活動報告書 以下の通り、研究活動を行いましたので、報告致します。 録) 会 名 日 時 場 所 概 要 早稲田大学里親研究会 2015年 早稲田大学22号館510教室 (大里、福島=記 6月定例会 6月6日(土)13時〜16時30分 (参加者)計19名 Ⅰ.話題提供者:マーフィー・京子さん、レイナさん 「新しい授かり方」というテーマで、実母や母方の親戚とも交流していることについてお話 しいただいた。 マーフィーさん夫婦は、ご主人が養子を迎えようと提案したが、京子さんは最初は否定的 であった。 しかし子どもは可愛いので乳児院で抱っこボランティアを始め、そこでなついた子どもを 引き取りたいと申し出たところ、児童相談所は書面でのマッチングにこだわり、マーフィー さんの申し出はフェアでないと断わられ、別の里親に委託されてしまった。マーフィーさん は、 「このフェアとは大人の事情であり、子どもは母親を求めており、愛着関係もできつつ あったのになぜか」と問うたが児相は聞く耳を持たず嫌がらせにあったりもした。 その後、同じ乳児院からレイナちゃんを迎えることができた。レイナちゃんが手術のため 入院した時に親子としての絆が深まったと語られた。 「特別養子縁組も1つの授かり方である」とマーフィーさんは言う。乳児院での出会いが あったからこそ今の親子関係がある。レイナちゃんも「私は特別な子ではない」と話してく れた。 最近、レイナちゃんは実母に会っており、実母の親戚ともスカイプなどで交流の機会があ る。また、マーフィーさんの親戚とも交流がある。映像を交えて、この交流ぶりを詳細に紹 介していただき、レイナちゃんも実母さんもはじめはぎごちなかった表情がだんだん打ち解 けて変化したと説明いただいた。マーフィーさんは「うちはレイナが会いたがっていたから 手を尽くして探したところ、実母さんも会える状況だったので会うことができた。この環境 はラッキーだ」と話された。 Ⅱ. 話題提供者:竹中 勝美さん(里親) 「東京都社会的養護推進計画は福祉先進都市東京を実現できるのか?」という内容で話題 提供いただいた。はじめに、東京都の過去の計画として、石原都知事によって2006年の「福 祉・健康都市 東京ビジョン」をはじめ、さまざまな展開があったことを挙げられた。 次に、東京都の社会的養護の費用として乳児院、児童養護施設や施設分園型のグループホ ーム等の費用の推移を示された。つづいて、東京都の社会的養護の現状について具体的な数 字、グラフを挙げて説明された。 その次に、東京都社会的養護推進計画の問題点について10年たっても里親委託率が上がっ ていないということを疑問視され、最後に以下の問題点をあげられていた。①社会的養護の 子どもたちの受け入れ先として「家庭的養護」であるグループホーム(GH)を家庭養護の 里親と合わせて6割程度とすることは、「家庭的」施設養護 GH だけが増えて5割に達し、里 親は1割にとどまる危険性があること ②東京都の計画では、国の目標である家庭養護(里親委託33.3%)の数値目標がないこと ③乳児を里親に委託する計画がないこと ④国連のガイドラインを無視していることである。 コメント (大里、福 島) 里親さんの子どもを育てるモチベーションはどこにあるのかという疑問を持って今日の研 究会に参加しました。里親さんも実親さんと変わらず愛情をモチベーションとして子どもを 育てており、授かり方が出産という形でなかっただけで何も特別なことではないのだと思い ました。 出席者 (順不同) 藤田由里子(早稲田大学 e スクール 川名研究室) 大里裕紀子(早稲田大学 川名研究室 3年) 福島みむね(早稲田大学 川名研究室 3年) 川名はつ子(早稲田大学 里親研究会顧問) 中川 友生(早稲田大学川名研究室 修士2年) 石井佐智子(埼玉県里親) 松本 素子(神奈川県里親) 陶 嘉イ(早稲田大学 川名研究室 修士1年) 早川 榮一(東京都里親) 吉田一史美(立命館大学) 小坂 陽(早稲田大学 川名研究室 修士2年) 中村 容子(早稲田大学 川名研究室 OG 浦安市訪問相談員) 山本 翔(弁護士) 加藤 久美(神奈川県中井町議会委員、里親) 濱田 翔子(横浜国立大学4年) マーフィー・京子(里親→特別養子縁組家庭) マーフィー・レイナ(特別養子) 竹中 勝美(東京都里親) 上田 令子(東京都議会議員 江戸川区) 次回の研究 会ご案内 7月4日(土) 13時〜16時30分 早稲田大学22号館510教室+508教室(保育室)
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