各研究部会受賞発表一覧 - 長崎県社会福祉協議会

H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
- 平成27年度九社連老人福祉施設協議会職員研究大会in鹿児島 ―
各研究部会受賞発表一覧
日時
平成27年7月24日(金)10時から15時まで
場所
鹿児島市「鹿児島サンロイヤルホテル」「城山観光ホテル」
第1研究部会
優
秀
賞
249万人の介護人材確保に向けて
「人材確保と定着に向けて」
抄録を添付
強みを活かした人材確保とリーダー育成による定着
熊本県
4 ページ
特別養護老人ホーム龍生園 事務長 髙村龍一
氏
15-1-5
「介護人材確保の体系化」
抄録を添付
2025年の介護人材確保に向けた取り組み
奨
励
賞
佐賀県
特別養護老人ホームめずら荘
5 ページ
主任生活相談員
森田亜希 氏
15-1-3
「職員が幸せになる職場を目指して」
抄録を添付
介護人材確保に向けた取り組み
宮崎県
第2研究部会
優
秀
賞
6 ページ
特別養護老人ホームほほえみの園 総務経理係長 渡辺保 氏
15-1-7
求められ、選ばれ、喜ばれる特別養護老人ホームとは
「暮らしの継続」
抄録を添付
家(うち)げに茶飲んけ来んね
宮崎県
7 ページ
特別養護老人ホームわかば ユニットリーダー
竹田奈々 氏
15-2-6
「いつまでも食べる楽しみを」
抄録を添付
~私達(栄養科)が御利用者様のためにできること~
奨
励
賞
佐賀県
8 ページ
特別養護老人ホームシルバーケア吉野ヶ里 管理栄養士 中島綾
「特別養護老人ホームの選択」
氏
抄録を添付
特別養護老人ホームに求められているものとは
北九州市 特別養護老人ホーム杜の家
第3研究部会
優
秀
賞
生活相談
9 ページ
長原壮志 氏
見守りキーホルダーを活用した地域との多職種協働の取り組み
地域密着型施設清水園
介護支援専門員
坂上泰清 氏
「ほどよい距離感」
熊本県
白寿園デイサービスセンター
通所介護主任 海江田ふみか 氏
15-3-1
15-3-3
抄録を添付
~クラブ活動の再編と利用者の意欲向上~
宮崎南デイサービスセンター
10 ページ
11 ページ
「元気を創る場所」
宮崎県
抄録を添付
抄録を添付
パーソナル・スペースを考える
奨
励
賞
15-2-1
在宅サービスの将来像と課題
「高齢者が住み慣れた地域で活き活きと暮らしていくために」
佐賀県
15-2-2
12 ページ
介護職員
1
谷口義洋 氏
15-3-5
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
第4研究部会
優
秀
賞
想いを形にするケアプラン
「心の動きに連動したケアプラン」
抄録を添付
~自分の足で買い物に行けて幸せ~
13 ページ
鹿児島県 在宅ケアセンターさざんか園 管理者
塩浦由紀子
氏
「想いを形にするケアプラン」
抄録を添付
ケアプランに基づいた介護の実践
奨
励
賞
沖縄県
転生園デイサービスセンター
14 ページ
生活相談員 神谷昌志
氏
「想い」
第5研究部会
優
秀
賞
15 ページ
特別養護老人ホーム白寿園 介護福祉士
林友里香 氏
15-4-2
福祉と医療の連携
「尊厳に立つ」
抄録を添付
5年の歩み…職員一人一人の自己実現と医療福祉の課題に向かって
16 ページ
鹿児島県 特別養護老人ホーム旭ヶ丘園 ユニットリーダー 中島誠 氏
「看取りケアシステムの構築」
熊本県
17 ページ
看護職員
木村千津子
氏
抄録を添付
~看護職のユニット担当制導入の成果~
18 ページ
第6研究部会
特別養護老人ホームしらふじ 施設長・ケア管理部長 濵砂貴美子 氏
「地域活性化が育む絆と法人の役割」
抄録を添付
小学校跡地利用による活性化をめざして
19 ページ
鹿児島県 介護老人福祉施設みどりの園 施設長
松木忠美 氏
20 ページ
特別養護老人ホームマナハウス 施設長
小金丸誠 氏
「感謝の気持ちで地域貢献活動!」
15-6-5
抄録を添付
地域交流推進委員会の活動
大分県
15-6-3
抄録を添付
地域包括ケアシステム構築のために
福岡県
15-5-3
社会福祉法人の意義
「地域社会、社会資源との協働」
奨
励
賞
15-5-1
「看護職と介護職の連携・協働の再構築」
宮崎県
優
秀
賞
特別養護老人ホーム白川の里
15-5-4
抄録を添付
「看取りケアパス」の作成を通して
奨
励
賞
15-4-6
抄録を添付
~本人の想いを繋ぐために~
熊本県
15-4-5
21 ページ
特別養護老人ホーム喜楽苑 事務長 古賀和成
2
氏
15-6-1
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
第7研究部会
優
秀
賞
養護老人ホームの実践と課題
「入所者・家族・地域がともに支えあう環境づくりを目指して」
抄録を添付
~みんなでささえあおう~
熊本県
22 ページ
山都町立養護老人ホーム浜美荘 生活相談員 廣津亮輔 氏
15-7-8
「助けて!どんげしていいか分からん!!」
抄録を添付
~N氏の声なき声を聴く~
奨
励
賞
宮崎県
23 ページ
宮崎市養護老人ホーム清流園
介護士
柳丸優美 氏
15-7-1
「変容・拡充する配色サービス事業」
抄録を添付
21年間のふれあいランチから、今サロン弁当へ
福岡県
第8研究部会
優
秀
賞
24 ページ
養護老人ホーム博多老人ホーム 主任相談員 竹ノ上恵美 氏
15-7-4
軽費老人ホーム・ケアハウスの実践と課題
「現金での集金業務をなくそう!」
抄録を添付
事務処理の効率化でリスク軽減
25 ページ
佐賀県
ケアハウス寿楽荘 事務主任
山下富士子 氏
15-8-5
「筋力維持の取り組みについて」
抄録を添付
転倒予防の取り組み
奨
励
賞
熊本県
26 ぺージ
ケアハウスあいこう 介護職
吉居幸子
氏
15-8-7
「まだまだ元気でやれるんだ」
抄録を添付
~OTRが関わりだしてからの入居者の変化~
大分県
第9研究部会
優
秀
賞
軽費老人ホーム(ケアハウス)豊友館
27 ページ
作業療法士 橋本淳平
氏
地域密着型サービスの実践と課題
「地域や行政と関って」
抄録を添付
~その人らしい生活とは~
沖縄県
28 ページ
小規模多機能型居宅介護事業所よみたんふれあいの里
介護職 栄門千夏
氏
「浮腫軽減に向けての取り組み」
大分県
奨
励
賞
地域密着型特別養護老人ホーム天領ガーデン
「認知症に対する意識を変えたい」
29 ページ
15-9-7
抄録を添付
地域に根差した役割とは
グループホームつばき
15-9-1
抄録を添付
特養部介護副主任 坂巻奈緒美 氏
佐賀県
15-8-8
30 ページ
ホーム長 坂本聖子 氏
3
15-9-4
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-1-5
題
人材確保・定着
リーダー育成
モチベーション
熊本県 人吉市
発
表
者
事務長
副
題
人材確保と定着に向けて
強みを活かした人材確保とリーダー育成による定着
施
設
名
髙村 龍一
特別養護老人ホーム 龍生園
共
同
研
究
者
[email protected]
問
合
昭和 51 年開設。施設入居定員 117 名(従来型 77 名、ユニット型 40 名)。
「すべての
今回の発表の施設
またはサービスの 人を自分の親だと思って…」を基本理念とし、入居者の方にとって龍生園が「第二の我
概要
が家」になるよう、暮らしを支える関わりをしています。
<活動の成果と評価>
・当園の強みである「ユニットケア」
・「おいしい
食事」
・「手作りの物が多く温もりある暮らし」を
体験できる「オープンホーム」は、福祉専門学校
生にも支持を得ており、ここ 2 年間で 40 名以上
の来園があった。中には、オープンホームに参加
し、当園への就職に至った学生もいた。また、
「施
設紹介DVD」は、上記 3 つの強みの紹介に特化
したものであり、オープンホームに足を運ぶきっ
かけとなっている。
・近隣で行われていた介護職員初任者研修の受講
者向けに「オープンホーム」を開催し、特養のイ
メージアップや、当園への就職に結びつけること
が出来た。
・特定非営利活動法人Uビジョン研究所による中
間管理職のスキルアップ研修は、目に見えた効果
があっているわけではないが、モチベーションの
維持・向上及びケアの質の担保に繋がっていると
考えられる。
・理念を基にした個人の目的・目標は、人事考課
制度の「面接」の際に確認でき、また、部署ごと
に取り組んだ目的・目標への取り組み
は、職員の投票にて評価される仕組みとなってお
り、職員へのプレッシャーになりつつも、チーム
マネジメントの一助、モチベーションの維持・向
上につながっていると考えられる。
<取り組んだ課題>
・ハローワーク等を活用し、求人活動を行ってい
るが、中々採用に至らない。
・職員の離職が少ない状況とは言えない。
・個別ケアの実践のため、ユニットケアを導入し
たが、職員も固定配置となるため、より職員間の
人間関係の配慮が必要になってきた。
・職員のモチベーションを向上させたい。
<具体的な取り組み>
・採用計画を作成するに当たり、当園の「強み」・
「弱み」、そして介護人材確保を取り巻く環境の
分析を行った。
・「強み」を活かし、特に福祉専門学校生等に介
護業界へ更なるポジティブなイメージを描いて
もらうため、「オープンホーム」の企画及び「施
設紹介DVD」の作成を行った。また、ユニット
リーダー研修の指導者を福祉専門学校へ講師と
して派遣する計画を立てている。
・
「弱み」を克服するための一つの方法として、
「中
間管理職」のスキルアップが必要と感じた。その
ため、リーダー・主任等の中間管理職を対象とし
た「スキルアップ研修」を特定非営利活動法人U
ビジョン研究所(東京都)に依頼し、年間を通じ
て研修を行った。
・「すべて人を自分の親だと思って…」という理
念の基に、各個人で目標をたて、
「人事考課制度」
で評価した。また、年間を通じての部署毎の目
的・目標を策定し、その取組み発表を年度末に行
い上位者(部署)へ表彰を行った。
<今後の課題>
・すでに福祉業界に興味を持っている学生等だけ
を対象にするのではなく、高校生等向けにもオー
プンホームを実施し、福祉に興味を持ってもらい
たい。
・職員定着に向けた取り組みは、様々な視点から
検討する必要があると思うので、職員と一緒に働
きやすい職場作りに努めたい。
4
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
九社連老施協職員大会
介護人材確保の体系化
題
15-1-3
キ
ー
ワ
ー
ド
組織化
人材確保
業務改善
佐賀県唐津市
者
2025 年の介護人材確保に向けた取り組み
題
主任生活相談員
施
設
名
特別養護老人ホームめずら荘
森田亜希
共
同
研
究
者
[email protected]
問
合
概要今回の発表の 昭和 49 年開設。平成 25 年新築移転。定員 120 名(長期 110 名、短期 10 名)のユニ
施設
ット型施設。建物は 6 階建て(5 階部分にケアハウス 30 床併設)。
またはサービスの 介護職員配置は、2.2:1。介護度平均 4.17。
概要
【第3期】
・新人教育システムの確立
・処遇改善交付金とキャリアパスの構築
・EPA介護福祉士候補生の活用
・チーフリーダー制による組織化の確立
・ラウンドによるサービス管理
・新築移転
<取り組んだ課題>
介護保険制度施行後、利用者の重度化により介護
者の負担が増加した。日々追われる業務に、離職
者も増加する背景があった。
●当荘において、介護人材を確保してきた施設戦
略について振り返り、取組の評価と課題分析を行
った。
●2025 年に介護人材を確保するための対策を見
出す。
<活動の成果と評価>
【成果】
●人材確保対策の体系化による人材の定着。
一要因の改善ではなく、トータル的な組織力の
強化により、人材確保対策が体系化され、新採
職員の定着に繋がってきた。
<具体的な取り組み>
①介護保険施行後からの離職率を分析する。
区分
離職率
第1期
H12-16
14.8%
第2期
H17-21
15.8%
第3期
H22-26
6.6%
【新採職員の定着率(勤続 3 年)
】n=103
区分
全体
学卒者 中途者
第1期
56%
71%
44%
第2期
63%
69%
57%
第3期
82%
74%
94%
②施設で行った取組みを時代背景とともに考察
する。
【第1期】
・従来型既存施設でのユニットケアの取り組み
(集団処遇から、利用者主体の生活支援)
【第2期】
・ケアマネジメントシステムの構築
(ケアプランに沿ったサービス提供の確立
リスクマネジメント等マニュアル整備
業務スケジュール整備)
・業務改善
(勤務時間の見直し、リフレッシュ休暇の取
得、業務負担の見直し)
・学卒者の採用と人材育成・資格取得
・センター内異動によるキャリアアップ
【評価】
●利用者の満足度調査を指標として評価。
良質な人材の育成・確保することは、利用者の
QOL 向上・満足度において、結果として表れる。
(H26 度における満足度調査総合評価 4.68)
<今後の課題>
●新採職員の確保
EPA 介護福祉士候補生、技能実習制度、再雇用
等の有効活用
5
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-1-7
題
長く勤めてもらう
抱えない介護
職場の環境整備
副
題
宮崎県都城市
発
表
者
職員が幸せになる職場を目指して
総務経理係長
介護人材確保に向けた取り組み
施
設
名
特別養護老人ホームほほえみの園
渡辺
保
共
同
研
究
者
[email protected]
問
合
今回の発表の施設 宮崎県都城市は、県南部に位置する畜産と焼酎が有名なところです。
またはサービスの 当園は平成 25 年度に増改築工事を行い、平成 26 年 4 月より個室ユニット型施設とし
概要
て長期入所 50 床、併設型短期入所 10 床で運営しています。
<取り組んだ課題>
介護福祉現場における職員確保が難しいと言
われる中、長く勤めてもらうためのハード面とソ
フト面での環境整備に努め、職員一人ひとりが将
来を見据え、希望を持って働いてもらうための仕
組みや組織体制の構築に取り組んでいる。
<活動の成果と評価>
・「抱えない介護」の取り組みにより、腰痛等の
身体的負担による退職が無くなった。
・施設増改築後、入居者や家族にとってより快適
で過ごしやすい環境を整えることができ、家族
の面会件数が増加した。
・ケア記録に掛かる労力と時間が減少し、職員の
残業時間の減少に繋がった。
・マニュアルを整備する事で、職員の教育方針の
統一化や知識向上に繋がった。
・研修計画を策定、実施することで偏りなく職員
育成を行うことができている。
・情報を公開することで、職員の働く事に対する
不安感を払拭し、今後の事業展開への期待感と
やる気を引き上げることができている。
・人事考課制度の導入により、職員の職務や役割
が明確化され、自己の働きぶりに対する評価が
仕事に対するやりがいとなっている。
・60 歳での役職定年から 70 歳までの継続雇用を
行うことで、職員のライフプランが設計しやす
くなり、老後の不安感を取り除けている。
<具体的な取り組み>
○ハード面
介護に携わる職員の身体的負担を軽減するた
め、「抱えない介護」を推進に向け、ユニット毎
に床走行式リフト、スタンディングリフト、リフ
ト付き浴槽を導入し、離床・車椅子移乗・トイレ
誘導・入浴介助等に使用している。
施設増改築の際、床材を衝撃吸収材に変更し、
転倒時の怪我等のリスクを軽減している。また、
天井を下げ、職員の見る範囲を少なくしている。
各ユニットに外玄関と駐車場を設け、移動導線を
短くしている。内玄関も設け、空間を区切る事で
視線を気にせず過ごせるようにしている。
職員がケア記録に時間を割かれている状況を
変えるために、音声入力システムや ipad を用い
たケア記録に掛かる時間短縮、ハイブリッド認証
方式によるクラウド上での出退勤データ管理、ナ
ースコールと介護ソフト等との連携システムな
ど最新の電子機器類を積極的に導入している。
○ソフト面
各種マニュアルを整備し、職場での働き方の指
針を設けている。
職員の資質向上のために研修受講年間計画の
策定、実施を行っている。また、実習生の積極的
な受け入れを行っている。
法人や施設の動向に関する情報は、総合施設長
より全ての職員に対して公開されている。
福利厚生面の充実、人事考課制度の導入、定年
雇用の延長を行い、働きやすい職場環境を構築し
ている。
<今後の課題>
今後、法人内の事業所数と職員数が増えた際
に、同様の取り組みを継続していく事が重要。一
事業所だけでの取り組みに留まらず、法人全体が
同じ方向性を持って取り組んでいく必要がある。
<参考資料など>
特になし。
6
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-2-6
題
第二の我が家
私の役割
おすそ分け
宮崎県
発
表
者
暮らしの継続
副
題
都城市
ユニットリーダー
家(うち)げに茶飲んけ来んね
施
設
名
竹田
特別養護老人ホーム
奈々
わかば
共
同
研
究
者
[email protected]
問
合
今回の発表の施設 宮崎県南西部に位置する都城市の中心部にある「特別養護老人ホームわかば」は定員5
またはサービスの 5名のユニット型介護老人福祉施設として平成19年4月に開園しました。入居者様の
概要
自立支援に向けたケアに取り組み、在宅に近い環境つくりを目指しています。
<取り組んだ課題>
<活動の成果と評価>
・朝、夕になると落ち着かれなくなり、トイレの
訴えが頻繁で 1 日のトイレ回数が 40 回を超え
ていた。その背景にご本人のどのような思いが
隠されているのか、原因把握に取り組んだ。
・表情が険しく、暴言も吐かれていた。少しでも
多くの笑顔を引き出すためのケアを模索した。
・ベッドを取り払い畳を導入するととても喜ば
れ、夜間は覚醒されることも少なくなった。
・おかずのおすそ分けに行った時は自ら配って回
られ、とても表情が活き活きとされていた。
・スタッフが勝手にできないと決めつけていたご
本人の可能性に気づき、目を向けることができ
た。
・ご飯の心配をされる時は一緒にご飯の準備を
し、お風呂の心配をされる時は一緒に沸かしに
行くなど、言葉で説得するのではなく一緒に取
り組むことで納得され、少しずつ安心感を与え
られたのではないか。
・以前の暮らしに近い役割を持って頂くことで、
自分の居場所を感じ、不安が少なくなり、その
結果トイレの回数が徐々に減り、現在は 1 日 20
回以内に収まっている。
<具体的な取り組み>
・ご家族からKさんの昔の暮らしに関する情報を
収集し、今のわかばでの暮らしと比較した。
・ご自宅へ帰り、実際生活されていた空間と、現
在の生活空間を比較した。
・以前の暮らしに近づけ、安心できる快適な生活
を送って頂く為に、ご自宅と同じような環境づ
くりを行った。(ベッドを取り払い畳に布団を敷
き、こたつと座椅子を設置。スタッフに声を掛
けてすべて持ち寄って対応した為費用もかか
らず。)
・昔は料理好きで、近所におすそ分けをして回る
のが楽しみだったことから、おかずをたくさん
作り、隣のユニットにおすそ分けに行った。
・落ち着かれない時、その背景には何が原因とな
っているのかを考え、受容し、寄り添い、全ス
タッフで情報を共有し、不安を取り除けるよう
な対応を心掛けた。
<今後の課題>
・まだ時々落ち着かれず暴言を吐かれることがあ
る。全スタッフが同じようにKさんらしさ、安
心、Kさんの力の発揮、安全と健やかさ、なじ
みの暮らしの継続を追及するために、今後もよ
りいっそうご本人の言葉や行動、気持ちに目を
向け、心を向け、感情に近づけるよう努めてい
く。
・全スタッフが統一したケアを提供し、ご本人の
気持ちに沿ったケアが提供できるよう努める。
7
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-2-2
題
食べる楽しみ
他職種協働
選ばれる施設
問
合
管理栄養士
E-mail:
~私達(栄養科)が御利用者様のためにできること~
副
題
佐賀県 吉野ヶ里町
発
表
者
いつまでも食べる楽しみを
施
設
名
特別養護老人ホーム
中島綾
共
同
研
究
者
シルバーケア吉野ヶ里
部長(看護師) 南里美枝子
[email protected]
Fax:
0952-55-6228
(長期入所 50 名、短期入所
今回の発表の施設 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町にある特別養護老人ホームである。
またはサービスの 20 名ユニットケア施設) 栄養科は平成 17 年の開設時より直営で給食管理、栄養管理
業務を行い、調理師を含めた他職種協働で日々の業務に携わっている。
概要
<活動の成果と評価>
・看取りの御利用者様に対し、御家族様が食べ
ることが困難な状況と理解はしてあるものの、
「好きだったビールを飲ませてあげたい、ゼリー
状ならどうだろうか」との想いを伝えられ、ビー
ルゼリーの試作から始まり、実際に食べていただ
いたその瞬間、御利用者様の表情が和らいだこ
と、御家族様も要望を受け入れてもらったことに
対して感銘を受けられた。
・「鰻のせいろ蒸し」をお誕生日に食べさせて
あげたい…
施設をあげての取り組みであった「願い事叶
え」で食の要望が出た際に、他職種協働で形態ア
ップに努め嚥下訓練を開始、また管理栄養士・調
理師を含め、御利用者様・御家族様の想いに応え
ようと、プロの調理師による調理指導、試作、食
器の選定等、ユニット介護士と他部署職員と協力
しながら、願い事叶えに関わることができた。
<取り組んだ課題>
開設時より、日々の食事提供の重要性を意識
し、御利用者様の一番の楽しみである食事提供の
役割を任されている栄養科は当施設にとってな
くてはならない部署である。近年、食事サービス
のニーズも高まっているなか、特養は御利用者様
の“家”であり人生の最期を迎えられる場合も多
い。
そこで当施設で御利用者様の楽しみと満足度
を高めていくために実施している栄養科の取り
組みを紹介する。
※楽しまれ、喜ばれる食事提供のために
※看取りの御利用者様に対しての関わり
※他職種協働でのケア
<具体的な取り組み例>
●御利用者様、御家族様の想いへの対応
・経口摂取が困難になってこられた御利用者様
に対して御家族様の想い…「ビールが好きだっ
たから飲ませてあげたい。
」
→介護士がその想いを栄養科へ報告し、ビー
ルゼリーを提供。
・「鰻のせいろ蒸し」が好物だったので、お誕
生日に是非食べさせてあげたい。
→形態がミキサー食だったが、他職種で連携
し、嚥下訓練を開始、栄養科でも試作を繰り
返した上で普通食のうなぎを提供
・おやつバイキングでは毎月のバイキングを調
理師の担当制にすることで、調理師自身の個性を
発揮する場にもなっており、それが調理師同士の
刺激にもなり、切磋琢磨していける環境作り、調
理師としての仕事へのやりがいへとつながって
いる。御利用者様の満足されている笑顔を調理師
が直にみて感じ、御利用者様や御家族様とコミュ
ニケーションをはかることで、調理師自身の仕事
への満足度にも比例している。
●毎月の手作りおやつバイキング
・御利用者様に食べる楽しみ、食べたいものを
自ら選ぶ楽しみの場の提供
・視覚や聴覚、嗅覚などの五感を使って食欲増
進を図る
・調理師が主導になり他職種協働で実施
・調理師担当制で御利用者様からの要望をふま
えた上でのメニュー考案や環境作り
<今後の課題>
御利用者様、御家族様が何を求め、ユニット介
護士が何を考えて御利用者様のために働きかけ
ているかを、管理栄養士とともに調理師も常に考
え、業務に生かしていくことが今後も重要であ
り、選ばれる施設として食事サービスの向上にも
つながると感じる。
8
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-2-1
題
特養での医療
ご家族の思い
地域のニーズ把握
福岡県 北九州市八幡西区
発
表
者
生活相談
特別養護老人ホームの選択
副
題
特別養護老人ホームに求められているものとは
施
設
名
長原
特別養護老人ホーム
壮志
杜の家
共
同
研
究
者
FAX:093-616-7185
問
合
今回の発表の施設 北九州市は平成26年3月末現在で高齢化率 27.2%と、全国平均の 25.6%を上回る数
またはサービスの 値となっている。その中で八幡西区は 25.7.%の高齢化率である。今回の施設では、医
療行為の必要な方の受け入れを積極的に行う為、看護師の夜勤体制を行っている。
概要
<活動の成果と評価>
・病院へ入院した後、医療行為が必要となった方
の可能な限りの受け入れを行えた事により、
入院による退去者数を平均で約 10%減少させ
る事に成功。
<取り組んだ課題>
・病院への入院により、退去に至ったご家族の
思いとは。
・地域の入居待機者が望んでいるもの。
・外部への認知度向上とその効果。
・外部への宣伝の結果、この施設に置いて最も効
果的だったのは各事業所への営業であり、見学
に来られた方の約 49%もの方が、各事業所から
の紹介によるものであった。又、ホームページ
を見て来られた方が約 28%、広告を見て見学を
希望された方が約 19%という結果だった。
<具体的な取り組み>
・病院へ入院した後、退去する原因となった事は、
概ね医療行為の必要性があり、その時点で退院
後の受け入れが困難であった。しかし、ご家族
は何故退去しなければならないのか、特養は終
の棲家ではなかったのか、という思いを持たれ
ていた。その為に急務となったのは、特養とし
て医療行為を可能な範囲まで受け入れる体制
作りである。看護職員を計3名増加し、看護師
夜勤体制を平成26年から本格始動。介護士と
の連携を行う為、看護・介護が日中・夜勤時の
状態報告を行う(申し送りのみならず、看護師
による各ユニットの巡視の実施を含む)。
・アンケートの結果、医療体制・設備の充実が約
61%という結果であり、特養に対する医療ニー
ズの充足も求められている事が判明する。この
為、この施設では医療行為の積極的な受け入れ
を実施している事を見学時に説明する事で、平
成26年度では効果が薄かったが、平成27年
度で医療行為を必要とする入居希望者の増加
に繋がっている。つまり、地域における入居に
対するニーズに応える結果に繋がった。又、そ
の際に必要な多職種の連携に関して北九州市
の施設へのアンケートを実施。結果、多職種で
の連携を図る際に、上手く出来ていないと答え
た施設が全体の 20%ある事が判明する。
・医療体制の整備を実施した事で、平成26年度
から施設の体勢が変更された。これを効果的に
外部へ知らせる為には、積極的に地域の認知度
を上げる必要がある。その為、病院や居宅介護
支援事業所への営業以外にも、パンフレットの
作成や広告による宣伝等を精力的に取り組む。
<今後の課題>
・今後特養を『終の棲家』としていただく為には、
医療との連携が必須である。それを示すデータ
として、多職種の連携についてのアンケートの
結果、各施設での事例に対する中心的役割で最
多だった職種が看護師となっている。地域にお
ける要介護者のニーズの把握や、それを踏まえ
施設としてどのような課題に力を入れていく
か等、各施設が判断していく事が必要である。
・平成26年度より、入居希望者のニーズ(特に
医療体制に関するニーズ)把握の為、施設見学
者に対するアンケートを実施。それにより、見
学に来られたご家族・入居希望者の医療行為に
関する希望や、その他の意向の確認を実施。
9
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-3-1
題
高齢者が住み慣れた地域で活き活きと暮ら
していくために
副
題
見守りキーホルダーを活用した地域との多職種協働
の取り組み
ICT
高齢者の同意
タイムリーな連携
佐賀県小城市
発
表
者
介護支援専門員
施
設
名
社会福祉法人清水福祉会
地域密着型施設清水園
坂上泰清
共
同
研
究
者
介護支援専門員
保健師
林
恵美子
髙野
麻衣子
E-mail Address:[email protected]
問
合
小城市は、佐賀県のほぼ中央に位置し、北は天山山系から南は有明海までと細長い地
今回の発表の施設
またはサービスの 勢にあり、その中で北部2町(小城町・三日月町)高齢者人口6,500人(高齢化率
21.8%)の地域包括圏域で実践した報告である。
概要
歳以上の方 ○内容:高齢者の顔・全身の写真、
緊急連絡先や医療情報など登録し、登録番号の入
ったキーホルダーとマグネットシートを交付す
る。これらの情報を、当施設が管理・運営するI
CTを活用した情報共有システムに登録し、利用
者が指定した見守り協力者がいつでも情報を確
認することできる。もしものときには、この情報
を活用し緊急対応を行うこととした。
この事業を行うための新たな予算は、見守りキ
ーホルダー(400円/個)
、マグネットシート(2
0円/枚)、広報用リーフレット(20円/枚)で
あり、本プロジェクトチームを発足して6か月目
の平成25年11月より登録を開始した。
<活動の成果と評価>
6か月の検討の間に、市地域ケア会議メンバー
や警察署、市役所等からの協力を得ることがで
き、警察署では高齢者の交通事故防止及び徘徊捜
索を容易にすることを目的に警察官自らの手作
りで「”光って安心”靴用まもる君ステッカー」を、
本事業登録者に無償で配布することとなった。
現在では、120名の登録があり内訳として
は、徘徊対応目的61名、元気だが外出時のもし
もに備えての59名となっている。事業開始後、
このシステムが徘徊捜索で稼働したのは1件だ
けであるが、捜索協力者が写真を保持し確認する
ことで通報より1時間以内に無事保護すること
ができた。捜索協力者側は写真があり捜索経過が
手元で直ぐに確認できることで捜索がし易かっ
たと一定の評価を得た。
<今後の課題>
・サービスの存在を知らない人が多くいる。
・認知症サポーター養成講座修了者などの人的資
源を利用できていないこと。
・小城市北部地区2町だけのサービスを小城市全
域に拡大すること。
<取り組んだ課題>
小城市では、認知症高齢者を自宅から外に出さ
ないようにする家族や外出を控える元気高齢者
が多く確認されるようになった。理由としては、
・認知症高齢者が、屋外で活動したことで自宅に
戻れないようになり、捜索し発見するまでに1日
以上要することが増えてきていること。
・元気な高齢者でも、猛暑日が増えたことで、熱
中症により外出先で倒れる事故が増え、緊急搬送
されても身元や現病歴がわからない事で、治療が
迅速に行えず他界するケースがあったこと。
このことは、増加する地元商店などの廃業や、
さらには老人会や婦人会等の自然消滅など、地域
コミュニティーが衰退したことで馴染みの関係
が崩れ、顔も知らない関係が増えたことが原因と
して考えられる。
このような状態が続くと、高齢者が多く望んで
いる住み慣れた地域で生活し続けることが難し
くなることが考えられる。
<具体的な取り組み>
従来からある、なんとなくある地域の見守り活
動を、形ある機能的なものにするため、「利用者
や家族からの同意のない見守り体制」から「同意
を受けて」見守る側そして見守られる側の立場が
わかる体制づくりを行うことを目的とした。
又、取り組む目的としては、地域の協力者をよ
り多く取り込むことが目的達成の糸口になるこ
とを考え、地区医師会を始め介護保険事業所や民
生委員に協力をもとめ、平成25年6月より1か
月に2回の検討会を開催した。そこから企画のポ
イントとしてあがったのが、『幅広い協力者を募
ること』『協力者とタイムリーな情報共有』を行
うことであった。そこから形として生まれたの
が、
○事業名:見守りキーホルダー登録事業 ○対象
者:小城市小城町・三日月町に住所を有する65
10
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-3-3
題
距離感
鑑別診断
個別ケア
熊本県荒尾市
発
表
者
通所介護主任
ほどよい距離感
副
題
パーソナル・スペースを考える
施
設
名
海江田ふみか
白寿園デイサービスセンター
共
同
研
究
者
[email protected]
問
合
今回の発表の施設 特別養護老人ホーム白寿園に併設。認知症対応型通所介護
またはサービスの 登録者 28 名。平均介護度 2.3。
概要
定員12名。月~土稼働。
<取り組んだ課題>
・日中絶えず独語が続く。
・介護に対して抵抗がある。
・大声を出され、興奮されることが多い。
・独語や大声を出される事によって周囲の不穏を
引き起こすきっかけになる事が度々ある。
<活動の成果と評価>
・行動観察表を記録し表面化する事で、利用中ず
っと独語や興奮があると思われていたが、落ち
着いて過ごされている時間があると把握する
事ができた。
・席を単独化し、他利用者と距離を置く事で他利
用者の不穏が解消できた。
・本人様の視界情報をコントロールする事で刺激
の調整を行う事ができた。
・ずっと隣にいるのではなく、本人様の視界に入
る位置に職員がいる事で安心感を与える事が
必要と分かった。
・MMSE の測定、変わらず測定不能。
・NPI-NH 26.7 48 点 → 27.4 29 点
上記の件を踏まえ、職員の関わり方をもう一度見
直し、落ち着かれる時間を増やしていく。
落ち着かれる時間が増えることにより、周囲の不
穏を解消したい。
<具体的な取り組み>
対象者…90 代 女性 介護度 4 デイ週 4 回利用
アルツハイマー型認知症。
・認知症検討会にて認知症専門医より鑑別診断を
受け、ケアのアドバイスや服薬の調整を行う。
・利用時間中の行動観察表(興奮時や落ち着かれ
ている時間を色で分けて表に現す)を記録し、
落ち着かれている時間帯を表面化する。
・周囲の不穏を解消する為に単独席を試みる。
・常に事務所側を見える席に配置する事により一
定の視界情報を与える事により本人様の視界
情報の調節を行う。
・個別のアクティビティを取り入れる。
・本人様のパーソナル・スペースの距離を確認す
る。
・MMSE の測定
・NPI-NH 測定
<今後の課題>
・落ち着く時間が増えても独語は変わらず続いて
いる。
・利用者一人ひとりパーソナル・スペースは違う
為、様々な事を取り組みながら個々のスペース
を把握していく事が必要。
<参考資料など>
フリー百科事典ウィキペデア
介護百科ドットコム
11
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
つく
九社連老施協職員大会
「元気を創る場所」
15-3-5
~クラブ活動の再編と利用者の意欲向上~
チャレンジ
自己実現
人材育成
宮崎南デイサービスセンター
宮崎県 宮崎市
介護職員
たにぐち よしひろ
介護職員
谷口
祥子
義洋
E‐mai:[email protected]
今回の発表の施設
またはサービスの
概要
野間田
Fax:0985-65-1700
経営主体/社会福祉法人愛鍼福祉会 地域福祉の貢献を理念に掲げ総合福祉施設として展
開。当事業所では“元気を創る場所”をコンセプトに、くもん学習療法や充実したプログ
ラムに加え個別機能訓練、介護予防に重点をおき取り組んでいる。
<取り組んだ課題>
・クラブ活動を通して利用者の可能性を発掘。
・利用者と職員の楽しい時間の共有。
・利用者が意欲的な生活を送れるような環境作
り。
<具体的な取り組み>
Ⅰ クラブ活動の見直し
利用者の日常生活に反映できるような活動
となる様に全クラブ活動の内容を見直し
た。更に職員の趣味や特技に連動させ利用
者と職員が楽しみを持つことが出来る様な
クラブ活動へ再編した。
・料理クラブ
・演劇クラブ
・民謡クラブ
・創作クラブ
Ⅱ 各クラブ活動を行う上での目標設定
Ⅲ 通所介護計画書への提案
ケアマネージャー・家族への発信
ある「クリスマス忘年会」での発表や作品
展示に設定することにより、事業所の業務
としてのクラブ活動ではなく、目標を達成
すための活動へと変化していった。
具体的には昨年のクリスマス忘年会で披
露した民謡クラブ・創作クラブ・演劇クラ
ブのコラボによる「浦島太郎」の劇では家
族・利用者・来賓の方々にも大盛況で「あ
んなに笑ったのは久しぶり」などの嬉しい
言葉を頂き、利用者や職員一同今までにな
いお互いに喜びと達成感を味わう事が出来
た瞬間であった。このことが1つのきっか
けになり、南デイサービスの特色となって
活動への自信につながっていった。
Ⅲ 通所介護計画書への提案
利用者の趣味や特技を活かしたクラブ活
動への参加を担当者会議で提案し各クラブ
活動が機能訓練の要素を兼ね備えた活動へ
と変化した。また、利用者が自立できる要
素を含んだ活動となり、通所介護計画書に
クラブ活動を盛り込むことでアセスメント
の視点が変わった。
<活動の成果と評価>
クラブ活動の見直しからの結果
まず、各クラブの魅力的な内容を分かり易く。
そして根気強く声かけを行うことで、クラブに
参加しようとする意欲を喚起すると同時に自ら
選択できる環境を整えていった。その結果、何
らかの活動に参加する利用者が増えていった。
このように自己選択しやすい環境をつくる事
で、利用者の「楽しみながら活動したい」とい
う思いと職員の「楽しく活動をしてもらいたい」
という思いが一つになり、楽しい時間の共有が
でき、これがクラブ活動の充実につながった。
Ⅱ 各クラブ活動の目標設定後の結果
各クラブ最終到達目標を年末の最大行事で
Ⅰ
<今後の課題>
・クラブ活動を通して、利用者が再度自信を
取り戻し、地域の場に参加出来る支援方法
の検討。
・クラブ活動の効果を明確に示せるようなプ
ロセスの検討。
・原点に戻り、これからのデイサービスの職
員はどうあるべきか、地域に必要とされて
いるデイサービスはどういうものかを考え
ていく。
12
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-4-5
題
想いを探る
想いを実現する
情報を発信する
鹿児島県
発
表
者
管理者
心の動きに連動したケアプラン
副
題
~自分の足で買い物に行けて幸せ~
施
設
名
塩浦
通所介護事業所
由紀子
共
同
研
究
者
問
合
在宅ケアセンターさざんか園
石澤幸子、松山さゆり、寺田清彦
鹿子木朝子、満留美香、庵下睦美
FAX
0995-67-0818
今回の発表の施設
さざんか園は、姶良市にあり、新しく住居を構える若い世代と、古くから地元を守り
またはサービスの 続ける高齢者が混在する松原地区に拠点を置いています。家庭的な雰囲気と、地域との
概要
繋がりを大切にしながら高齢者の在宅生活を支える事業を展開しています。
※歩行訓練の時間設定は自宅からお店までに要す
る時間とした。実施状況・心身の変化を記録。
④介護保険更新(担当者会議)にて、情報交換、
役割の確認を行う。
⑤訓練実施(体操・買い物コースを歩行訓練)
・ストレッチ、バランスは同様。
・コース訓練 歩行器にて自宅からお店まで。
⑥まとめ
<活動の成果と評価>
【成果として】
・自宅からお店までの歩行スピードが上がった。
(1 回目:11 分 2 回目:10 分 3 回目:7 分)
・歩行器の利用により、歩行姿勢が良くなった。
・介護度が軽度化した。
(要介護2⇒要介護1)
・歩行に自信がつき、行動意欲が高まった。
「自分の足で買い物に行けて幸せ!」
【評価できる点】
Mさんの「買い物に行きたい」という想いを関
わる人で共有し、それぞれのサービス時にMさん
への励ましや賞賛を続けたことが、Mさんの意欲
が維持できた要因として大きい。更に、実際の買
い物ルートを歩くことも意欲的に取り組みが継
続できた要因と考える。常に近くで関わり続けて
いるスタッフだからこそ気づくことが出来る「心
の動き」にタイミングよく関わりを持つことが出
来た事例であった。この取り組みによる成果をも
とに、CMに適切な目標設定を提案することが出
来るようになったことは大いに評価できる。
<今後の課題>
ヘルパー同行による買い物ができるようにな
ったが、当面はこの状態を維持していくことが求
められる。その為にこの取り組みは継続していく
こととする。また、目標が達成できたり、本人を
取り巻く環境に変化が生じたりした場合、本人の
想いが変化することも大いにありうる。Mさんの
「心の動き」を見逃さず、変化をCM、関係機関
へ発信し続ける事業所でありたい。
<取り組んだ課題>
デイサービスの利用者が、「これまでの生活を
続けていきたい」という願いを持ちながらも、さ
まざまな理由でこれまでしていたことが出来な
くなり、意欲低下へ繋がるケースを多く目の当た
りにしてきた。その際、サービスが増え、これま
でできていたことをますます奪ってしまう結果
になることもあった。今回の取り組みは、骨折を
機に近所付き合い、買い物、料理などこれまで当
たり前にしてきたことが困難になったMさんの
「早く元気になって外出がしたい」という言葉か
らスタートした。そこから、Mさんの真の想いを
探るため言葉を拾い出した。
・「料理がしたい」「買い物に行きたい」「お父さ
ん(入院中)がまた帰ってくるからきばらんと」
・夫へ料理をまた作ってあげたいという妻・Mさ
んにとっての買い物の意味を知る。
Mさんの「買い物に行きたい」という想いを実
現するには、退院直後のMさんの身体の機能向上
や状態の十分な把握が必要であった。さざんか園
にはリハビリに関する専門職がおらず、その分野
での力量に乏しいという弱みがあった。
<具体的な取り組み>
【対象者】Mさん・女性(84 歳)要介護2
【実施期間】平成 26 年 10 月~12 月(デイ利用は
週 2 回)実施状況を記録(16 回)
【メンバー】さざんか園スタッフ 7 名
【主な連携機関】CM(同法人)、家族、医師、
リハビリ事業所
【手順】①個別計画作成
目標:歩いて買い物に行けるようになる
②リハビリの様子を見学・スタッフとの協議によ
り、機能訓練プログラムを作成。
③訓練実施(体操・歩行訓練)
・ストレッチ 4 種類 10 回×2
・バランス 10 秒×2
・歩行訓練 杖歩行 10 分~15 分(園周辺)
13
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-4-6
題
生活習慣の尊重
認知症介護
チームアプローチ
沖縄県八重瀬町
発
表
者
想いを形にするケアプラン
副
題
ケアプランに基づいた介護の実践
施
設
名
生活相談員
指定通所介護事業所
神谷昌志
共
同
研
究
者
問
合
転生園デイサービスセンター
管理者
金城直美
098-998-7653(FAX)
今回の発表の施設 沖縄県八重瀬町在 特別養護老人ホーム転生園と併設の指定通所介護事業所。定員 平
またはサービスの 日 45 名 日曜日 15 名 主なサービス内容は排泄介助、入浴介助、食事介助などの生
活支援を行っている。また、機能訓練、季節の行事や余暇活動などを提供している。
概要
<取り組んだ課題>
<活動の成果と評価>
認知症または性格により、介護に対して拒否
(特に入浴に対して)の見られる利用者様に、ど
の様に対応すれば拒否することなく、気持ち良
く、介助を受けて頂けるか検討した。
・軽作業後の声掛け誘導により、誘導の拒否が減
少した。
・家族の介護負担の軽減に繋がった。
・本人の身体清潔の保持、QOLの向上達成でき
た。
・本人も満足感を得る事ができた。
・サービス利用開始時のアセスメントが不十分で
あった。
・通所職員だけではなく、家族や居宅ケアマネー
ジャーなど様々な人の協力が必要と再認識す
ることができた。
・ケアプランを全職員で周知徹底し、ケアを統一
することで、介護の質の向上、介護事故の予防
に繋がった。
・他職種が連携することで、本人の想いを引き出
すことができた。
<具体的な取り組み>
・対象者:アルツハイマー型認知症の女性
・介護度:要介護3 ※当初は要介護2
・サービス利用日数:週5日 ※当初は週3回
・取り組みに掛かった期間:平成 22 年~26 年
・関わった職員数:約 20 名(生活相談員・看護
師・介護職員・機能訓練指導員)
・協力者:長男夫婦、居宅ケアマネージャー
・具体的な取り組み:認知症になる前の生活習慣
についてご家族へ聞き取り、再アセスメント、
ケアプランの見直しを行った。
誘導方法について、声掛けを工夫、変化させた。
要介護状態になる前の生活習慣を参考にして、
軽作業の後に声掛けを行った。
・ケアプランに誘導方法を追加し、全職員でケア
を統一した。
<今後の課題>
・職員が親の介護や子供の世話などで全職員参加
のカンファレンスの時間が取れない。
・通所介護では限られた時間内でのサービスのた
め、生活習慣を尊重したケアが実施できない場
合がある。
・元々入浴嫌いの方の場合の対応。
14
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
九社連老施協職員大会
演
15-4-2
題
キ
ー
ワ
ー
ド
想いの大切さ
共通のゴール
多職種連携
副
題
熊本県荒尾市
発
表
者
「想い」
~本人の想いを繋ぐために~
施
設
名
介護福祉士:林
特別養護老人ホーム
友里香
共
同
研
究
者
白寿園
いる場合(12p,右寄せ)
いる場合(12p,右寄せ)
[email protected]
問
合
今回の発表の施設 特別養護老人ホーム 白寿園
またはサービスの 99名(ユニット型個室 17 部屋)
ショートステイ14床併設 平均年齢 88.1 歳
概要
平均介護度 4.05 平均年齢 88.1 歳
<取り組んだ課題>
・管理栄養士からの嚥下機能向上・摂取状態の変
化による食形態の変化への対応
不安感が強く、不眠や易刺激性からの興奮が強く
・生活の幅を広げる為に生活相談員を含めアクテ
見られ、ナースコールが多い状態であった。
ィビティへの参加
毎日ナースコールに振り回され、手がかかる利用
者だと決めつけ、ただ時間だけが過ぎて行く日々
取り組んだ職員:生活相談員・機能訓練指導員
でした。
管理栄養士・介護職員
数ヶ月後、施設での生活にも慣れられてきた頃、
スタッフとの会話の中で「皆さんにお茶をたてた
い」との前向きな発言があり、今回の取り組みへ
<活動の成果と評価>
とつながった。
・アパシーの予防が出来、ADL の向上、生活の質
の改善
・介護負担の軽減
・本人の意欲向上
<具体的な取り組み>
対称者:E 様
・成功体験の積み重ねによるスタッフの意欲向上
80代女性・要介護度5
特発性パーキンソン病
・多職種連携
期間:2013 年 4 月~現在取り組み中
※取り組み中は動画を撮影する事で本人の状態
変化の記録
<今後の課題>
現在90%まで目標に近づいているが、10
0%目標達成するために、より一層の多職種間
連携と本人のモチベーションを維持するよう
努めていく。
・ケアカンファレンス開催後、取り組み達成まで
の明確なビジョンの捻出
・特発性パーキンソン症状への医療的アプローチ
・身体機能向上の為に、機能訓練指導員からの
リハビリ及び介護スタッフ共同での生活リハ
15
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-5-4
題
働く人
問
合
5 年の歩み…職員一人一人の自己実現と
医療福祉の課題に向かって
福祉の課題に向かって
副
題
鹿児島県 鹿児島市
発
表
者
尊厳に立つ
ユニットリーダー
施
設
名
指定介護老人福祉施設
中島
誠
特別養護老人ホーム旭ヶ丘園
共
同
研
究
者
春田
良子
北
潤一
E-mail Address:[email protected] Fax 番号:099-262-2604
今回の発表の施設 鹿児島南部(平川町)に位置し、錦江湾と桜島を望む大自然に囲まれる小高い丘に平
またはサービスの 成 9 年に開設。新たな職場理念である「 尊厳に立つ 」をテーマにサービスを提供し
概要
ております。 定員:多床室 50 床 ユニット型 30 床 ショート 14 床
<取り組んだ課題>
<活動の成果と評価>
① 介護が看護の役割を果たせる組織づくり。
① 入院延べ日数 H20:1180 日 H26:119 日
エンド・オブ・ライフ・ケアにおける真の看護・
② 入院延べ件数 H20:52 件
H26:12 件
介護の役割の向上を図る。
③ 病院受診件数 H22:528 件
H26:232 件
②
④ 看取り率
⑤ ベッド稼働率
スタッフ間の人間関係の強化を目的とし、
「職員の尊厳が守られ」自己実現・成長でき
る組織にする。
⑥
<具体的な取り組み>
① 課題に対して
1.H23 嘱託医を在宅医へ(24H体制)
歯科医(摂食嚥下専門医へ)の変更
2. 多床型のユニット化(個別ケア)
3. 業務フローの改善(介護士主体の共働へ)
看護と介護業務融合と連携
質の高い暮らしとケアの一体化
ケア・看取りは介護職中心のPDCA
食事・経管栄養・入浴・排泄・痰吸引・処置
4. 意識改革(施設介護士・看護師の役割)
資質の向上 介護職痰吸引有資格者育成
5. 残業ゼロ対策 業務内研修会議 12 回/月
6. 医療の見直し 医療費の削減
薬・病院受診・心療内科往診中止
7. 医療との連携 情報交換会参加
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
⑭
⑮
②の課題に対して
1. ボトムアップ組織にする(人を活かす)
H23 31 名人事異動。
適材適所な人員配置、人選は資格の有無・経
験年数に拘らず人間力を重視。
2. ソフト・ハード面見直し各職種の壁をなくす
3. 旭生会理念づくり(職員主体)
4. 個別面談・人材育成・研修会・会議進行・イベ
ント等はリーダー・研究班が主体で行い全
職員が役割を持つ。
5. 経営企画室(7 名)の立ち上げ
H20:0%
H25,26:100%
多 床 型:99.2%
ユニット型:99.8%
たんの吸引等の有資格者 H26:18 名
H27:31 名(予定)
インフルエンザ・ノロウイルス感染
4 年間ゼロ
経口移行者 H25~H26:胃瘻⇒経口 5 名/13 名
腹膜透析(PD)2 名の受け入れ
紙パンツ・失禁用防水シーツ・昼夜オムツ使
用者ゼロ(一部ユニット)
家族会参加率 H24~H26:90%台
連絡体制のタイムラグ解消
親和会・スポーツクラブ(ソフト・バレー・
フットサル・ボルダリング・フラダンス)
研修カリキュラム(研修発表・新人研修カリ
キュラム・各業者との共同研修)
OJT(旭ヶ丘研修カリキュラム)
Off-JT(ファーストステップ研修、認知症介
護実践リーダー研修 8 名参加予定 H27)
人事考課制度の導入と経営企画室メンバーに
おける企画、経営感覚をもった現場運営
<今後の課題>
医療ニーズを抱えて生活する人も安心して
生活できるエビデンス構築(気管切開・腹膜透
析・IVH・人工呼吸器:NIP・BIPAP)
② 看取りの質向上(リビングウィル、急変時の
対応、尊厳死、CW・NSの関わり)
最期を施設から自宅の看取りへ
③ チームケアを行う上での情報の整理・共有・
管理(情報に対する意識を高める)
①
16
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-5-1
題
多職種連携
看取り介護
看取りケアパス
熊本県熊本市東区
発
表
者
問
合
看護職員
看取りケアシステムの構築
副
題
「看取りケアパス」の作成を通して
施
設
名
木村
特別養護老人ホーム
千津子
共
同
研
究
者
白川の里
白川の里
看取りケア委員会
E-mail Address:[email protected]
今回の発表の施設 運営主体:社会福祉法人 白川園 施設名:特別養護老人ホーム 白川の里
またはサービスの 度 4.20 事業内容:特別養護老人ホーム 120 床 短期入所生活介護 10 床
30 名 認知症対応型通所介護 12 名 訪問介護 居宅介護支援事業所
概要
平均介護
通所介護
<活動の成果と評価>
1.看取りケアパスの作成にあたり、看取りケ
ア委員会を多職種(介護職員、看護職員、
生活相談員、機能訓練指導員、管理栄養士
等)で構成し、取り組みを行ったことで、
看取り介護における相互の役割について
「見える化」を図ることができた。
2.看取りケアパスの作成により、看取りケア
パスができたことで、ステージ毎の家族と
の関わり方が理解でき、これまで職員が感
じていた家族との関わり方への不安の解
消に繋がるものと考えられる。
<取り組んだ課題>
当施設では、昨年度それまでに実践した看取り
ケアに関する課題を抽出するために、遺族及び職
員を対象としたアンケート調査を行った。その結
果遺族からは概ね満足している旨の回答を得ら
れたが、少数ながら現状の看取りケアに対する不
安や不満の声も一部確認することができた。又、
職員においては、医学的な知識不足や家族との関
わり方について不安を持っている事などいくつ
かの課題も明らかとなった。
そこで今回、それらの課題解決と看取りのステ
ージに応じて、対象者と家族のニーズに沿った看
取りケアを円滑に実践するための施設独自の「看
取りケアパス」の作成に取り組むこととした。
<今後の課題>
今後も看取りケアパスの活用を進め、実態に合
わせた改善を重ねるとともに、地域に対し、特養
における看取り介護を啓発するためのツールと
して活用する等の新たな取り組みが必要である。
<具体的な取り組み>
実施期間:平成25年4月~平成26年9月
実施内容:
第1段階
・看取りケア委員会発足(毎月1回開催)
・平成25年度に実施した看取りアンケート
結果を本人・家族・職員毎に分析
第2段階
・看取りケアパス原案作成
・看取りケアパスのステージごとにカテゴリ
ー分け実施
・看取りケアパス原案に職種ごとにケア内容
を記入
第3段階
・看取りケア委員会において、看取り後のカ
ンファレンスで挙がった意見や研修で学
んだ内容を基に看取りケアパスを修正
・各部署へ修正後の看取りケアパスを回覧、
意見収集を実施。
・看取りケアパスの完成
<参考資料など>
樋口京子他『高齢者の終末期ケアの質を高める4
条件とケアマネジメント・ツール』(中央法規出
版 2010 年 4 月)
小村一佐美『入所者・家族も納得の行く看取り』
(日総研出版 2010 年 8 月)
『特別養護老人ホーム利用者の看取り介護の在
り方に関する調査研究事業 特別養護老人ホー
ムにおける看取り介護ハンドブック~家族と共に考
えるために~』
(三菱総合研究所 2011 年 3 月)
羽田澄子『終わりよければすべてよし』(岩波書
店 2009 年 6 月)
『特別養護老人ホームにおける看取り介護の質
保障の為のシステム開発と経済効果に関する調
査研究事業~看取りケアパスの開発とアウトカ
ム評価~』(特定非営利活動法人手をつなごう
2011 年 3 月)
17
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
九社連老施協職員大会
15-5-3
キ
ー
ワ
ー
ド
連携協働システム
看護職と介護職の連携・協働の再構築
題
演
副
題
副
~看護職のユニット担当制導入の成果~
ユニット担当制
宮崎県
発
表
者
発
表
演
宮崎市
施
設
名
施設長・ケア管理部長
濵砂貴美子
社会福祉凌雲堂
特別養護老人ホーム しらふじ
共
同
研
究
者
問
合
看護主任
甲斐明美
[email protected]
今回の発表の施設 平成 19 年 3 月に開設された入居定数 50 名、短期入所 10 名のユニット型特養で介護職
またはサービスの 員 32 名、看護職員 4 名、介護支援専門員 1 名、生活相談員 1 名で生活支援を行ってい
る。職員がまごころをもって入居者と共に暮らしをつくることを理念としている。
<取り組んだ課題>
3)活動拠点がユニットに移ったことで、看護と介護
●介護職と看護職(以下、看護と介護)の情報交換不
が共に生活支援の場面に関わる時間が増えた。
足やコミュニケーション不足により入居者の健
4)情報収集や情報共有が密に行われるようになり、
康状態の変化への気づきが遅れ、ケア量の増加や
問題に対処するためのカンファレンスにも参加し
入院するケースが増えていた。
問題解決に向けて共に考える機会が増えた。
● 看護と介護の連携協働の重要性は認識している
<活動の成果と評価>
が、その連携協働を具体的にどのように進めてい
1.ユニット担当制導入前後での意識の変化
くか検討されていなかった。
導入前は看護との連携が希薄である意見が多かっ
<具体的な取り組み>
たが、導入後では「看護職から助言をもらい入居
1.研究目的:看護と介護の連携協働のシステムを
者に最も良い支援が行える」と言う意見が出され
再構築しその効果を評価する。
た。看護職からも「直接ケアは介護、健康管理は
2.研究方法
看護という思い込みから脱却できた」という意見
1)対象者:当施設の看護職 4 名、介護職 26 名
だった。
2)研究期間:平成 25 年 4 月~平成 26 年 3 月
2.入居者の入院状況の変化
3)実施方法
看護職が入居者と介護職の身近にいることで、介
(1)看護と介護の連携協働の現状とその対策につい
護職と共に入居者の健康状態の変化に早期に気づ
てアンケート調査を実施した。
くことができた。その結果初期治療を受けること
(2)アンケート調査の結果に基づき看護と介護の連
が出来、入院日数の短縮につながった。
携協働の具体的方法として「看護職のユニット担
3.事故発生件数の減少
当制」導入の具体的内容を検討し実践した。
介護と共に事故原因の分析をする機会が増え、具
(3)ユニット担当制導入の効果を評価した。評価項
体的対策が立てられるようになった。
目は①看護と介護の連携協働意識の変化②入居者
<考 察>
の入院日数の変化③事故発生件数の変化とした。
1.連携協働システムの再構築について
<結 果>
連携協働の基本である看護と介護の face to face
1.看護と介護の連携協働のアンケート結果。
の関係づくりは、看護職のユニット担当制を導入
1)看護と介護の連携協働の阻害要因
し看護職の活動拠点を医務室からユニットに移行
アンケートの記載内容から看護と介護の連携の
させることによって推進された。介護の実践者で
阻害要因は【コミュニケーション不足】【情報交
ある介護職が、主体的にケアの責任が果たせるよ
換不足】
【パワーバランスの不均衡】
【看護職のケ
うに側面的支援を行っていくことが介護職との信
アに対する姿勢への不満】【それぞれの役割の理
頼関係を築く手がかりとなる。
解不足】【介護職の介護知識や医療的ケアに関す
2.看護と介護の連携協働が経営に与える影響
る知識不足】の 6 つのカテゴリーに分類された。
看護と介護の連携協働の円滑化は入居者への予測
2. 看護職のユニット担当制導入の具体的内容
予防ケアや健康状態の変化の早期発見が可能とな
1)ユニット担当制を導入するにあたり当施設での
る。このことは病院入院者数の減少や事故発生の
看護職の生活支援の考え方を再考し共有した。
減少に繋がり、更には入院による施設の減収に抑
2)これまでの業務担当制からユニット担当制にし
制をかけ、医療費の潜在コストの削減に繋がる。
たことで看護職の活動拠点が医務室から担当ユニ
看護と介護の連携の円滑化は施設経営に貢献す
ットに移行した。
(業務体制の変更)
る。
18
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-6-3
題
今日までの実績
地域からの信頼
跡地活用の実践
鹿児島県(鹿屋市輝北町)
発
表
者
問
合
今回の発表の施設
またはサービスの
概要
地域活性化が育む絆と法人の役割
小学校跡地利用による活性化をめざして
副
題
施
設
名
施設長
社会福祉法人紘徳会
松木忠美
共
同
研
究
者
E-mail:koutokukai@midori-net.or.jp
介護老人福祉施設みどりの園
理事長
吉元和浩
本部長
浜田
博
Fax 番号 099-485-1903
)
当施設が所在する鹿屋市輝北町は北部に位置し人口 3,404 人高齢化率 42.27%少子高齢
化の町にある介護老人福祉施設を母体とした在宅部門・医療部門を併設した施設です。
地元では輝北天球館から望む桜島・錦江湾は絶景といえる唯一自慢できる環境です。
輝北地区のここ数年の出来事は H23 年に 4 小 2 中が 1 小 1 中に統廃合されています。
・備品についてはできるだけ温存をし現姿を残す
・輝北町内に名称を公募し「みどり元気村」と命名
・各自治会長による運営推進会議も発足し説明
・みどり元気村が H25 年 11 月より始動開始となる
<地域の現状と法人の課題>
・少子高齢化の町で行政サービスも行き届かない
・福祉サービスはあるが地域全体に活気がない
・地域活性化が試行錯誤でなかなか進まない現状
・地域にある福祉施設として認知度が低いのでは
・子供~お年寄りまで活気ある生活ができないか
・介護予防の一環としても法人の役目があるはず
・地域活性化と共にお年寄りの活性化にも繋がる
<現在までの主な活動>
・在宅部門を移動しなじみある環境での相談体制
・メモリアル施設としての思いをはせる場所提供
・福祉医療分野では健康介護教室の定期的な開催
・月 1 回開催の陶芸・詩吟・三線教室の生涯学習
・以前から開催の地域間交流ないとカフェの開催
・校区民主催による敬老大運動会の開催と交流
・スポーツ少年団の育成によるイベント活用
・鹿屋市図書館連携による地域への図書室利用
・最近では法人自主事業による学童の設置と育成
など
<活動の成果と評価>
・福祉相談がしやすい環境となり出入りし易い
・地域がこれまで通り円滑にイベントなど継続
・卒業生の同窓会の場所としてメモリアル活性化
・童謡音楽を放送することで精神的な安心感提供
・定期的なチャイムによる地域への時間提供
・動物飼育による親子ふれあいの場所とし活性化
・ないとカフェの開催があることで異世代交流の場
・生涯学習的な取り組みによる地域活性化に貢献
・地域との共同奉仕活動による職員との信頼関係
・世代間交流による介護予防への意識と地域向上
<法人の思い>
・みどりの園フィロソフィの一説の紹介をすると
・つまり地域と共に育む一体となった安心な生活
・本来の福祉事業を飛び越えての地域貢献の役割
<今日までの主な取り組み>
・介護予防と健康維持を目的としたスポーツ活動
・福祉・医療分野の介護講習会やいきいきサロン
・施設送迎車両を活用した青色パトロールの活動
・異世代交流グットトイ展(玩具おもちゃ)の開催
・人づくりと地域絆の場としてないとカフェの開催
・職員の地域消防団への入団と地域活動貢献
●廃校の小学校を利用した地域活性化への貢献
<二年超しで取り組み始めた事例紹介>
・H23 年学校統廃合にて利活用プロジェクトを立上げ
・地域活性化事業として行政に対し要望書を提出
・教育委員会は活用案をまずは地域に呼びかける
・法人も地域の方々へ活性案を説明し賛同を得る
・地域校区公民館がみどりの園での利活用を提案
・教育委員会から市長部局への移行にて再協議
・旧市成地区活性化事業案(小学校編)と題し協議
・理事・評議委員会に状況報告し承認を得る
<今後の課題>
・輝北地区全域利用につながる活動への課題
・法人職員が主導しているので地域主導への転換
・異世代がもっと触れ合える企画と地域力の向上
・行政の早急な対応による耐震補強の行方の不安
・跡地運営推進協議会の活性化もしくは方向転換
<取り組みの結果>
・鹿屋市から土地・建物含め 10 年貸与にて決定
・貸与期間中の鹿屋市と当法人の役目の覚書作成
・プール・遊具については安全性のため撤去依頼
<参考資料など>
みんなの廃校プロジェクト(文部科学省)
19
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-6-5
題
顔の見える関係づくり
社会資源の活用
地域貢献
福岡県福岡市西区
発
表
者
地域社会、社会資源との協働
副
題
地域包括ケアシステム構築のために
施
設
名
施設長・小金丸
特別養護老人ホーム
共
同
者
誠
研
究
問
合
今回の発表の施設
またはサービスの
概要
マナハウス
Email : [email protected]
福岡市西区の壱岐南小学校区(1 小 1 中校区)
。人口約 1 万人、高齢化率 33%。旧農村
住民と流入した新住民からなる 30 年余りの「混住地域社会」
。校区周辺には医療介護の
16 法人、44 事業所が存在する。
<取り組んだ課題>
■地域包括ケアシステム構築に向けた取り組み
漠然とした経過の中で、地域の医療介護事業所
が協力、共存する必要性を感じた。
■地域住民と医療介護事業所が協働するための
きっかけづくり、仕組みづくりが必要となる。
■共通課題の発見
地域の課題を持った協力者を募り、課題を共有
できる機会をつくることで、「一人暮らしの高
齢者の孤立、孤独死の増加」という地域として
の課題が表れる。
■実行への推進
地域住民、医療介護事業所にはない発想力や実
行力を持つ NPO との協働により、引きこもり
高齢者が外出するきっかけとなるカフェを開
催する。
■地域諸団体の参加
公民館以外でのカフェを開催することで、商店
連合会の参加が可能になり、協力者のすそ野を
広げる。
■「高齢者との接点不足」解消のため、誰もが「ふ
ら~っと」立ち寄れる「ふら~っとカフェ壱岐
南」を平成 27 年 2,3 月は公民館、4 月はマナハ
ウスにて開催する。計 3 回で利用者延べ 204 名、
ボランティア延べ 130 名が参加。
■地域は住民への広報や人材の確保、NPO は補助
金確保とカフェの運営、医療介護事業所は健康
相談や送迎など、それぞれが専門性を発揮する。
■開催場所を変えることにより、商店連合会など
協力者を増やすことができる。
<活動の成果と評価>
■様々な機能を持つ事業所が法人を超えて協力で
きた。今後の展開に期待が持てる。
■地域住民と医療介護事業所との顔の見える関係
ができはじめた。
■高齢者だけでなく、地域の多くの人が集まる場
を作れた。
■参加者の中に、公民館へ「30 年ぶり」「初めて
来た」という人もいた。
■地域の人材を発掘するきっかけができた。
■カフェ 1 回につき、約 4 万円の予算で、約 1.2
万円の赤字。
<具体的な取り組み>
■地域包括ケアシステム勉強会を開催
平成 26 年 1 月村上華林堂病院(1982 年開院の
地域密着の中核病院)にて勉強会を開催する。
(顔
86 名が参加し、合わせて懇親会を開催する。
の見える関係づくりの一環)
■地域ケア連絡会の設立
平成 26 年 6 月第 1 回連絡会を開催、カフェ実
行委員会、反省会議と合わせ、平成 27 年 5 月
までに計 20 回開催する。出席者:自治会長、
公民館長、校区社協会長、西区社協、民生委員、
NPO、医療介護事業所、その他有志
<今後の課題>
■「ふら~っと」集まる“仕組み”
“場”としての
カフェの継続、展開
■更なる人材および協力者の発掘
■赤字の解消のため、助成金やスポンサーの確保
■引きこもり高齢者への対応
■新しい地域課題への対応
■地域ケア会議の開催など
20
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-6-1
題
感謝の気持ちで還元
地域の特性
出来る範囲
大分県
発
表
者
感謝の気持ちで地域貢献活動!
副
題
日田市
事務長
地域交流推進委員会の活動
施
設
名
特別養護老人ホーム喜楽苑
古賀和成
共
同
研
究
者
[email protected]
問
合
今回の発表の施設 日田市の南部地域天瀬町に位置し、周辺は緑豊かな自然に取り囲まれている。広大な土
またはサービスの 地(約 3.4 万㎡)を所有しており、外周には桜・もみじを約 800本植樹、他にも成り
概要
果物ゾーン・ブルベリー畑を整備している。建物は全室平屋造りである。
<取り組んだ課題>
社会福祉法人としての使命である、地域貢献活
動が問われるようになって来た中、法人としてど
のように取り組むべきかが課題となった。以前よ
り続けていた、理事の視察研修に於いて、先進的
な取り組みを行う施設や、地域貢献活動が評価さ
れている法人に視察の受け入れを頂き、勉強を重
ねた。また、地域住民からの意見・要望を頂いた
中、地域の特殊性などを考慮し、平成20年頃よ
り徐々に始めることになった。
○平成25年6月~
ブルーベリー収穫祭の開催
植樹した団体を招待
ブルーベリーの収穫・喫茶店で飲食の提供
○平成26年7月~
夏祭りポスターの作品展
児童が描いた絵を題材に夏祭りポスターを作
成
表彰・展示会を行う。
<具体的な取り組み>
○平成20年10月~
NPO法人スマイル「障害者地域活動支援セン
ター」と委託契約
掃除・洗濯業務 月~金 10:00~15:00
利用者 2 名 指導者 1 名
○平成26年11月~
三隈マーケットの開催
1回/1ヵ月間
高校生が作ったお菓子などを、訪問販売
○平成26年12月~
ガードレールの清掃
通勤路のガードレール清掃(約2キロ区間)
○平成21年4月~
地域ふれあい懇談会の開催
近隣地区公民館(常会に於いて)
頻度 1回/3か月
介護保険制度の説明、困りごと相談。
<活動の成果と評価>
現在の所、全活動について成果が出ており地域
住民からの評価もいただいている。ただし喫茶の
営業では地域の方の利用は伸びていない。交通の
便など課題がある中、ランチメニューの追加で幾
らか成果が上がるが今後も改善が必要である。
○平成24年10月~
地域交流推進委員会の立ち上げ
各部署よりメンバーを選任。
頻度 1回/1ヵ月
地域との交流・貢献活動への取り組みを検討
<今後の課題>
地域との交流は徐々に成果が出ており、今後も
活動を増やしていきたいが、今後取り組みたい生
活困窮者対策・低所得者対策では研究が必要であ
る。
○平成25年4月~
喫茶きらのオープン
NPO法人スマイルと委託契約
頻度 2回/1ヵ月
ジュース・コーヒー・ケーキ・季節のお菓子の
販売
ランチメニューを追加
21
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-7-8
題
入所者・家族・地域がともに支えあう環境
づくりを目指して
副
題
~みんなでささえあおう~
自分のちから
家族との繋がり
地域との繋がり
熊本県
発
表
者
山都町
)
生活相談員
施
設
名
廣津
山都町立養護老人ホーム
亮輔
共
同
研
究
者
)
E-mail:[email protected]
.
問
合
今回の発表の施設
またはサービスの
概要
浜美荘
昭和 28 年 2 月旧矢部町で町立養護老人ホームとして事業開始。
平成 17 年 2 月 2 町 1 村が合併。町の高齢化率 40%を超える。
定員 50 名
平均年齢 84.6 歳(H26.11.1 現在)個別契約型
②入所者家族と個別面談を実施し、生活の様
子、健康状況、通院状況などを説明
3. 地域の協力で実施した取り組み
①夕涼み会
②各種慰問
③夜間避難訓練
<取り組んだ課題>
【施設の状況】自立した人から介護を要する人が
ひとつ屋根の下で生活をしている中で様々な不
安、トラブルが見られる。
【入所者の状態】
・「帰りたい」
「何をすればいいかわからん」
・「足腰が痛い」「きつかばかり」身体不調の訴え
・何らかの認知の症状を持つ人の増加
【職員の思い】
・もっと優しく、もっと仲良くできないか
・施設にいても生きがいをもって生き生きと暮ら
してほしい
・個々の処遇も大切ではあるが、50 人が穏やかに
生活できる環境づくりが必要
【どうすればいいか?】
居場所づくり・できることづくり
健康づくりへの支援・心身機能の維持
家族とのつながりを深める
地域との交流を活発化しよう
<活動の成果と評価>
1.各種クラブ、行事等への参加者増加
毎日行事予定表を見る人が増えた
井戸端会議、お茶会など、近所づきあいが
活性化
2.面会回数等の増加
病院受診時の家族の付き添い
外出支援の協力
3.各種慰問の増加
アンケート調査では、楽しみなことに「クラブ
活動」「みんなと話すこと」
「地域の方の訪問」と
の回答が多く見られ、
「今の生活に満足している」
「生きがいがある」と答えた人の数が上昇した。
職員も、取り組んでいく中で、いろいろな場面
できっかけ作りをすることで、入所者の自主性へ
と繋がることを感じた。今回は生活の場の環境づ
くりとして、全体を対象として取り組みを行っ
た。今後は個別ケアの一環としても位置づけ、一
人ひとりの具体的な目標を立てて支援していく
ことも必要である。
<具体的な取り組み>
スローガン「みんなでささえあおう」
じぶんのちから、かぞくのちから
ちいきのちから
1.自分の持っている力で心身機能の活性化を図
る取り組み
①朝の体操・運動を推進する
体操カードを作りスタンプを集める
②クラブ活動への参加支援
皆の関心ある内容のクラブへ
③みんなあつまろう会、人権学習など
2.家族との繋がりを深めるために面会回数を増
やす取り組み
①施設行事への参加案内等や盆正月の帰宅の
お願いを積極的に行う
<今後の課題>
平成 27 年度では、地域の高齢者との交流を促
進するために、施設内クラブ活動への参加を地域
住民へ呼びかける。職員もただ参加率を上げるだ
けではなく、目的を持って支援していくことが重
要である。
22
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-7-1
題
認知症への対応
収集癖
介護士
~ N氏の声なき声を聴く ~-
副
題
施
設
名
宮崎県・宮崎市
発
表
者
助けて! どんげしていいか分からん!!-
柳丸
宮崎市養護老人ホーム
優美
共
同
研
究
者
問
合
清流園
清流園
介護課スタッフ
[email protected]
今回の発表の施設
またはサービスの
概要
清流園は同一敷地内に幼稚園・児童クラブとともに立地しており、世代間交流等の生
きがい活動をしやすい環境です。また、利用者定員は50名(特定施設利用者14名)
であり、ADLに応じ、3グループに分かれてサービスを実施しています。
〈取り組んだ課題〉
4.実践結果報告
5.清流園における認知症ケアに関するスタッフ
の意識調査(N氏に対しての事後アンケート)
6.まとめ
毎日、手拭紙やトイレットペーパー等を収集し
徘徊している利用者N氏がいる。N氏は耳が聞こ
えにくくなっている事や、認知症の進行で分から
ない事が多くなり、大きな不安感を抱いて生活し
ているように見える。さらにスタッフがN氏の集め
てきた物を回収することで『自分のものを盗られ
た』と思い、N氏の収集癖がエスカレートして、他
利用者からの苦情やトラブルにも繋がっている。
それまでのN氏に対する日々のケアを見直し
感じた事は、スタッフがN氏の置かれている状況
を充分に理解できていないまま対応していること
で収集癖がエスカレートして、他利用者からの苦
情やトラブルにも繋がっているのではないか。そ
の結果、本人の落ち着ける居場所がなくなってい
るのではないかと考えた。
そこで、改めて認知症ケアについて考え、「BP
SDはケアの仕方で軽減または改善できる」とい
う学びから、清流園での認知症ケアを振り返り、
N氏の関わり方や環境を見直すことで、N氏が訴
えることのできない不安や孤独感を軽減できるの
ではないかと考え、取り組みを行った。
〈活動の成果と評価〉
・ 収集状況については回収物により成果に違い
が現れる結果となり、データ上で取り組み効果
を確認するのは難しい結果となった。
・ N氏との関わりを持ったスタッフの認知症ケア
に関する意識については大きな変化があり、
事前・事後のアンケートの違いからもその成果
が感じられるものとなった。
・ 今回取り組んだ認知症ケアについても、担当
やグループスタッフだけではなく清流園スタッフ
全員で統一されたケアを提供していくことの必
要性を再確認することができた。
〈今後の課題〉
・ N氏の取り組みについては、実践を通してご本
人の生活様子の変化を感じられるところまで来
ていることから、今後も統一されたケアを状況
に応じて提供し、その変化を観察していくこと
が必要である。
・ 同様に認知症により生活不安を抱えられてい
る利用者の方々も多いことから、今回のスタッ
フの意識を継続的・積極的に取り組みを行って
いく必要がある。
・ その為には、養護老人ホームという処遇人員
の少ない状況において、養護ならではのケアを
どのように展開していくかが、今後の課題とい
える。
〈具体的な取り組み〉
1.清流園における認知症ケアに関するスタッフ
の意識調査(N氏に対しての事前アンケート)
2.認知症ケア勉強会『ケアの方法を見直せばN
氏の生活環境は変化するのでは?』
3.実践(具体的な取り組み)
・N氏との関わり実践(コミュニケーション方
法の統一)、 居室環境の工夫
・N氏の状況把握(センター方式C-1-2の
活用)
23
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-7-4
題
ふれあいランチで貢献
評価を重ね、工夫改善
サロン弁当への発展
福岡県東区三苫
発
表
者
主任相談員
問
合
今回の発表の施設
またはサービスの
概要
変容・拡充する配食サービス事業
副
題
21年間のふれあいランチから、今サロン弁当へ
施
設
名
竹ノ上
養護老人ホーム
共
同
研
究
者
恵美
E-mail Address
調理主任
博多老人ホーム
栄養士
[email protected]
FAX
楢原
由美江
092-606-2654
福岡市東区にあり、養護(定員117)と軽費(定員100)及び訪問介護・通所介護施設
を併設。慈悲慈愛の精神を基盤として開設以来93年、地域の高齢者に「ふれあいランチ」
を届けて21年。今地域の新たな要請に応えて、
「サロン弁当」配食事業も並行して実施中。
< 取り組んだ課題 >
平成6年(1994)5月配食サービス事業を
開始することとなったが、事業の実施には、事前
に克服しなければならない課題が多々あった。
課題 1 誰がランチを高齢者の自宅に届け、空
き容器を回収し、集金するのか。
課題 2 高齢者の嗜好や健康の保持・増進等に
配慮した食事を、いかに安価に、継続
的に届けるか。
課題 3 食中毒などの防止のために、どのよう
な対策をとるか等、である。
但しランチの食材費を50円ていど高めにし
て「吸い物」を付け、別に1品添えて変化にとん
だものにする。
②1食、480Kcalで、塩分は控えめ(2~
3g)であるが味気なさを補うために天然のだ
しを活用する。
③提供されたランチについて、利用者の感想など
をアンケート調査で集約し、ホーム入居者の食
事評価と比較考量して、改善の資料とした。ま
た、ベテランの調理員数名を「ふれあいランチ」
の専任者に充て調理、味付け、盛りつけなどを
一貫して行った。
< 具体的な取り組み >
これらの課題を解決するためにまず地域と、事
前協議を行った。地元は「美和台校区配食実行委
員会」を組織して、可能な役割分担について協議
を重ねた。博多老人ホームは施設長、相談主任、
栄養士が事業推進の主体となって内部の調整に
当たった。
ア ランチは、火曜と水曜に、博多老人ホームが、
美和台公民館に届け、実行委員会が委嘱したボ
ランティアが、高齢者の元に届け、空き箱も回
収する。
イ 博多老人ホーム職員は、配食前に必ず検食を
行い、安全を確認すると共に、サンプルを保存
する。
これらの事前協議によって課題「1」と「3」の
問題は、ほぼ解消した。
課題 2 に関しては、基本的には
①老人ホームの献立と調理方法を援用する。
< 活動の成果と評価 >
「ふれあいランチ」は21年間好評裡に続いて
きた。地域との交流も活発になり、概ね所期の目
的を達成し得たといえる。
< 今後の課題 >
近年、ボランティアが高齢化し、更に配食事
業が有ることを知らない高齢者が増えている状
況もある。地域住民に事業を周知させ、利用者の
ニーズに応える事や、新しいボランティアの育
成・発掘が急務となっている。博多老人ホームは、
地域の福祉活動に関わる人々を対象とした「サロ
ン弁当」の提供を新たに始めた。これを契機とし
て、ふれあいランチにも関心を寄せ、地域の福祉
活動にいささかでも寄与しようとするきっかけ
になれば幸いである。
24
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-8-5
題
副
題
仕事の効率化
利便性の向上
コンプライアンス
佐賀県唐津市
発
表
者
問
合
現金での集金業務をなくそう!
事務主任
事務処理の効率化でリスク軽減
施
設
名
山下富士子
ケアハウス寿楽荘
共
同
研
究
者
生活相談員
E-mail:[email protected]
井手美里
TEL:0955-70-1700
今回の発表の施設 佐賀県の北西部、玄界灘と山々に囲まれた風光明媚な唐津市の中でも、閑静な住宅街に
またはサービスの あり市街地に近く、病院や福祉施設等が隣接している。同施設内に、デイサービスセン
ター(高齢者配食サービス)・訪問入浴サービスを併設。
概要
<活動の成果と評価>
<取り組んだ課題>
[成果]
主取引金融機関
集金代行業者
現金
昨今、内部統制の観点から現金の取り扱いを行
わない企業等が増えている。
当施設では、利用料金の支払いについて「現金
による集金」と「主取引金融機関(1 行)による
口座振替」を行い、全体の約 2 割が口座振替利用
であった。
利用者の高齢化が進み、金銭管理が困難と感じ
る方も増加傾向にあった。
担当職員は集金業務に数日かかりきりになり、
また送迎時や訪問時の集金もありセキュリティ
面でも好ましくなく、金額も高額で金銭管理のリ
スクが大きかった。
40%
58%
2%
[メリット]
① 利用者の利便性の向上
② 引受事務の適正化
・事務処理の効率化
・職員の負担軽減
③ 不祥事・紛失・盗難の未然防止
④ 入金率 UP
[デメリット]
① コストが高い
② 手続きに時間を要す
<具体的な取り組み>
① 現状把握
② 取引業者の選択
・主取引金融機関
・ゆうちょ銀行
・集金代行業者
③ 利用者及び家族への説明
④ 集金代行業者による操作説明
⑤ 口座振替代行業務開始
[対象者]
ケアハウス入居者
50 名
デイサービス利用者
150 名程
配食サービス利用者
80 名程
訪問入浴サービス利用者 20 名程
合 計 300 名程
⑥ 振替日の統一
<今後の課題>
・引落不能時の対策
・現金での集金を希望する方への対応
・ゆうちょ銀行は、通帳記載が集金業者名になる
ため、施設名になるよう業者へ働きかける
25
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-8-7
題
歌を歌いながら
ポイント制に
継続する
熊本県熊本市
発
表
者
介護職
筋力維持の取り組みについて
副
題
転倒予防の取り組み
施
設
名
吉居
ケアハウス・ケアハウスあいこう
幸子
共
同
研
究
者
ケアハウス
後藤
君代
096-348-0667
問
合
今回の発表の施設 熊本市の北部に位置し、母体は社会福祉法人 愛光会。特別養護老人ホーム、指定居宅
またはサービスの 介護支援事業所、指定居宅サービス事業所、地域密着型指定介護老人福祉施設ケアハウ
ス、熊本市北4地域包括支援センターがある複合施設である。
概要
<活動の成果と評価>
・健康についての興味は強く、熱心だったが、参
加者は偏っていた。活動を理解し参加率は増加
した
・「自分の為だから」との声が多かった
・2回の体力測定を行い測定値を比較した
3名の数値改善が見られたが、測定状況は入居
者の体調等、変動も有る。継続して取り組み
経過観察が必要と感じた。
・自立し自分のペースで生活されている入居者は
「まだ出来るから」と散歩に行き、体操に「出
来なくなってから」との声が有る。強制は出来
ないが、筋力向上の意味等、意識付けを継続し
行う必要があると感じた。
<取り組んだ課題>
ケアハウスでは、以前より毎朝ラジオ体操を続
けて来ている。ラジオ体操の慣れによる参加率低
下と、筋力低下からの転倒の可能性が課題になっ
てきた。毎日の習慣の中に、筋力向上と転倒予防
体操を組み合わせ継続出来ないか検討し取り組
みとした。
<具体的な取り組み>
毎朝ラジオ体操時に取り組んだ事
・以前より習慣であるラジオ体操時に行い参加を
促す。
・ケアハウス入居者、本人の自主性に任せる。
・貯筋体操追加
(4種類の動きと、ゴムボールを準備・100
均で30名分)
・歌詞ボード作成
・歌(線路は続くよの変え歌・音源)準備
・貯筋通帳を作成、参加をポイント制に変更
・意欲向上の為、ポイントを日常商品
(トイレットペーパー等)とした
・職員が担当し、リーダー的な役割を行う
<今後の課題>
・動きに慣れてくるので、動きの変化が必要と感
じる。
・体力測定、参加率、転倒件数等、今後も継続継
続し変化を確認する。
・公益財団法人
・一般社団法人
26
〈参考資料〉
健康・体力づくり事業団HP
日本運動器科学会HP
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-8-8
題
機能訓練
運動レク
チームアプローチ
副
題
大分県由布市
発
表
者
問
合
まだまだ元気でやれるんだ
作業療法士
~OTR が関わりだしてからの入居者の変化~
施
設
名
軽費老人ホーム
橋本淳平
(ケアハウス)
豊友館
共
同
研
究
者
E-mail Address [email protected] Fax 097-583-5090
今回の発表の施設 ケアハウス豊友館は由布山を展望できる場所に位置しており、デイサービスセンター・
またはサービスの ヘルパーステーション・介護保険サービスセンター・小規模多機能型居宅介護施設が併
設されている。関連施設には介護老人保健施設「健寿荘」が隣接されている。
概要
<取り組んだ課題>
・生活に必要な筋力はあるが、身体的な痛み・痺
れにより生活が制限されていた(身体機能低
下)
・個人のペースで過ごすことが多く、皆で何かを
行う機会が少なかった(集団活動の希薄化)
・「何かしてみたい」という気持ちはあるものの
何をしてよいかわからず、居室で過ごす入居者
が多かった(生活意欲の低下)
・日常生活にて自分でできることでも、職員に依
頼する入居者が多かった(職員への依存傾向)
<活動の成果と評価>
・機能訓練やクラブ活動を希望する入居者が増え
日中居室で過ごすことが少なくなった
・
「私も○○してみたい」
「今日は何するの?」等、
入居者から生活に対し意欲的言動が増えた
・車椅子から歩行器に変わった入居者もおり、機
能向上に伴い、生活の幅が拡がってきた
・生活の中で自分で出来ることは自分で行う入居
者が増えてきた(職員への依存心軽減へ)
・入居者から「ここ(豊友館)が明るくなった」
との発言が聞かれるようになった。
<今後の課題>
・入居者一人一人の興味・関心を把握し、それを
活動に取り入れ、少しでも多くの入居者が外界
に関心を向け、入居者のQOLを高めたい
・施設内での活動は充実してきたが、「地域」と
いう視点では足りていない為、調査・研究し、
地域密着型のサービスを増やしていきたい
・現在入居者が出来ていることを維持しながら、
新たに出来ることを増やしていきたい
・午前中実施するクラブ活動の計画・実施をする
・どの職員も入居者に対して活動提供できるよう
に人材育成をしていく
<具体的な取り組み>
ⅰ)機能訓練
・機能訓練を希望している入居者を対象とする
・生活に必要な関節可動域の確保や筋力向上を目
的とし、歩行訓練や階段昇降訓練等実施する
・1 回 15~20 分程度実施する。
ⅱ)クラブ活動
・クラブ活動を希望している入居者を対象とする
・地域交流を目的とし、デイサービス通所者と共
に軽スポーツ・リハビリ体操を提供する
・毎日お昼(14:30~15:30)の 1 時間程度実
施
ⅲ)ADL訓練(動作指導)
・居室訪問し生活上のリスクを把握し、動作の指
導を行う
・居室訪問し生活上のリスクや動作の指導を行う
・入居者が自立して生活できるように展開する
・月に 1 回評価及び再指導を実施する
ⅳ)運動レク(口腔体操)
・入居者全員を対象とする
・嚥下機能向上を目的とし合唱や体操を実施する
・毎日夕食前に 30 分程度実施する
27
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
九社連老施協職員大会
演
15-9-1
題
キ
ー
ワ
ー
ド
緊急受け入れ
地域、行政との繋り
ありのままの生活
副
題
沖縄県中頭郡読谷村
発
表
者
地域や行政と関って
介護職
~その人らしい生活とは~
施
設
名
小規模多機能型居宅介護事業所よみたんふれあいの里
共
同
研
究
者
栄門千夏
問
合
管理者
嘉数いく子
[email protected]
今回の発表の施設 事業所のある読谷村は沖縄本島の中部、西海岸に位置し、2014年には人口が4万人
またはサービスの を超える日本一人口の多い村です。平成19年9月1日開所、登録定員25名です。外
観は赤瓦屋根、室内は沖縄の古民家をイメージした内装で家庭的な雰囲気です。
概要
<取り組んだ課題>
平成21年度から読谷村地域包括支援センタ
ーからの緊急受け入れの依頼を受けています。受
け入れの相談内容として
<読谷村生活管理指導短期宿泊事業>
・事情により住む家が無くなった方
・介護者の介護放棄
・介護者の暴言、暴力等による虐待
<独居高齢者の台風時緊急避難>
その他、相談形態「独居実態把握・見守り」の中
から気になった高齢者について相談を受け支援
していくことになった事例である。
A さんは下咽頭癌末期余命 3 ヶ月、自宅は1軒家
の借家で9年程前から電気、ガスの無い生活。自
宅は天井が崩れ落ちそうになっており、軒下で野
宿状態。物やゴミに囲まれ衛生状態はかなり悪
い。朝からお酒を飲み、空き缶拾いをしながら暮
らしていた。余命を宣告された本人の望む生活を
支援することになった。
このAさんの事例を通して行政や地域との関り、
「その人らしい生活」と言う意味に、戸惑いを感
じながら、看護、ケアマネ、介護のスタッフが取
り組んだ課題である
<具体的な取り組み>
自宅に帰りたいと言う意思を受けとめて、病院
や住居の住み替えではなく自分の家で過ごせる
よう取り組む。
①自宅周辺の片付け、敷物や被り物を提供、寝床
の確保②週 3 日は自宅で過ごしてもらう。自宅に
帰った際は職員による安否確認のための訪問を
行う。③週 4 日は通いサービスと宿泊を利用。③
体調観察や腫瘍部の観察。④緊急時の対応、行政、
地域、医療との連携を図る。
Aさんに関わりのある方を招集し地域会議を定
期的に開催、協力体制を図る。
28
<活動の成果と評価>
本人の「病院へは行きたくない」「自分の家
で暮したい」「延命はしない」という意思を受け
止め、具体的な対応を明確化した。
1、安心して普段の暮らしができる支援
2、地域支援体制の構築
3、行政との連携強化
4、緊急時対応の明確化を図った。
ふれあいの里を利用しながら、大好きなお酒を
飲み、自宅に帰った時は、近所の商店に買い物に
行き、馴染みの人や友人と交流を楽しみ、地域の
運動会や競技大会の見学に行くなど、以前と変わ
らない生活を続けることが出来「その人らしい生
活」の支援をすることが出来たと考えられます。
A さんは、平成27年1月27日に永眠。余命3
ヶ月と言われて10ヶ月延命されました。
A さんの「その人らしい生活」とは、
「自分の意思
でありのままの生活を送ること」であり、その生
活を、今まで A さんに関わってきた地域の方や自
治会、民生員、地域包括支援センター職員の協力
を得て支援できたことが、本人にとって普段と変
わらない生活に繋がったのではないかと考えま
す。
<今後の課題>
・Aさんは結局病院で亡くなったが事業所で亡
くなった時、適切な対応できたのか
・Aさんの心に寄り添うケア
・地域、行政との連携の継続
・職員の不安・ストレスへのケア
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-9-7
題
個別ケア
QOL の向上
大分県
発
表
者
大分市
特養部介護副主任
問
合
今回の発表の施設
またはサービスの
概要
浮腫軽減に向けての取り組み
副
題
施
設
名
坂巻
地域密着型介護老人福祉施設
特別養護老人ホーム天領ガーデン
奈緒美
共
同
研
究
者
E-mail : [email protected]
FAX:097-574-7505
平成 23 年 4 月に、定員 29 名の特養、定員 10 名の短期入所の介護施設として開所しま
した。入居者・利用者の方々には、住み慣れた地域で居心地のいい生活をして頂きたい
と考えています。また、地域の中で開かれた場(施設)になるよう地域住民の皆さんに
気軽に立ち寄れる施設づくりも目指しています。
<取り組んだ課題>
○足の挙上だけでは減少見られず、酷い時には太
もも腹部にまで現れてしまう、浮腫の原因、対
処法を探る。
<活動の成果と評価>
・離床時間が長くなった。
・浮腫が減った。
・排泄の意志が聞かれるようになった。
・食欲が増えた。
・意欲が見られるようになった。
・座位が安定し、立位も良くなった。
・他の利用者とのコミュニケーションの機会が増
え発語が増えた
○浮腫の増加と共に無くなってしまった活気を
取り戻す関わりをもつ。
○浮腫の減少に努める。
(他職種との連携。
)
<今後の課題>
・長時間の離床は可能になったが続けるうちに浮
腫がまた見られる時があるようになったので、
活気をなくさずに浮腫の再発防止に努めたい。
・意志が聞かれ始め、長時間の離床が可能になっ
た為、外出の機会や、クラブ参加などを増やし
ていきたい。
<具体的な取り組み>
○原因の一つに低栄養があると考え、食事の見直
しを行う。
○太ももの浮腫が現れた際の食い込みが激しく、
リンパの圧迫も考えられたため、パンツの種類
を見直す。
<参考資料など>
特になし
○足浴、温マッサージを行う。
○浮腫の減少と共に、離床時間を徐々に増やし
色々な人、物、環境とのふれあいの場を作り活
気を取り戻すよう密な関わりをもつ。
29
H27 九社連老施協職員研究大会 各研究部会受賞発表一覧
キ
ー
ワ
ー
ド
九社連老施協職員大会
演
15-9-4
題
認知症の理解
個別的・集団的
役割
佐賀県・玄海町
発
表
者
問
合
ホーム長
TEL
認知症に対する意識を変えたい
副
題
地域に根差した役割とは
施
設
名
坂本
グループホーム
聖子
共
同
研
究
者
ケアワーカー
0955-52-3933
つばき
徳永
美緒
FAX 0955-52-3934
今回の発表の施設 GHつばきは、玄海町唯一のGHとして 4 年前にオープンしました。入居者は 9 名。
またはサービスの 海と山が望め、ご家族・職員手作りの畑で季節の野菜を味わえる自然豊かな環境です。
概要
ユニット型特養に併設しており、「個別性」を重視したケアを目指しています。
ユニット型特養に併設しており、「個別性」を重視したケアを目指しています。
<取り組んだ課題>
<活動の成果と評価>
「取り組むことになったきっかけ」
① 認知症について、職員の知識が深まった。
地域性として「家族の事は、家族で解決する」
という意識が強い。その事が閉鎖的環境を作りや
② ノートを活用する事で、家族とのコミュニケ
すくしており認知症が正しく理解されず必要な
ーション不足で起こるクレームを未然に防ぐ
サービスを受けない人が多いと思われる。
事ができた。
又、家族はそのストレス(不安・葛藤)を相談で
きずに抱えこむこともあった。
③ ご家族が、入居者の生活の中に意欲的に関わ
地域の認知症に対する意識を変えることで、認
りをもたれるようになった。
知症になっても地域との絆を保ちつつも必要な
(音楽ボランティア・調理・畑の世話・入居者
支援につなげたい、その為に何かできることはな
の体調不良時のお世話など)
いかと考えた。
④ ご家族と職員のコミュニケーションが充実し
信頼関係が生まれた。
<具体的取り組み>
① キャラバンメイトの資格を取得、職員へ認知
症勉強会を実施した。
⑤ 家族代表にお話しを聞いてもらう事で、ご家
族の本音が聞き出せた。
② 認知症を抱えるご家族とコミュニケ―ション
を図る為に、個別的にまた集団的にアプロー
チを行った。
【つばきでの個別的関わり】
ご家族と職員でノートでのやりとり
家族会にてノートの活用方法を説明し、入居者
の日々の変化を詳細に伝える事に努めた。
⑥ 認知症サポーター講座の受講者より機会があ
れば認知症の方に「関わりたい」
「自分にでき
る役割を持ちたい」との意見が聞けた。
又、継続的に研修を続けてほしい要望があり、
次の研修へと繋げたいと考えている。
<今後の課題>
家族とのコミュニケーション量が増えると、職
員のストレス増加に繋がる事もある。今後は、職
員のストレスケアをどう行っていくかが課題で
ある。又、グループホーム職員としての社会的役
割を地域の中で見つけ活動していけば、更に認知
症の理解が深まると感じた。
ご家族代表に、直接職員に言えない家族の悩み
を聞いてもらい、その事を職員に伝えてもらう
ことでご家族との信頼関係を築くようにした。
【地域にでかけて集団的関わり】
認知症サポーター講座の開催
町役場との共同開催で認知症の方を介護され
ている人や認知症に興味のある若い主婦の
方々に勉強会を実施した。
講演終了後に、アンケートの実施とオレンジリ
ングの配布を行った。
30