ESD活動 - 八町小学校

Application for Participation
Associated Schools Project (ASP)
for Promoting International Education
Outline of the way the Project(s) will be implemented in the institution
(please use extra sheets if necessary)
Description of the Project(プロジェクトの概説)
本校では,これまでも地域の施設や文化を生かし,地域に根ざした教育活動を実践してきた。さらに,
持続可能な社会作りの担い手を育む教育を推進していくために,2012 年度より研究テーマを「大すき 八
町―地域力を生かし,ふるさとをあつく語り合い,高め合う子の育成―」と設定した。これは,郷土八町
の豊かな環境(歴史,文化,施設,人)を学ぶことで,先人や地域を支える人々の思いにふれる。そして,
自らも郷土八町に愛着をもち,大切にしていきたいと願う子の育成をめざしている。
また,ESDを確実に推進するために,これまでの教育課程をESDの視点から見直した。そして,生
活科・総合的な学習の時間を中心に各教科・各学年で地域力を生かしたESDカレンダーを作成し,実践
していくことにした。このESDカレンダーを基に発達段階に応じて継続実践していくことが,他人との
関係性,社会との関係性,自然環境との関係性を認識する。そして,
「かかわり」
,
「つながり」を尊重でき
る個人を育むと考える。
Objectives of the Project(プロジェクトの目的)
本校では,ESDを自分たちが住む町の文化や人のつながりについての学習を深め,持続可能な社会づ
くりの担い手を育む教育であると捉え,その資質・能力の基礎的な部分を育てることを目的としている。
そのために本校では,地域とのかかわりを以下の4つに設定し,目標を揚げている。
(1) 地域の歴史や文化にふれる活動
地域の伝統や文化への理解を深めることで,地域とのつながりを尊重し,将来にわたって地域
の一員として生活しようとする気持ちを高める。
・ 校区内の神社「安久美神戸神明社」の秋祭や鬼祭,
「吉田神社」の祇園まつりの学習と祭りへ
の参加
・ 豊橋筆づくりの体験と学習
(2) 地域の施設を知る活動
地域の特色を知るとともに,地域への愛着心を育み,地域のために自分たちができることを考え,
実践する。
・ 豊橋公園の探検
・ 吉田城,ハリストス正教会,市役所,公会堂等の見学
・ 福祉施設の見学,福祉体験
(3) 地域の人々とふれあう活動
地域に暮らす人々との交流を通して,思いやりの心を育てる。
・ 「八町通を植物で美しくする活動」への参加
・ 地域のお年寄りとの交流活動
・ 地域の店や農家の仕事調べと体験
・ 昔のくらし,昔のあそび,戦争体験等をお年寄りから学ぶ活動
(4) 行事等を関連づけた活動
保護者,地域住民に教育活動の成果を示すことで,人とのかかわり,つながりを重視していく姿勢
を養う。
・ 運動会,学芸会,夏休み作品展,授業参観,学校開放,八町まつり
Execution(プロジェクトの実施)
(e.g. through a specially designed course, through an existing course(s) or as an extracurricular
activity)
本校は,創立以来 140 年の歴史をもち,豊橋の中心部,国道一号線をはさんだ校区である。周辺には吉
田城,豊橋公園,豊橋市公会堂,市役所,美術博物館,陸上競技場などがあり,古い歴史と文化が息づく
恵まれた環境にある。
こうした環境の中で,子ども達が自分の住んでいる八町について知り,自分の思いをもって八町を語り,
八町を愛することができるようになれば,社会を理解し,協調してともに生きようとする子どもが育つと
考えた。そのため本校では,次の2点を考慮してESDカレンダーを作成して実践している。
・ どの学年にも地域と関わる教育活動を設定する。
(学年に応じた活動:地域で学ぶ→地域を知る→地域に生きる)
・ 生活科・総合的な学習にとらわれず,各教科においても地域力を活用する。
<八町小 地域力活用ESDカレンダー>
学年
4月
5月 6月
7月
8月
9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月
3月
生 秋あそび
○
生
○
1年
生 公園探検
○
2年
生 生き物探して
○
(
(
老人
豊橋公園探検
会)
)
3年
社 わたしのま
○
ち・みんなのまち
(老人会)
総 「めざせ八町おしごとマスター((地域の店探検・伝統工芸士等
○
社中消防署見学
○
4年
もちつ
き
生 昔のあそび
○
(老人会)
生 八町ってどんな町?
○
にょろにょろ地図づくり
社 農家の仕事
○
社昔のくらし
○
(地域の農家)
(老人会)
社 豊橋筆(地域
○
総 「ぼくたち八町防災博士」
○
の伝統工芸士)
)
5年
6年
総 「人にやさしい八町のまちづくり」
○
特 八町
○
通を植
物で美
しくす
る会に
参加
国 ふるさとのよさを紹介しよう
○
社戦争の話
○
(老人会)
総 「八町
○
)
夢を語る会
ようこそ先輩
再発見」 八町の先輩から学ぼう
社
○
図 美博
○
祇園まつり・鬼祭
(保存会・宮司)
鑑賞
)
)
)
全校
)
福祉
ふれあい
祇園まつり
一部児童参加
安久美神
戸神社
行燈造り
集会
(老人会)
○ ○
生 :生活科
国 :国語
社 :社会
総 :総合的な学習
○
○
○
○ ( )内は、支援してくれる地域の方々
八町まつ
鬼祭
り参加
参加
特 :特別活動
○
図 :図工
○
(1) 地域の歴史や文化にふれる活動
国重要無形民俗文化財でもある「豊橋鬼祭」は,
地域の大人達が中心になって開催する伝統ある
祭りである。それぞれの町内で子ども達も伝統を
受け継いでいくために練習を重ね,本番を迎える。
青鬼や岩戸舞,笹良児神楽等八町小学校の子ども
達も重要なお役目を頂いている。
鬼祭の日には,全校児童が安久美神戸神明社に
出向き,友達の演奏する笛や琴の演奏を聞き,舞
を見て友達がまくタンキリ飴を拾う。このタンキ
< 鬼祭:岩戸舞(5・6 年生)を
リ飴を食べると厄除けとなり,その年は,無病息
奉納する八町小の子ども達 >
災で過ごせると言い伝えられている。
<祇園まつり手筒花火:6 年生>
6 年生は,国語と社会科でふるさとを再発見
する学習をすすめる中で祇園まつりを支えてい
る先輩を招いて,歴史や人々のかかわりについ
て学ぶ。
<豊橋筆づくり体験:4 年生>
校区在住であり、地元の少年野球の監督でも
ある伝統工芸士さんを招いて、伝統ある「豊橋
筆」の良さや歴史を学ぶ体験活動を行っている。
(2) 地域の施設を知る活動
1 年生の生活科では、今後の
地域学習の基盤となるように
豊橋公園の探検に出かける。豊
橋公園は、学習の要素が多く、
6 年生になっても教材として
魅力の多い場所である。
3 年生は、社会科の学習で校
区の農家の仕事を見学に行き、
作業を体験させていただいて
いる。体験を通して、農家の仕
事の大変さや働く人の思いを
体で感じ、
理解することができ
る。
<豊橋公園探検:1 年生>
<農家の仕事体験:3 年生>
<八町通を植物で美しくする会参加:5・6年生>
(3) 地域の人々とふれあう活動
「八町通を植物で美しくする会」
の活動に参加したり、
地域の老人会の方々を学校にお招きしたりして様々な
学習の支援をしていただいている。
活動を重ねるたびにお互いを名前で呼び合うようにな
り、温かい関係が育っていく。
(4) 行事等を関連づけた活動
<ふれあい集会:老人会のみなさんと>
敬老の日前後に行われる「ふれあい集会」
では、地域のお年寄り約50名をお招きして、
たてわり班で交流活動を行う。和やかな雰囲
気の中で、言葉を交わし、笑い声が絶えない。
Type of materials to be used(使用する教材)
「小学校 キャリア教育の手引き」
「かがやく豊橋」
「夢を見つけ夢をかなえる航海ノート」
「豊橋鬼祭」
「八町子ども風土記」
文部科学省
豊橋市教育委員会
愛知県教育委員会
豊橋鬼祭保存会
豊橋市立八町小学校
2010
2010
2012
2012
1984
Is there any type of evaluation to examine the effects of the project on students’
comprehension and attitudes?(プロジェクトに対する生徒の理解と姿勢の評価方法)
児童の理解と姿勢の評価は,以下のように行う。
・児童の様々な取り組みの成果を,事後のまとめや感想,発表から把握する。
・学習や活動のまとめとしての授業参観や作品展示会,行事等での成果の発表や地域への発信の
様子を観察して,関心・意欲・態度を評価する。
上記の評価とともに,次に示すことも実施してESD活動の更なる充実を図る。
・各行事後のアンケート結果や 12 月に行う「学校教育に関する改善検討アンケート調査」等から
「地域学習の有効性」
「地域への愛着と誇りの意識変化」等を見直す。
・年 3 回行われる学校評議員会でこれらを伝え,助言をいただく機会を設ける。
・ESDカレンダーを見直し,地域学習に関する具体的な活動内容の改善を図る。