Vol.39(2016 年 3 月発行) URL: https://www.aichi-npo.jp/ <連載> NPO 法人多文化共生リソースセンター東海 代表理事 土井 佳彦 さん・・1P 一般社団法人草の根ささえあいプロジェクト 代表理事 渡辺ゆりか さん・・2P 「プロボノ 2015in 愛知」活動報告会を開催・・3P <NPO 法人情報ア・ラ・カルト> NPO法人の認証手続きが変更されました・・・4P あいち NPO 交流プラザ(県民生活部社会活動推進課) 〒461-0016 名古屋市東区上竪杉町 1 ウィルあいち 2 階 Tel: 052-961-8100 Fax: 052-961-2315 E-mail: [email protected] 今回は、フレッシュな感性と旺盛な行動力で当地のNPO界に新風 を吹き込んでいる中堅・若手のリーダーお二人にお話を伺いました。 県の意見交換会で様々な分野の NPO や行政の人と議論したことが財産に 「多文化共生」の言葉に出合ったのは、名古屋の南山大学大学院で 学びながら日本語教師をしていた時でした。留学生などと接するうち に在住外国人が抱える課題に気づき、支援活動を始めました。2008 年には若手活動家による多文化共生リソースセンター東海の立ち上げ NPO 法人多文化共生リソースセンター東海 代表理事 土井 佳彦 さん に参画し、翌年の法人化とともに代表理事に就きました。行政でも取 組が進んでいた時代で、愛知県でも 2006 年に多文化共生推進室が設 置され、2012、2013 年度には「多文化共生社会 日時、場所のような基本的な言葉を各国語に翻訳し、 づくりにおける連携・協働」をテーマに意見交換会 web などで提供し、活用してもらう事業です。 が計 9 回も開かれ、私もファシリテーターとして参 行政やその外郭団体である国際交流協会もいろい 加しました。その時に防災や教育など様々な分野の ろ取組んでいますが、地域によって温度差がある、 NPO や行政の人と出会い議論し合ったことが現在 事業が継続されにくい、行政区内に限られてしまう、 大きな財産になっています。 などの課題もあります。じっくり腰を据えて活動す 中間支援組織として現場NPOを支援したい る NPO だからできる事は多いと思います。 設立後 3 年間は、行政からの委託事業をこなすの 昨年 3 月には、あいちモリコロ基金の助成事業の に精いっぱいの状態でしたが、今は、多文化共生分 成果として「あいち地域日本語教育白書 2015」を 野の中間支援組織という原点に立ち返り、現場で活 発行しました。日本語教育の機会拡充と質の向上の 動する団体への支援に最重点を置いています。多文 ため、情報提供などに努めていきたいですね。 化共生のリソース(社会資源)が集中し、他団体か 行政は、社会貢献したい外国人にアプローチを ら、ここに聞けば情報が得られる、サポートが得ら 行政には、例えば料理講座の案内は多言語で広報 れると頼ってもらえることを目指しています。資金 されているのに、日本語教室の案内が日本語だけと 調達や理事会の運営方法、法人化など組織運営の悩 いう場合があります。行政手続きの書類など、重要 みを抱えている団体も多いです。特に外国人が活動 度の高いものから多言語化に取り組むなど予算の使 する場合、言葉の壁などで県市のサポートセンター い方を考えてほしいですね。それから、在住期間長 にアクセスしにくいです。そこを支援することで、 期化が進む中、社会に参 課題解決に注力してもらいたいのです。 加し、貢献したい外国人が 外国人支援で重要な発信情報の多言語化は、ブラ 増えています。ボランティ ジル人が減少する反面、中国人、フィリピン人等が ア募集情報なども、外国人 増え国籍が多様化し、難しくなっていると言えます。 へのアプローチを強めてい そこで、今取組んでいるのは、例えば日本語教室の ただきたいと思います。 1 次ページは、 渡辺ゆりか さんです。 困っている人の支援者になりたい。転機となったある母子の事件 子どもが 1 歳の時に就活をしましたが、周囲の理解が得にくく、 いろいろ苦労しました。何とか受け入れてくれる保育園を探し、就職 した大手広告代理店での仕事も子育ても順調だった 10 年目の時に、 あるニュースを見たのです。それは、DV 夫から逃れた母子が、誰の 助けも得られず、何週間も車中泊を続けたあげく、子どもが夕食替わ りのコンビニおにぎりを食べないことに母は逆上し、おにぎりを無理 やり子どもの喉に押し込み、窒息死させてしまったというものです。 私は、この境遇に立たされれば自分も同じことをしたのではと思っ たのです。彼女と私のその時点の境遇には大きな隔たりがありました が、生きる努力の差は紙一重だったのではないか。その事件は、今も 一般社団法人草の根ささえあいプロジェクト代表理事 名古屋市子ども・若者総合相談センター長 渡辺 ゆりか 手におにぎりの感触が残るほど私の心に共振したのです。頑張ってい る人たちを支援したいという思いが強まり、大きな転機となった出来 事でした。 さん ることで、リアルなネットワークになります。現場 「草の根ささえあいプロジェクト」の立ち上げ その後、生活保護受給者や障がい者の就労支援な での信頼関係で成り立つ関係ですから、簡単には壊 どの仕事につきましたが、求めてくる人を待つとい れませんし、別の人の支援ネットワークづくりの際 うことに疑問を持つようになりました。積極的にア にも大いに役立つのです。 ウトリーチ支援をしたい、困っている人に寄り添い、 困難なケースへの支援力と、市民力の底上げを 手間ひまかけてその人には何が必要かを一所懸命に こうした支援の担い手には、一人ひとりの状況に 探したいと思うようになったのです。思いを同じく 合わせたオリジナルな支援策を組み立てる力と責任 する仲間とともに、2011年 4 月に「草の根ささえ が求められるため、支援者の力量アップが課題です。 あいプロジェクト」を立ち上げました(2012 年 4 そこで取り組みたいのは、様々な分野で支援活動を 月、一般社団法人化)。現在は、NPO 法人起業支 している全国の第一人者の方から力を借りることで 援ネットさんと共同で、名古屋市子ども・若者総合 す。難しいケースに、どうしたら諦めず支援できる 相談センターの運営も受託し、子ども・若者をはじ かの貴重なノウハウの教えを乞うて、これを地域に め困難を抱える多くの人たちが孤立しない状況をつ 伝えることで支援力の底上げを図りたいのです。 一方で、一般市民の人たちに、引きこもりなどは くるために、様々な取組みをしています。 支援者のネットワークは、オーダーメイドでつくる わがままからではないこと、様々な要因から困難な 私たちのやり方は、効率が悪く見えるかもしれま 状況に陥ってしまう人がいることをもっと理解して せん。専門機関につなぐにしても、そこが適切かど ほしい。市民が困難を抱えている人を見守ってくれ うかの確認に時間をかけますし、必ず本人と一緒に る社会、誰も排除しない社会のために、ボランティ 同行もします。しかしその結果、困難な状況を解決 アの活用など市民力の向上が大切だと思います。 できる可能性が高まると思いますし、手間ひまをか また、街づくりや環境問題に取り組んでおられる ける過程で支援者の輪を広げられれば、今後の支援 NPO には、困りごとを抱える人にも同じ市民とし の効率を上げることにもつながるでしょう。 て目を向けてほしい。チラシづくりなど可能なこと で参加してもらうコラボがあるといいですね。困難 支援者・機関のネットワークが大切ですが、それ は、その人の困りごとを通じたオーダーメイドであ な状況の人も、まわりの人次第で変わるのですから。 あいち NPO 交流プラザ」のゴールデンウィーク開館予定 4 月 29 日(金) 30 日(土) 1 日(日) 5 月 2 日 (月) 休 館 昭和の日 開 館 開 館 休 館 3 日(火) 休 月曜休館 館 憲法記念日 2 4 日(水) 休 館 みどりの日 5 日(木) 休 館 こどもの日 6 日(金) 開 館 ―地域主体組織力向上推進事業― 「プロボノ 2015in 愛知」活動報告会を開催しました!! この秋にスタートした「プロボノ 2015in 愛知」。 仕事で培った経験やスキルを活かしてボランティ ア活動を行う「プロボノ」をNPOに派遣し、NPO 活動の活性化を図るプロジェクトです。 昨年11月から約3ヶ月間、事前研修を受けたプロ ボノメンバー20名が4チームに分かれて、派遣先の NPO支援に取り組んできました。 その集大成ともいうべき活動報告会を、2月27日 にウインクあいちで開催しました。当日は、プロボノ に関心のある80名近くもの方が集まり、4チームか らのアツいプレゼン、活発な質疑が行われ、熱気あふ れる活動報告会となりました。報告会後のプロボノメ ンバーとNPOのみなさんの笑顔が、3ヶ月間の取組 の成果を物語っているようです。 プロボノ 2015 に参加されたみなさま、報告会にお越しくださったみなさま、ありがとうございました。 【各チームの発表概要】 支援先NPO 【主要な活動】 支援の成果 特定非営利活動法人アダージョちくさ(名古屋市) 【精神障がいを抱えた方の社会復帰支援】 実施している「便利屋事業」の業務フロー等を 作成し、スタッフが働きやすい仕組みを整えた。 支援先NPO 【主要な活動】 支援の成果 特定非営利活動法人 エンド・ゴール (半田市) 【若者のキャリア支援】 NPOの活動内容を多くの人に知ってもらうために、 「3分で説明できるエンド・ゴール」と題した映像を制作した。 支援先NPO 【主要な活動】 支援の成果 特定非営利活動法人子育て支援の NPO まめっこ(名古屋市) 【子育て支援(親子)】 NPOの自主事業である『家族の絆レストラン』 を継続・発展させるために、事業分析を行い、 企業へのヒアリングを踏まえたPR資料を作成し、 NPOとともに企業への働きかけを実施した。 支援先NPO 【主要な活動】 支援の成果 特定非営利活動法人 Smiley Dream(武豊町) 【子育て中のすべての女性支援】 NPOのミッションや活動を分かりやすく伝えるため、NPOスタッフ全員が資料を活 用して説明できるようなパワーポイント資料を作成した。 3 あいちNPO交流プラザNEWS Vol.39(2016 年 3 月発行) 法人認証手続 NPO法人の認証手続きが変更されました! ∼認 証 ま で の 期 間 が 短 縮 ∼ 愛知県が所管するNPO法人の認証申請(設立、定款変更、合併)における申請書類の縦覧期間 が、2 か月から 2 週間に短縮される等、認証手続きが変更されました。 ∼特例のポイント∼ ① 認証申請(設立、定款変更及び合併)の、申請書類の縦覧期間が、2 か月から 2 週間に短縮! ②その結果、認証までの期間が 4 か月以内から 2 か月半以内に短縮! ③公告に変え、インターネットの利用による公表を 2 週間行います。 例:【定款変更認証手続きの変更点】 項目 従来 申請書類の縦覧期間 認証の申請の公告 及び公表方法 公告及び公表事項 変更後 受理日から 2 か月 受理日から 2 週間 愛知県公報に登載して公告 インターネットの利用により公 表 【公告する事項】 1.申請のあった年月日 2.申請に係るNPO法人の名 称、代表者の氏名、主たる 事務所の所在地、定款に記 載された目的 【公表する事項】 1.申請のあった年月日 2.次の書類に記載された事項 (1)定款 (2)事業計画書(2 事業年度分) (3)活動予算書(2 事業年度分) (4)役員名簿(氏名、住所、報酬有 無を記載) ※2及び3は定款の活動及び事業の 変更を伴う場合に公表 ※4は所轄庁の変更(愛知県へ転入) を伴う場合に公表 補正書の提出期間 受理日から 1 か月以内 受理日から 1 週間以内 そのほかの手続き【設立認証、合併】に関する詳細の内容については、あいちNPO交流プラザ のホームページをご覧ください。 ☆HP アドレス: https://aichi-npo.jp/3_NPO_tsukuru/2_setsuritu_kanri/tokku_index.html もしくは あいち NPO 交流プラザ 検索 4
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