科 目 名 担当教員名 マクロ経済学 佐野 晋一 基礎・専門 単位 選択・必修 開講年次 専門 2 選択 3年春 教職課程 教職選択 (公) 概要 マクロ経済学は巨視的経済学とも呼ばれ、経済全体の経済現象を考察する現代経済学の一領域です。本学部が 経営学部であることから、この授業の内容を、企業経営を学ぶ際に重要と考えられるテーマに絞り込んでいま す。 特に、集計量としてのGDPの概念、ケインズの「有効需要の原理」に基づいた「45°線分析」による国民 所得決定理論、乗数理論について学びます。消費関数を取り上げた後、モデルを拡大して利子率を考慮し、 「IS・LM分析」に基づいた均衡国民所得と均衡利子率の同時決定を学びます。雇用拡大のためのマクロ経済 政策の効果などについて考察し、海外との資本取引を考慮したマンデル=フレミング・モデルを学びます。 到達目標・意義 本授業では、一国の経済活動全体に関する理解を深めることを目的にしています。 どの程度理解できるようになったかは、新聞・雑誌の経済欄が嫌いでなくなり、経済の動きがより身 近なものとして感じられるようになったかどうかです。 本学部が経営学部であることから、企業を取り巻く経済環境をより深く理解ことで、経営学をより効 果的に学ぶことができると考えます。 発揮する能力要素 実施方法 主体性 課題発見力 発信力 傾聴力 柔軟性 規律性 主として講義形式をとりますが、重要概念・事項についての説明後に必ず択一問 題クイズを出し、解答(例えば挙手による回答)してもらいます。また、学習済 みの概念・考え方についての理解度をチェックするために、関連するデータを資 料にて配付し、出席チェックを兼ねた「感想文・解答用紙」に記入してもらいま す。 教科書および参考書 講義内容については、各授業でレジメを配布します。 参考書としては、小林・佐野・武田・山田『入門マクロ経済学』(2010年6月出版予定、実教出版) と伊藤元重著『入門 経済学(第2版)』(日本評論社)です。 関連科目 少しでも多く経済学を学ぶためには、1年春の「経済入門」と2年春の「ミクロ経済学」(教職課程 -公民)を履修してください。また、マクロ経済学は、教職課程(公民)では必修です。 履修に必要な予備知識や技能 「経済学入門」で学んだ「国内総生産」について復習しておいてください。 受講生への希望・要望、学習上の助言 授業では、それぞれの事柄について順序よく説明していきます。そもそも何が問題で、何が課題なのか という意味での「問題整理と課題発見」、問題の解決に向けた論の展開という「課題解決」など、板書 されたこと、耳で聞いたことなどをしっかりメモし、後で復習できるものを残してください。 評 価 方 法 筆記試験 評価の割合 60 レポート 小テスト 授業態度 20 20 成果発表 その他 合計 100 評価についてのコメント 筆記試験:記述式試験です。内容は概念の定義、図による説明、論述を含みます。配付資料と自筆ノートは持 ち込み可です。 小テスト:出席チェックを兼ねて提出して頂く「感想文・回答・解答用紙」に書かれた3行以上の「感想文・ 解答」に基づいて評価します。 授業態度:授業終了時に回収する「感想文・解答用紙」の提出で、授業出席・態度をチェックします。遅刻者 には、授業開始時点から出席している受講生とは異なる「感想文・解答用紙」を渡します。「出席」評価は、 90分に対する遅れの割合を差し引きます。6回以上欠席すると、定期試験は無資格になります。 回 数 テーマ・内容 留 意 点 1 マクロ経済学とは -どのようなことを学ぶのか 経済学の目的とマクロ経済学の課題、需要と供給の理論-経済学 の基礎、経済体制と経済活動の主体-政府の役割、マクロ経済学 の発展過程について学びます。 2 GDP経済指標の見方① -GDPと付加価値 国民経済の規模をはかる、GDPとGNP、名目GDPと実質G DP、GDPの実際、国民所得における三面等価の原則について 学びます。 3 GDP経済指標の見方② -物価指数と景気判断の指数 物価水準の指標とインフレ・デフレ、景気循環、景気の基準日付 と景気動向指数、日銀の短観について学びます。 4 GDPの決定① -総需要の構成要素と消費・ 貯蓄 ケインズ経済学の想定と総需要の概念、マクロ消費の決定要因と 貯蓄、ケインズ型消費関数と貯蓄関数について学びます。 5 GDPの決定② -生産物市場の均衡とGDPの 決定メカニズム-45度線分析 連立方程式で表現するケインズモデル、45度線図でみる均衡G DPの決定過程、貯蓄ー投資図でみる均衡GDPの決定過程、数 値例について学びます。 6 GDPの決定③ -有効需要の原理と乗数理論 独立投資の増加と乗数プロセス、限界消費性向と投資乗数、乗数 理論の政策的な意味について学びます。 7 GDPの決定④ -財政活動とGDPの決定 経済活動に関与する政府の役割、政府支出乗数、財政乗数、均衡 予算乗数、所得比例税と財政の景気安定化機能、数値例について 学びます。 8 消費と投資① -消費関数論叢 クズネッツによる問題提起、相対所得仮説、恒常所得仮説、ライ フサイクル仮説について学びます。 9 消費と投資② -ケインズの投資理論と 新投資理論 投資と投資の限界効率、ケインズの投資関数、加速度原理、新古 典派の投資理論、トービンのqについて学びます。 IS-LM分析① 10 -生産物市場の均衡とIS曲線 生産物市場の均衡、IS曲線を導く、IS曲線のシフト、均衡を回復 する生産物市場における調整について学びます。 IS-LM分析② 11 -貨幣市場の均衡とLM曲線 貨幣市場における需給均衡(貨幣需要と利子率の決定)、LM曲線 を導く、LM曲線のシフト、LM曲線と貨幣市場における調整につい て学びます。 IS-LM分析③ 12 -IS-LM分析 生産物市場と貨幣市場の同じ均衡、IS-LM分析による均衡の安定 性、IS-LM分析の数値例について学びます。 経済政策の有効性① 13 -財政・金融政策の効果 GDPの決定に関与する財政・金融政策、財政政策の有効性、財政 政策の有効性をそこねる要因について学びます。 経済政策の有効性② 14 -裁量かルールか 裁量的な経済政策をめぐる論争、財政・金融政策の有効性、経済 政策のルールについて学びます。 オープンマクロ経済学 15 -国際収支、オープンマクロ モデル、為替レート 国際収支、外国貿易とGDP、為替レートについて学びます。
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