日本山岳会 2015年5月15 日発行 第 104 号 北海道支部通信 公益社団法人 日本山岳会 北海道支部 支部長 西山泰正 WEB「日本山岳会北海道支部」で検索 http://jac-hokkaido.com/ [事務局]〒 003-0026 札幌市白石区本通 1 丁目南 2-38 [事務局長]藤木俊三 E-mail: [email protected] 支部新体制にご支援とご協力を さる4月7日、植田副支部長の残念・無念な突然の す。これからの2年間は、とりわけ、植田さんも気にさ 訃報が飛び込んでまいりました。ご冥福をお祈りすると れていた支部運営の中枢である役員や常任委員会の若 ともに、山と支部への植田さん 返りと、会員・会友の皆様が支 の熱い想いを引き継いでいくこ 部活動にもっと参画しやすい企 とをここに誓います。合掌。 画立案や支部運営が、私の課 さて今年は、支部創立 50 周 題であると受け止めています。 年記念事業と支部活性化を進 いずれにしても、すでに着手 めるとともに、 2 年 後 の 支 部 している支部創立 50 周年記念 運営の若返りやポスト 50 周年 事業の着実な実行と、安全登 の新企画を考えるのに絶好の、 山の原点に立ち返った山登りと 橋渡しの一年になるはずでし ともに、 会員・会友の皆様の た。しかし、総会直前に植田さ ニーズに沿った支部運営ができ んの悲報が届けられ、支部運 営の要であった植田さんの役割 日本山岳会北海道支部長 西山泰正 るように全力を尽くしていく所 存ですので、新しい支部体制に をカバーするための緊急体制を組まざるを得なかったこ 対しましても、これまで通り、皆様のご支援、ご協力を とに対して、皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じま 賜りますようお願い申し上げます。 植田惇慈副支部長が 大 雪 山・黒 岳 にて 急 逝 り組んできた。さらに 11 年からは副支部長として、文 字通り北海道支部を牽引してきただけに、その死が惜し まれる。植田さんを失った痛手は計り知れない。 5 月 27 日には、支部の有志代表の主催で、札幌市 北海道支部の副支部長で、りんゆう観光専務の植田 中央区のやわらぎ斎場「センティア 28」にて「お別れ 惇慈さんが 4 月 7 日、山での不慮の事故により亡くなっ の会」が開催される。 た。場所は、仕事や登山で通い慣れた大雪山・黒岳 7 合目のリフト終点からすぐの場所。山スキーで独り山頂 【目次】 を目指して登り始めて間もなく滑落、骨盤骨折などの重 ◉支部総会開催報告…………………………P.2 傷を負って意識を失い、そのまま亡くなったものと思わ れる。68 歳だった。 4 月 12 日の告別式には多数の支部会員が参列、西 山支部長が弔辞を述べ、故人のとの別れを惜しんだ。 植田さんは 1988 年に日本山岳会に入会し、2001 年から支部役員を歴任。07 年には上ホロカメットク山 で雪崩事故に遭って 4 人の仲間を失い、自らも雪に埋ま りながら脱出。その反省から雪崩知識普及の必要性を 痛感し、支部の雪崩講習の中心となって雪崩対策に取 ◉支部新役員体制……………………………P.3 ◉ 創立 50 周記念事業推進体制…………P.4 ◉北海道・東北地区集会、秋に札幌開催……P.5 ◉知西別岳山行報告…………………………P.6 ◉第 1 回岩登り研修報告……………………P.7 ◉定例山行のご案内…………………………P.9 ◉岩登り・沢登り研修のお知らせ……………P.9 ◉「岩崎元郎さんの健康講座」ご案内……P.10 編集・レイアウト:田中健 日本山岳会北海道支部通信 2015 年度 日本山岳会北海道支部総会開催 文:藤木俊三 写真:田中健 2014年度の事業報告と決算、2015年度の事業 計画と予算、役員改選などを議題とする北海道支部総 会が4月11日(土)午後 4 時からロイトン札幌で開催 されました。当日出席した会員は 48 名、委任状を提出 した会員は 58 名でした。 冒頭、この一年間の物故会員へ黙祷をささげましたが、 総会の4日前に植田惇慈会員が黒岳でのアクシデントで 急逝、突然の訃報に多くの会員がショックを隠せない様 子でした。また、当日は札幌市内で通夜が営まれること になっており、参列のために急きょ総会を欠席された会 員もいました。現職副支部長だった植田会員の死去は創 立50周年の記念行事が目白押しの支部にとって大きな 開会の挨拶をする西山支部長 痛手ですが、開会の挨拶で西山支部長は、創立50周 年の記念事業を成功に導くために支部会員の一層の協 会友の紹介や出席者のスピーチなどを交えながら和やか 力を呼びかけ、植田副支部長の抜けた穴を役員一丸と な時間を過ごし、2 時間ほどでおひらきとなりました。 長が亡くなった経緯についても触れ、ご家族や関係者か ○総会出席者 議事の方は海川敏雄会員を議長に選任、スムーズな 安田成男、石井忠雅、赤石喜恵子、沼崎勝洋、板垣望、 なって埋めていく決意を述べました。また、植田副支部 ら得た情報をもとに、事故の概要を報告しました。 芳賀孝郎、渋谷正己、新妻徹、滝本幸夫、長谷川雄助、 議事進行で、昨年度の事業報告、決算および今年度の 森下雅幸、上島忠義、金井哲夫、海川敏雄、渡辺悌二、 事業計画、予算を満場一致で承認いただきました。そ 川原勝利、 日下部賢治、 京極紘一、 畠山廸子、 三戸部清文、 の後、役員改選に移り、出席者からは役員への立候補 神 埜 和 之、 八 木 橋 貞 美、 吉 野 勝 夫、 田 島 祥 光、 の申し出がなかったため、執行部から新役員候補を提案、 八木沼陽子、 西山泰正、 樋口みな子、 横川政行、 鈴木貞信、 こちらも満場一致で承認されました(3 面参照)。 神原照子、船木上総、武田一生、一鐵巌、齋藤勝宏、 の通夜に向かいましたが、会場をホテル内の別の部屋に 黒川伸一、藤木俊三、杉浦良文、榊原健一、田中清子、 総会終了後、4 人の会員が午後 6 時からの植田会員 平田健三、竹内正明、土屋繁、銭亀三佐子、常本良一、 移し、会友も交えて懇親会が開催されました。新入会員・ 東一男、坂上信之、田中健、五十嵐辰美 会員・会友の動向 ○新入会員 大城和恵 No.15678 ○新入支部会友 島田美樹 No.136 浅野ひとみ No.137 飯島裕幸 No.15694 船越谷渉 No.15730 渡辺 隆 (申請中) 佐伯厚子 (申請中) 佐藤竜也 (申請中) 五十嵐道夫 No.138 五十嵐順子 No.139 山田千晶 No.140 橋本香里 No.141 田中淑子 No.142 ○物故会員 植田惇慈 No.10384 ○退会会員 広坂光則 No.13358 藤田晴紀 No.13737 芳村宗雄 No.13964 ○退会会員会友 堂本暁子 No.73 ○退会支部会友 山本奈穂子 No.48 肥田美恵子 No.143 佐伯厚子 No.131 渡辺美佐子 No.144 佐藤竜也 No.135 2 2015 年 5 月 15 日発行 第 104 号 [ 公益社団法人 日本山岳会北海道支部 新役員体制 ] 【支部役員】渡辺悌二、京極紘一、神埜和之、西山泰正、鈴木貞信、武田一生 銭亀三佐子、岡田秀二、今田美知子、藤木俊三、田中健 【会計担当】坂上信之 【会計監事】金井哲夫、竹内正明 支部運営体制 【支部長】西山泰正 【副支部長】渡辺悌二、藤木俊三 【事務局長】藤木俊三 [事務局]総務◉今田美知子 集会◉銭亀三佐子 会計◉坂上信之 支部通信◉田中健(補佐:岡田秀二、今田美知子) ホームページ & メーリングリスト◉岡田秀二(補佐:田中健) ヌプリ◉田中健(補佐:京極紘一、滝本幸夫) 【創立 50 周年記念事業実行委員会】 委員長◉西山泰正 委員◉藤木俊三、植田拓史、坂上信之(詳細は 4 面) 【ルーム管理委員】常本良一 【図書管理委員】齋藤勝宏、成田寛、金子由美子 【改訂 新日本山岳誌担当】田中健 ( 顧問:京極紘一、滝本幸夫 ) 【山行企画委員長】神埜和之 [地域担当委員]道央◉神埜和之、一鐡巌 道東◉助田梨枝子、大崎勝子 道南◉片岡次雄、海川敏雄 道北◉増子麗子、林正克 【技術研修委員長】京極紘一 岩登り研修◉沼崎勝洋 沢登り研修◉植田拓史、杉浦良文 【雪崩講習委員長】鈴木貞信 【海外登山委員長】京極紘一 [委員]黒川伸一、植田拓史、坂上信之 【公益事業統括委員長】藤木俊三 【自然保護委員長】武田一生 [委員]大崎勝子、中谷秀子、岡田秀二、橋本一郎、土屋繁、 杉浦良文、田中清子、常本良一、榊原健一、佐伯厚子 支笏湖復興の森づくり委員◉武田一生 廃道復活・山のトイレ委員◉武田一生 【自然児学校企画委員長】岡田秀二 校長◉西山泰正 【NHK登山教室担当】武田一生 日曜教室◉武田一生、岡田秀二、橋本一郎、杉浦良文、田中清子、佐伯厚子 水曜教室◉神埜和之、竹内正明、常本良一、今田美知子 山ガ―ル教室◉藤木俊三、田中健、齋藤幸市、杉本拓子 ( お詫びとお断り ) 支部規約に基づく総会での了解をいただいておりませんが、植田副支部長の急逝に伴い、 雪崩講習委員長就任のために鈴木貞信会員を役員に選任します。 3 日本山岳会北海道支部通信 [ 創立 50 周年記念事業推進体制 ] 【創立 50 周年記念事業実行委員会】 ❖実行委員長◉西山泰正 ❖実行委員◉藤木俊三 ( 総括 ) 、植田拓史、坂上信之 ( 予算経理担当 ) ❖諮問委員◉長谷川雄助、芳賀孝郎(顧問)、滝本幸夫(顧問) [記念祝賀会委員会] ❖記念祝賀会運営企画◉西山泰正、藤木俊三 ❖記念誌「50 年の歩み」刊行報告◉長谷川雄助 ❖オホーツク分水嶺踏査報告◉京極紘一 ❖記念祝賀会実行◉支部事務局(行事企画 /1 年間の事業報告等) [北海道・東北地区集会委員会]藤木俊三、神埜和之 [公益事業委員会]武田一生、西山泰正 [海外登山委員会]京極紘一、植田拓史 [プレ海外登山委員会]* 京極紘一、西山泰正 [記念誌「50 年の歩み」刊行委員会]長谷川雄助、高澤光雄、安田成男 [オホーツク分水嶺踏査報告書作成委員会]* 京極紘一、鈴木貞信 *は 2014 年に実施済 北海道支部創立 50 周年記念事業募金を開始 北海道支部は今年、創立 50 周年を記念して祝賀会の開催、北海道・東北支部集会の主催、 「50 年の歩み」の刊行などの事業を予定しています。これらの事業、特に「50 年の歩み」刊行に は多額の費用がかかり、支部会員・会友の皆さんからのご寄付に頼らざるを得ない状況です。 誠に恐縮ですが、下記の要領で募金を集めたく、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 [目標額]120 万円 [募金単位]◉支部会員 1 口 10,000 円以上 ◉会友 1 口 3,000 円以上 [振込方法]別途ご送付する文書をご覧ください ※なお、この寄付金は公益社団法人への寄付行為となり、所得税の減免が適用されます。 北海道支部創立 50 周年記念事業募金 ◯西山泰正 3 口 30,000 円 ◯京極紘一 2 口 20,000 円 4 2015 年 5 月 15 日発行 第 104 号 日本山岳会北海道支部創立 50 周年記念事業 第 31 回北海道・東北地区集会を 9 月、札幌・定山渓で開催 【日時】9 月 12 日 ( 土 ) 〜 13 日 ( 日) 【会場】定山渓ビューホテル(札幌市南区定山渓温泉) 【記念講演】 「北海道の高山植物と高山生態系について」北海道大学准教授 工藤岳 【交流登山】札幌岳・喜茂別岳 【主管】公益社団法人 日本山岳会北海道支部 【日程】9 月 12 日(土)支部長会議 14:00 〜 14:30 北海道・東北地区集会 14:30 〜 15:00 記念講演 15:00 〜 16:30 懇親会 18:00 〜 20:00 9 月 13 日(日)交流登山 A コース(一般向け)喜茂別岳 8:00 〜 14:30 B コース(健脚向け)札幌岳 6:00 〜 14:30 【会費】18,000 円(税込) ※申込方法等の詳細は、次号(6 月発行)でお知らせいたします。 日本山岳会北海道支部創立 50 周年記念海外登山 カムチャツカ・アバチャ山 登山隊の隊員決定 今夏実施の支部創立50周年記念海外登山について参加者の募集を行ってきましたが、 応募に基づき、このほど隊員が決まりましたのでお知らせいたします。 【期間】7 月 19 日〜 26 日 (8 日間) 【参加者(8 名) 】団長◉西山泰正 登山隊長◉植田拓史 隊員◉神埜和之、鈴木貞信、神原照子、日向祥剛 フラワートレッキング◉吉野勝夫、坂上信之 ※この他に学術研究員の同行も検討中です。 支部創立 50 周年記念 プ レ 海 外 登 山 オーブラチナヤ山生態系観察登山報告書 昨年、支部創立 50 周年のプレ海外登山として実施したロシア・オーブラ チナヤ山の生態系観察登山の報告書が完成した。オーブラチナヤ山の聳 えるシホテアリニ山脈は日本海沿岸に沿う長大な山脈で、ここを源流とす るウスリー川がアムール川と合流し、森林と河川の栄養分が流氷によって オホーツク海や知床の海に運ばれ、恵まれた水産資源をもたらしている。 オホーツク分水嶺の自然もこの山脈の影響を受けている。 「森は海の恋人」 であることの観察調査は、登山の記録と併せて貴重な報告である。 構 成 ❖グラビア ( オーブラチナヤ山 ) ❖第 1 章 自然生態系観察登山記録 ❖第 2 章 自然生態系観察調査 ❖第 3 章 オーブラチナヤ山の思い出 A4 版 50 ページ 1 部 500 円 ※郵送の場合は送料別途 【申込先】京極紘一海外登山委員長 TEL・FAX:011-723-2833 E -mail:[email protected] ※鈴木貞信会員と 神埜和之会員も取り扱っておりますのでお求 め下さい。 5 日本山岳会北海道支部通信 残念!遥かなる山となった知西別岳[春山山行報告] 文:神埜和之 写真:今田美知子 昨年4月、オホーツク分水嶺踏査で天頂山 1046m に登った。快晴に恵まれ、羅臼岳 1661 mの雄姿を堪 能した。その時、知西別岳 1317 mが真っ白な頂を見 せていた。私には未踏峰である。海別岳 1419 m、遠 音別岳 1331 mは登った。「来年はこの知西別岳に…」 の想いで下山した。 4 月 16 日、函館から片岡さん、地元から増子さんと、 総勢 10 名が知床自然センターに集結。11:15 知床横 断道路ゲート発。曇り空のもと、昨年の半分の高さの雪 壁を話題にしながら 13:55 愛山荘着。 男4人が入口扉の除雪にかかった。2階扉から入り 込んだ今田さんの「ストーブがついたよ」の声が聞こ え、雪はねに「ちから」がこもった。7段の階段が出来、 14:40 入室となった。賑やかな「晴天祈願祭」になっ たが、小屋は風音と湿った外気に包まれていた。 愛山荘の前で ある。CL、SL 協議、「下山」が決まる。せめてもの想 いで 「記念写真」 を撮る。ホワイトアウトである。誰かが 「こ 17 日、4:00 起 床、 外はホワイトアウト。5:15 発、 こは頂上直下だよね…」 の声。 「そうだよ、間違いない…」。 GPS 頼りで進む。1時間後森林限界に近づくと強風で 爆笑の瞬間であった。7:05 小屋帰着。小屋番の増子さ んに迎えられる。8:30「残念会…、大宴会へ」。 18 日、7:00 愛山荘発、下山開始。7:30、知床峠の 除雪に向かう地元業者さんの 15 台の車列に手を振る。 9:20 知床自然センター着、11:30 ウナベツ温泉発。快 晴、畑から水蒸気があがっている。海別岳が鮮やかであ る。後方に知床の峰々が白く輝いている。と、フロント ガラスに水滴が…ワイパーを動かす。「上空は不安定だ ね…」「今回はあきらめ…」「納得」の声。知西別岳は 遥かなる山となった。 ○参加者 CL 神埜和之、SL 鈴木貞信、片岡次雄、 一鐡巌、常本良一、増子麗子、助田梨枝子、大畑博子、 銭亀三佐子、今田美知子 ホワイトアウトの頂上直下?で記念撮影 美瑛富士トイレ管理連絡会設立 文:武田一生 大きな問題となってきた。設立から 15 年、山のトイレ 3 月 14 日、第 16 回山のトイレフォーラムが札幌市 中央区のかでる 2・7 で開催された。その中で、日本山 を考える会では長らく、この美瑛富士避難小屋にトイレ 岳連盟、札幌山岳連盟、北海道勤労者山岳連盟、北海 きた。しかし、なかなか前進せず、携帯トイレブース設 岳連盟、北海道山岳ガイド協会、白老山岳会、山のトイ 今後、避難小屋野営地に携帯トイレブースを設置し、 を建設すべく運動を展開し、各方面に働きかけを行って 岳会北海道支部を含む道内山岳団体 9 団体(北海道山 置に方向転換してようやく進展があったもの。 道道央地区勤労者山岳連盟、北海道道北地区勤労者山 6 月中旬から 9 月下旬の夏山シーズン中、2 週間に 1 回 レを考える会)による美瑛富士トイレ管理連絡会の設立 のペースで、管理連絡会に参加する各山岳団体が持ち回 が発表され、長年の課題であった美瑛富士避難小屋の トイレ問題解決に向けて一歩が踏み出された。 りでブースの点検パトロールを実施することとなった。日 ティッシュや糞尿が散乱し、トイレ道による裸地拡大も 定されている。 本山岳会北海道支部によるパトロールは 7 月 19 日に予 美瑛富士避難小屋にはトイレがないため、周辺には 6 2015 年 5 月 15 日発行 第 104 号 第 1 回岩登り研修報告 文・写真:京極紘一 本年度第一回の岩登り研修を 4 月 21 日に小樽で実 施した。今回は初回なのでメイン講師の沼崎勝洋宅で 座学を行い、その後に屋内トレーニング場で実地研修を 行った。小雨模様の天気の中、9時にJR南小樽駅前に 集合して沼崎宅に向かう。 9 時 45 分に開講となったが、最初に、いつも岩登り 研修の手配をしてくれ講習を楽しみにしていた植田惇慈 さんの急逝を悼み、黙祷を捧げた。参加者は講師を含 め 14 名。特別講師として真下誠二会員を迎え、充実し たスタッフで研修が進められた。ハーネスの着用やロー プの結び方などを反復練習しながら、クライミングの基 礎講義を交えて1時間程で終了。 幸いにも天気は回復し、晴れた中、11 時に会場を移 動。瀟洒な建物のスポーツクラブ「ウェルビー」の4階 にある高さ 10 m程のクライミングウォールで実地講習 を開始。左右のルートに分かれてクライミング指導を行っ た。軽やかにクライミングする姿に、レベルアップしてい る事を確認、今後は確保技術などを確実に行えるような 方向に持っていく事も確認。 2名の新人は、沼崎さんと真下さんの熱心な指導によ り初歩クライミングを行ったが、何度も壁に挑戦していく その姿には感動させられた。2時間のクライミングに汗 を流して終了。 その後、新人は真下さんのアドバイスを受け、セール クライミングウォールで実地講習 中の秀岳荘でクライミング用具を購入するなど意欲を見 せており、今後が期待される。真下さんには特別参加で ○ 参 加 者 鈴 木 貞 信、 銭 亀 三 佐 子、 大 畑 博 子、 ○講師 沼崎勝洋、真下誠二 ○座学のみ受講 神埜和之、一鐵巌 新人を指導してもらい、大いに助かった。 今田美知子、谷口美咲、佐伯厚子 ○サポート 京極紘一、益田敏彦、植田拓史、杉浦直文 井上靖講座 I 講演会「登山家を語る」 講師◉元日本山岳会副会長 芳賀孝郎 元日本山岳会副会長で当支部会員の芳賀孝郎さん 【日時】6 月 13 日(土)13:30 〜 15:00 いて講演します。作家・井上靖が小説「あした来 【会場】井上靖記念館ラウンジ 旭川市春光 5 条 7 丁目 が、旭川の井上靖記念館で登山家・加藤泰安につ る人」 「氷壁」で作中人物のモデルにした加藤泰 安は、芳賀さんと親しい人物でした。芳賀さんは、 加藤泰安と井上靖、そして加藤泰安の言葉が小説 に生かされたシーンなどについて語ります。 【入館料・受講料】無料 【定員】50 人 【申込】井上靖記念館まで電話か FAX で TEL:0166-51-1188 FAX:0166-52-1740 7 日本山岳会北海道支部通信 残雪の手稲山を描く[スケッチクラブ活動報告] 文・写真:芳賀淳子 2015 年度のスケッチクラブの活動計画は「札幌から 見える山を描く」です。3 〜 4 月は「残雪の山を描く」、 5 〜 6 月は「新緑の山を描く」 、9 〜 10 月は「紅葉の 山を描く」 。天気に合わせてその都度、開催日時と描く 山を決めるという方針です。 そして第 1 回の「残雪の山を描く」は、4 月 18 日に 手稲山を描くことになりました。心配していた天気は快 晴となり、9:30 に芳賀孝郎宅に集合して、小別沢トン ネルを中央区から西区に抜けてすぐの畑地の丘に向かい ました。 手稲山を描くには素晴らしいスケッチポイントです。私 有地なので持ち主にあらかじめ承諾を得ておきました。 暖かい春の陽だまりにスケッチブックを拡げ、フキノトウ が沢山咲く畑地で思い思いにスケッチの筆が進みました。 10:00 から 12:00 までのスケッチのあと、車で 10 分 の芳賀宅で各自持参のお弁当を食べ、出来上がったス ケッチを見せ合い、楽しく語らって、14:00 に解散しま した。 ○参加者 石井忠雅、藤野和男、沼崎勝洋、川原勝利、 東一男、杉本裕美、金子由美子、芳賀孝郎、芳賀淳子 スケッチする最高齢の石井忠雅さん 山岳雪崩大全 雪氷災害調査チーム編 雪崩発生のメカニズムから対処法までを詳述し、雪崩に関するあら ゆる点を考察して網羅した最新の雪崩教本。日本雪氷学会北海道支 部の雪氷災害調査チームのメンバーが編纂にあたり、当支部会員の 榊原健一さんと船木上総さんも執筆を手がけている。 山と渓谷社刊 A5 判/ 336 ページ/定価:本体 1980 円+税 新刊山岳書紹介 大雪山讃歌 高澤光雄著 当支部の古くからの会員で、北海道の登山史研究の第一人者として 知られる高澤光雄さんの最新著作。延べ日数 200 日以上、87 回に 及ぶ大雪山系への登山の紀行を中心に、登山史に関する考察も交え、 65 年にわたって綴った大雪山に関する文章 25 編を収録。 北海道出版企画センター刊 四六判/ 213 ページ/定価:本体 1600 円+税 8 2015 年 5 月 15 日発行 第 104 号 定例山行のご案内 ◆ JR で行く塩谷丸山(629m) 5 月 31 日(日) 担当:神埜和之 【集合】JR 塩谷駅 10:00 【解散】JR 塩谷駅 15:15 【交通手段】JR 行き 札幌駅発 8:42(小樽駅乗換)塩谷駅着 9:54 帰り 塩谷駅発 15:20(小樽駅乗換)札幌駅着 16:21 ※車の方は JR 塩谷駅駐車場利用 【行動】JR 塩谷駅 10:30 → 12:30 塩谷丸山 13:30 → 15:00 JR 塩谷駅 【装備】日帰り装備(行動食、飲料水、雨具、ヘッドランプ等) 【申込締切】5 月 23 日(土) 【申込先】神埜和之会員 TEL・FAX:011-618-4574 第 3 回岩登り研修のお知らせ 担当:京極紘一 【日時】6 月 9 日(火)9:00 〜 15:00 【場所】小樽・赤岩 【講習内容】岩登りの基礎練習。クライミングとロープワーク、懸垂下降など。 【集合】赤岩峠 8:30 【募集】10 人程度 初心者大歓迎 【講師】沼崎勝洋 【アシスタント】益田敏彦、植田拓史、工藤治樹、杉浦直文 【用具】ハーネス、ヘルメット、クライミングシューズ、ATC、スリング、ヌンチャク等は各自用意のこと 【服装】夏山の服装で良いのですが、春は草かぶれ(蔦うるし)に注意が必要。 長袖のシャツやクライミンググローブをするなどの対策をとってください。 【申込締切】6 月 4 日(木) 【申込先】京極紘一会員 E-mail:[email protected] FAX:011-723-2833 ※第 4 回以降の研修も小樽・赤岩で基礎クライミングと実践クライミングを中心に行います。 日程は7月7日、 8月18日、10月13日の各火曜日を予定していますので、 各実施日の5日前までにお申し込み下さい。 人数が3〜4人とまとまれば、個別指導にも応じます。 沢登り研修のお知らせ ◆漁川−漁岳(1318m)−オコタンペ湖 6 月 16 日(火) 担当:京極紘一 今年度の沢登り研修は、支笏湖近くの漁岳で漁川からオコタンペ湖の沢を企画しました。 【集合】漁川出合駐車場(国道 453 号「奥漁橋」)7:00 【募集】15 人程度(岩登り研修を受けている方が望ましい) 【行動】漁川右岸林道を利用して入渓。漁川を遡行しながら沢登りの基礎技術の習得→ 11:00 漁岳着→ 12:00 頂上発→南の沢を下ってオコタンペ湖へ。16:00 解散 【講師】京極紘一 【アシスタント】鈴木貞信、杉浦直文、益田敏彦 【装備】沢登り日帰り服装。ヘルメット、沢シューズ、ハーネス、軍手必携。 ※沢用ロープ、捨て縄、ギア等は講師が用意します。 【申込締切】6 月 10 日(水) 【申込先】京極紘一会員 E-mail:[email protected] FAX:011-723-2833 9 日本山岳会北海道支部通信 岩崎元郎さんの 健康登山講座 in 札幌 登山教室「無名山塾」を主宰し、さまざまな著作でも知 られる登山インストラクターの岩崎元郎さんを講師に招 き、山を楽しむために役立つ知識や安全登山のための留 意点などを分かりやすく講演していただきます。当日はお 楽しみ抽選会も行います。お気軽にご来場ください。 【日時】 6 月 18 日(木) 18:30 〜 20:30(開場 18:00) 【会場】道新ホール 札幌市中央区大通西 3 丁目 道新ビル大通館 8 階 【主催】日本山岳会北海道支部 【プログラム】 ❖第 1 部「山に登ると元気になります」 ❖救心製薬ビデオ上映 ❖第 2 部「対談:今そこにある山の危険」 岩崎元郎氏、小野浩二氏(秀岳荘) 、及川洋文氏(ICI 石井スポーツ) ❖お楽しみ抽選会 ※会場には海外トレッキングの無料相談コーナーも設置 【予約】会場には定員があります。下記まで電話か FAX でご予約ください。 (株)りんゆう観光 TEL:011-711-7106 E-mail:[email protected] ※当日は予約がなくてもご来場いただけます。 春季北海道雪崩安全セミナ- 2015 年 開催のお知らせ 支部の雪崩講習会にご協力いただいている北海道雪崩研究会の春季セミナーが今年も開催されます。 支部会員でもある榊原健一・飯島裕幸両氏が講師を務めます。 【日時】5 月 31 日(日)13:00 〜 16:45 懇親会 16:45 〜 【会場】りんゆうホ-ル(札幌市東区北9条東2丁目 りんゆう観光株式会社) 【テ-マ】雪崩事故に遭わないための実践行動 【セミナ-内容】 ❖北アルプス立山連峰・真砂岳雪崩事故報告◉陶山正 ❖今冬の雪崩事故(5件)と札幌で観測された弱層・天候条件と弱層の形成◉秋田谷英次 ❖積雪安定性評価 ---CT(コンプレッションテスト)の結果の解釈と総合的評価◉榊原健一 ❖最新雪崩エアバッグの紹介と留意点◉飯島裕幸 【参加費】1,000 円(会費 500 円・資料代 500 円)懇親会費用 2.000 円 【参加申込】氏名、所属、懇親会の出欠を明記の上、下記宛てに FAX かメールでお申し込みください 【申込先】小山健二 FAX:011 - 572 - 2069 E-mail:[email protected] 10
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