化や団地再生、空き家の活用③1都3県の連携と広域
対応④首都圏から医療・介護に余力のある地方への高齢者移住の支援などを提言した。
高齢者、41地域に移住を
創成会議
医療・介護で東京圏は限界
日本創成会議
産経新聞 2015 年 6 月 4 日
有識者らで構成する「日本創成会議」(座長=増田寛也元総務相)は4日、東京圏の75
歳以上の高齢者が今後10年間で急増し、深刻な医療・介護サービス不足に陥るとして高
齢者の地方移住を促すよう政府や自治体に求める提言を発表した。移住先として施設や人
材に余裕がある北海道函館市や北九州市、大分県別府市など26道府県の41地域を挙げ
た。
提言は、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口データを利用し作成。東京圏(埼
玉、千葉、東京、神奈川の4都県)では、今後10年間で75歳以上の後期高齢者が平成
27年の397万人から175万人増の572万人となり、増加数は全国の3分の1を占
めるとした。
記者会見で東京圏の後期高齢者の受け入れ能力などについて説明す
る日本創成会議の増田寛也座長=4日午後、東京都千代田区
急速な高齢化を受けて37年には東京圏で医療・介護需
要が急増。埼玉、千葉、神奈川県では全国平均の32%を
大きく上回る50%前後の水準で伸びると予想した。東京
圏内では土地の確保などが難しく、医療・介護施設の充足
には限界があると指摘。医療・介護などに携わる人材も3
7年までに80万~90万人の増員が必要となると試算し
た。ただ、東京圏で充実を目指せば費用も膨らむ上、地方
の人口流出に拍車がかかるとみて、施設や人材に余裕があ
り、サービス費用も安い地方に移住を促すための環境整備
を進めるよう求めた。
このほかの対策として(1)介護人材として外国人の受け入れやロボットなどの活用(2)
大規模団地の再生などによる高齢者の集住化(3)4都県の連携や広域対応(4)退職し
た高齢者の地方移住の受け皿となる日本版CCRC構想の推進-などを挙げた。
増田氏は同日の記者会見で「東京一極集中のリスクは地震といわれていたが、高齢化問
題も脅威だ。4都県と地方圏の連携した取り組みが重要だ」と訴えた。
社説:東京圏の介護 危機を直視し対応急げ
毎日新聞 2015 年 06 月 05 日
危機が迫っていると受け止めるべきだろう。東京都と神奈川、千葉、埼玉3県の「東京
圏」の医療・介護に関する政策提言を、民間機関「日本創成会議」の分科会(増田寛也座
長)が公表した。
急速に高齢化が進む東京都や近隣3県は今後10年で介護ベッドなど施設が不足し、2
040年には圏内の多くの地域で施設の受け入れ態勢が崩壊しかねないと警告した。介護
の崩壊を政府は全力をあげて食い止めるべきだ。
日本創成会議は昨年、地方の人口減少を警告する「消滅自治体リスト」を公表した。今
回は、いわゆる団塊の世代が75歳以上になる25年以降を想定し、超高齢化に対応する
能力を地域別に点検した。
改めて裏付けられたのが東京圏の状況の深刻さだ。東京都と近隣3県で25年までに7
5歳以上の後期高齢者は175万人増える。とりわけ3県の介護需要は今後10年で5割
程度増え、介護ベッドなどの余力は一気に減少する。
現在でも東京23区では多くのお年寄りが周辺の地域に移住することで、介護需要をし
のいでいると提言は指摘している。このままだと東京圏全体で介護や医療施設が飽和状態
となり、多くのお年寄りが介護難民となりかねない。40年時点を推計した地域別リスト
では東京圏の多くの地域で介護需要と施設の受け入れ能力に深刻なギャップが生じている。
提言が、東京圏で介護や医療に最大約90万人の新たな労働力確保を迫られるとした点
も重要だ。人材の多くを地方からまかなうことになれば、政府が是正に取り組むはずの東
京一極集中が逆に加速してしまう。
在宅介護を拡充し、住み慣れた地域で老後を過ごせるよう医療・介護を進める原則は大
切だ。ただ、東京圏の場合、単身世帯の多さやコストの高さなど特殊な要因を抱えている。
都県を超えた広域対策や、大規模団地の再生など多角的な取り組みを提言が促しているこ
とは理解できる。外国人労働者も含め、人材確保策の検討を急ぐべきだ。
解決策として提言は地方移住にも力点を置いている。高齢者医療や介護施設に余力があ
ると試算した41の地域を例示し、東京圏から移住する場合の「候補」として挙げた。
中高年が元気なうちに移住を進めることは一案だろう。政府は高齢者が移住する拠点構
想を検討している。就労年齢の高齢化に対応した雇用確保や、地域医療機関の維持など、
綿密な環境整備が欠かせない。
提言が危機到来を警告した25年は、東京五輪から5年後にあたる。政府は東京圏の抱
える課題により神経を注ぎ、備えを急ぐべきだ。
障害者施設で虐待疑い、下関市が立ち入り調査
産経新聞 2015 年 6 月 4 日
山口県下関市は4日、市内の障害者施設「大藤園」で、通所する知的障害者の頭をたた
く虐待があった疑いがあるとして施設を立ち入り調査した。施設は今後、頭をたたいたと
みられる男性職員1人を懲戒解雇とし、弁護士を含む第三者委員会を設置する方針。
施設によると、この男性職員は昨年までに20代男性の頭を複数回たたいた疑いがある。
男性には重度の知的障害があり、被害を訴えることが難しかったとみられる。
男性職員が男性の頭をたたく様子を内部関係者が撮影し、報道機関に提供。5月に報道
機関から映像を見せられた男性職員が行為を認めたという。
市は昨年5月、
「虐待がある」との匿名の通報を受けて施設を立ち入り調査したが、虐待
を確認できなかった。
公共交通運賃
精神障害者割引進まず 九州
バス、鉄道 4割未導入
西日本新聞 2015 年 06 月 04 日
路線バスや鉄道など身近な公共交通機関
の精神障害者を対象にした割引導入が進ん
でいない。身体・知的障害者は原則、運賃
の半額が割り引かれるのに対し、九州の路
線バス会社の44・1%、鉄道会社の37・
5%が精神障害者に同様の割引を導入して
いない。精神障害者関係団体は「障害の種
別で格差があるのはおかしい。身体・知的
障害者と同等の割引を適用してほしい」と
訴え続けている。
福岡市南区の統合失調症の女性(49)
は「精神障害者保健福祉手帳」(2級)を持
っている。夫も精神障害があり、生活保護
に頼って収入は月約20万円。通院や地域
の精神障害者支援センターに通うのに西日本鉄道(福岡市)の電車やバスを利用すること
もあるが、節約のため、体調が許す限りは歩くという。「身体・知的障害者と同じ割引があ
れば、もっと積極的に外出できるのに」と嘆く。
精神障害のある人が、福祉サービスを受けるための精神障害者保健福祉手帳は1995
年、身体・知的障害者の手帳より20年以上遅れて制度が創設された。さらに、2006
年10月まで、精神障害者保健福祉手帳には顔写真が貼付されておらず、本人確認ができ
ないとして、交通機関の割引導入の壁になっていた。このため、精神障害者割引の導入が
遅れたという。
国土交通省は12年8月、バス事業者がモデルにする「標準運送約款」に精神障害者へ
の運賃割引を明記し、全国の事業者に通知した。それでも、割引を導入している事業者は
全国でバス2120社のうち716社(33・8%)、鉄道では177社のうち66社(3
7・3%)と、なかなか広がらない。
九州運輸局によると、九州で割引を導入しているのは今年4月1日現在、路線バスで5
9社中33社、鉄道で16社中10社=表参照。
路線バスでは長崎(14社)
、熊本(6社)、宮崎(1社)の3県は全社が導入済み。佐
賀県(4社)は3社が導入、鹿児島県(12社)も鹿児島交通(鹿児島市)が4月から割
引を始めるなど8社に広がった。これに対し、大分県(9社)はゼロ、福岡県(13社)
も1社止まりと、地域間の差が大きい。
北九州市営バスや沖永良部バス企業団(鹿児島県知名町)のように、自治体の施策で実
質的な割引を実現している例もあるが、割引導入は各事業者の判断に委ねられているのが
現状だ。
バス、鉄道とも割引がない西鉄は「収支状況が厳しい中、割引を拡大するとさらに厳し
くなる。行政などの補助金がない限り、難しい」。大分交通(大分市)は「JR九州や西鉄
など大手が導入していないので見送っている」という。
一方、今春割引を開始した鹿児島交通は「九州運輸局や当事者団体の要請を受け、導入
した。現段階で収益への大きな影響はない」と説明している。
精神障害者の家族でつくる全国精神保健福祉会連合会(東京)が14年11月~15年
2月まで、会員の生活実態を調べたところ、精神障害者の月平均収入額は約6万円。通院・
通所のため、交通機関を利用する頻度は月10回以下が約半数、交通費は月3千円以下が
約4割を占めた。同会は「通院や就労支援施設などへの通所を考えると利用頻度はもっと
高くてもいいはずで、利用を控えているのではないか」とみている。
福岡県精神障害者福祉会連合会長の一木猛さん(71)は「通所にバスを使わず、自転
車や徒歩で通い、猛暑や厳寒で体調を崩す人もいるし、買い物や映画などの外出を我慢し
ている人も多い。一刻も早く全ての交通機関で割引を実現し、障害間、地域間の差をなく
してほしい」と訴えた。
ひきこもり対策で企業に税優遇 京都府、全国初の条例案
京都新聞 2015 年 6 月4日
京都府は、18日開会の府議会に提案する「若者就職支援条例案」をまとめた。若者に
多いひきこもりやニートの就労支援に力を入れるのが特徴で、関連する活動に取り組むN
POや企業には府税を優遇する。府によると、若者の就労支援に特化した条例は全国初め
てという。
条例案では、ひきこもりやニートについて、社会復帰の手助けやビジネスマナーの訓練
などの就労支援を行うNPOや一般社団法人、就労体験を受け入れる企業を「就職支援団
体」として知事が認定する。
認定支援団体になれば、事業のための土地建物の購入に伴う不動産取得税を1回に限り
2分の1に軽減する。企業向けには、認定支援団体を通じて正規雇用した事業主を認証す
る制度を新たに設け、府の物品購入時に優先調達する。
若者の雇用に関して「正規雇用による安定した雇用の確保・職場定着」を企業の努力義
務とする。府も、非正規雇用ではない「短時間正社員」「地域限定正社員」という働き方の
導入を呼びかける。
府は条例が成立すれば、7月にも審議会を新設し、府としての具体策を示す実施方針を
定める。
2010年の内閣府調査によると、15歳以上39歳以下のひきこもりは全国に約70
万人、府内には約1万4千人いると推定している。
府は若者の就労支援として、07年に国と府が同じ場所で就労支援にあたる「京都ジョ
ブパーク」
(京都市南区)を設置した。就職内定者数は年々増えているが、ひきこもりやニ
ートは少ないという。
府労働・雇用政策課は「少子化で労働力が大幅に減る中、中小企業などに若者を雇用す
るニーズは確実にある。ひきこもりのほか、発達障害や精神的不調を抱える人の中にも働
く意欲や能力が高い人がいるため、支援を考えたい」としている。
「特殊音節」に焦点 栃木県内初、鹿沼で専用教材本格導入 産経新聞 2015 年 6 月 5 日
発達障害の可能性がある子供たちの学習を支援するため、鹿沼市は、文章を読む際にこ
うした子供たちがつまずく可能性がある「特殊音節」に焦点を当て、文字や語句を滑らか
に読めるようにすることを目的とした教材を市内の小学校全校に本格導入した。市内全校
への導入は県内初の取り組み。
特殊音節は、
「きって(切手)
」などの詰まる音、
「おばあさん」などの伸びる音、「しゃ」
「しゅ」
「しょ」などのねじれる音、
「きゅうきゅうしゃ(救急車)」などのねじれと伸びが
混在した音。
「ねこ(猫)
」と「ねっこ(根っこ)」の違いなど、こうした語の読みでつまず
くと、その後の学習や日常生活にまで支障をきたす恐れがあるという。
同市は平成26年度、こうした特殊音節を含む語を絵や動作などを使って分かりやすく
理解させ、流暢(りゅうちょう)な読み方に改善させることを目的とした教材「マルチレ
イヤー・インストラクション・モデル(MIM、ミム)」を、市内の小学校で試験的に導入。
今年度は、小学1年生が在籍している25校を対象に、MIMを1年生の国語科の指導計
画に正式に位置づけるなど、本格的な活用をスタートさせた。
月に1回、MIMに関するテストを実施して児童の理解度を測り、テスト結果を市教委
が管理。教材を開発した国立特別支援教育総合研究所の海津亜希子・主任研究員にもテス
トで得られたデータの分析を依頼し、学校現場と連携しながら指導に取り組む。
2学期以降には一部の小学校でタブレット端末を使ったMIMの試験的な活用も予定し
ており、市教委学校教育課は「教材を効果的に活用し、学力向上に努めたい」としている。
障害児受け入れ加配補助制度 私立幼稚園適用 10 市のみ 下野新聞 2015 年 6 月 4 日
障害児の受け入れに必要な保育士を増員する際の人件費に充ててもらうため、私立保育
園(認可保育所)に対して独自の補助制度を設けている県内市町は 18 市町、私立幼稚園向
けに制度があるのは 10 市町にとどまることが、3 日までの県内 25 市町への取材で分かっ
た。乳幼児期の適切な支援が、特に発達障害児のその後の成長に大きく役立つと言われる。
担い手としての役割を期待される保育園や幼稚園に対する財政支援に、市町間で開きがあ
る状況が浮き彫りになった。
保育園や幼稚園で身体障害児や発達障害児などを預かる場合、障害の度合いによっては、
非常勤も含めスタッフを増やす「加配」が必要となる。
県内で私立の保育園向けと幼稚園向けの両方とも制度があるのは宇都宮、足利、鹿沼、
日光、矢板、那須塩原、さくら、下野の8市。ほかは保育園、幼稚園のいずれか一方向け
の制度を持つ市町が多いが、どちら向けの制度もない市町もある。
保育園に対する補助は市町村ごとの判断で行われている。加配1人当たり月額 16 万円前
後のケースが多く、年額換算だと200万円弱となる。
幼稚園は、私学助成を目的とする国と県の補助制度を活用し加配の人件費に充てている。
市町村によっては、これらを補充する形で独自の制度を設け、加配1人に対し年間 40 万円
弱を支給する市町が多い。
子どもの預かり人数や障害の程度によっても支給額は異なるため比較は難しいが、財政
規模の大きな自治体ほど内容が充実している傾向がうかがえる。
「仏軍兵士が児童を性的虐待」 国連の対応を調査へ
朝日新聞 2015 年 6 月 4 日
内戦下の中央アフリカで仏軍兵士らが現地の子どもに性的虐待をした疑いが指摘されて
おり、国連は3日、問題を把握した後の国連側の対応が適切だったかを調べる調査を始め
ると発表した。虐待疑惑では既に仏当局が調査しているが、国連機関が放置していたとの
批判も出ており、対応が注目されていた。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は3日の声明で、外国部隊の兵士による性的虐待
があったとの指摘と、国連機関の対処方法についての指摘に「深く困惑している」との立
場を表明。子どもを守るべき立場にある兵士による虐待問題への対応を怠ることはできな
いとして、外部による独立調査の方針を示した。
この問題では、市民保護のために中央アフリカに駐留していた複数の仏軍兵士らが20
13年から14年にかけて、食料提供の見返りなどとして性的虐待を繰り返していたとの
指摘が出ており、仏当局が調査を開始。被害者には孤児も含まれ、10歳に満たない子も
いるとの報道もある。
一方で、AP通信によると、現地の国連機関は昨年5月以降に複数の少年から証言を得
たが、半年以上も徹底的な調査を実施していなかったという。米ニューヨークの国連本部
で平和維持活動(PKO)部門トップを務めるラズースPKO局長は「私は今春になって
この問題を把握した」と記者会見で説明している。
(金成隆一)
児童虐待防止へ 児相と警察の連携を NPOが要望書
東京新聞 2015 年 6 月 5 日
都内で子どもが虐待を受けて死に至る事件が相次いでいるとして、NPO法人「シンク
キッズ-子ども虐待・性犯罪をなくす会」(港区)などは四日、児童相談所と警察の情報共
有と連携を求める緊急要望書を、都と警視庁に提出した。
要望書では、再発防止のため、児童相談所と警察は把握したすべての虐待事案を通報し
合うことを求めた。警察は、虐待家庭を担当警察署などで登録し、一一〇番通報で現場に
行く警察官が適切な対応をとれるよう要望。児童相談所は、担当家庭が多すぎて頻繁に訪
問できず、暴力的な親には対応しにくいことから、警察と連携して家庭訪問することも要
請した。
都内では、昨年一月や今春、虐待とみられる幼児の死亡が発生したり、発覚したりした。
児童相談所は虐待を把握していたが、警察に連絡しなかったため、一一〇番通報で駆けつ
けた警察官が適切な対応をとれなかったケースもあった。
「子供たちの健全育成に協力」
検事総長、高松の児童相談所視察
産経新聞 2015 年 6 月 5 日
高松高検が児童相談所との連携強化に取り組んでいることを受け、最高検の大野恒太郎
検事総長が4日、高松市の児童相談所「子ども女性相談センター」を視察。同センターの
職員らから業務内容などの説明を受けた。
同高検は深刻化する児童虐待の防止に向け、これまで情報交換の少なかった児相や自治
体、学校などと連携し、虐待の背景や、親の立ち直りの可能性などについて意見交換する
などの取り組みを進めている。
この日、大野総長は虐待を受けた可能性のある子供を一時保護する施設などを見学した
後、同センターの岡悦子所長と意見交換した。
岡所長は「保護者への処分について、センター側の意見が反映されるようになった」と
現状を説明した。大野総長は「検察も子供たちの健全育成のために協力したい。要望があ
れば言ってほしい」と話し、
「香川県の先進的な事例を参考に、最高検でも全国的にどう取
り組んでいくか検討していきたい」と述べた。
同センターによると昨年の虐待事案の対応件数は727件で過去最多だったという。
<認知症男性>警官が公園に放置…東京
毎日新聞 2015 年 6 月 4 日
警視庁滝野川署の警察官が、東京都北区内で保護した70代の男性を、認知症と気づか
ずに公園に一時放置していたことが、警視庁への取材で分かった。
同庁によると、5月29日朝、路上で転倒し病院に搬送された男性を警察官が保護。男
性が住所地を言ったため、警察官はそこへ連れて行ったが、自宅ではなかった。板橋区内
の公園付近を通った際、男性が「この近くにある老人ホームを知っている」と話したため、
警察官は男性を公園の前でパトカーから降ろし、そのまま離れたという。
同日朝、この男性が入所する北区内の介護施設が「入所者の男性がいない」と警視庁に
届け出たため、警視庁が各署に連絡していたが、警察官はこの情報を把握していなかった。
男性には認知症があり、同日午後に公園から約1キロ離れた路上で再び転倒し、病院に搬
送された。
【神保圭作】
病気とつきあいながら育ててくれた母に 写真 椎木俊介 朝日新聞 2015 年 6 月 4 日
〈依頼人プロフィール〉大島紀子さん(仮名) 26 歳 女性 神奈川県在住 生活支援員(障
害者施設勤務)
私は子どもの頃、“普通のお母さ
ん”に憧れていました。自分の母は、
ちょっと“普通”と違い、時々パニ
ックになって大声で叫んだり、泣き
出したり、モノに当たったりしてい
たのです。
母は3人の子どもを育てながら
公務員としてフルタイムで働いて
いましたが、私が小学校1年生にな
った頃には、「境界性人格障害」と
診断され、私が中学生のときには精
神障害者福祉手帳2級を取得しま
した。
症状を安定させるために服薬しているせいか、母はうつろな目をしていて、授業参観日
には“変なお母さん”として友達にからかわれましたが、本当の理由は言えませんでした。
入院するとしばらく顔を合わせなくてよいので、学校から帰ってきて母がいないと、後ろ
めたさを感じつつも、正直少しほっとしていました。
そんな私ですが、大学生になってボランティアを始めたことがきっかけで、今は障害者
支援に関わる仕事をしています。日々障害を持つ方と接する中で感じるのは、周囲の人に
当たったりパニックを起こしたりしてしまう人は、本人も辛い思いをしているということ
です。今になって、母は病気で大変な中でも、私たちに精一杯の愛情を注いでくれていた
ことに気がつきました。
最近では、現場の職員と利用者という立場から、母と私で障害者福祉について話すこと
もあります。実家を離れて 10 年。3 年前に母と私たちを支えてきた父が亡くなったときは、
母の体調を心配しましたが、子どもの前では心配させまいとしているようです。父の代わ
りとまではいきませんが、今度は私が母を支えていきたいと思っています。
病気と付き合いながらも懸命に子どもたちを育ててくれた母にありがとう、お疲れさま
の気持ちを込めて花束を贈りたいです。母と、亡くなった父が好きな色は赤なので、赤を
中心とした暖色系でまとめてもらえないでしょうか。
〈花束を作った東信さんのコメント〉
赤を中心とした暖色系でというご希望だったので、最初は赤以外の色も混ぜようかと思
いました。でも、もらい手が複雑なものを抱えているのであれば、まとまりのあるアレン
ジのほうがいいのではと思い直し、赤一色にしました。
赤い花は、実はそんなにたくさん種類がないのですが、大きなダリアから小さなカルミ
アまでいろいろな花を集めました。カルミアはアポロチョコみたいなかわいらしい形の花
です。他にはジンジャー、カーネーション、ナデシコ、ジニア、バラ、ブバルディアなど
を差しました。トップに載せたのはつる性のベルテッセン。動きが加わりアクセントにな
っています。
一体感を大切にしたかったので、リーフワークは入れていません。花と葉を分けたくな
かったのです。その代わり、カルミアやナデシコについている葉を効果的に使いました。
赤は質感や種類、組み合わせによって、色っぽくもかっこよくもなる色。今回はやわら
かい赤を感じていただけたら。
(ライター・宇佐美里圭)
年金情報流出、PW設定1%未満 ずさんな管理浮
き彫り
朝日新聞 2015 年 6 月 4 日
日本年金機構がサイバー攻撃を受けて年金受給
者や加入者の個人情報が流出した問題で、流出した
約125万件の情報は949個のファイルに入り、
そのうち7ファイルのみパスワードがかけられて
いた。関係者への取材でわかった。内規で定められ
ていたパスワードがあったのは流出したファイル
の1%に満たず、機構の情報管理のずさんさが改め
て浮き彫りになった。
流出したのは基礎年金番号、氏名、生年月日、住
所の4種類の個人情報。年金記録を管理する「社会
保険オンラインシステム」から記録媒体を使って
「情報系システム」に移したデータが不正アクセス
を受けた。
データを移すのは、年金受給者や加入者に年金関
係の通知を郵送する時に使うため。情報系システム
と職員のパソコンとはLANで結ばれ、権限を持つ
職員が中の情報を見ることができた。作業がしやす
いように、パソコンにダウンロードしてファイルで
保存することも可能としている。
『産褥(さんじょく)記 産んだらなんとかなりま
せんから!』
吉田紫磨子 著、吉岡マコ 監修
(KADOKAWA・1404円)
西日本新聞 2015 年 06 月 04 日
著者は、産前産後のフィットネス教室を主宰するNPO法人「マドレボニータ」のイン
ストラクター。本書では、第2子出産後の産褥期の心と体の変化やダメージについて赤裸々
につづっている。
産褥期とは出産後、母体が妊娠前の状態に回復するまでの期間。養生が必要なこの期間
に、著者は友人たちに家事や育児を手伝ってもらう「産褥ヘルプ」を実
践。孤立しがちな産後に、大人と会話することで気持ちも晴れるという
メリットもあるという。産後のトラブルに効くエクササイズなども記載。
「人に委ねる大切さを妊娠前から当事者と周囲の人が知っていれば、産
後うつや乳児虐待など、産後に起こるさまざまなことを社会問題として
認識できるのでは」と問いかける。
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行