有 - 三菱東京UFJ銀行

FX Weekly
平成 28(2016)年 3 月 25 日
GLOBAL MARKETS RESEARCH
チーフアナリスト
内田 稔
三菱東京 UFJ 銀行
A member of MUFG, a global financial group
Table of contents
1
今週のトピックス
2
来週の相場見通し
3
来週の経済指標・イベント
4
マーケットカレンダー
1. 今週のトピックス
(1) FOMC メンバーのタカ派、ハト派の分類
シニアマーケットエコノミスト
鈴木 敏之
(2) 海外勢の対日株式投資とドル円相場
チーフアナリスト
内田 稔
2. 来週の相場見通し
(1) ドル円:低金利を輸出するマイナス金利政策
予想レンジ
111.50 ~ 114.50
(2) ユーロ:ドル買い継続によりやや上値重い
予想レンジ
対ドル:
1.0950 ~ 1.1300
対円:
124.50 ~ 127.50
(3) 豪ドル:通貨高けん制への思惑が豪ドルの上値を抑える
予想レンジ
4/1(金)の FX Weekly は
休刊とさせていただきます。
次回は 4/8(金)発行予定です。
FX Monthly4 月号は
3/31(木)発行予定です。
1
FX Weekly | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
対ドル:
0.7350 ~ 0.7650
対円:
83.00 ~ 87.00
(4) 人民元:米ドルの動きを睨みながらも緩やかな元安を予想

予想レンジ
対ドル:
6.4900 ~ 6.5500
対円:
17.05 ~ 17.55
(1) FOMC メンバーのタカ派、ハト派の分類
少ないタカ派
Fedの金融政策をみるとき、FOMCメンバーの政策への姿勢をい
わゆるタカ派とハト派に分類することに関心が持たれる。ここへき
て、地区連銀の総裁の交代が続いている。このため、勢力図が変
わっている。この勢力図の変化は、3 月 15-16 日のFOMCの結果が
事前の予想以上にハト派的であったというサプライズにも影響して
いる。現時点で、勢力図の評価をまとめておきたい。
第 1 表: 勢力分布
タカ派
インフレ抑制
金融安定
中立
ハト派
ラッカー
ジョージ
フィッシャー
イエレン
メスター
カシュカリ
ロックハート
ブレイナード
ブラード
タルーロ
ウィリアムズ
ダドレー
パウエル
ローゼングレン
ハーカー(不明)
エバンス
カプラン
(資料)報道などにより 三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
以下、( )の地名は、地区連銀名。
① インフレ抑制最優先のタカ派
伝統的なインフレファ
イティングの強硬タカ
派はラッカーだけ?
インフレ抑制を最優先する伝統的なタカ派は、この一連の総裁交
代で勢力が後退してしまった。すなわち、プロッサー(Charles I.
Plosser, 元フィラデルフィア)、R.フィッシャー(Richard W. Fisher,
元ダラス)が去って、残っているのはラッカー(Jeffrey M. Lacker,
リッチモンド)だけといってよい。プロッサーのもとでフィラデル
フィア連銀のエコノミストを務めていたメスター(Loretta J. Mester,
クリーブランド)はタカ派トーンをだしているが、プロッサー、R.
フィッシャー、ラッカーのような急進性はないとみられている。こ
うした伝統的なインフレファイターのタカ派は、絶滅危惧種化して
いる。その生き残りのラッカーは、今年も来年もFOMCでの投票権
を持っていない。
ハーカー(Patrick T. Harker, フィラデルフィア)は、3 月 22 日の
発言からみると、タカ派といえそうである。しかし、就任後の時間
も短く、明瞭なタカ派姿勢を持っているかは不詳である。
② 金融システム安定重視のタカ派
金融システム安定、バブルの抑制を重視するタカ派が、今日のタ
カ派の主流といってよい。従前の主張からすると、フィッシャー
(Stanley Fischer, FRB副議長)こそが、この中心的存在にみえるが、
副議長としてのまとめ役の立場上、また、柔軟な物言いをすること
2
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
もあり、明瞭ではない。本分類では、フィッシャー副議長を中立派
に位置づけておく。
金融不均衡抑止のタカ
派は、今年、ジョージ
に投票権があり、存在
が大きい
明確に金融システム安定重視のタカ派の立場を持っているのは、
ジョージ(Esther L. George, カンサスシティ)である。前任のホー
ニックの伝統を引き継いでいるといってよい。その主たる発想は、
実質でマイナスのFF金利が米国経済に災いをもたらすということで
ある。
第 2 図:マイナスの実質 FF 金利
第 3 図: 長期化する低ボラティリティがバブルを誘発?
(%)
10.0
160
140
8.0
6.0
200
実質FF金利マ
イナスのとき、
大インフレ
実質FF金利マイナスの後、
住宅バブル
175
住宅バブル
120
150
ITバブル
100
125
80
100
60
75
40
50
20
25
4.0
2.0
0.0
-2.0
-4.0
-6.0
70/01
0
90/01
75/01
80/01
85/01
90/01
95/01
00/01
05/01
実質FF金利(実効FF金利-PCEインフレ率)
10/01
15/01
(年/月)
(資料)米商務省、FRB のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリ
サーチで作成
93/01
96/01
99/01
02/01
05/01
08/01
11/01
0
14/01
(年/月)
VIX指数 〈左目盛〉
ITバブル(シラーのPER 1996年1月=100) 〈右目盛〉
住宅価格(ケース=シラーの住宅価格指数 2004年1月=100) 〈右目盛〉
(資料)イエール大シラー教授の HP,ブルームバーグ収録のデータにより、三菱東
京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成
多くのFOMCメンバーには、この発想に理解がある。まだ就任後
時間が経過していないが、カシュカリ(Neel Kashkari, ミネアポリ
ス)はかつてQEに批判的であったので、やはり、金融システム安
定重視のタカ派に分類しておきたい。
③ 中立派
状況に応じて柔軟な中
立派が大勢力
今日、ときによって意見を変えるようにみえる中立派が大きな勢
力である。ブラード(James Bullard, セントルイス)、ロックハー
ト ( Dennis P. Lockhart, ア ト ラ ン タ ) 、 ウ ィ リ ア ム ズ ( John C.
Williams, サンフランシスコ)が、この立場といえる。ただし、
ウィリアムズは自然利子率の試算を示して、ハト派姿勢も持ってい
る(後述)。
パウエル(Jerome H. Powell, FRB理事)も、いわゆるタカ派、ハ
ト派という分類では、どちらか明確とは言えない。
政策の決定は、データ次第といわれるが、この中立陣営の人数が
多いことが影響していよう。
④ ハト派
イエレン(Janet L. Yellen, FRB議長)はもともとハト派の最右翼
であるが、議長としての取りまとめ役であり、強くハト派姿勢を出
すことは控えているようにみえる。しかし、結局 2015 年 6 月、9 月、
3
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
2016 年 3 月と利上げが見送られているのは、彼女のハト派姿勢の
反映といえよう。
中枢はハト派ばかり
目下、いわゆるハト派としての立場でアピールが強いのが、ブレ
イナード(Lael Brainard, FRB理事)である。ブレイナードは、ドル
高の影響を重視して利上げを牽制したが、FOMCの結果はそちらに
傾くものとなった。
ダドレー(William C. Dudley, ニューヨーク)もハト派姿勢であ
る。特に市場の動きに敏感な立場であり、FOMCの決定に持つ影響
力は大きそうである。
タルーロ(Daniel K. Tarullo, FRB理事)は、マクロエコノミスト
ではなく、規制、監督分野の中枢であるが、金融システムの安定の
ために、これまではストレスをかけることに慎重であったといえる。
金融システム安定重視姿勢の中で、タカ派とハト派がいて、タルー
ロは後者である。
地区連銀総裁では、ローゼングレン(Eric Rosengren, ボストン)
とエバンス(Charles L. Evans, シカゴ)がハト派である。
ローゼングレンは、バブル、不良債権の時代の日本のリサーチを
バックグラウンドとし、資産買取の量的緩和(俗にいうQE)の推
進役でもあった。今年は、そのローゼングレンにFOMCの投票権が
ある。
エバンスは、就任当初はタカでもハトでもない、フクロウ派とい
われたときがあり、FOMCの中心線をうかがえる存在であったが、
危機対応を通じて強硬な立場でのハト派となっている。
まだ就任後間もないが、3 月 3 日に行った発言からすると、カプ
ラン(Robert S. Kaplan, ダラス)もハト派に見える。
ウィリアムズは総裁としての発言は流動的なところがあるが、自
然利子率の推計を定期的に更新の上、公表して、中立のFF金利の押
し下げをはかることで大きな役割を果たしている。イエレンのハト
派的な政策決定の理論武装の担い手としての役割を果たしていると
みられる。
結び
今のFOMCでは、中枢にハト派が多く、中立派が比較的大きな存
在という構図になっている。
フィッシャーは立場が異なるようであるが、イエレンに異論を唱
えてFOMCの場で対決することはないとみられる。このため、金融
政策の正常化には理解を示しても、決定はハト派に傾きやすい。3
月 15-16 日も、サプライジングにハト派よりの決定となったことが、
それをあらわしていよう。
シニアマーケットエコノミスト
4
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
鈴木 敏之
(2) 海外勢の対日株式投資とドル円相場
株高と円安の併走
2012 年 11 月、衆院の解散と総選挙が宣言されて以来、海外勢
(非居住者)は、日本経済や金融政策の変化を期待し、日本株への
投資を積極化した。当時を起点とすると、その後の非居住者による
日本の株式と投資ファンド持分の買い越し額は、取得額と処分額を
差し引きしたネットでみて最大 25 兆円に迫り、9,000 円前後で推移
していた日経平均株価が 2 万円を超える原動力となった。また、非
居住者は、物価上昇(=実質金利低下による円安)を見込んで円売
りも活発化。いわゆるQE(量的緩和)トレードや安倍トレードな
どとされる「日本株ロング(買い越し)と円ショート(売り越し)」
の構築が横行。折からの経常収支の悪化や日銀の異次元緩和といっ
た円安材料とも相俟って、80 円割れが定着していたドル円を、一
時 125.86 まで押し上げる一因となった。このように、2012 年 12 月
に安倍政権が発足した前後から大幅に進んだ本邦の株高と円安の裏
で、非居住者が果たした役割は大きかったと考えられる(第 1 図)。
第 1 図:非居住者の対日株式投資額の累計とドル円相場
(兆円)
25
(円)
130
125
120
20
115
110
15
105
100
10
95
第二次安倍内閣発足
90
5
2012年11月以来の非居住者による日本株の買い越し額累計
0
12/11
ドル円(右目盛)
13/5
13/11
14/5
14/11
15/5
15/11
85
80
16/5 (年/月)
(資料) 財務省「対外及び対内証券売買契約等の状況」より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
売り越し基調が続く非
居住者の対日株式投資
5
一方、昨年の夏以降、世界的に株式相場が軟調に推移する中、非
居住者は利益確定と思しき日本株の売却を進めてきた。昨年 8 月以
降の売り越し額は、既に 10 兆円を超えている。2012 年 11 月を起点
とみれば、まだ 15 兆円程度の日本株ロング(買い越し)だが、こ
の間、日経平均株価は軟調に推移。今年に入って、一時 15,000 円
を割り込んだ。無論、株式相場が下落する場面では、「リスク回避
の円買い」と称した円高が進行。この円高を嫌気して、さらに株式
相場も値下がりする悪循環に陥った面も強い。いずれにせよ、こう
した株価と円相場の相関が飛躍的に高まった背景として、先に述べ
たような株ロングと円ショートといった持ち高の構築を進めた非居
住者の存在が大きく影響していよう。
こうした中、3 月に入り、世界的に株式相場は下げ止まりつつあ
り、一時と比べれば緊張は和らいでいる。米国の主要な株価指数も、
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
概ね年初来の水準を回復。昨年夏場以降の非居住者による日本株売
り越しの主たる背景が、単なる持ち高の調整や利益確定に限定され
るなら、そろそろ日本株への見直し買いが再開してもいい頃合いだ。
ところが、その非居住者の動向はそうなっていない。例えば、3 月
6 日~12 日の株式・投資ファンド持分への投資動向は、2012 年 11
月以降、週間ベースで最大となる約 1.6 兆円もの売り越しを記録
(取得から処分を差し引いたネットの値)。その翌週となる 3 月
13~19 日の間も、6,776 億円と、今年 4 番目の規模となるネット売
り越しを記録した。もちろん、欧州では、独DAX指数が未だに年
初来約 8%ものマイナス圏に沈んだままとなっており、欧州勢など
は積極的にリスクを取れる局面ではないだろう。ただ、非居住者に
よる日本株の売り越しの背景が、日本経済の先行きに対する期待の
剥落を意味している可能性にも、一定の警戒は必要だろう。
第 2 図:非居住者の対日株式・投資ファンド持分の週次売買動向(ネット)
(10億円) 量的質的金融緩和導入
2000
(買い越し)
同、拡大
マイナス金利決定
25000
1500
20000
1000
500
15000
0
10000
-500
-1000
週次の売買動向
5000
-1500
日銀の金融政策のイベント
(売り越し)
-2000
12/11
13/5
13/11
14/5
14/11
15/5
15/11
0
16/5(年/月)
(資料) 財務省「対外及び対内証券売買契約等の状況」、Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ
作成
ドル円へのインプリ
ケーション
こうしてみると、2012 年 12 月に安倍政権が発足してから 2015 年
半ばまでみられた非居住者の対日株式投資活発化による円安への波
及経路は、もはや機能不全に陥っている可能性が低くない。市場で
は、徐々に日本の消費税引き上げ再延期との観測が強まっている。
2014 年 11 月、消費税引き上げ延期を受け、非居住者はこれを短期
的には日本経済にプラスとの見方から、株買いと円売りで呼応。但
し、足もとの状況はそうした一昨年とは大きく異なっているようだ。
先週号でも、消費税引き上げ再延期による株高・円安は見込みにく
いとの見方をメインシナリオに据えたが、昨今の非居住者による対
日株式投資の動向は、こうした見方をサポートするものと言えよう。
チーフアナリスト
6
今週のトピックス | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
内田 稔
(1) ドル円:低金利を輸出するマイナス金利政策
今週のレビュー
ドル円相場はじり高、
113 円台を回復
事前の予想より、利上げに慎重とみなされた 3 月米連邦公開市場
委員会(FOMC)は、幅広い通貨に対するドル安を招いた。一方、
今週は、利上げに積極的とみなされるFRB高官の発言が相次ぎ、幅
広い通貨に対してドルが上昇。この為、ドル円相場も週を通じてじ
り高に推移。週末 25 日には、113 円台を回復している。もっとも、
昨年 12 月のFOMCでは、政策金利予想分布図にて、2016 年の 4 回
の利上げの可能性が示されたが、そのわずか 3 ヶ月後、同 2 回へと
下方修正がなされている。こうした経緯も踏まえ、FRB高官発言の
市場に与える影響は、それほど大きいわけではないだろう。実際、
今週の米国債利回りは、2 年債、10 年債とも特に目立った上昇はみ
られていない(第 1 図)。市場はFRB高官発言よりも、経済指標な
どを重視する傾向を一段と強めていくとみられる。その点、今週は
米中古住宅販売件数(2 月)が、事前予想に対し、大きく下振れた。
また、耐久財受注(2 月分)も、予想を下回っており、必ずしもド
ル買いを後押しする内容とはなっていない。こうしたことを踏まえ
ると、今週のドル円反発は、高水準に積み上がっていた投機筋の円
買いの持ち高が、イースター休暇を前に一旦整理されただけであっ
た可能性(円売り要因)も低くないだろう(第 2 図、25 日正午の
ドル円スポット相場:113.05~08)。
第 1 図: 過去半年間の米国債利回り(2 年債、10 年債)
第 2 図:投機筋の円の持ち高 (IMM のネットポジション)
(枚)
100000
(%)
2.6
円ロング
(円高期待)
2.4
50000
2.2
(10年債)
2
0
1.8
1.6
1.4
-50000
1.2
1
-100000
0.8
(2年債)
0.6
-150000
円ショート
(円安期待)
0.4
0.2
15/10
15/11
15/12
16/1
16/2
16/3 (年/月)
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
-200000
07
08
09
10
11
12
13
14
15
第 3 図: 今週の為替相場推移
(円)
114.0
↑円安
113.0
112.0
↓円高
111.0
3/21
3/22
3/23
3/24
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
7
来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
16(年)
(資料)米 CFTC より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
3/25
(月/日)
来週の見通し
底堅くも上値重く、方
向感は出づらい
来週は、感謝祭休暇を経て、新年度入りを迎える。市場では、本
邦輸出筋や配当金受け取りに伴う円買い需要が一巡。さらに、マイ
ナス金利政策を受けた対外証券投資の活発化によって、円安に振れ
易くなるとの期待も高まる。こうした見方や、前週の米FRB高官ら
の発言もしばらくは意識され、ドル円は小じっかりと推移しよう。
とは言え、ここ数年の傾向として、4 月に入ってからも、配当金
の受け取りに相当する第 1 次所得収支の黒字は、高水準を維持し、
月間黒字幅が 2 兆円に迫る見込みだ。一方、円安圧力として期待さ
れる本邦からの対外証券投資の内、中長期債の多くは、為替ヘッジ
付が主流と見込まれ、実際の円売りは限定的と考えられる。円の需
給は、必ずしも新年度入り後の円安シナリオを後押しするものでは
ないだろう。また、ヘッジ付きが主流であっても、ユーロ圏や本邦
のマイナス金利政策を受け、対米債券投資が活発化すると、結局は
米国債利回り上昇を阻んだり、下押し圧力になると考えられる(第
4 図)。結局のところ、マイナス金利を採用する日本やユーロ圏の
金融政策が、低金利を輸出する形と言えよう。この為、金融政策の
方向格差という漠然とした概念だけでは、日米金利差の拡大は見込
みにくく、ドル円上昇は容易ではないだろう。
第 4 図:本邦からの対外中長期債投資(ネット)は、マイナス金利導入決定後、高水準で推移
(10億円)
2500
(居住者による外国の中長期債買い越し額)
2000
1500
1000
500
0
-500
-1000
(居住者による外国の中長期債売り越し額)
-1500
1/1
1/8
1/15
1/22
1/29
2/5
2/12
2/19
2/26
3/4
3/11
3/18 (月/日)
(資料) 財務省より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
ドル高=ドル円上昇で
はない
8
そもそも、世界経済の低成長継続が見込まれる中、米国の利上げ
観測が高まるほど、ドル円上昇は阻害される公算が大きい。一つは
先週も指摘の通り、米利上げ観測の台頭につながる物価上昇圧力の
高進が、ドルの実質金利(=名目金利-予想物価上昇率)の低下を
もたらすためだ。加えて、利上げ観測を受け、ドルの独歩高が進む
と、米国の低インフレを助長し、利上げペースが鈍化するとの見方
が台頭し、ドル高を抑制。また、ドル高が株式相場の重石となる上、
資源価格や新興国通貨が下落すれば、市場が動揺。入り口でのドル
高圧力を上回る円買いを強める構図は健在とみられる(第 5 図)。
実際、ドルが底堅さを増した今週、原油先物相場は、続伸を阻まれ、
週央以降は軟化。米国の株式相場もそれを横目に週末にかけてやや
来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
軟化した。この通り、ドル高は、必ずしもドル円相場のドル高円安
を意味しない。
こうした中、来週は月初早々に、米雇用統計とISM製造業景況感
指数といった注目度の高い経済指標を控えている。来週のドル円は、
上下ともに決定打を欠く上、週末にかけて様子見姿勢も強いとみら
れ、方向感の乏しい展開を予想する。
第 5 図: ドル独歩高が、ドル高を抑制したり、円買いを強める複数の経路
米国の低インフレ
米製造業への打撃
米正常化観測
↓
ドル独歩高
(米国一人勝ち)
米利上げペース
鈍化観測
ドル高の鈍化
米株式相場への下押し
資源価格の下落
(ドルとは逆相関)
資源国への打撃
新興国通貨の急落
(ドル高の裏返し)
インフレ高進
対外債務の負担増
リスク回避の台頭
(円高圧力)
(資料)三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
予想レンジ
ドル円:111.50 ~ 114.50
チーフアナリスト
9
来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
内田 稔
(2) ユーロ:ドル買い継続によりやや上値重い
今週のレビュー
今週のユーロドル相場は、米金融政策当局者によるタカ派な発言
を受けたドル買いから下落(第 1 図)。
第 1 図: 今週の為替相場推移
(ドル)
1.130
↑ユーロ高
1.125
1.120
1.115
↓ユーロ安
1.110
3/21
3/22
3/23
3/24
3/25
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
ユーロドルは、週初に 1.12 ドル台後半で寄り付いた。週初から
米金融政策当局者によるタカ派な発言を受けてドル買いが活発化し
た。21 日に、ロックハート・アトランタ連銀総裁とウィリアム
ズ・サンフランシスコ連銀総裁は「米経済には経済指標に裏付けら
れた十分な勢いがあり、早ければ 4 月末に予定されるFOMCにて利
上げが実施される可能性もある」と発言した。22 日に、エバン
ス・シカゴ連銀総裁は「米国のファンダメンタルズは非常に良好な
状態にある。年内 2 回の利上げを想定」と発言した。23 日に、
ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は「2016 は 2 回以上の利上
げが望ましい」、ブラード・セントルイス連銀総裁は「次回の
FOMCで利上げを検討すべき」と発言した。
加えて、①23 日のベルギーにおける爆発テロを受けてユーロ売
りが強まったことや、②米原油在庫の増加やロシアによる 4 月原油
輸出の増加見通しを受けて原油価格が下落し、ドル買いが強まった
ことなどから、ユーロドルは 24 日に 1.1144 まで下落した。ユーロ
円は揉み合った。
第 2 表: 相場に影響した主な経済指標
発表日
3/23
経済指標名
米 3/18 原油在庫(前週比)
結果
+935.7 万バレル
市場予想
+248.0 万バレル
前回
+131.7 万バレル
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
来週の見通し
来週は、独 3 月消費者物価指数(3/30)やユーロ圏 3 月消費者物
価指数(3/31)、独 2 月小売売上(3/31)等の経済指標が発表され
る。ユーロ圏景気指標は原油安や物価下落による実質購買力の拡大
を受けた個人消費の増加、ユーロ安を受けた輸出の持ち直しから、
引き続き、ユーロ圏景気の着実な持ち直しを示す良好な結果となろ
う。エコノミスト等の景況感を示す独 3 月ZEW現状指数は、金融市
場の景気悲観論等を受けて幾分悪化したが、企業の景況感を示す独
3 月IFO現況指数はやや改善し、ドイツ経済の堅調さを示した(第 3、
4 図)。
10 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
第 3 図 :独 ZEW 景況指数
第 4 図:独 Ifo 景況指数
100
130
改
善
50
改善
120
110
0
100
悪
化
-50
90
悪化
80
-100
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
ZEW現状
13/1
14/1
15/1
期待
(資料)ZEW より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
16/1
(年/月)
70
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
IFO現況
13/1
期待
14/1
15/1
16/1
(年/月)
(資料)Ifo より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
しかし、ユーロ圏景気はデフレギャップ(実際のGDPが潜在GDP
を下回る幅)が引き続き大きい上に、消費者物価指数(HICP)は
前年比マイナスで推移することが見込まれる。北海ブレント(原油
価格)は 3 月に 40 ドル近辺に上昇したが、前年比▲30%と引き続
きエネルギー価格によるHICPへのマイナス寄与が大きい。そのた
め、ECBは 3 月理事会で包括的追加緩和を実施した。
なお、ベルギーでの国際空港と地下鉄駅を狙った同時テロ(3/23)
は死者 30 人超と報道され、一時的にユーロ売りとなった。もっと
も、2015 年 11 月のフランス同時テロ(死者 120 人超と報道)によ
るユーロ圏景気への影響が限定的であったように、今回のテロによ
る景気への影響も限定的であろう。だが、今後も大きなテロが継続
する場合には、欧州で移民排斥の機運が高まると考えられ、①英国
による EU 離脱の是非を問う国民投票(6/23)で英国の離脱が決定
される可能性や、②「物、人、サービス、資本の自由な移動」を定
めたシェンゲン協定が制限される可能性が高まろう。その場合、
ユーロ圏景気への中長期的な悪影響が懸念されることから、ユーロ
は売られると考えられる。
米国では、3 月FOMCでハト派なスタンスが打ち出されたが、最
近の米経済指標は景気回復を示す結果である上に、FOMCメンバー
によるタカ派な発言が続いていることなどから、直近でドル買いに
なり易い。
来週のユーロドルは、ECBによる金融緩和を受けたユーロ売りと、
米利上げ期待に絡んだドル買いなどから、やや上値の重い展開を予
想する。ユーロ円は幾分上値の重い展開を予想する。
予想レンジ
ユーロドル:1.0950 ~ 1.1300
ユーロ円:124.50 ~ 127.50
シニアアナリスト
11 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
天達 泰章
(3) 豪ドル:通貨高けん制への思惑が豪ドルの上値を抑える
今週のレビュー
今週の豪ドル相場は、ドル高と資源安を背景に週後半にかけて下
落した。週初 0.7610 で寄り付いた豪ドルは、週央にかけて上昇。
3/23 には、高値となる 0.7649 を示現した。しかし、直近高値
0.7681(3/18)を抜けきれず失速すると、その後は、ドル高を背景
に下落。資源価格の反落も重石となる中、約 1 週間ぶりとなる安値
0.7477(3/24)を示現している(第 1 図)。一方、対円相場は、週
初 84 円台後半で寄り付いた後、ベルギーで発生した多発テロの影
響から、一時安値となる 84.08 まで下落した(3/22)。しかし、ド
ル円の反発に連れて持ち直すと、3/23 には高値となる 85.85 まで上
昇する等、上下共に、方向感に欠ける値動きが継続している。週後
半にかけては再び軟化。結局 85 円台前半にて越週しそうだ。
第 1 図: 今週の為替相場推移
(ドル)
0.770
↑豪ドル高
0.765
0.760
0.755
0.750
↓豪ドル安
0.745
3/21
3/22
3/23
3/24
3/25
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
来週の見通し
9 ヶ月ぶり高値を記録した前週とは一変し、今週の豪ドル相場は
上値を切り下げた。資源価格の下落や、米金融政策当局者による相
次ぐタカ派発言、豪州経済を巡る不透明感の増大が、豪ドルの続伸
を阻んでいる。こうした中、オーストラリア準備銀行(RBA)は、
緩和的な金融政策を維持。直近(3/1)RBA定例理事会でも追加利
下げの可能性を示唆する等、ハト派色を幾分強めている。また、昨
夏以降温存してきた「豪ドル高けん制」も足許で再開。ロウRBA副
総裁による「最近の豪ドル高は比較的緩やかだが小幅に下落すれば
歓迎する(3/8)」や、ガイ・デビルRBA総裁補による「現行水準
からの下落が好ましい(3/17)」の他、今週に入ってからは、ス
ティーブンスRBA総裁からも「最近の豪ドル上昇は、商品価格や米
金利の見通しを踏まえるとやや先走っている(3/22)」との発言が
報じられる等、「豪ドル安が豪州経済を支援している」としてきた
2 月までのスタンスを一変させ、足許で再び、豪ドル高に対するけ
ん制を強めている。こうした状況を考慮し、当方では、豪ドルの上
値余地は限定的との見通しを維持。次回RBA(4/5)を前に追加利
下げ観測が高まれば、豪ドル相場の反落も想定される。引き続き、
当局発言に留意が必要だ。
予想レンジ
対ドル:0.7350 ~ 0.7650
対円:83.00 ~ 87.00
アナリスト
12 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
藤瀬 秀平
(4) 人民元:米ドルの動きを睨みながらも緩やかな元安を予想
今週のレビュー
今週の人民元相場は、CNY(オンショア人民元)、CNH(オフ
ショア人民元)共に、週を通して下落した。週初、6.4790 で寄り付
いたCNYは、対ドル基準値の元安設定を背景にその後軟化。米利上
げ観測の再燃に伴うドル高も重石となる中、週末には安値となる
6.5202 まで下落した。CNHも同様に、高値となる 6.4680 で寄り付
いた後、週後半にかけて軟化。週末には、3/4 以来となる安値
6.5293 を記録している(第 1 図)。
第 1 図 :人民元相場の推移
(人民元)
0.40
6.70
オンショア人民元と対ドル基準値の価格差
6.60
0.35
オンショア人民元相場
6.50
0.30
対ドル基準値
6.40
0.25
6.30
0.20
6.20
0.15
(スプレッド)
6.10
0.10
6.00
5.90
0.05
5.80
0.00
-0.05
5.70
15/01
15/04
15/07
15/10
(年/月)
16/01
(資料) Bloomberg、中国人民銀行より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
年初来高値を更新した先週までの動きとは一変し、今週は週を通
して元安が進行した。但し、足許の動きは、昨夏や今年初のような
中国を起点とした元安では無く、あくまでドル高に連れた一時的な
動きと言える。事実、「リスクリバーサル(第 2 図)」や、「オン
ショアとオフショアの価格差(第 3 図)」に変化は見られず、足許
の元安が金融市場の混乱に波及する可能性は低い。
来週の見通し
第 2 図 : リスクリバーサルの推移
第 3 図 : オンショアとオフショアの価格差
(%)
(人民元)
5.00
USDCNH リスクリバーサル(3ヶ月物)
6.80
↑ドルCALL人民元PUTオーバー
6.70
6.60
4.00
3.00
2.00
1.00
0.00
14
15
16
(資料) Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
(年)
0.5000
オンショアとオフショアの価格差
0.4500
オンショア人民元相場
0.4000
オフショア人民元相場
6.50
0.3500
6.40
0.3000
6.30
0.2500
6.20
(スプレッド)
6.10
0.1500
6.00
0.1000
5.90
0.0500
5.80
0.0000
5.70
15/01
0.2000
-0.0500
15/04
15/07
15/10
16/01
(年/月)
(資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
こうした動きの背景には、当局による資本規制の強化(個人の外
貨両替規制の厳格化や、窓口指導を通じた企業の外貨買い制限、オ
フショアへの資金移動制限など)が挙げられる。事実、当局からも
13 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
「国境を越えた資本フローを巡る圧力は、足許で大幅に低下した」
等、強気の発言が相次いでいる。とは言え、中国を巡っては依然と
して不透明感も根強い。過剰生産、過剰設備を背景に投資や生産が
冴えない他、実質実効為替レートの高止まりを主因に、輸出の悪化
も深刻だ(第 4 図)。こうした事情を鑑みれば、当局が再び元安誘
導に踏み切る可能性も排除できない。無論、当局はこれを否定し、
「輸出拡大目的で人民元を切り下げる事はしない」と発言している。
しかし、足許では、13 通貨で構成されるCFETS指数(人民元のバ
スケット指数)の下落を容認する等(第 5 図)、通貨政策に対する
不確実性は高まってきている。中国は人民元相場の急落を防ぎつつ
も、緩やかな元安は許容すると見られ、当方では引き続き元安基調
の継続を予想する。
第 4 図 : 輸出統計の推移
第 5 図 : 人民元バスケット(推計値)の推移
(前年比、%)
(指数) 2014/12=100
60
108
↑ 人民元高
50
106
輸出伸び率
40
104
30
20
102
10
100
0
98
-10
96
-20
-30
94
-40
92
15/01
対USD指数
人民元バスケット
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(資料) 中国国家統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
予想レンジ
15/07
16/01
(年/月)
(資料) CFETS、Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
ドル人民元:6.4900 ~ 6.5500
人民元円:17.05 ~ 17.55
アナリスト
14 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
↓ 人民元安
藤瀬 秀平
来週の主な経済指標
28 日 (月)
29 日 (火)
30 日 (水)
31 日 (木)
1 日 (金)
21:30
21:30
21:30
8:30
8:30
17:00
22:00
23:00
8:50
18:00
21:00
21:15
14:00
15:00
18:00
18:00
21:30
22:45
8:50
10:00
10:45
21:30
21:30
23:00
23:00
英・独
米
米
米
日
日
ユ
米
米
日
ユ
独
米
日
独
ユ
ユ
米
米
日
中
中
米
米
米
米
米
市場休場
個人所得(前月比、2 月)
個人支出(前月比、2 月)
PCE デフレータ(前年比、2 月)
失業率(2 月)
家計調査消費支出(2 月)
マネーサプライ M3(季調済前年比、2 月)
ケース・シラー住宅価格指数(1 月)
消費者信頼感指数(3 月)
鉱工業生産指数(前月比、2 月速報)
欧州委員会景況指数(3 月)
消費者物価指数(CPI、前年比、3 月速報)
ADP 雇用統計(3 月・万人)
住宅着工戸数(2 月・万戸)
小売売上高(前月比、2 月)
消費者物価指数(前年比、3 月速報)
消費者物価指数(前年比、3 月速報コア)
新規失業保険申請件数(3/26・万件)
シカゴ購買部協会景気指数(3 月)
日銀短観 大企業製造業業況 DI(1Q)
製造業 PMI(3 月)
マークイット製造業 PMI(3 月)
非農業部門雇用者数変化(3 月・万人)
失業率(3 月)
ISM 製造業景気指数(3 月)
建設支出(前月比、2 月)
自動車販売(3 月・万台)*
予想
前回
0.1%
0.1%
1.0%
3.2%
▲ 1.7%
5.0%
182.46
93.9
▲ 5.9%
0.08
0.1%
19.3
87.9
0.3%
▲ 0.1%
0.9%
0.5%
0.5%
1.3%
3.2%
▲ 3.1%
5.0%
182.75
92.2
3.7%
0.07
0.0%
21.4
87.3
▲ 0.1%
▲ 0.2%
0.8%
26.5
47.6
12
49.0
48.0
24.2
4.9%
49.5
1.5%
1,743
50.5
10
49.3
48.3
20.7
4.9%
50.7
0.1%
1,750
予想
4 日 (月)
5 日 (火)
6 日 (水)
7 日 (木)
8 日 (金)
18:00
18:00
23:00
18:00
21:30
23:00
23:00
14:00
14:00
15:00
ユ
ユ
米
ユ
米
米
米
日
日
独
生産者物価指数(前年比、2 月)
失業率(2 月)
製造業受注指数(前月比、2 月)
小売売上高(前月比、2 月)
貿易収支(2 月・億ドル)
ISM 非製造業景気指数(3 月)
求人労働異動調査(2 月・万人)
景気一致指数(2 月速報)
景気先行指数(2 月速報)
鉱工業生産(前月比、2 月)
4:00
8:50
15:00
15:00
15:00
23:00
23:00
米
日
日
日
独
米
米
消費者信用残高(2 月・億ドル)
経常収支(2 月・億円)
景気ウォッチャー調査-現状(3 月)
景気ウォッチャー調査-先行き(3 月)
貿易収支(2 月・億ユーロ)
卸売売上(前月比、2 月)
卸売在庫(前月比、2 月)
15 来週の経済指標・イベント | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
10.3%
前回
▲ 2.9%
10.3%
1.6%
0.4%
▲ 457
53.4
554.1
113.5
101.8
3.3%
105.38
5,208
44.6
48.2
136.0
▲ 1.3%
0.3%
中央銀行関連
28 日 (月)
29 日 (火)
30 日 (水)
31 日 (木)
1 日 (金)
2 日 (土)
4 日 (月)
5 日 (火)
6 日 (水)
7 日 (木)
8 日 (金)
18:15
20:00
0:30
2:00
5:00
2:00
16:00
4:00
6:00
1:00
米
ユ
米
米
米
米
英
米
米
米
ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
マクチ・スロバキア中銀総裁講演
イエレン・FRB 議長講演
カプラン・ダラス連銀総裁講演
カプラン・ダラス連銀総裁講演
エバンス・シカゴ連銀総裁講演
カーニー・イングランド銀行総裁講演
エバンス・シカゴ連銀総裁会見
ダドリー・ニューヨーク連銀総裁講演
メスター・クリーブランド連銀総裁講演
17:30
22:30
8:00
13:30
ユ
米
米
豪
プラート・ECB 専務理事講演
ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁討論会
RBA 理事会(政策金利発表)
1:20
3:00
メスター・クリーブランド連銀総裁講演
FOMC 議事要旨(3/15, 16 分)
黒田・日銀総裁挨拶(支店長会議)
15:30
20:30
6:30
米
米
日
ユ
ユ
米
9:15
米
ECB 理事会議事録
イエレン・FRB 議長 / バーナンキ・前 FRB 議長 /
グリーンスパン・元 FRB 議長 / ボルカー・元 FRB 議長 討論会
ジョージ・カンザスシティ連銀総裁講演
2:00
2:00
18:35
2:00
米
米
ユ
米
2 年債入札
5 年債入札
5 年債入札(ドイツ)
7 年債入札
12:45
18:35
日
ユ
10 年債入札
2 年債入札(ドイツ)
プラート・ECB 専務理事 / クーレ・ECB 専務理事 / ビスコ・イタリア中銀総裁講演
その他
28 日(月)
29 日(火)
30 日(水)
31 日(木)
1 日(金)
4 日(月)
5 日(火)
6 日(水)
7 日(木)
8 日(金)
※市場予想は Bloomberg 調査中央値
時刻は日本時間
*印は作成日(3/25)現在で未確定のもの
16 来週の経済指標・イベント | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
マーケットカレンダー
月
火
水
2016/3/28
木
29
金
30
米/個人所得・消費支出(2 月)
米/ケース・シラー住宅価格
米/ADP 雇用統計(3 月)
指数(1 月) ユーロ圏/欧州委員会景況指数
米・2 年債入札
英・独市場休場
米・サンフランシスコ連銀総裁講演
米・イエレン FRB 議長講演
米・ダラス連銀総裁講演
米・シカゴ連銀総裁講演
米・5 年債入札
米・7 年債入札
31
4/1
米/雇用統計(3 月)
ISM 製造業景況指数(3 月)
建設支出(2 月)
CB 消費者信頼感指数(3 月)
(3 月)
速報(3 月)
ユーロ圏/マネーサプライ M3
独/消費者物価指数速報
独/小売売上(2 月)
自動車販売(3 月)*
中/製造業 PMI(3 月)
(2 月)
(CPI、3 月) 日/住宅着工件数(2 月)
日/完全失業率(2 月)
日/鉱工業生産速報(2 月)
日/日銀短観 概要
家計調査(2 月)
4
米/シカゴ PM 景況指数(3 月)
ユーロ圏/消費者物価指数
米・シカゴ連銀総裁会見
米・ニューヨーク連銀総裁講演
5
米・クリーブランド連銀総裁講演
6
7
米/製造業受注指数(2 月)
米/貿易収支(2 月)
米/FOMC 議事要旨(3/15,16 分) 米/消費者信用残高(2 月)
ユーロ圏/生産者物価指数(2 月)
ユーロ圏/ECB 理事会議事録
ISM 非製造業景況指数(3 月) 独/鉱工業生産(2 月)
失業率(2 月)
求人労働異動調査(2 月)
日/景気動向指数速報(2 月)
日/日銀短観
ユーロ圏/小売売上(2 月)
調査全容、業種別計数 豪/RBA 理事会
米・ボストン連銀総裁講演
米・ミネアポリス連銀総裁討論会
米・クリーブランド連銀総裁講演
11
中/消費者物価指数(3 月)
生産者物価指数(3 月)
マネーサプライ M2(3 月)*
日/機械受注(2 月)
12
米/輸出入物価指数(3 月)
財政収支(3 月)
対外対内証券売買契約等
の状況(3 月)
景気ウォッチャー調査(3 月)
米・イエレン FRB 議長討論会
米・カンザスシティ連銀総裁講演
日・黒田日銀総裁挨拶
13
米/地区連銀経済報告
小売売上(3 月)
生産者物価指数(3 月)
企業在庫(2 月)
ユーロ圏/鉱工業生産(2 月)
英/MPC(BOE 金融政策委員会、
8
米/卸売在庫・売上(2 月)
独/貿易収支(2 月)
日/国際収支速報(2 月)
14
15
米/消費者物価指数(3 月)
ユーロ圏/消費者物価指数確報
米/NY 連銀景況指数(4 月)
鉱工業生産(3 月)
設備稼働率(3 月)
(3 月)
英/MPC(BOE 金融政策委員会)
MPC 議事録
豪/雇用統計(3 月)
~14 日)
中/貿易収支(3 月)
ミシガン大消費者信頼感指数
速報(4 月)
証券投資収支(2 月)
ユーロ圏/貿易収支(2 月)
EU27 ヵ国新車登録台数
(3 月)
中/GDP(1Q)
鉱工業生産(3 月)
小売売上(3 月)
固定資産投資(都市部、3 月)
日・黒田日銀総裁挨拶
欧州議会本会議(~14 日)
米・サンフランシスコ連銀総裁講演
18
G20 財務大臣・中央銀行総裁
会議(~14 日) 米・パウエル FRB 理事証言
19
米/住宅着工件数(3 月)
建設許可件数(3 月)
ユーロ圏/経常収支(2 月)
独/ZEW 景況指数(4 月)
豪/RBA 議事要旨(4/5 分)
20
米/中古住宅販売(3 月)
日/貿易収支速報(3 月)
IMF・世界銀行春季総会
(~17 日)
21
米/フィラデルフィア連銀景況
指数(4 月)
FHFA 住宅価格指数(2 月)
景気先行指数(3 月)
ユーロ圏/ECB 理事会
ECB 総裁定例会見
22
ユーロ圏/製造業 PMI 速報
(4 月)
サービス業 PMI 速報(4 月)
消費者信頼感指数速報(4 月)
米・ニューヨーク連銀総裁挨拶
*印は作成日(3/25)現在で日程が未確定のもの
17 マーケットカレンダー | 平成 28(2016)年 3 月 25 日
EU 経済・財務相理事会(~23 日)
照会先:三菱東京UFJ銀行 グローバルマーケットリサーチ
チーフアナリスト 内田 稔
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ません。
(BTMUロンドン支店のみに適用される情報開示)
株式会社三菱東京UFJ銀行(以下「BTMU」)は、日本で設立され、東京法務局(会社法人等番号 0100-01-008846)において登記された有限責任の株式会
社です。
BTMUの本店は、東京都千代田区丸の内二丁目 7 番 1 号(郵便番号 100-8388)に所在しています。
BTMUロンドン支店は、英国会社登録所において、英国支店として登録されています(登録番号BR002013)。
BTMUは、日本の金融庁によって認可及び規制されています。BTMUロンドン支店は、英国プルーデンス規制機構より認可を受けており(FCA/PRA番号
139189)、英国金融行為監督機構の規制とプルーデンス規制機構の限定された規制の対象となっています。英国プルーデンス規制機構によるBTMUロンド
ン支店の規制の範囲の詳細は、ご請求いただいた方にお渡ししております。
18 FX Weekly | 平成 28(2016)年 3 月 25 日