報告書(PDF - 北海道大学 大学院獣医学研究科・獣医学部

北海道大学
博士課程教育リーディングプログラム
「One Health に貢献する獣医科学グローバルリーダー育成プログラム」
海外出張報告書(教員用)
2015 年 2 月 12 日提出
氏名
坪田敏男
所属
獣医学研究科野生動物学教室
職
教授
出張先
1)カトマンズおよびマナスル野生生物保護区(ネパール)
2)バンコク(タイ)
1)と2)を続けて出張する。
出張期間
2014 年 12 月 15 日(月)~12 月 28 日(日)
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博士課程教育リーディングプログラム
「One Health に貢献する獣医科学グローバルリーダー育成プログラム」
目的
1)ネパールでは、来年 4 月入学予定の(リーディング外国人特別
選抜で合格)Rabin Kadariya の博士論文研究として実施する、ヒマ
ラヤ山脈(マナスル野生生物保護区)におけるツキノワグマの生態
と遺伝的変異に関する研究の準備として具体的な研究計画の打合せ
および予備調査を行うことを目的とした。
2)タイでは、非合法的に市場に流通するツキノワグマのパーツ
(前掌やクマの胆など)の出所を突き止めることを最終目的として、
タイ国内各地域のツキノワグマの遺伝的変異に関する研究を実行す
るために研究打合せと研究材料採取を行うことを目的とした。これ
らの研究は大学院 1 年生の Suppalak Kaewkwan の博士論文研究テ
ーマとして実施する計画である。
活動内容(2,000 字程度、活動内容が判る様な写真や図表を加えて下さい)
ネパール
初めに、JICA ネパール事務所ならびにネパール日本国大使館にて、各々清水 勉氏
(所長)と横井英治氏(二等書記官)と面会し、これまでのゾウ結核についての研究
経過と今後のアンナプルナ野生生物保護区でのツキノワグマ調査計画について説明
し、協力を依頼したところ、可能な限り協力いただける旨返事をいただいた。ポカラ
に移動した後、アンナプルナ野生生物保護区のプロジェクト主任である Mr. Lal
Prasad Gurung と面会し、来年度以降のクマ調査計画について説明し、協力を要請
したところ全面的に協力いただける旨返事をいただいた。その後、Ghandruk に移動
し、Mr. Paras B. Singh(Conservation Officer)の案内でツキノワグマ調査地を視
察した。また、これまでのアンナプルナ野生生物保護区での野生動物生態調査の概要
を紹介いただいた。カトマンズに戻った後、国立公園および野生生物保護局にて Dr.
Maheshowar Dhakal(Conservation Education Officer)ならびに Mr. Tikram
Adhikari(Director General)と面会し、同様に打合せを行った。さらに、動物園の
会議室にて Mr. Ganga Jang Thapa(NTNC Executive Director)ならびに Ms. Sarita
Jnawali(Project Manager of Central Zoo)と、また、NTNC 事務所にて Dr. Naresh
Subedi(Senior Conservation Officer)と面会し、同様に打合せを行った。面会した
全員から今後のゾウ結核およびクマ生態に関する調査研究に対して全面的に協力い
ただける旨返事をいただいた。なお、今回の研修旅行はすべて来年度入学予定の Mr.
Rabin Kadariya がアレンジし、すべての行程に同行した。
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「One Health に貢献する獣医科学グローバルリーダー育成プログラム」
(4 月から大学院生になる Dr. Rabin Kadariya とアンナプルナ野生生物保護区にて)
タイ
初めに、King Mongkut’s University of Technology Thonburi (KMITT)にて Dr.
Dusit Ngoprasert と面会し、ツキノワグマの遺伝子変異に関する研究計画について
紹介し、今後の協力要請をしたところ、可能な範囲で協力いただける旨返事をいただ
いた。具体的には、Dr. Dusit が進めているヘアトラップによる DNA サンプルの手
法をわれわれの研究に応用し、同様の手法により遺伝子を解析することにより、彼の
研究成果と比較検討できるだろうということで、今後研究の打合せを密に行っていく
ことで合意した。次に、Mahanakorn University において Dr. Sujate Jantarang 学
長および Dr. Jatuporn Kajaysri 獣医学部長と面会した後、獣医学部教員を前にして
“ Biology and Conservation of Bears ” と い う 題 で レ ク チ ャ ー を 行 っ た 。 Dr.
Pongsiwa Sotthibandhu(Assistant Dean for International Academic Relations:
北里大学で学位修得)の案内で獣医学部の研究施設を見学させていただいた後、昼食
を食べながら教員の方々と懇談を行った。今後とも当大学との交流を図っていくこと
を約束した。その後、Mahidol University の Dr. Manoch Yindee とともに、Phu Khieo
Wildlife Sanctuary を訪れ、ツキノワグマ DNA サンプル採取地域を視察した。また、
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「One Health に貢献する獣医科学グローバルリーダー育成プログラム」
現地において、Mr. Thanee Wongnak(Director of Phu Khieo Wildlife Sanctuary)
と面談し、今後の調査許可申請について打ち合わせを行った。バンコクに戻った後、
Mr. Robert Steinmetz と面会し、こちらから今後のツキノワグマ調査計画を紹介し、
協力要請をしたところ、快く了解いただいた。長年、タイでクマの調査をされている
彼からの助言はありがたいものであった。最後に、Banglamung Wildlife Breeding
Center を訪れ、野外で違法に飼育されていたツキノワグマを収容し終生飼育してい
る様子を視察した。タイおよび周辺国でこのような違法な捕殺や飼育が今なお行われ
ている現状を知ることができた。なお、今回の研修旅行は大学院生の Suppalak
Kaewkwan がアレンジし、すべての行程に同行した。
(Dr. Manoch Yindee:Mahidol University と Phu Khieo Wildlife Sanctuary にて)
※1 電子媒体を e-mail で国際連携推進室・リーディング大学院担当に提出して下さい。
提出先:国際連携推進室・リーディング大学院担当
内線:9545
e-mail: [email protected]