「体育的活動における安全対策検討委員会」の検討のまとめ 1 学校事故の現状 2 運動と危険性の関係 ○ 全国の場合別事故の発生状況 ○ 東京都の発生状況 東京都内の小学校、中学校、高等学校の運動会 等の組み体操等において発生した事故は、毎年約 750 件前後で推移している。 その他 平成 26 年度、運動会・体育祭における 事故の発生率は小学校で0.7%、中学 校で1.8%、高等学校で1.7%とな っている。 骨折 総 600 169 162 171 33.0 22.8 5.0 限界 (対策の選択肢) 特別活動 (除学校行事) 学校行事 (運動会等除く) 0.7 2.8 27.7 小学校 9.4 3.3 48.4 7.7 課外指導 2.7 1.8 私立学校 17件 (骨折他) 427 400 44 12 48 423 49 89 5 19 103 安全 策 より一層徹底する。 ・段階的指導により、 50.9 危険性を少なくする。 13.6 寄宿舎にあるとき 0.8 5 23 3.0 3.7 41 45 ・安全指導・安全対策を 休憩時間 24.2 中学校 405 学校行事 (運動会等) 安全指導 危険性 都立学校 2件 (ねんざ・打撲) 85 0 4.5 4.0 158 300 100 運動は活発になればなるほど、危険性は増加する。 高い 400 200 29.3 数 ○ 各教科等 1.3 700 500 【別紙2】 105 1 18 小学校 中学校 高等学校 小学校 中学校 高等学校 小学校 中学校 高等学校 小学校 中学校 高等学校 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 規制 1.7 ・運動を不活発にする。 通学中 運動を中止する。 低い 22.3 高等 学校 0% 6.4 59.3 20% 40% 60% 4.6 4.7 80% 100% 不活発 運動 活発 (日本スポーツ振興センター) 3 安全配慮義務 ○ 学校の管理下においては、指導を担当する教職員 には児童・生徒の安全を確保すべき指導・監督上の 注意義務が存在する。 ○ 教職員には、児童・生徒の安全について万全を期 すべき注意義務がある。 5 (1)教科・科目 ○ 体育・保健体育 (2)運動部の活動 (3)特別活動 ○ 学校行事(健康安全・体育的行事) ○ クラブ活動(小学校) 6 4 学習指導要領 特別活動「学校行事」 目標 ○ 学校行事を通して、望ましい人間関係を形成し、集 団への所属感や連帯感を深め、公共の精神を養い、協 力してよりよい学校生活を築こうとする自主的、実践 的な態度を育てる。 学校における体育的活動 運動会・体育祭・各種の球技大会や競技会など 学校保健安全法 第二十六条 (学校安全に関する学校の設置者の責務) 学校の設置者は、児童生徒等の安全の確保を図るため、その設置する学校において、事故、加害行 為、災害等により児童生徒等に生ずる危険を防止し、及び事故等により児童生徒等に危険又は危害が 現に生じた場合において適切に対処することができるよう、当該学校の施設及び設備並びに管理運営 体制の整備充実その他の必要な措置を講ずる。 第二十七条 (学校安全計画の策定等) 学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の施設及び設備の安全点検、児童 生徒等に対する通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導、職員の研修その 他学校における安全に関する事項について計画を策定し、これを実施しなければならない。 7 委員意見まとめ 1 安全指導・安全対策の目標 ○ 3 教員の指導 5 子供の安全が第一であり、安全が最優先さ れる。学校においては事故ゼロが目標であ る。 ○ 安全面を考慮し、子供の発達のためにどう いう運動が効果的かということを考えてい くべきである。 ○ 学習指導要領に定められた、学校行事とし てのねらいを達成するため、実施内容や目標 については、各学校でよく検討すべきであ る。 ○ 危ないから実施しないというのではなく、 その競技・演技種目に危険があるという事 を、まず指導者が認識すべきである。 ○ 学校の教育目標を踏まえ、指導内容が適切か どうか検討しその上でリスクがあることを教員 が認識し安全対策をとることが大切である。 ○ 教員と子供が危険回避の意識を持つことが大 事である。そして、子供に危険の可能性を伝え、 いかに回避させる能力を持たせるかが指導のポ イントである。 ○ 研修が必要である。具体的な技術指導よりも、 事例研究等により事故の未然防止の意識を高め る事が有効である。 ○ その指導者の経験が大切であり、やった事が ない事を無理に指導させるのは事故のもとであ る。 ○ 2 4 設置者としての対策の方向性 6 正確な実態の把握に努めるべきである。 無制限になんでも実施させるのはダメだが、 一律中止で、この問題が解決するとは考えにく い。様々な要因に関して、総合的に判断し、現 場で議論していくことが大切である。 ○ 学校が主体的に検討し判断するようにしない と、学校としての安全対策能力が低下する。あ る程度の指標を示す事は必要だが、最終的な判 断は学校がすべきである。 ○ 研修の立案、研修マニュアルの作成などを進 め、学校で議論する体制作りをサポートする。 危険な事例を示すなど、体育的活動の安全な実 施に関する情報提供を行っていく。 ○ 教育委員会は、体育的活動における安全対策 検討委員会の報告を踏まえ、学校の設置者とし て、責任ある判断を下し対策を講じる。 ○ ○ ○ 対象とする運動 教育効果より、安全を最優先する。 運動会等で行う全ての運動種目について、 改めて検討する必要がある。 ○ 代替案も含めて、総合的に判断すべきであ る。団結力を高めるのなら、マスゲーム等他 の種目もある。 ○ 現場で議論する事が大事である、何かを中 止にすると次々中止にする可能性もあり、最 後は運動会そのものを中止することになり かねない。 ○ ○ 学校としての対策の方向性 安全第一で、完成形ありきで計画を進めてはい けない。 ○ 保護者が安心できるような、計画、準備、安全 対策等の情報提供が必要である。 ○ PDCAサイクルにより、評価によって様々な 条件を総合的に判断し、毎年競技・演技種目を見 直す必要性がある。 ○ 続けていくにはどうしたらいいかを考え、学校 が主体的に判断し議論していくことが大事であ る。 危険予測・回避能力の育成 危険なことに関する情報の伝承等、子供たちの 間でのコミュニケーションが減少している。 ○ 子供の小さな危険を、教員が見越して意図的に 指導する必要がある。その際、教員の経験値が課 題になる。 ○ 子供の視点、指導者の視点と二つの視点で、危 険予測・回避能力を育成することが大切である。 ○ 安全教育に関する教員の意識は変わってきてい るが、子供の理解が進んでいない。学校での安全 教育の中身を検討する必要がある。 ○ 授業の中で、どの様な場面で事故が起こるのか 等、安全について繰り返し指導していかなくては いけない。 ○ 小さな事故の情報共有が大切である。事故情報 の発信や研修等、行政がリードする必要がある。
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