CE マーキング表示:安全技術上の問題点 Dr.W.6.

国際機械安全関連情報
No.7-14/2007.05/Ni-Ka
CE マーキング表示:安全技術上の問題点 Dr.W.6.
各国法に置換される欧州労働安全法では、機械等製造者に、安全な製品だけを流通することを義務付
けている。また、これらの製品使用者には、安全な製品だけを入手し、操作することを義務付けている。実
際には、製造者がその義務を既に遂行済であることを前提とする使用者が多い。また、欧州指令の範囲で
は、製造者は、最終的には、製品に要求される CE マーキングを表示する。しかしながら、製品の安全性は
独自評価可能であるため、CE マーキングの知識が欠如している中小企業が多い。改善するためには、どう
したら良いのであろうか?
新たに販売された機械・機器の購入時に、包括的な安全技術上の試験を実施する場合は、費用のかか
る体系的な調査が必要とされる。BGN 試験・認証機関では、実施済型式試験における既存データを参照と
するため、調査が簡素化出来る。製造者は自身の製品を試験所で認証させ、欠陥が確定される場合は、
書類上記録される。そのため、記録された欠陥は適切化され、BG 試験・認証機関では、食品機械・包装機
械・工業食洗機械・冷凍機は一つの専門分野としてまとめられているが、数ヶ月に亘る関連全型式試験デ
ータを考慮しながら、顧客のプライバシー保護のため、時期詳細等を公表せずに、解明されなければなら
ない。目下適切な状況であり、自発的な型式試験のみ行なわれている。また、調査では、労働安全上の技
術的適合に関する機械等の完全な評価が行なれており、部分試験などの他の全試験は、考慮されない。
選択期間において、約 780 件の機械・機器の型式に亘る 86 件の型式試験が登録され、外国製造者の割
合は 14%を占める。認証期間終了後の再試験、新規顧客の新規開発試験、既存顧客の新規開発試験は、
ほぼ同じ割合である。該当製品の初回評価時に、総数 774 件の欠陥が確定・記録されている。
欠陥は三段階のリスク等級に分類され、各リスク等級毎に人の損害原因となる。リスク等級 1 は、型式表
示の誤り・誤報告、不充分な鋭角の角取り、アクチュエータの誤った色表示など、比較的損害が少ないリス
クとされる。リスク等級 2 は、中級損害リスクとされ、保護箇所が固定されていない、保護接地の取付が不充
分な分離式安全装置、などが挙げられる。リスク等級 3 に分類されている欠陥は、例えば、密封機のせん断
箇所に到達可能、PLC 制御(標準 PLC)による安全関連信号の加工、電気フライ機の安全温度制限機が超
過油脂温度に無反応、など損害が著しい結果となる。危険分析上、許容可能な残留リスクとして分類される
リスクは、欠陥を表さないため、考慮の対象外である。また、等級に関する欠陥の分類は、試験・認証機関
における危険分析からの経験知に基づく。
記録済欠陥に関する安全技術上の要求との適合性は、欠陥が除去されて初めて有効とされ、それ以前
に認証は発行されない。
結果として試験済製品の最初の評価に基づいた安全技術上の状況は表 1 の通りであり、特に注意すべ
きなのは、以下の点である。
○ 「欠陥が全くない」という製品がない。
○ 製品の 3/4 以上が、中度あるいは重度な欠陥があると分類される
○ 全製品に CE マーキングが表示されている。
「重度な欠陥」とは、少なくともリスク等級 3 の欠陥であり、「中度な欠陥」は、少なくともリスク等級 2 の欠陥
がある場合である。
Ⓒシュメアザール日本支社 〒167-0054 東京都杉並区松庵 3-39-8 Tel. 03-3247-0519 Fax. 03-3247-0537 http://www.schmersaljp.com
No.7-14/2007.05/Ni-Ka
TA 安全技術状況
割合
0%
全く欠陥がない
若干欠陥がある
形式上の欠陥
8%
技術上の欠陥
16%
中度な欠陥
27%
重度な欠陥
49%
表 1:引き合いに出された機械等の型式試験に対する最初の評価に従った欠陥状況
この結果は、該当分野で自発的に試験された製品のみが該当するため、型式未試験製品が、安全技術
上の要求に対し、より良く適合することは期待出来ない。つまり、比較可能な多様欠陥がある製品は販売さ
せられない。
欠陥が除去された後、全製品が安全とみなされ、それにより、機械等の型式試験は完了し、認証は発行
される。
予防方策上の型式試験の有効性は初期研究 1)で行なわれ、型式試験済製品における安全技術上の異
議、人の損害を伴う事故リスクは、未試験製品より、要因上では 13 件少ない。つまり、型式試験済機械等の
予防要因となりうる。BGN の型式試験の多くが、GS マーク(製品安全マーク)をしているが、結局成果として
は、試験表示ではなく試験方法が決定的な意味合を持つ。そのため、商業品の型式試験への要求は、予
防方策となり、調査上型式試験の最大限の能率化は必要とされない。より多くの製造者が自発的な試験の
成果を確信出来れば、大変有意義である。市場監督当局と ZLS(試験所認定機関)により消費製品上の GS
マークの不都合があるため、現在は GS マークへ細分化されないようにし、機械等では GS マークの意味を
持たない。そのため、超過調整による需要減少が、機械等の製造者に対し予防方策の欠点として生じる危
険がある。BG は可能な限りこれらの成果のある初期予防を長期維持させるため、型式試験での新たなる解
決策を模索しなければならない。いずれにせよ、調査結果により、労働安全をおろそかにする理由は明ら
かにないとされる。
[1] Karl Wickert, Leonhard Bluemcke
Quantativer Nachweis zum praeventiven Nutzen von Baumusterpruefungen. Die BG 4/2005, S.194-197, Erich Schmidt
Verlag, Berlin
本稿著者:Dr. Karl Wickert (K. ヴィッケルト、BG 食品・嗜好品技術委員会、検定・認証部リーダー)
Leiter der Pruef- und Zertifizierungsstelle des Fachausschusses Nahrungs- und Genussmittel der
Berufsgenossenschaft Nahrungsmittel und Gaststaetten (BGN) in Mannheim. E-Mail: [email protected]
出典:sicher ist sicher- Arbeitsschutz akttuell 3.2007
本件、お問合せは SCHMERSAL 日本支社迄。
Ⓒシュメアザール日本支社 〒167-0054 東京都杉並区松庵 3-39-8 Tel. 03-3247-0519 Fax. 03-3247-0537 http://www.schmersaljp.com