平成18年 - 電気設備の総合ガイド

平成18年度 一般問題
1
図のような回路において、スイッチSを閉じた瞬間から、定常状態に至るまでの回路に流れる
電流 i の変化を示す図は。
イ.
ロ.
電流
〔A〕
S
電流
〔A〕
10
10
i
10Ω
0
0
時間〔S〕
時間〔S〕
ハ.
100〔V〕
L
ニ.
電流
〔A〕
電流
〔A〕
10
10
図18-1-1
解
i
i
i
0
i
0
時間〔S〕
時間〔S〕
説
電気現象 : 抵抗とインダクタンス L の直列回路に直流電圧を印加すると、
○
抵抗による電流が瞬時に増加し一定となる。この時インダクタンス L の作用はスイッチSを閉じた
瞬間にコイルの銅線はコイル抵抗分なしの導体となる。この抵抗分による瞬時の電流変化(増加)が
インダクタンス L に対して逆起電力となり、誘導性リアクタンスとして作用し直流電圧印加直後は
インダクタンス L により電流が制限される。
○
その後、時間経過と共にインダクタンス L の作用が減衰し、回路電流 i は抵抗のみの作用となり、
一定となる 。
解
答
2
答え イ
図のような回路で、電流 I の値〔A〕は。 ただし、電池の内部抵抗は無視する。
d
4Ω
4Ω
I
b
d
I2
4Ω
2Ω
4Ω
⇒
c
I1
20V
d
I2
a
図18-2-1
4Ω
2Ω
⇒
bc
4Ω
I2
20V
4Ω
a
図18-2-2
I1
bc
I1
4Ω
20V
8Ω
4Ω
a
図18-2-3
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平成18年度 一般問題
I2/2=1A
I2/2=1A
bc
I2
d
4Ω
4Ω
⇒
20V
4Ω
b
20V
a
4Ω
c
I1=5A
4Ω
4Ω
a
図18-2-5(図18-2-1に電流を記入)
図18-2-4
解
I
10Ω
I2=2A
説
本問は、複雑そうな合成抵抗と電流の関係およびオームの法則の基本にのっとって、順序良く(分かり易い
回路に)上記 図18-2-2から図18-2-5のように順次書きかえていくことにある。
①
抵抗の接続(並列・直列)関係のみに注目して、シンプル形な(図18-2-4)に変換してしく。
②
図を書き換える場合は(等価回路)、元の回路図の接続点及び分岐点に記号をつけ
その記号間にどの抵抗(例:a と c の間に 4Ω)が接続されているか、書換えを間違わないように、
③
問われているのは、電流値なので図18-2-4から図18-2-5のように電流関係を計算する。
解
答
図18-2-3(または図18-2-4)から
I1= 20V÷4Ω=5〔A〕
I2=20V÷10Ω=2〔A〕
図18-2-5(電流関係図)から、左上4Ω2ケ(同じ大きさの抵抗)が並列に接続しているので
それぞれの4Ωの電流は、I2 の1/2(=1A)である。
したがって、c 点に流入(または流出)する電流Iは
I=I1+I2/2=5+1=6〔A〕
答え
3
ニ
6〔A〕
図のような交流回路で全消費電力が3200〔W〕であるとき、抵抗 R の値〔Ω〕は。
I2
3Ω
1Φ2W
電源
1Φ2W
R
100V
電源
4Ω
図18-3-1
R2(=3Ω)
R1
X2(=4Ω)
X2(=4Ω)
V(=100V)
図18-3-2
Copyright Furumiya
平成18年度 一般問題
解
説
消費電力の基本は、その回路の抵抗の電流値のみが作用して消費電力(有効電力)となる。
(交流回路及び直流回路でも同じである。
)
一般に、消費電力を計算する場合は、下記の3通りがある
イ
その回路の抵抗R〔Ω〕に流れる電流I〔A〕による消費電力P〔W〕は
P=I2R〔W〕
ロ
その回路の抵抗R〔Ω〕に印加される電圧V〔V〕による消費電力P〔W〕は
P=V2/R〔W〕
ハ
その回路の抵抗R〔Ω〕に印加される電圧V〔V〕とその抵抗の電流I〔A〕よる
P=VICOSθ
ただし COSθはその回路の力率でありコサイン シータと読む。
力率(COSθ)は1(100%)以下の数値である。
抵抗Rのみの回路は、力率は1(100%)である。
ヒ
ン ト
図18-3-1を図18-3-2のように、それぞれのインピーダンスに記号をつけた回路に書換える。
この問題にでは、図18-3-1の左辺抵抗Rのみ回路において上記
解 説 のイを右辺(抵抗3Ω
とリアクタンス4Ω)の回路には、ロ を適用し、全消費電力は イ+ロ となる。
解
答
1) 左辺抵抗Rの消費電P1〔W〕は、印加電圧Vは100〔V〕であるから
P1 = V2/R = 1002/R
・・・・・ ・・・
①
2) 右辺(抵抗3Ωとリアクタンス4Ω)の回路の電流 I2 を計算するためには、その右辺の
インピーダンスZ2を計算する。
2
2
Z2= R +X
2
Z2 = R2
2  X2
または
*:3,4,5の三角形インピーダンスの関係式から(
「数学の基礎1-4三角形関係」参照)
32+42=52
(
32 42 =
(または42+32=52)
52 =
25 = 5 )
この三角形インピーダンスの関係を、右辺(抵抗3Ωとリアクタンス4Ω)の回路に適用すると
右辺のインピーダンスZ2は 5Ω となる。
したがって、この右辺の回路の電流I2 は
I2 =V/Z2 = 100/5 = 20〔A〕
右辺の消費電P2〔W〕は
P2 = I22・R2 = 202x3 = 1,200〔W〕
・・・・・ ②
題意により全消費電P〔W〕(3,200〔W〕
)は上記式 ① + ②
P =P1 +P2 = 1002/R +1,200 =3,200〔W〕
1002/R = 3,200-1,200 = 2,000〔W〕
∴ R=2,000/1002=10,000/2,000=5〔Ω〕
答え
ニ
6〔A〕
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平成18年度 一般問題
4
図のような三相交流回路の全消費電力が3,000〔W〕であった。線電流Iの値〔A〕は。
I
XΩ
3φ3W
10Ω
200V
200V
10Ω
200V
XΩ
電源
I
200V
10Ω
XΩ
I
図18-4-1
解
説
◎
この問題は、三相3線式配線において負荷の結線方式による、負荷の相電流・線電流または負荷に
かかる相電圧・線間電圧の関係および1相の電力と3相の電力の関係を問う回路の計算問題である。
また、回路の消費電力はその回路のインピーダンスの中の抵抗R分のみで消費し、他のXL,XCは
電力を消費しない。XL,XCは電流を遅らせたり進めたり作用するだけである。
◎
三相回路(平衡負荷)の計算をするときは、各相同じなので1相のみを扱い計算する。
①
図18-4-1から1相の電流ISを計算し、ISとIの関係を計算する。
三相3線式の 相電流ISと線電流IL(=I)の関係は
3 IS=IL
IL
または、 IS=
の関係は覚えておかなければならない。
( 3 =1.73)
どちらも同じ意味の式であるが、式を覚える場合は上式のような
3
掛け算の式で覚える方がよい。分数の型で覚えるより間違いが少ない。
② 3相電力P3は1相の電力P1の3倍であるという3相電力の基本的考えを使って計算する。
P3=3P1
③
解
1相の電力を算出し上記①の関係式から線電流ILを導く。
答
①
題意により3相電力P3は3,000〔W〕であるから
1相の電力P1 = P3/3 = 3,000/3 = 1,000〔W〕
② 一方、1相の電力P1は1相の抵抗Rによる消費電力であるから、1相の電流IS〔A〕との
関係式は、P1 = IS2・R = IS2x10 = 1000 〔W〕
∴
IS2=1000/10=100=102
IS=10〔A〕
IL= 3 IS= 3 ・10=1.73x10=17.3〔A〕
答え
ハ
17.3〔A〕
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平成18年度 一般問題
5
図のような単相電力計により、負荷の消費電力を測定する場合の結線方法として、正しいものは。
ただし、電流コイルと電圧コイルは図に示す端子間に入っているものとする。
電流コイル
±
5A
120V
電圧コイル
±
240V
W
W
図18-5-1
計器・測定器の基礎知識
計器・測定器の測定量の表示方式には、アナログ表示とデジタル表示があるが、電気工事士試験では、
指針式(アナログ表示)計器の知識を問われます。
電気の測定量には 電流、電圧、電力、電力量、力率等があり、測定方法や計測器の構造・作動原理・
精度および結線方法の知識が必要です。
なお、測定器の構造上の必要条件がいくつかがあります。
① 測定器自体で電力の消耗を、極力小さくすること。
(計器内部で過熱したり電力損失の発生を少なくする。
)
② 電流測定の場合は、測定器自体での電圧降下の発生をしにくくする。
(計器内部のコイルのインピーダンスを低インピーダンスとし電流を通しやすくする。)
このようなコイルを電流コイルという。
③ 電圧測定の場合は、測定器自体に測定電流が分流し電流測定に誤差が生じないにする
(計器内部のコイルのインピーダンスを高インピーダンスとし分流を極力少なくする。)
このようなコイルを電圧コイルという。
上記②および③の原理から
電流測定 :
電流計(電流コイル)は測定回路に直列に接続する。
電圧測定 :
電圧計(電圧コイル)は測定回路に並列に接続する。
電圧測定は、回路計(テスター)のプローブを回路に並列に当てて
測定するので理解できるはずである。
電力測定 :
電力は電圧と電流の積P=VIの理論どおりである。
電力計の電流端子は、回路に直列に接続する。
〃 電圧端子は、回路に並列に接続する。
解答欄のイ,ロ,ハ,ニ 図に「問い」欄の電力計図の端子と同様に電圧コイルおよび電流コイルを
描き、電流端子は、回路に直列に 電圧端子は、回路に並列に接続されているかをたどる。
解
答
答え イ
Copyright Furumiya
平成18年度 一般問題
6
図のような単相3線式配電線路において、スイッチAを開き、スイッチBを閉じた状態での
a-b間の電圧Vab の値〔V〕は。
ただし、電源電圧は105〔V〕一定、電線 1 線当たりの抵抗は0.1〔Ω〕、負荷は抵抗負荷で
3.3〔Ω〕とする。
0.1Ω
Vab
105V
1Φ3W
a
A a
Vab
105V
3.3Ω
3.3Ω
0.1Ω
b
電源
0.1Ω
1Φ3W
b
電源
I
3.3Ω
B
105V
105V
0.1Ω
0.1Ω
図18-6-1
解
3.3Ω
C
図18-6-2
説
配電線の回路電流による電圧降下の問題であるが、電気回路において回路が閉回路でなければ電流は
流れない。したがって図18-6-1においてはスイッチ A が開で、スイッチ B が閉である場合は、
図18-6-2のように書き直せる。
したがって、この図18-6-2の回路において電源電圧105V の単相回路に抵抗(線路抵抗
0.1Ω2ケと負荷抵抗3.3Ωが直列に接続) がある回路になる。
その抵抗に負荷電流による電圧降下が発生し抵抗負荷の端子電圧が変化する。
その変化のしかたが単三回路においては、電流の方向を考慮して計算しなければならない。
解
答
図18-6-2から、この回路の電流 I は
I = V/R = 105/0.1+3.3+0.1 = 105/3.5 = 30〔A〕
一方、この図18-6-2の状態のとき、
端子 ab 間の電圧Vab は中性線の線路抵抗0.1Ωに流れる電流I=30A
のみによる回路の影響として端子電圧Vbc に対しては線路電圧降下として発生するが、端子電圧
Vab に対しては線路電圧降下ではなく、電圧上昇として作用する。よって電源電圧105V より高くなる。
その Vab 間の電圧は
Vab =105V+30Ax0.1Ω = 105+3 = 108〔V〕。
答え ニ 108〔V〕
注) 単三回路の電流の流れは少し扱いにくいが、中性線電流による電圧降下が負荷端子電圧どのように
作用するか、確実に理解することが大切である。
7
線間電圧V〔KV〕の配電系統において、受電地点からみた電源側の合成百分率インピーダンスが
Z〔%〕(10〔MVA〕基準)であった。受電地点における三相短絡電流〔kA〕を示す式は。
Copyright Furumiya
平成18年度 一般問題
解
説
(平成14年,15年,17年,20年、26年類似問題)
この問題は、レベル的には相当難かしく・ややこしい部類に属する。本来は短絡現象から解説し理解しなけれ
ば難解である。したがって、よく出されるレベルの公式の範囲について述べる。
①
三相短絡電流 IS:配電線等で三相短絡した場合に流れる電流。通常単位は〔KA〕で表す。
② 三相短絡容量 PS:三相短絡電流が流れた時の容量。通常単位は〔MVA〕で表す。
3 V・IS 〔V A〕
PS =
または、PS = 基準容量〔MVA〕×
V:定格電圧〔V〕
100
〔MVA〕基準容量は10〔MVA〕とする。
%Z
③ 百分率(パーセント)インピーダンス%Z
%Z =
Z・In
×100 〔%〕
V
Z:回路の電源側のインピーダンス
上記③式の分子Z・Inは配電線路中の定格電流による電圧降下分を意味する。
上記③ %Zの式が示す意味は、定格電圧Vに対する配電線路電圧降下の比率である。
④ 定格容量Pn
3 V・In〔V A〕 〔V A〕
Pn
:Pn =
⑤
定格電流In
:In =
⑥
三相短絡電流IS:IS =
⑦
%Zの換算
〔A〕
3V
100
・In
%Z
〔A〕
基準容量ベースの%Z = %Z´×
⑧
基準容量
容量
合成パーセントインピーダンス%Z=%Za+%Zb+%Zc+%Zd
送電線
架空線
地中ケーブル
配
%Zc
%Za
発電機
電
需要設備(自家用変電設備)
線
短絡地点
%Zd
%Zb
遮断器
変圧器
上図の×印が短絡地点の場合、短絡電流はその地点の電源側の電線路のインピーダンスのみにより電流が制限
されるだけである。その電線路のインピーダンスは非常に小さいため、短絡電流は相当多く流れることが想像
される。したがって短絡事故点に大電流が流れる。その大電流を安全に開極出来る能力がある開閉装置、
いわゆる遮断装置(遮断器や電力ヒューズ等)が必要となる。
遮断器、遮断装置とは
電線路において短絡した場合に、その点に流れる電流いわゆる短絡電流を安全に(開閉装置
を破壊することなく)開路する能力がある開閉装置を、遮断器(遮断装置)という。
解
答
上記解説 ② より
三相短絡容量PSは
PS =
3 V・IS または、PS = 基準容量〔MVA〕×
100
%Z
Copyright Furumiya
平成18年度 一般問題
∴
定格電流は Is =
Ps
3V
=10x
= 基準容量〔MVA〕×
100
1
x
%Z
3V
=
1000
3VZ
100
1
×
〔kA〕
%Z
3V
〔kA〕
答え
8
ハ
1000
3VZ
〔kA〕
図のように三相3線式の高圧配電線路の末端に遅れ力率80〔%〕の三相負荷がある。変電所から
負荷までの配電線路の電圧降下(Vs-Vr)が600〔V〕であるとき、配電線路の線電流I
の値〔A〕は。
ただし、電線1条当たりの抵抗は0.8〔Ω〕、リアクタンスは0.6〔Ω〕とする。
0.8Ω 0.6Ω
3Φ3W
電 源
Vs
Vr
Vr
0.8 Ω 0.6Ω
Vs
Vs
Vr
0.8 Ω
0.6Ω
三相負荷
力率=80%
解
説
三相配電線路の電線路のインピーダンスによる電圧降下の計算であるが、負荷の力率が100%の
場合は比較的簡単であるが、本問のように力率が100%でない場合は、下記に示す式を暗記して
おかければならない。
配線電路3相の電圧降下
: Vd〔V〕
, 線路電流
:
配線電路1線当たりの線路抵抗 : r 〔Ω〕 , 線路インピーダンス :
負荷の力率
:
Vd = 3 I(r・COSθ+x・Sinθ)
参
I〔A〕
x〔Ω〕
COSθ (このとき無負荷率は Sinθ) とすると
〔V〕
で表わされる。・・・・・①
考
(COSθ) +(Sinθ) =1
2
2
⇒
COSθ= 1-Sin
⇒ Sinθ= 1-Cos
2
2
力率COSθ=0.8(0.6)のとき、無効率Sinθ=0.6(0.8)となる
Copyright Furumiya
平成18年度 一般問題
解
答
上記 解
説
①式に題意のそれぞれの数値を代入すると
Vd = 3 I(r・COSθ+x・Sinθ)
600 =
3 I(0.8x0.8+0.6・0.6)
〔V〕
∴ I= 600/ 3 (0.8x0.8+0.6・0.6)= 600/ 3
600
=
3
=
600x 3
3
・3
=
600
x 3 = 200 3〔A〕
3
答え
9
ハ
200 3 〔A〕
消費電力量1〔KW・h〕当たりの円盤の回転数が1500回転の電力量計を用いて、負荷の
電力量を測定している。円盤が10回転するのに12秒かかった。
このときの負荷の平均電力〔KW・h〕は。
計器の知識
電気計器の動作区分による誘導型計器の代表でもある積算電力計は、1〔KW・h〕当たりの円盤の
回転数を計器定数として用いて、ある期間(時間)の電力量を測定する。
ここに、積算電力計の計器定数 : K〔KW-1・h-1〕
ある期間(時間)の円盤の回転数 : N 〔回転〕
N回転するのに掛かった時間
: t 〔秒〕
その期間の平均電力
: P 〔KW〕
P =
3600・N
Kt
とすると
〔KW〕の関係になる。
・・・・・・・・①
注):計器定数Kの単位 〔KW-1・h-1〕の意味は ○○/KW・h
つまり、1KW・1時間あたり○○であることを示す。
解
答
題意から、計器定数 K は 1500〔KW-1・h-1〕であるから、
上記 計器の知識 の式 ① へそれぞれの与えられた数値を代入すると
P =
3600・N
3600・10
=
= 2〔KW〕
Kt
1500・12
答え
参
考
ロ
2〔KW〕
電気計器の種類・記号・使用回路・用途
可動コイル形
直流
可動鉄片形
交流
整流形
交流・直流
電流力計形
交流・直流
精密測定
電流計、電圧計、電力計
電流計、電圧計、電力計
精密測定
電流計、電圧計、電力計
電力計
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平成18年度 一般問題
1
交流
電力量計
熱電形
交流・直流
高温度測定
かご形誘導電動機の Y-Δ始動法に関する記述として、誤っているものは。
10
解
誘導形
説
誘導電動機
①
一般に言う相電動機であるが、その出力容量が小さいもの(例:数KW)から大きなもの
(例:数10KW)まであり、電動機の始動時には、定格電流の数倍の電流が流れる(これを
始動電流という)
。
この始動電流により電動機は回転を始めるが、電動機に接続されている機械負荷の種類や特性に
より、電動機の定格回転数および定格回転力(トルク)に達するまで数秒から2~3分の時間を
要する場合がある。
この始動時の過渡現象により、配電線路の電圧降下で電動機に掛かる電圧が低下し、始動トルク
が低下したり、過負荷保護装置(MCCB等)が作動して運転継続に支障きたす。
この現象を緩和する方法として、下記 2 に示す方法がある。
②
回転子の構造による分類
1)かご形誘導電動機
数KW以下の小容量で、全電圧で始動させる。
(その構造が鳥かご状のため名付けられた。
)
2)巻線型誘導電動機
回転子にもコイルが巻かれてあり、その回転子巻線(2次巻線)にスリップリングを経由
して、外部抵抗器に接続できる。
2 誘導電動機の始動
① 全電圧始動法
スター
●
数KW以下の小容量の電動機に定格電圧を直接加えて始動する。
●
始動電流は、定格電流(全負荷電流)の数倍(5~6倍)となる、
●
始動トルクが小さい。
デルタ
② Y - Δ 始動法
●
中容量(22KW)以下程度の電動機に利用される。
● 電動機の固定子巻線のリード線を6本とも外部へ取り出し、下図で示すように始動時
は固定子巻線をY結線とし、数秒後安定運転になるとΔ結線に切り替える。
● Y結線で始動時1相に加わる電圧を1/ 3抑えてるので、これに伴ない始動電流は
1/3に抑制される。
●
Δ結線に切り替えると、固定子巻線に全電圧が印加され定格運転に入る。
● Y-Δ始動切り替え方法は、
手動式と、マグネットスイッチ(Mg)+タイマー(T)で自動操作する方法がある。
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平成18年度 一般問題
・
・
・
運転時(Δ結線)
IM
始動時(Y結線)
Y-Δ始動器
図18-10-1
③ 始動補償器法
三相単巻変圧器を用いて、始動時には低い電圧端子から順次段階的に高い電圧端子に切り
替えて定格電圧で、安定運転に入る。
④ 2次抵抗法
巻線型誘導電動機の2次巻線にスリップリングを経由して外部抵抗器に接続し、始動時に転子
コイルに発生する電流を、この抵抗器で制御する方法。
始動時は、抵抗を最大にして回転速度が上昇するに従って抵抗を順次減少させる。
定格速度に達するとスリップリングを短絡(抵抗を0に)させ、安定運転に入る。
⑤ リアクトル始動法
始動時に、電動機と直列に接続されたリアクトルにより始動電流を抑制し、安定すると
リアクトルを短絡させ、定格電圧を印加して安定運転に入る。
運転時
始動時
・
・
・
・
・
・
M
リアクトル
解
答
参
考
答え
定格速度
電流
ニ
タウ
電動機のトルクτ(回転力)は、回転数が「0」の
時つまり始動時にある程度のトルク(回転力)が発
電
ト
流
ル
生し、回転が増すにつれてトルクτ(回転力)も
ク
増していくが、定格速度にて最高トルク(回転力)
に達し、それ以上の速度が出るとトルク(回転力)
トルク
が減衰し、同期速度と同じになってトルク(回転力)
は「0」となる。
0
回転速度
トルク特性曲線
11
鉛蓄電池の電解液は。
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平成18年度 一般問題
解
1
説
鉛蓄電池
左 図 の よ う に 、 電 解 液 の 希 硫 酸 (H2SO4 ) 中 に 、 電 極 と し て
+
-
陽極(+)に2酸化鉛(PbO2) 陰極(-)に鉛(Pb)を用いる。
放電を行うと、電解液の希硫酸(H2SO4)が水(H2O)と
なって、電解液の比重が低下する。
陽極
陰極
(PbO2)
(Pb)
特徴:
1) 起電力は約2〔V〕
。
2) 電圧変動率が小さい。
3) 過放電、過充電に弱い。 4) アルカリ電池より寿命が短い。
電解液(H2SO4)
5) 開放形は蒸留水を補給しなければならない。
図18-11-1
2
6) 密閉形(シール形)(触媒栓付)は補給水はほとんど要しない。
アルカリ電池
電解液
: 水酸化カリウム(KOH)
陽極(+): オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)
陰極(-): カドミウム(Cd)
特徴:
1) 起電力は約1.2〔V〕。
2) 電圧変動率が大きい。
3) 過放電、過充電に耐えられる。 4) 保守が容易である。
5) 密閉・小型・軽量化が容易である。
3
充電方式
浮動充電方式が主流である。
蓄電池が負荷と並列に接続されて、蓄電池自体の自己放電および比較的小さい負荷電流
に対しては、常時補給充電しながら完全充電状態を保っている。
一時的に負荷電流が大きくなると、蓄電池から供給される。
その結果、 ① 充電器の容量が小さく出来る。
② 蓄電池の寿命が長くなる。
(充・放電を頻繁に繰り返さない為)
操作が簡単で、経済的である。
4
蓄電池容量
表示 : Ah(アンペア・アワー又はアンペア時)で表示される。
Ahの定義は、完全充電した状態の蓄電池を一定電流し、放電終了電圧まで放電したとき
の時間を言う。
解
答
12
解
Ah=放電電流〔A〕x放電時間〔h〕で示す。
答え
イ
照度に関する記述として、正しいものは。
説
1 用語と単位
① 光束 : F
〔lm ルーメン〕
光源から放射される光の量。
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平成18年度 一般問題
② 光度 : I
〔Cd カンデラ〕
ある方向の単位立体角の光の強さ。
③ 照度 : E
〔Ⅼx ルクス〕
単位面積〔m2〕に入射する光束
F〔lm〕
E=
2
S〔m2〕
〔Ⅼx〕
照 度
光源に垂直に面する点の照度E〔Lx〕は、光度I〔Cd〕に比例し、光源と照射する距離h〔m〕
の2乗に反比例する。
E
3
=
I〔cd〕
2
h〔m
2〕
〔Ⅼx〕
水平面照度
通常照度を言う場合は、この水平面照度(Eh)のことである。
これは光源から入射する角度の照度(法線照度En)に対する上方(垂直方向)に反射する
分の光束をいう。
したがって、その光束とその点に照射される光束の入射角度θとの関係は、
Eh=En・COSθ
法線照度En=
I
2
r
〔Ⅼx〕 で表され、En は光度Iに比例し、光源と照射点の距離rの
2乗に反比例する。
4
平均照度
○ ある部屋の照度(=平均照度)は、その部屋の全床面に照射される光の束(=光束)がどれ程で
あるかということである。
○ 現実の照度設計を考えてみると、その他の条件としてその部屋の天井高さ、間口と奥行きの比、
使用する照明器具自体の有効光束、部屋の壁・天井の色や材質等による反射率、器具の汚れ等に
よる経年劣化を見込んだ率を考慮に入れて、初期照度を決めることになる。
ここに平均照度をE〔Ⅼx〕とすると
E=
NFUM
A
〔Ⅼx〕
・・・・・・・①
N:ランプの本数
で表される。
F:ランプ1本の光速〔lm〕
U:使用率(ユーティリティ)照明器具の有効光束
M:保守率(メインテナンス)器具の汚れ等による劣化を見込む補正係数
A:部屋の面積〔m2〕
上式 ① は複雑そうであるが、
式の分子の NF は使用する照明器具の全光束である。
UMは余裕分であると解釈すれば、
平均照度は、単純に考えると E=
解
答
F〔lm〕
S〔m2〕
〔Ⅼx〕
の式であることが分かる。
答え
ハ
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平成18年度 一般問題
13
図のように単相変圧器の2次側に20〔Ω〕の抵抗を接続して、1次側に2,000〔V〕の
電圧を加えたら1次側に1〔A〕の電流が流れた。この時の単相変圧器の2次電圧V2〔V〕は。
ただし、巻線の抵抗や損失を無視するものとする。
1A
2,000V
20Ω
V2
図18-13
解
答
理想的な変圧器(損失が無いものとすれば)の
1次側電力(=入力)と2次側電力(=出力)は同じである。
1次側の電圧および電流をそれぞれ V1〔V〕,I1〔A〕
2次側の電圧および電流をそれぞれ V2〔V〕
,I2〔A〕
V1xI1=V2xI2
一方、1次側電力P1は
2次側電力P2は
P1 = P2 =
である
P1 = V1xI1 = 2,000x1
P2 =
とすると
V2
2
R
〔VA=W〕
〔W〕
V2
= 2,000x1
20
〔W〕
2
V2
2 = 2,000x20 = 40,000=200
∴
14
解
V = 200
〔V〕
答え ニ 200〔V〕
写真に示す品物の名称は。
説
写真の形状から見て、主回路の配線を貫通して電流を変換するために中空になっていることから変流器と
分かるが、計器用変流器と零相変流器の区別のポイントは、変流器の二次電流を取出すための二次側端子の
数あるいは端子記号である。
計器用変流器
端子記号
κ,ℓ の2ケ
零相変流器
端子記号
κ,ℓ 及び κt,ℓt の4ケ
である。
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平成18年度 一般問題
零相変流器で地絡電流を検出し、地絡継電器と組み合わせて使用する。κt,ℓt 端子は地絡継電器のテスト
をするとき、試験電流をここに流すためのテスト端子である。
解
答
答え ロ
15 写真に示す品物の名称は。
解
答
16
答え ロ ハロゲン電球
水力発電所の発電用水の経路の順序として、正しいものは。
ダム発電所の構成
取水口
流量 Q〔m3/S〕
有効落差 H〔m〕
水圧管
水車
発電機
T
G
水車効率 ηt
⇒
発電機出力 P〔KW〕
発電機効率 ηg
放水路
図18-16
放水口
発電機の出力 P〔KW〕は、流量Q〔m3/S〕
、有効落差H〔m〕、総合効率 η とすると
P=9.8QHη〔KW〕 となる
総合効率 η は η=ηtxηg
水車の種類
大別すると、水圧管路の有効落差の大小により下記の3種類に分類され、それぞれの水車の構造が
異なっている
高落差用
200m以上
ペルトン水車
中落差用
50~500m
フランシス水車
低落差用
数m~90m
プロペラ水車
水の経路
解
取水口 ⇒ 水圧管 ⇒ 水車 ⇒ 放水口
答
答え イ
17 風力発電の記述として、誤っているものは。
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平成18年度 一般問題
解
説
イ 風力発電の原理は、風のもつ運動エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。
ロ 自然風力のため、風速・風向により発電出力の変動が大きい。
ハ 水平に設置されたプロペラ軸と直結した増速機により一定の回転速度に保ち、発電機を回転・発電する。
ニ プロペラ(風翼)の角度を変えて風の強弱に合わせて出力調整を行っている。
○
自然エネルギーであるため地球環境にやさしく、無尽蔵である。
○ 台風のような強風のときは、タワー(柱)ごと折りたたんで損傷を防ぐものもある。
○
日本では、風力の期待が出来る山間部の頂上や、海辺の近辺に建設されている場合が多い。
○ 世界でフランスガ最も進んおり、日本もフランスから輸入しているところもある。
○ プロペラの回転による鳥の犠牲があり、自然環境に配慮するところもある。
解
答
18
答え ハ
全揚程が H〔m〕、揚水量が Q〔mm3/S〕である揚水ポンプの電動機の入力〔kW〕を
示す式は。
ただし、電動機の効率を ηm、ポンプの効率は ηp とする。
エネルギーの変換
1.物体の持つエネルギーには、下記のように分類される。
① 位置ネルギー
② 運動エネルギー
③ 熱エネルギー
④ 電気エネルギー
.......
.......
2.水力発電の場合は、ダムにある水の持つ位置エネルギーを落差により運動エネルギーに変る。
.......
3.水車の回転力を介し発電機により電気エネルギーを発生させて利用する。
4.揚水ポンプの電動機の運動エネルギーを発生させるために、電気エネルギーを電動機に供給
することになる
5.このエネルギーの変換は理想的には全入力が全出力として変換されるものであるが
現実的には、
電動機の場合は、機械的損失(摩擦熱の発生による損失、回転時の風損、振動、音等)や、
電動機コイルの電気抵抗の発熱による損失等が発生し、入力=出力とならない。
いわゆる、損失として効率100%でなくなる。
6.電動機の入力(運動エネルギー)を出力(位置エネルギー)に変換するには、
揚水ポンプの電動機の入力は、発電機の原理と逆である。
イータ
電動機の入力〔KW〕は、流量Q〔m3/S〕、有効落差 H〔m〕
、総合効率 η
とすると
発電機出力P=9.8QHη〔KW〕 を総合効率 η で除したものとなる。
発電機の場合の総合効率 ηG は ηG=ηtxηg
電動機の場合の総合効率 ηM は ηM=ηPxηm
P=
解
19
98QH
.
〔KW〕
ηPηm
となる。
答
答え イ
架空送電線路に使用されるアーマロッドの記述として、正しいものは。
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平成18年度 一般問題
解
説
特別高圧の架空送電線路等は、下記に示すように過酷な自然条件による影響や、高電圧による危険性が
あるため、これらから保護し、電線路及び支持物等に発生するに機械的なストレスによる対策をしなけ
ればなりません。
① 風による電線路に加わる風圧荷重。
③
風による電線の横揺れ振動による電線相互の接近・接触
③
微風(5~7m以下)による電線の上下振動により、電線支持点付近の電線が金属疲労を
起こし電線の素線切れが発生する。
⇒ ◎ 電線と同種の金属(アーマロッド)を電線の支持点付近に巻き付け補強し
素線切れ等の損傷を防止する。
◎
電線におもり(トーショナルダンパー)を取付け、微風の振動を抑制・吸収し
素線切れ等の損傷を防止する。
④
積雪及びに氷結による電線路に加わる荷重。
⑤
雷雲の誘導による異常電圧の発生と、落雷による異常電圧の発生。
⇒
碍子の両端にアークホーンやアークリングを設け碍子や電線を雷等の異常電圧
から保護する。
⑥
酸性雨、煙害、塩害、積雪、濃霧等による碍子表面の絶縁低下や、これらによる
コロナの発生による碍子表面の溶融や亀裂発生による絶縁劣化。
⑦ 鳥獣の接触による支持物への地絡事故。
解
答
20
解
答え ロ
零相変流器と組み合わせて使用する継電器は。
説
継電器という名称は、通常2通りがあり
○ マグネットスイッチで代表されるように、電気信号を変えて信号を中継する機能のもの。
○ 上記(マグネットスイッチ等)と特に区別して表す場合は、保護継電器という。
1 一般にいう電気回路における保護装置とは、
電気事故が発生した場合に、その電気事故の現象を検出し、配線回路に及ぼす影響を最小限に止めて、
人体や電気使用機器等を保護するため、或は他の配電線路に支障をきたさない様に、速やかに故障回路
を切り離したり警報を発生させる役目のものである。
2.電気事故の種類(主に高圧受電設備におけるもの)
① 地絡事故(低圧回路では漏電事故ということが多い) 、接地事故とも言う
絶縁された電線路から電流が大地(地球=アース)に流れる現象である。
② 過負荷、短絡事故(通称ショートという)
電路の定格電流以上の電流が流れる現象である。
③ 過電圧、不足電圧(無電圧=停電事故)
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平成18年度 一般問題
④ 落雷事故
⑤
変圧器内部故障 : 特高変圧器(5,000KVA以上)のコイルの短絡による異常を
比率差動継電器で検出する。
受電設備(高圧回路)の事故は速やかに、事故部分を最小限に分離(開路)しなければならない。
そのためには、
事故の検出装置(=センサー)
の流れが必要である。
⇒ 保護継電器
⇒ 電路開放装置
このプロセスを上記電気事故に照らして見ると下記のような構図となる。
地絡事故
零相変流器(ZCT)
地絡継電器(GR)
⇒
接地継電器(GR)
遮断器(VCB)
⇒
方向接地継電器(DGR)
高圧気中開閉器(PAS)
高圧負荷開閉器(LBS)
過負荷、短絡事故
変流器(CT)
⇒
過電流継電器(OCR)
⇒
遮断器(VCB)
過電圧、不足電圧(無電圧)事故
計器用変圧器(VT)
解
過電圧継電器(OVR)
⇒
遮断器(VCB)
不足電圧継電器(UVR)
⇒
発電機起動
答
21
解
避
1
⇒
え ロ. 地絡継電器
次の記述の空欄箇所①、②及び③に当てはまる語句の組み合わせとして、正しいものは。
説
(平成12年同一問題)
雷
器
(アレスター:L A)
使用目的
高圧受電設備の引込み口に設置される
避雷器は、雷等による衝撃性の過電圧に対して
動作し、過電圧を電路の絶縁強度より低いレベルにすることによって、受電設備の絶縁破壊を
防止する。
2
電気設備の技術基準(電技第42条)による概要説明。
高圧及び特別高圧の電路中、次に掲げる箇所または近接する箇所に避雷器を設置すること。
一 発電所または変電室所等の架空電線引込み口及び引き出し口。
二 架空配電線路に接続する変圧器の高圧側及び特別高圧側。
三 高圧架空電線路から供給を受ける受電電力500KW以上の需要場所の引込み口。
* 注
: 避雷器は上記説明の通りで電気設備の技術基準(電技第42条)規定されている。
電線路に雷が侵入した場合に、大地に放電させるものである。
: 避雷針は建造物等に雷が浸入しない様にするための施設であり建築基準法にて
規定されているものである
上記*注の目的を混同しないようにハツキリ理解しましょう!
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平成18年度 一般問題
解
答
22
写真に示す品物を組み合わせて使用するものの用途は。
解
答え
イ
説
写真
左 は高圧気中負荷開閉器である。
通常、高圧需要家の構内引込み第1柱(構内第1柱)の柱上に取り付け、写真ロ.に示す地絡
継電器と組み合わせて使用し、高圧需要家の高圧地絡事故発生時は この高圧気中負荷開閉器を
作動させて、高圧地絡事故による電力会社への他の配電線へ停電波及しない様に、高圧事故需要
家の電路を切り離すものである。また、通常の電路の負荷電流も開閉できる。
(この高圧気中負荷開閉器設置は、電気設備の技術基準で規定されている。電技 41 条)
高圧気中負荷開閉器 略称記号は ASで表すが、用途として主に前述のように、柱上に取付け
て用いる場合が多いため、別名 柱上気中負荷開閉器PASと言う。
写真
右 は高圧地絡継電器(高圧接地継電器)である
この写真は高圧地絡継電器を屋外用として防水ボックスに収納している。
これを電柱に取付けて、柱上に設置されている高圧気中負荷開閉器と、制御ケーブルで接続する。
写真の下部に見えるコード状のものが制御ケーブルの1部である。
解
答
解答欄 イ.ロ.ニ.
答え ハ
の解説
イ.高圧需要家構内における高圧電路の開閉と、短絡事故が発生した場合の高圧電路の遮断。
機器名 遮断器 : 短絡電流のような大電流(定格電流の数倍以上)を開路する機能があるものを
いう。
(例:真空遮断器VCB)したがって、高圧気中負荷開閉器は短絡電流
のような大電流を開路する機能は無い。
ロ.高圧需要家の使用電力量を計量するための高圧の電圧・電流を低電圧・小電流に変成。
高圧の電圧を低電圧に変成するもの。
⇒
高圧の電流を低電圧・小電流に変成するもの。 ⇒
計器用変圧器(VT)
変流器(CT)
使用電力量を計量 上記VTとCTを一組にして電力量を計量する。(VCT)という。
ニ.高圧需要家構内における遠方制御による高圧電路の開閉
高圧開閉器の遠方制御できる開閉には、写真のような高圧気中負荷開閉器、真空遮断器、真空開閉器
等が有るが、遠方制御には継電器は不要である。
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平成18年度 一般問題
23
写真に示す品物の用途は
写真の解説
イ.高圧放電棒
ロ.高圧クランプ形電流計
ハ.フック棒(PC用)
写真に示す形でよく似たものが、他に2種類ある。写真を基準にしてその区別・違いを説明する。
イ.停電作業を行う時、電路を接地するのに用いる
高圧電路を開路後、電路の残留電荷を放電するために用いる。
写真との違い: 棒は1本であり、停電後、棒の一方(フック状の金物)は電路に接触
させ、他方を接地線に取付けて放電させる。
ロ.高圧電流を測定するのに用いる。
電流を測定するには、電流検出部の変流器部(CT)と電流計が一体になっている。
ハ.高圧カットアウトの開閉操作に用いる。
高圧カットアウト(PC)の開閉操作は別名フック棒という。その先端はカットアウトスイッチの
碍子のリング部を引っ掛ける様な棒の先端に直角で4cm位の突起部があり、他方には特別なも
のは装置していない。
ニ.高圧電路の相順の確認に用いる。
写真の2本は同じ構造のもので、棒の1方の金属フック部は高圧充電部或は絶縁電線の上
にあてがい検電し、フックの反対側は2本の可とう導体(銅線)で接続されている。
この2本を同時に3相高圧部のR,S,Tに順次接触させて、この棒に内蔵されている
検電ランプの表示の有無により、3相の相順を確認する。
解
答
答え ニ.
24
配線器具に関する記述として、誤っているものは。
解
説
解
答
抜け止コンセントは、プラグを回転させて抜け止めするが、専用のプラグは不要である。
答え ハ.
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平成18年度 一般問題
25
写真に示す材料の名称は。
解
答
26
写真に示す工具の名称は。
解
合成樹脂可とう電線管とボックスを接続するもの。
答
27
答え
ケーブルカッター
ロ.
答え ロ.
点検できない隠ぺい場所において、使用電圧440〔V〕の低圧屋内配線工事を行う場合、
不適切な公示方法は。
(平成18年同一問題、22年、25年、類似問題)
施設場所による主な工事の種類
(電技解釈 174 条)
点検できる
点検できない
隠ぺい場所
隠ぺい場所
展開した場所
施設場所の区分
工事の種類
乾燥した
その他の
乾燥した
その他の
乾燥した
その他の
場所
場所
場所
場所
場所
場所
金属管工事
◎
◎
◎
◎
◎
◎
ケーブル工事
◎
◎
◎
◎
◎
◎
合成樹脂管工事
◎
◎
◎
◎
◎
◎
可とう電線管工事(2種金属製)
◎
◎
◎
◎
◎
がいし引き工事
◎
◎
◎
◎
合成樹脂線ぴ工事
○
○
金属脂線ぴ工事
○
○
金属ダクト工事
◎
◎
バスダクト工事
◎
◎
○
◎
使用電圧に制限なし 600V 以下、 ○ 使用電圧 300V 以下 で施工できる。
この表の概略的な覚え方は、金属管工事,ケーブル工事,合成樹脂管工事,可とう電線管工事(2種金属製)は
どの施設場所でもほぼ可能である。
解
答
答え イ.
Copyright Furumiya
平成18年度 一般問題
28
解
可燃性ガスが存在する場所に低圧屋内電気設備を施設する施工方法として、不適切なものは。
説
(平成25年同一問題)
特殊場所と称され一般に危険物と言うものを電技に基づいて大別すると下記のように3種類に分類され、そ
れぞれに施工方法において詳細に規定されている。
① 粉塵の多い場所(爆発性粉塵、可燃性粉塵)
(電技192条)
火薬、軽金属粉、石炭微粉、樹脂粉、穀物粉 等
② 可燃性ガスが存在する場所
(電技193条)
水素、アセチレン、一酸化炭素、プロパンガス等
③ 石油等の危険物の存在する場所
(電技194条)
石油類、アルコール類、マッチ及びその材料、セルロイド 等
上記危険物に対しては、防爆工事という施工方法で、特に厳重な制約がある。
防爆工事の基本的な考えは、電気使用機器内部でスイッチの開閉等で必然的に火花を発生する場合や、機
器内部の異常による火花が発生する場合でも、周囲の可燃物に引火しないように機器の構造を機密にし、
さらに配管を通じて可燃ガスが浸入しないように管路にシールドを施す。
上記①及び②に対しては、この方法を適用する。③には防爆工事を少し緩和させた安全増防爆工事と
する場合がある。
(その適否は、消防法に照らして決められる。)
解
答
答え イ
29
高圧屋内配線を、乾燥し展開した場所で、かつ、人が触れるおそれが無い場所に施設する
方法として、不適切なものは。
解
説
(平成23年同一問題)
電気設備の技術基準により、高圧屋内配線は次に掲げる工事のいずれかにより施設すること。
①
がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)
②
ケーブル工事
基本的には施設場所制限はないが、施工方法においてそれぞれの規程がある。
解
答
答え ロ
Copyright Furumiya
平成18年度 一般問題
問い30から問い34までは、下の図に関する問いである。
図は、ある自家用電気工作物構内の受電設備を表した図である。この図に関する各問いには、4通りの答え
(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して、答えを1つ選びなさい。
〔注〕
30
解
図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。
①に示す地中電線路に関する記述として、不適切なものは。
説
1.直接埋設式の施工方法図
土冠 1.2m以上
(重量の圧力を受ける恐れの
無い場所は0.6m以上)
フタ
ケーブル埋設表示シート
物件の名称、管理者名
電圧を明記。約2mごと
トラフ
トラフ
トラフ
砂
ケーブル
ケーブル
Copyright Furumiya
平成18年度 一般問題
2.地中電線路の施設制限
①
イ 直接埋設式
ロ 暗きょ式
②
電線にケーブルを使用すること。
③
直接埋設式により施設する場合は、
ハ 管路式
により施設すること。
コンクリート製の堅牢な管またはトラフ収めて、さらに上図のように施設すること。
④
低圧地中電線が地中弱電電線と30cm以内に接近または交叉する場合は、堅牢な耐火性の
ある隔壁を設けるか、地中電線を不燃性の管に納め、直接接触しないようにすること。
⑤
管路式により施設する場合は
◎ 管にはこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用しなければならない。
(電技134条)
◎ 需要場所に施設する場合は、JISに適合するポリエチレン被覆鋼管等を使用する場合は、
埋設深さを地表面(舗装下面)から0.3m以上に出来る。
(日本電気協会-高圧受電設備規程による)
解
答
31
解
答え
イ
②に示す避雷器の設置に関する記述として、不適切なものは。
説
(平成23年、26年類似問題)
避雷器の取付けは、つぎの条件に合致する場合は取り付けること>
①
高圧架空電線路から供給を受ける受電電力500〔kW〕以上の需要場所の引き込み口。
②
避雷器の一次側には各極に専用の断路器又は高圧カットアウトスイッチなどを取り付けること。
高圧カットアウトスイッチなどには、ヒューズをいれないこと。
③
解
受電電力500〔kW〕未満であっても、雷害多発地域で架空引込口付近に取付けが望ましい。
答
32
解
答え
ニ
③に示す機器(CT)に関する記述として、不適切なものは。
説
① CTは、高電圧回路の電流を低電圧の電流に変換したり、大電流を小電流に変換する。
② CTの2次側回路は、電流を必要とする電流計、電力計、過電流継電器、および遮断器のトリップ
用等に使用する。
③ CTはカーレント・トランスの名の通り、変圧器の一種であるためその容量に制限がある。
特に、遮断器のトリップ用としては容量負担が大きい場合がある。
④ CTの定格は2次側電流5A、定格負担容量は50〔VA〕又は100〔VA〕が一般的である。
⑤ CTの2次側回路は、通電中は開放してはいけない。(ヒューズ等は入れてはいけない)
⑥ CTの2次側の1線にD種接地工事をする。
(高圧機器であるがA種の必要がない)
解
答
答え
ロ
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平成18年度 一般問題
33
解
④に示す変圧器の防振又は、耐震対策等の施工に関する記述として、適切でないものは。
説
(社)日本電気協会『高圧受電設備規程JEAC』による。
◎ 受電設備の高圧機器(変圧器、電力用コンデンサ、遮断器等)の地震による破損を防止する事。
下図に変圧器に対する防振・耐震の施工例を示す。
◎ 耐震対策の基本
① 想定される地震力に対して、設備の損傷・移動転倒等の異常を認めないようにする事である。
② アンカーボルトにより、地震力による引き抜き力、せん断力等に耐えるようにする。
(アンカーボルトの強度を増したり、取付け本数を増やす。)
③
補助材(鋼材等)で補強をする
◎ 防振対策
変圧器の低圧側配線(銅帯)
、それに連結されている碍子、フレーム等の歪みによる機械的破壊や
電気絶縁損傷の破壊を防ぐ事。
変圧器の耐震対策例
解
答
34
解
答え
ニ
⑤に示す高圧進相コンデンサ設備は自動力率調整装置が施設された設備である。コンデンサに
使用する開閉装置として、最も適切なものは。
説
高圧機器を頻繁に開閉する場合は、
①
開閉時に発生するアークに接点が耐えなければならない
② 開閉を自動制御する場合は、操作回路の構造があること。
解
答
○ 高圧カットアウトスイッチ(PC)及高圧交流負荷開閉器(LBS)は通常開閉操作回路を持たない。
○ 高圧交流遮断器(CB)は、高圧の主回路の開閉に用いるが、通常自動開閉装置として用いない。
○ 高圧交流電磁接触器(MC)マグネティック・コンダクタと称して、低圧のマグネットスイッチと
同様の役目をし、その接点強度も多回数のアークに耐えられるように設計されている。
答え
ニ
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平成18年度 一般問題
35
解
図のように変圧比6600〔V〕/210〔V〕の
単相変圧器2台を使用し、結線は低圧側を並列、
高圧側を直列に接続して絶縁耐力試験を行う場合、
試験電圧10,350〔V〕を発生させるために
低圧側に加える電圧〔V〕は。
説
変圧比6600〔V〕/210〔V〕の単相変圧器を、通常使用する電力用変圧器の逆使用する。
変圧比を210〔V〕/6600〔V〕として、
結線は低圧側を並列、高圧側を直列に接続して低電圧から高電圧を得る。
変圧器2台の変圧比は、210/6600+6600となる。つまり2台全体から見た変圧比nは、
n=210/13200
解
となる。
答
この変圧器の2次側に10,350〔V〕を出すには、1次側に印加する電圧は変圧比をかける。
印加する電圧V2=10,350×210/13200 ≒164.7
答え
ハ
164.7
36 直読式接地抵抗計(アーステスター)で接地抵抗を測定する場合、接地抵抗計の端子記号
(E、P、C)と接地極③及び補助極①,②の接続方法として、正しいものは。
なお、接地極と補助極は一直線に配置する。
解
説
○ 接地抵抗計の記号中、E:接地極、P:ポテンシャル(電位)
、
C:カーレント(電流)の意味を示す。
○ 補助極①と接地極③へ電流を流し、補助極②と接地極③の電位を
測定し、計器内で計算処理し接地極Eの値を導く。
解
答
37
解
答え
ハ
164.7
低圧屋内配線の開閉器又は過電流遮断器で区切ることができる電路ごとの絶縁性能として、「電
気設備技術基準(解釈を含む)
」に適合するものは。
説
(平成22年、24年類似問題、25年同一問題)
① 低圧電路で絶縁抵抗値の最小値は
対地電圧 150〔V〕以下(単三200/100V回路)
②
: 0.1〔MΩ〕
対地電圧 150〔V〕超過
300〔V〕以下(3相200V回路) : 0.2〔MΩ〕
対地電圧 300〔V〕超過
(3相400V回路)
: 0.4〔MΩ〕
低圧の電線路中、絶縁部分と大地との間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の
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平成18年度 一般問題
2000分の1を超えないように保たなければ成らない。
漏えい電流Igの計算(対地電圧 100〔V〕の場合)
③
Ig=100〔V〕/0.1〔MΩ〕=100/0.1×106 =0.001〔A〕=1〔mA〕
解
答
38
解
答え
ハ
受電電圧6.6〔kV〕、最大電力450〔kW〕の需要設備(鉱山保安法が摘要されるものを
除く。
)を新設する場合、電気事業法に基づいて、この需要設備を設置する者が、所轄産業安
全保安監督部長に行う必要のある手続きの組合わせとして、正しいものは。
説
○ 受電電圧6.6〔kV〕の需要家は、「自家用電気工作物」となる。電気工作物の区分は下記になる。
事業用電気工作物
電気事業用電気工作物(電力会社、発電会社等)
自家用電気工作物
電気工作物
(工場、ビル等の様な高圧受電設備)
一般用電気工作物(一般家庭等の様な低圧受電設備)
○
自家用電気工作物を設置する者の義務等は
① 電気主任技術者を選任し、所轄産業安全保安監督部長に届け出る。
② 保安規定を作成し、所轄産業安全保安監督部長に届け出る。
③ 「電気設備技術基準(解釈を含む)」に適合するよう維持・管理する。
解
答
39
解
答え ハ
電気工事の業務の適正化に関する法律において、登録電気工事業者が5年間保存しなければ
ならない帳簿に、記載することが義務付けられてない事項は。
説
①
帳簿の備付(事業所・営業所ごと)
記載事項
: 注文者の氏名又は名称・住所、電気工事の種類(新設、増設、改修等)
: 配線図面、施工年月日
:
参
主任電気工事士の氏名及び作業者の氏名、検査結果記録等
考
登録電気工事業者の義務事項として、上記①の他下記の②~⑥がある。
② 電気工事業の登録をし、5年以内ごとに更新をする。
③ 主任電気工事士の設置
④ 標識の掲示
⑤
測定機器・安全器具の備付(事業所ごと)
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平成18年度 一般問題
⑥
電気工事士等でない者を電気工事の作業に従事させてはならない。
40
定格電圧100〔V〕以上300〔V〕以下の機械又は器具であって、電気用品安全法の
適用を受ける特定電気用品は。
解
説
電気用品は、2つに分類されている。
① 特定電気用品
: 一般の使用者が、直接手に触れたり使用したりして、特に危険や障害の
発生を起こす可能性多い電気用品。
:表示(マーク)
②
E
特定電気用品以外の電気用品
PS
E
解
答
答え
金属管工事
◎
◎
◎
◎
◎
◎
ケーブル工事
◎
◎
◎
◎
◎
◎
合成樹脂管工事
◎
◎
◎
◎
◎
◎
可とう電線管工事(2種金属製)
◎
◎
◎
◎
◎
がいし引き工事
◎
◎
◎
◎
合成樹脂線ぴ工事
○
○
金属脂線ぴ工事
○
○
金属ダクト工事
◎
◎
バスダクト工事
◎
◎
○
イ
◎
使用電圧に制限なし 600V 以下、 ○ 使用電圧 300V 以下 で施工できる。
この表の概略的な覚え方は、金属管工事,ケーブル工事,合成樹脂管工事,可とう電線管工事(2種金属製)は
どの施設場所でもほぼ可能である。
解
答
答え イ.
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平成18年度 一般問題
問題2.配線図1
(問題数5、配点は1問当たり2点)
図は、三相誘導電動機を手動操作により始動させ、タイマの設定時間で停止させる制御回路図である。
この図の矢印で示す5箇所に関する各問いには、4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。
それぞれの問いに対して、答えを1つ選びなさい。
〔注〕 図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。
41 ①の部分に設置する機器は。
解
説
(平成14年、17年、26年類似問題)
制御回路図の基礎知識
○
題意の図の電動機の制御回路は、左側は主回路であり右側が始動・運転するための制御回路である。
○
主回路および制御回路は電気接点の「入り」
「切り」
(ON-OFF)動作にて制御される。
その接点の機能を表すため、接点シンボルに更に記号や補助文字を傍記して、それらの動作関係を表して
いる。
○
その他制御回路図(展開図=シーケンス)を書く場合や、読み取る場合に、次に示す様な動作順序や
機能を表わすルールがある。
① 操作用の電源は上下(又は左右)の2線で書く。
② 動作の順序は、左上から右方向へ動作順に書く(読み取る)。
③ 接点記号は、上から下方向へ書き、動作機器(出力機器)はその動作回路の最後に書く。
④
電気接点の表示は、電圧又は電流が付加されていない状態で表す。
⑤ 動作接点には、次のような呼び名がつけられている。
イ. メーク接点(a接点)
:外部信号(入力)により「閉=ON」となる接点。
ロ. ブレーク接点(b接点) :外部信号(入力)により「開=OFF」となる接点。
⑥ 基本回路として接点の組み合わせにより
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平成18年度 一般問題
AND回路(直列回路)
、OR回路(並列回路)、NAND回路、NOR回路、NOT回路、
自己保持回路、インターロック回路、限時回路(タイマー回路)、優先回路(通称クイズ回路)、
等がある。
○
上図の電動機の制御回路は、左側は主回路であり右側が始動・運転するための制御回路である。
○
主回路および制御回路は電気接点の「入り」
「切り」
(ON-OFF)動作にて制御される。
その接点の機能を表すため、接点のシンボルに更に記号や補助文字を傍記してそれらの動作関係
を表している。
参
考
主回路で表す開閉装置のシンボルや文字記号で、開閉器(スイッチ)記号の基本は
で表わすが、
補助文字を傍記する。
○
高圧受電設備では
断路器
高圧負荷開閉器(LBS)
遮断器
(DS)
(電力ヒューズ付)
(電力ヒューズなし)
プライマリーカットアウトスイッチ
(CB)
(PC)
注) CBはサーキツトブレーカーの頭文字で、高圧機器ではVCB(真空遮断器)であるが
低圧回路のCBは配線用遮断器MCCB(モールドサーキツトブレーカーの頭文字)。
○
低圧配線の系統図では開閉器の機能や種類を表したり、取付け順序を明示して全体の機能を示す。
開閉装置(スイッチ)のシンボル基本は
S
S
○
開閉器
開閉器
B
で表わすが補助文字を付記して機能を分類する。
E
配線用遮断器 漏電遮断器
Aメーター付
BE
漏電遮断器
B
モーターブレーカ
過電流素子付
○ 複線図で表す記号は概ね単線図と同様である。 漏電検出装置(ZCT)は、
又は
解
で表わす。
答
答え ロ
42 ②で示すブレーク接点は。
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平成18年度 一般問題
解
説
イ.瞬時動作限時復帰接点
ロ.押しボタンスイッチ
(LTR)
解
ハ.電磁継電器接点
(BS)
答
ニ.限時動作瞬時復帰接点
(R)
答え
(LTR)
ニ
限時動作瞬時復帰接点
43 ③で示すランプの表示は。
解
説
表示ランプ
の点灯条件は、その表示ランプの両端に入力されている信号(電圧)をみる。
この場合は、表示ランプの操作回路の主スイッチであるMCCBから直接入力されている。
つまり、操作回路のMCCBが入ると表示ランプは電源表示として点灯する。
解
答
答え イ
44 ④で示す接点が開路するのは。
解
説
1
④は主回路の電磁接触器に付随されている熱動継電器(THRサーマルリレー)である。
2
電動機が過負荷となり、過電流による発熱をバイメタルに与えて接点を開路させる。
解
答
答え ニ
45 ⑤に設置する機器は。
解
説
⑤は主回路の電磁接触器とそれにに付随
されている熱動継電器(THR)一体になって
いる機器である。
イ.熱動継電器(THR) ロ.電磁接触器(MC)
ハ.熱動継電器付電磁接触器
解
答
ニ.タイマ
答え ハ
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平成18年度 一般問題
問題3.配線図
(問題数10、配点は1問当たり2点)
図は、高圧受電設備の単線結線図である。この図の矢印で示す5箇所に関する各問いには、4通りの答え
(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して、答えを1つ選びなさい。
〔注〕 図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。
46 ①に示す機器に関する記述で正しいものは。
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平成18年度 一般問題
解
説
単線結線図(スケルトン図)全体から見ると、電源6,600V~引込み開閉器~引込み高圧ケーブル~
VCT~断路器~遮断器~各LBS~各変圧器、コンデンサーとなる。
断路器+遮断器はセットで使用する。
イ 高圧断路器(DS)
① 高圧遮断器の 1 次側に取付け、電路や機器の点検・修理等を行うときに高圧電路が無負荷時のみ
に開閉に用いる。
② 無負荷状態の電路のときのみ開閉できる能力しかない。
(負荷電流を開閉する能力がないため、
絶対に負荷電流を開閉してはいけない。)
ロ 高圧交流遮断器(CB)
真空遮断器(VCB)が主流である。高圧受電設備の受電遮断装置として多く用いられ、
地絡継電器や過電流継電器と組み合わせ連動させて事故時の電路の遮断や、通常の電路
の開閉装置として用いられる。
解
47
解
答
②に示す機器は。
説
イ.遮断器
(VCB)
解
答え ニ
(平成20年類似問題)
ロ.高圧交流負荷開閉器
(LBS)
ハ.断路器
(DS)
答
ニ.プライマリーカットアウトスイッチ
(PC)
答え イ
48 ③の部分の接地抵抗の最大値〔Ω〕は。
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平成18年度 一般問題
解
説
③の部分の上の機器は、避雷器である。その接地抵抗の値はA種接地工事の10〔Ω〕以下である。
解
答
答え ロ
49 ④の部分に施設する機器の複線図として、正しいものは。
解
説
④の部分は変流器(CT)である。変流器の2次側の結線・配線は、電源側のkはR相及びT相を単独で
取り出し、ℓはR相及びT相 を並列に接続する。その一端をD種接地工事をする。
解
答
答え ハ
50 ⑤に設置する機器の組合わせは。
解
説
計器(メーター)の判別は、単位でみる。
周波数計
(Hz)
電圧で動作
電力計
(kW)
電圧と電流で動作
力率計
COS∮)
電圧と電流で動作
力率計
(COS∮)
電圧と電流で動作
電流計
電圧計
(A)
(V)
電流で動作
電圧で動作
電流計
電力計
(A)
(kW)
電流で動作
電圧と電流で動作
⑤の位置に設置するものは、電圧及び電流の信号が入っているから、上図説明により、ロ の組み合わせ。
電流計の取付け位置は、電流切替え開閉器 A
解
答
AS の後に取り付ける。電流回路の末端とする。
答え ロ
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