アンゴラ:原油価格の下落下における石油・天然ガス開発事情

作成日: 2016/3/23
調査部: 伊原 賢
公開可
アンゴラ:原油価格の下落下における石油・天然ガス開発事情
(JOGMEC 調査部、国際エネルギー機関IEA、米国エネルギー情報局EIA、アンゴラ国営石油会社Sonangol ほか)
サマリー
① 特記事項
・ アンゴラは、アフリカではナイジェリアに次ぐ 2 番目に大きな産油国である。1999 年以降、深海油
田で油の生産が始まり、2002 年~2008 年に石油開発ブームを経験した。2007 年に石油輸出国
機構 OPEC に加盟した。
・ アンゴラの原油の確認可採埋蔵量(2014 年末、BP 統計)は 127 億バレル、生産量(2015 年 1 月
~11 月平均)は 177.2 万バレル/日。天然ガスの確認可採埋蔵量(2014 年末)は 9.7 兆立方フィ
ート(2014 年、Cedigaz)、商業生産量は 297 億立方フィート[LNG 換算 62.3 万トン](2014 年、
OECD/IEA)。日本は 2014 年にアンゴラから原油 1 万バレル/日(輸入の 0.3%)、LNG8 万トン(輸
入の 0.1%)を輸入した。
・ アンゴラは 27 年続いた内戦が 2002 年に終結した後、主に原油輸出のおかげで急速に経済成
長した。2002 年から 2008 年にかけてのアンゴラの石油開発ブームの間、世界銀行データによれ
ば、GDP は年間平均 15%も成長した。しかし、GDP 成長率は、世界的な財政危機と油価下落の
後、2009 年は 2.4%に減速した。油価はその後上昇に転じ、2012 年 5.2%、2013 年 6.8%まで回復
した。国際通貨基金 IMF によると、石油輸出収益は 2012 年の総輸出収益の 97%を占めた。
・ しかし、2014 年半ばからの石油生産の停滞と油価下落は、アンゴラ経済に減速感を与えた。米
国エネルギー情報局 EIA によれば、2014 年の石油輸出収益(インフレ未調整)は 240 億ドルとな
り、2013 年より 30 億ドル減った。2015 年度予算は年初早々組み直しを迫られ、2015 年 3 月に油
価を 40 ドル/バレルと置いて、当初予算比で歳出 30%減の修正を議会が可決した。同年 7 月末
には、2015 年の経済成長率見通しを 6.6%から 4.4%に修正した。アンゴラ議会は、2015 年 12
月 11 日に 2016 年の予算基準油価を 45 ドル/バレルとし、原油生産は日量 180 万バレルとほぼ
現状維持(2015 年平均日量 177.2 万バレル)とする政府案を承認した。GDP 成長率は 3.3%(石
油産業 1.5%、石油産業外 1.8%)、インフレ率 11~13%、前 2015 年比 5.5%の予算減を想定し
ている。
・ 2010 年以降米国のシェールオイル増産に伴い、アンゴラの米国向け輸出は減少した。
・ 2012 年 10 月、政府系ファンド(FSDEA: Fundo Soberano de Angola)が設立。2013 年にドス・サン
トス大統領(1979 年~)が引退を表明。後継候補の筆頭は国営石油会社 Sonangol の元 CEO の
ヴィセンテ副大統領。次回選挙は 2017 年を予定。
・ 2015 年 11 月に陸上 10 鉱区が入札された。2015 年の予定だった深海 12 鉱区の入札日時は未
定である。
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれ
るデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資
等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
・
2015 年からの石油開発動向は、表形式で記述した。2015 年より現在まで最終投資決定(FID)を
行った案件はなく、当面は既に FID 済みの石油開発案件は進むが、中期的には油価下落に伴
う探鉱投資縮小により石油生産に影響が生じる可能性があり、2020 年までは現行生産規模の
180 万バレル/日に留まる見通しである。
② 日本企業の進出状況
・ 日本企業は北部 Lower Congo 盆地沖合 3 鉱区で活動中。
・ 2013 年 2 月、国際石油開発帝石㈱は Total のオランダ法人(Angola Block 14 B.V.社)の株式の
一部取得により、深海鉱区 Block14 の権益 9.99%を間接的に保有した。同鉱区は 11.8 万バレル/
日(2015 年 3 月期平均)の生産(Kuito、BBLT)に、2015 年 11 月に Lianzi 油田からの 4 万バレル
/日の生産が追加された。
1. 概況
1.1 生産推移、情勢
【原油】
 アンゴラの原油の確認可採埋蔵量(2014 年末、BP 統計)は 127 億バレル、生産量(2015 年 1 月~11
月平均)は 177.2 万バレル/日。石油消費量は 13.3 万バレル/日(2014 年、EIA)(図 1、表 1)。
出所: EIA 2015 年 3 月
図 1 アンゴラの原油生産、消費推移
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等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
表 1 アンゴラの原油生産推移
出所: 各種資料
年月
原油
万バレル/日
2011 年
2012 年
2013 年
2014 年
2015 年
同年 1 月
同年 2 月
同年 3 月
同年 4 月
同年 5 月
同年 6 月
同年 7 月
同年 8 月
同年 9 月
同年 10 月
同年 11 月
同年 12 月
166.2
172.4
171.4
166.5
177.2
176.5
179.5
176.0
177.3
179.0
179.5
180.5
174.0
179.0
179.0
174.0
n.a
n.a = not available
 1955 年に陸上のクワンザ(Kwanza)堆積盆地で初の商業油田の発見あり。その発見以来、1975 年か
ら 2002 年まで 27 年続いた内戦にもかかわらず、アンゴラの石油産業は、大きく成長した。Cabinda の
沖合油田と下部コンゴ(Lower Congo)堆積盆地の深海油田からの原油生産が中心となる。陸上で小
規模な生産があるが、陸域の探鉱と生産は内戦のため、制限されてきた。
 90 年代に発見された複数の深海油田から生産が始まり、アンゴラの原油生産は 2002 年から 2008 年
まで年 15%のペースで増加した。最初の深海油田は、99 年後半にシェブロンが操業開始した Kuito
油田(Block 14)。それ以来、トタール、シェブロン、エクソンモービル、BP といった国際石油会社 IOC
は、さらに深海油田の開発を進め、原油生産を始めた。
 アンゴラは 2007 年 1 月に OPEC に加盟した。国別の原油生産枠は課せられていないが、加盟国間
で協調が求められる。
 ブラジルにおけるプレソルト層での油発見を受け、対岸のアンゴラ南部深海プレソルト層における期
待が高まった。2010 年に南部 Kwanza 盆地プレソルト 11 鉱区の入札が行われ、BP や Total のメジャ
ーズならびに深海開発に定評のある IOC が落札した。米 Cobalt は 2012 年 Block 21 にて Cameia 油
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
田を発見した。
 2014 年は原油生産の 6 割強をアジア太平洋に、2 割を欧州に、1 割を北米に輸出。最大の輸出相手
は中国(80 万バレル/日)。日本は 2013 年に原油 1 万バレル/日を輸入。
 2010 年以降、米国のシェールオイル増産に伴い、米国向け輸出は 2010 年の 38 万バレル/日から
2014 年に 11.6 万バレル/日に減少した。しかしながら、2014 年の米国のアンゴラからの原油輸入は
初めてナイジェリアからのそれ(7.5 万バレル/日)を上回った。EIA が記録を始めた 1973 年以降初の
こと。シェールオイルのブームにより米国の西アフリカ原油輸入が減少したが、比較的重質なアンゴ
ラ原油はシェールオイルとのブレンドに使われた。
 アンゴラ政府は南部の探鉱拡大を志向するが、油価低迷により停滞している。2016 年頃まで現行の
生産規模(181 万バレル/日)で推移し、2017 年以降の原油生産は微減し、2021 年の生産は 180 万
バレル/日に留まる見通し。生産中の油田の減退が年率 15%と高く、2015 年の新規油田の生産開始
(Block14 の ExxonMobil の Kizomba サテライトと Eni の Cinguvu 油田)も相殺された。2018 年出油予
定の Block32 の Total の Kaombo 油田群(23 万バレル/日)が頼みの綱。今後、油価低迷による探鉱
活動の低迷からプレソルトによる新規発見がない場合、2020 年以降生産が落ち込み、2030 年までに
40 万バレル/日程度の生産低下が予想される(出所: IEA Medium-Term Oil Market Report 2016、
2016 年 2 月)。
【天然ガス】
 天然ガスの確認可採埋蔵量(2014年末)は9.7兆立方フィート(2014 年、Cedigaz)、商業生産量は297
億立方フィート[LNG 換算 62.3 万トン](2014 年、OECD/IEA)。EIA によると、商業生産量とならない天
然ガスのグロス生産量の 9 割強はフレアおよび油田へ再圧入されている(図 2)。アンゴラ政府は油
田の随伴ガスの有効利用を志向し、2012 年に Soyo において、同国初のアンゴラ LNG(1 系列 520 万
トン/年)が稼働予定であったが、コミッショニング時の火災等が原因で出荷は遅延し、2013 年 6 月に
初カーゴをブラジル向けに出荷。日本は 2014 年にアンゴラから 8 万トンを輸入。2015 年慢性的なメ
ンテナンス問題のため、約 1 年間閉鎖に追い込まれたが、2016 年 4 月に再出荷の予定。
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
出所: EIA 2015 年 3 月
図 2 アンゴラの天然ガス生産・消費推移
1.2 主管省庁
 アンゴラの石油関連政策の決定はドス・サントス大統領(Eduardo dos Santos)が行い、大統領府や石
油省(Ministry of Petroleum)が助言する。
 石油大臣のバスコンセロス氏(Jose Maria Botelho de Vasconcelos)は 2008 年 10 月に就任。同氏は
1999~2002 年にも石油相を務めた。副大臣は H.E. Mr. Aníbal Octávio Teixeira da Silva。
 2004 年の石油法改正で政策決定、操業管理など石油省の機能は強化されたが、国営石油会社
Sonangol が依然として石油部門における影響力を保持している模様。
 国営石油会社:Sonangol(Sociedade Nacional de Combustíveis de Angola, E.P.)1976 年設立。
http://www.sonangol.co.ao/wps/portal/ep
CEO は Francisco de Lemos Jose Maria 氏(2012 年就任)。前任のマヌエル・ヴィセンテ氏(Manuel
Vincent)は大統領に近い存在であり、2011 年に入閣(経済調整大臣に就任)。2012 年 8 月の総選挙
でドス・サントス大統領が再任され、マヌエル・ヴィセンテ氏は副大統領に就任*。
 2013 年にドス・サントス大統領が引退を表明。後継候補の筆頭は Sonangol の元 CEO のヴィセンテ副
*
新憲法では、「議院大統領制」が採用された。大統領選出と国会議員選出を同一の選挙で実施するもので、最大の得票を獲得した政党の名
簿第一位の候補が次期大統領となる。また、首相の役職が廃止され、副大統領職(与党の比例名簿第二位)が新設された(副大統領は大統領の
補佐役)。大統領は政治的辞職を宣言でき、この宣言と共に議会も自動的に解散となる。他方、議会には大統領を政治的理由から罷免する権限
は与えられていない(在アンゴラ日本大使館)。
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
大統領。次回選挙は 2017 年の予定。
1.3 法制度
 石油関連法: General Petroleum Activities law (2004 年 11 月 No10/04, 1978 年 8 月の No13/78 を
改定、石油省の機能を強化)
 契約方式: 主に PS 契約(Cabinda[利権契約]、Block 9, 21[米 Cobalt 社によるリスクサービス契約]を
除く)
 契約当事者: 国営石油会社 Sonangol
 経営陣と現地作業員の 7 割をアンゴラ人とするローカルコンテンツを設定
 2016 年 1 月現在、ドス・サントス大統領の娘 Isabel dos Santos により、Sonangol は組織のリストラ・改訂
に直面している。
 契約の授与や石油開発プロジェクトのモニタリングの権限を Sonangol から石油省へ移管。法令
211/15 によれば、Chevron 社の Block 14 と Total 社の Block 17/06 には 10 の貯留層に計 60 億バレ
ルの油の埋蔵が期待され、探鉱を求めている。探鉱費の一部は税にてカバーされる。
2. 日本企業の進出状況
日本企業は北部 Lower Congo 盆地沖合 3 鉱区で活動中。
①
沖合 Block 3/05、3/05-A: アンゴラ石油 20%
・ ほかの事業者: Sonangol 25%(オペレーター)、China Sonangol 25%、Eni 12%、Somoil 10%、NisNeftagas 4%、INA 4%
・ アンゴラ石油株主: 三菱商事 65.7%、国際石油開発帝石 19.6%、石油資源開発 9.8%、太陽石
油 4.9%
・ 経緯: 1986 年 3 月、Mobil と譲渡契約締結により 3/80 鉱区の権益 25%を取得(2005 年10 月 Block
3/05 の PS 契約に調印)。パランカ(Palanca)、パカッサ(Pacassa)、バッファロー(Bufalo)、インパラ
(Impala)、パンビ(Pambi)、インパラ SE(Impala SE)油田に加え、3/85 鉱区終了に伴い 2011 年にコボ
(Cobo)油田、パンビ(Pambi)3/85 油田が編入され、更に 3/91 鉱区終了に伴い 2013 年 1 月 1 日か
らオオンボ油田が編入。現在日量 4.5 万バレルで生産中。
・ また Sonangol をオペレーターとして Block 3/05-A にも 20%の権益で参加。探鉱活動は 2011 年 4
月 30 日に終了し開発鉱区に移行し、カコ・ガゼラ(Caco・Gazela)油田は日量 2,800 バレルにて生
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産中。2010 年に商業発見宣言したプンジャ(Punja)油田の最終投資決定を目指しスタディ中(出
所: わが国石油・天然ガス開発の現状、石油鉱業連盟 2015 年 11 月)。
②
深海 Block14: INPEX Angola Block 14 Ltd. 9.99%
・ 事業者:Chevron(31%)、Total20%(→国際石油開発帝石に 9.99%)、Sonangol20%、Eni20%、Galp9%
・ 経緯:2013 年 2 月、国際石油開発帝石は Total のオランダ法人「Angola Block 14 B.V.社」の株式
の一部取得により権益 9.99%を間接的に保有。
・ 同鉱区は 11.8 万バレル/日(2015 年 3 月期平均)の生産(Kuito、BBLT)に、2015 年 11 月に Lianzi
油田からの 4 万バレル/日の生産が追加された。
3. 2015 年からの石油・天然ガス開発動向
3.1 概観
アンゴラにおける石油開発鉱区の展開図を図 3 に示す。アンゴラの主な生産地域は北西部の Lower
Congo 堆積盆である。2015 年からの石油開発動向は、表形式で記述した(表 2)。
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出所: 各種資料
図 3 アンゴラにおける石油開発鉱区
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表 2 2015 年からのハイライトプロジェクト
出所: 各種資料
鉱区(Block)
Block 46~50
オペレーター
Sonangol
Namibe 堆積盆地
Block 12、13
Block 41、45
Block 30
Sonangol
Sonangol
浅海
深海
深海
水深 500~
2,500m
Okavango 堆積盆地、Owambo
堆積盆地、South Zaire 亜堆積
盆地
Lower Congo 堆積盆地の 10 油
田(Cabeca da Cobra, Ganda, L
uango, Lumueno, N’Zombo, Qui
fuma, Quinfuquena, Quinguila, Q
uinguila North, Sereia)
Kwanza 堆積盆地
Block 9
Block 19~26
Block 35~40
Sonangol
陸上
Kwanza 堆積盆地
Block 21
Cameia 油田
2013 年 10 月発見の Mavinga 油
田は Cameia 油田にタイイン予
定
タイプ
深海
水深 2,200
~3,900m
SomOil
陸上(Soyo
市の南)
Sonangol,
Petrobras,
Cobalt, Total,
BP, Maersk, Eni,
ConocoPhillips,
Statoil, Repsol
深海(プレ
ソルト)
Cobalt
(2015 年 8 月
より、Sonangol
は権益 100%)
深海(プレ
ソルト)
水深
1,676m
油の比重
API 44 度
日産量、埋蔵量
年月
ハイライト事項
2015 年 9 月 21000km2 の 3 次元地震探査を
計画
2015 年 12 月 Total との共同探鉱
2015 年 9 月 11150km2 の 3 次元地震探査を
計画
2016 年 1 月 2500km2 の 3 次元地震探査を
計画
(Block 30 の南、ナミビア側の
探鉱井 2 坑は空井戸とガス徴)
2015 年 9 月 11410km の 2 次元地震探査を
計画
日産 10,000 バレル
(2015 年 10 月生産再
開)
2015 年 8 月 898km の 2 次元地震探査と
106km2 の 3 次元地震探査を計
画
2015 年 10 月 (2013 年以降の探鉱不調を背
景に)民間参加企業との地震探
査と探鉱井掘削データの共有
2018 年出油予定
FPSO 日産 7.5~8.5 万
バレル
可採埋蔵量 4 億バレル
2016 年 3 月、Cobalt 社は
Block 9 の権益 40%全てを売
却
2015 年 1 月 評価井 Cameia 1A 号井の掘
削・仕上げ
2015 年 8 月 掘削長 4,609m
権益の 40% 掘削費 8,800 万ドル
を Sonangol
へ売却
2015 年 11
月、Sonangol
は Total に
Block 21/09
(Cameia 油
田、Mavinga
油田、Bicuar
油田)のオペ
レーターを打
診
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鉱区(Block)
Kwanza 堆積盆地
Block 20
オペレーター
Cobalt
タイプ
深海(プレ
ソルト)
水深
1,844m
Kwanza 堆積盆地
Block 19
BP
Kwanza 堆積盆地(Benguela 亜
堆積盆地)
Block 24
BP
Kwanza 堆積盆地
Block 36、37
ConocoPhillips
深海(プレ
ソルト)
水深
1,500m
深海(プレ
ソルト)
水深
1,397m
深海(プレ
ソルト)
Kwanza 堆積盆地
Block 35
Eni
Kwanza 堆積盆地(Benguela 亜
堆積盆地)
Block 40
Total
Kwanza 堆積盆地(Benguela 亜
堆積盆地)
Block 25
Total
Kwanza 堆積盆地
Block 5/06
Vaalco Energy
Block 17
Girassol 油田のサテライト Rosa
構造
(Girassol FPSO, Dalia FPSO と
の結合)
Block 18
Plutonio 油田群(Galio, Cromio,
Paladio, Plutonio, Cobalto)
Total
BP
Block 31
PSVM 油田群(Plutao, Saturno,
Venus, Marte)
BP
日産量、埋蔵量
評価井 Orca 2(2014 年
9 月)
年月
ハイライト事項
2016 年 1 月 探鉱井 Zalophus 1 号井の掘削
中
2015 年 8 月 掘削長 5,170m
権益の 40% 掘削費 1 億 4,600 万ドル
を Sonangol
へ売却
2016 年末 探鉱井 Pandra 2 号井の掘削を
計画
Pandra 1 号井(2015 年 6 月)
2016 年末 探鉱井 2 坑目の掘削を計画
Katambi 1 号井(2015 年 1 月、
掘削長 6,375m、掘削費 2 億
5,000 万ドル)
2016 年 2 月 掘削リグの手当てがつかず、
探鉱井の掘削をキャンセルま
たは延期
Block 37 の Kamoxi 1 号井は空
井戸
2016 年 探鉱井 Ohanga 1 号井の掘削を
計画 掘削長 5,200m
(2014 年 Ombovo 1 発見井の
南西 30km)
2016 年末 探鉱井 Kimbundu 1 号井の掘削
を計画
深海(プレ
ソルト)
水深
1,950m
深海(プレ
ソルト)
水深
1,700m
深海(プレ
ソルト)
水深
2,000m
日量 3 万バレルの回収
増
Rosa 構造の可採埋蔵量
4.1 億バレル
2016 年 探鉱井 Onca 1 号井の掘削を
計画
2014 年 10 月 Puma 1 号井は
空井戸(掘削費 1 億 6,500 万ド
ル)
2015 年 8 月 探鉱井の掘削を 2016 末まで中
止
(2015 年 3 月 Kindele 1 号井は
不成功)
2015 年 10 月 多相流ポンプ 4 基の海底設置
開始
海底仕上げ井の坑口圧上昇に
より、4,200 万バレルの回収増
深海(プレ
ソルト)
水深 1,200
~1,450m
日量 10 万バレル
(Greater Plutonio コンプ
レックス)
2015 年 11 月 開発井の掘削中(圧入井
PLU-B09、生産井 PLU-B08 ほ
か)
深海(プレ
ソルト)
水深
2,000m
日量 15.7 万バレル
(PSVM コンプレックス)
可採埋蔵量 6 億バレル
日産 13 万バレル
2015 年 11 月 Marte 油田の開発井掘削中(生
産井 MTE-K03, MA-PDMA1P1, MTE-L05 ほか)
深海(プレ
ソルト)
水深
~900m
深海(プレ
ソルト)
油の比重
API 33 度
8 億バレルの資源量期
待
10/22
Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれ
るデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資
等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
鉱区(Block)
Block 31
PSVM 油田群(Plutao, Saturno,
Venus, Marte)
オペレーター
BP
Block 31
PSVM 油田群(Plutao, Saturno,
Venus, Marte)
BP
Block 0 / Area A
Mafumeira 油田(フェーズ 2:Maf
umeira Sul)
Chevron
フェーズ 1 の Mafumeira Norte
は 2006 年出油開始
Block 0 / Area A
N’Sano 油田
Block 0 / Area A
Banzala 油田
Chevron
浅海
水深 30~
50m
浅海
Block 0 / Area A
Malongo North 油田
Block 14
Tombua-Landana 油田群
Landana 油田
Chevron
浅海
Chevron
深海
Block 14
Tombua-Landana 油田群
Tombua 油田
Chevron
深海
Block 15/06 の東部
Cabaca South East 油田(フェ
ーズ 1)
フェーズ 2 の Cabaca North 油
田と併せて、2016 年第 4 四半
期に日産 8 万バレル処理の Ar
mada Olombendo-FPSO 稼動予
定
Lower Congo 堆積盆地(Congo
Fan)
Block 15/06 の西部
Vandumbu 油田
Chevron
タイプ
深海(プレ
ソルト)
水深
2,000m
深海(プレ
ソルト)
水深
2,000m
浅海
水深 30~
50m
Eni
年月
ハイライト事項
2015 年 10 月 Plutao 油田の開発井掘削中
(生産井 PB-PA-PBP1 ほか)
日量 11 万バレル
(PSVM コンプレックス)
2015 年 10 月 Venus 油田の開発井掘削中
(生産井 VD-WA-VDU1 ほか)
日産 10 万バレル
石油換算日量 11 万バレ
ル
LPG 日量 1 万バレル
可採埋蔵量 3 億バレル
2015 年 12 月 Mafumeira 油田の開発井のバ
ッチ掘削中(MAF-B02~B10)
石油換算日量 10,992 バ
レル
2015 年 11 月 N’Sano 油田の開発井の仕上
げ変更(NS-A09)
可採埋蔵量:油 1.8 億バ
レル、ガス 700 億立方フ
ィート
可採埋蔵量 3.1 億バレ
ル
日量 10 万バレル
随伴ガスはアンゴラ LN
G プラントへ移送
可採埋蔵量:油 1.3 億バ
レル、ガス 3,500 億立方
フィート
日量 10 万バレル
随伴ガスはアンゴラ LN
G プラントへ移送
2015 年 11 月 Banzala 油田の開発井掘削中
(BZ-A17 ST2, BZ-A18)
水深 450m
可採埋蔵量:油 4.43 億
バレル
日産 8 万バレル
水圧入 12 万バレル/日
ガス日産 1.2 億立方フィ
ート
貯油 180 万バレル
水深 976m
可採埋蔵量:油 7,000 万
バレル、ガス 300 億立
方フィート
2016 年 1 月、
Falcon Oil
Holdings は権
益 5%を売却
し、Block 15/06
から撤退
Eni
日産量、埋蔵量
(PSVM コンプレックス)
可採埋蔵量 6 億バレル
2016 年 3 月 開発費 56 億ドル
出油開始
2015 年 11 月 Malongo North 油田の開発井
MN 73-75 の仕上げ
2015 年 12 月 Landana 油田の開発井掘削中
(LAN-A14~A16)
2015 年 11 月 Tombua 油田の開発井 TOMA14 の仕上げ
Block 0 / Area A と Block 14
計 日産 40 万バレル
2015 年 12 月 Cabaca South East 油田の圧入
井 CSE-402 のサイドトラック準
備中、生産井 CSE-104-ST2 の
仕上げ
Technip による鉄管通信アンビ
リカルの敷設工事
海底仕上げ井 23 坑(フェーズ
1:10 坑、フェーズ 2:13 坑)
2015 年 11 月 Vandumbu 油田の生産井 VAN101 にケーシングをセット
11/22
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれ
るデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資
等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
鉱区(Block)
Block 15/06 の西部
M’Pungi 油田(フェーズ 1)
オペレーター
Eni
タイプ
水深 900m
~1,450m
フェーズ 2 以降では、M’Pungi
North 油田、Vandumbu 油田、O
chigufu 油田が M’Pungi-FPSO
に繋ぎこみ予定
可採埋蔵量 2.9 億バレ
ル
Block 15/06 の西部
Sangos 油田(フェーズ 1)
Eni
Block 15 (Kizomba B)
Kissanje 油田
ExxonMobil
Block 15 (Kizomba C)
Mondo 油田(フェーズ 1)
ExxonMobil
Block 15 (Kizomba サテライト
フェーズ 2)
Bavuca 油田
ExxonMobil
Kizomba サテライト フェーズ 1
(Clochas 油田、Mavacola 油田)
Block 15 (Kizomba サテライト
フェーズ 2)
Kakocha 油田
水深
1,349m
油の比重
API 30 度
水深 900m
ExxonMobil
Block 3/05
Bufalo 油田
Sonangol
Block 17
CLOV 油田群(Carvo, Lirio, Orq
uidea, Violeta)
Total
Block 17 では Girassol, Dalia, P
azflor に続く FPSO による開発
日産量、埋蔵量
Cinguvu 油田(2015 年 4
月)、Sangos 油田(2014
年 11 月)と併せて日産
10 万バレル
Kissanje 油田と Dikanza
油田の可採埋蔵量 10 億
バレル(2005 年評価)
日産 20 万バレル
Mondo 油田、Saxi 油田、
Batuque 油田の可採埋
蔵量 6 億バレル
可採埋蔵量:油 1.4 億バ
レル、ガス 3,500 億立方
フィート
日産 7 万バレル
可採埋蔵量:油 2 億バレ
ル、ガス1,700 億立方フ
ィート
浅海
水深 70~
90m
油の比重
API 39 度
深海
水深 1,100
~1,400m
可採埋蔵量:油 9,000 万
バレル、ガス 8,000 万立
方フィート
日産 16 万バレル
確認+推定可採埋蔵量
6 億バレル
随伴ガスは Soyo のアン
ゴラ LNG へ出荷予定
年月
ハイライト事項
2016 年 1 月 M’Pungi 油田の圧入井 MPU401 掘削中
海底仕上げ井 21 坑(生産井 12
坑、水/ガス圧入井 4 坑、水圧
入井 5 坑)
フェーズ 1 として、Cinguvu 油
田と Sangos 油田からの生産は
M’Pungi 油田の改造型の浮遊
式生産処理設備(N’GomaFPSO)に繋ぎこみ
2015 年 12 月 Sangos 油田の圧入井 SAN402 仕上げ中
2015 年 11 月 Kissanje 油田の圧入井 KSJ125-ST2 掘削中
2015 年 11 月 Mondo 油田の生産井 MON402 掘削中
2015 年 11 月 Bavuca 油田の圧入井 BAV103 仕上げ中
Kakocha 油田、Bavuca 油田、
Monde South 油田からの生産
を Kizomba B-FPSO と MondeFPSO に繋ぎこみ
2015 年 11 月 Kakocha 油田の圧入井 KAK102 の仕上げ
Kizomba A~サテライト
計 日産 37.5 万バレル
2015 年 11 月 Bufalo 油田の生産井BUF-113
の仕上げを終え、BUF-110 へ
移動
2016 年 1 月 Orquidea 油田の圧入井 OVM659 の掘削中
Pazflor 日量 20 万バレル
Girassol 日量 15 万バレル
CLOV 油田群 日量 5 万バレル
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鉱区(Block)
Block 17
Dalia/Camelia 油田群
オペレーター
Total
タイプ
Block 17 からの油日産71.5 万
バレル(2015 年 6 月)
Block 32
Kaombo 油田群(Gengibre, Gind
ungo, Caril, Canela, Mostarda, L
ouro)
Block 32
Kaombo 油田群(Gengibre, Gind
ungo, Caril, Canela, Mostarda, L
ouro)
Total
Total
Block 16
Chissonga 油田
Maersk
Block 8, 23
Block 3/05-A
Caco-Gazela 油田
Maersk
Sonangol
アンゴラとコンゴ共和国にまた
がる Block ZIC 14k / A-IMI
Lianzi 油田
Chevron
Block 0 / Area B
Nemba 油田
Lobito / Luanda 製油所、国内
ガス供給
Chevron
深海
水深 1,400
~1,900m
日産量、埋蔵量
日産 27 万バレル(日量
21.9 万バレル、2015 年
6 月)
可採埋蔵量 10 億バレル
随伴ガスは Soyo のアン
ゴラ LNG へ出荷予定
日産 23 万バレル
可採埋蔵量 6.5 億バレ
ル
同上
同上
Kaombo No
rth (Gengib
re, Gindung
o, Caril)
Kaombo
South
(Canela,
Mostarda,
Louro +
Salsa)
2 基の改造 FPSO(各貯
油 170 万バレル)にて
2017 年出油予定
随伴ガスは Soyo のアン
ゴラ LNG へ出荷予定
日産 10 万バレル
Tension Leg Wellhead
Platform (TLWP)と FPSO
による開発
浅海
水深 70~
80m
油の比重
API 31~39
度
水深 900m
可採埋蔵量:油 3,600 万
バレル、ガス 2,800 万立
方フィート
日産 4 万バレル
日産 9,000 バレル
Eni / Sonangol
年月
ハイライト事項
2016 年 1 月 Dalia 油田の生産井 DAL778.T1-4P の仕上げ
2015 年 7 月 Dalia 油田フェーズ 1A スタート
日量 3 万バレル
Block 17/06a, 17/06b 契約了:
油田発見無し
2016 年 1 月 Gengibre 油田の生産井GENPO4 の仕上げ
開発費 160 億ドル
2015 年 10 月 Gindungo 油田の生産井 GINP11 の掘削
2015 年 5 月 アンゴラでの機器の製作開始
(Technip-Heerema, Eni Saipem,
Aker Solutions)
海底仕上げ井 59 坑
2016 年 1 月 油価低迷、掘削コスト上昇によ
り開発見合わせ
2015 年 12 月 権益を返還
2015 年 アンゴラ石油の権益 20%
2015 年 11 月 Block 14 の BBLT (Benguela
Belize Libito Tomboco) プラット
フォームへタイイン
開発費 20 億ドル
2015 年 5 月 EOR のステージ 1 及び 2
2015 年 11 月 協力
1.5GW のガス火力発電
処理能力日量 20 万バレル
(2018 年第 3 四半期)
Luanda 製油所の改修(1958 年
稼働、処理能力日量 3.9 万バレ
ル)
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等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
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鉱区(Block)
Congo River Canyon 横断パイ
プライン
オペレーター
Chevron
Ambriz 製油所
Sonangol
Soyo 製油所
Sonangol
アンゴラ LNG
アンゴラ LNG
社(Chevron)
タイプ
日産量、埋蔵量
140km
処理能力日量 40 万バレ
ル(2020 年)
処理能力日量 11 万バレ
ル(2017 年)
年月
ハイライト事項
2015 年 8 月 完工
Block 0 と 14 からの日量 2.5 億
立方フィートのガスをアンゴラ
LNG へ出荷予定
2015 年 7 月 中国企業と計画中
2015 年 6 月 建設開始
年産目標:LPG4.45 万トン、ガソ
リン 55.9 万トン、軽油 85.3 万ト
ンほか
2016 年 4 月 LNG 再出荷予定
図 3 と表 2 を精査してみると、「2015 年から最終投資決定(FID)を行った案件はなく、当面は既に FID
済みの石油開発案件は進むが、2020 年に向けた中期的には油価下落に伴う探鉱投資縮小により石油生
産に影響が生じる可能性があること」を感じ取っていただければ、幸いである。
しかしながら、しっくり頭に入ってこない事項もあると思うので、以下のポイントについて、動向を記述す
ることとしたい。
 深海油田
 プレソルト
 随伴ガス活用の LNG
 入札
 政府系ファンド
 汚職容疑
3.2 深海油田(図 4)
 深海油田はアンゴラの原油生産の 7 割以上を占める。深海油田開発の主体は Chevron、Total、
ExxonMobil、BP、Eni ほかのスーパーメジャー。アンゴラは 1990 年に深海鉱区を公開し、ExxonMobil
(Block15)、Total(Block17)、BP(Block18)が合計 100 億バレルの油田を発見。これらの深海油田は
1999 年以降生産を開始しており、アンゴラはブラジルに次ぐ深海での産油国となった。
 アンゴラの深海油田は水深 300~1,500m の深海鉱区(Block14~30)と水深 1,500m 超の超深海鉱区
(Block31~40)に大別され、主力生産地域は北部 Lower Congo 盆地の深海鉱区である。アンゴラは
2005 年、新石油法にもとづく第 1 次入札(対象は Lower Congo 盆地深海既発見鉱区の放棄エリア)を
実施。1 鉱区につき約 1,000 億円という高額のサインボーナスが提示された。
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いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
 超深海油田の開発も進んでいる。BPは2012 年12月、アンゴラ初の超深海油田(水深1,500~2,500m)
である Block31 の PSVM(Plutao、Saturno、Venus、Marte)油田(15 万バレル/日)の生産を開始。
 アンゴラ政府は 2015 年 9 月に、大陸棚の 200 海里以遠の伸張を国連に申請。この申請は、近隣国で
あるガボン共和国、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、ナミビア共和国に影響。アンゴラ政府は 2015
年 7 月ガボン共和国の首都リーブルビルにて、同国政府と本件につき、互いに侵犯しないように協議。
出所: 各種資料
図 4 アンゴラの主な生産・開発中の深海鉱区
 2016 年 1 月、Block15/06 にて 5%の権益を持つ Falcon Oil Holding SA が撤退。同権益は Block15/06
のパートナーである Eni, Sonangol P&P, Sonangol Sinopec International 15 に譲渡。Block15/06 は西部
と東部に分かれて開発。西部の開発は 2 つのフェーズに分かれ、フェーズ 1 は、Sangos, Cinguvu,
M’pungi の発見から油の可採埋蔵量 2.9 億バレルと推定。21 坑の海底仕上げ井(生産井 12 坑、水・
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等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
ガス交互圧入井 4 坑、水圧入井 5 坑)が改造された船型の原油生産処理出荷設備 FPSO「N’Goma」
にタイバックされる(繋ぎこまれる)。フェーズ 2 は、M’pungi north フィールド(生産井 1 坑、圧入井 1
坑)と Vandumbu フィールド(生産井 2 坑、圧入井 1 坑)が FPSO「N’Goma」に繋ぎこまれる。その後、
可採埋蔵量 7,500 万バレルの Ochigufu フィールドが 2 年ほど後に開発される予定。一方、東部の開
発は Cabaca North1 号井、Cabaca South East 1ST1 号井での発見から始まり、油の可採埋蔵量 4.43
億バレルと推定。FPSO の能力は、貯油 180 万バレル、油の日産量 8 万バレル、水圧入 12 万バレル
/日、ガス処理量 1.2 億立方フィート/日。FPSO は船首にターレット型の回転式係留装置を持ち、水深
450m の海底に係留される。海底機器と FPSO は 18 本のライザーパイプとアンビリカル(通信用ケー
ブル)で結ばれる。FPSO は出油は 2017 年を予定。東部の開発も 2 つのフェーズに分かれ、フェー
ズ 1 では Cabaca South East 1ST1 号井での発見により 10 坑の掘削、フェーズ 2 では Cabaca North1
号井での発見により 13 坑の掘削を、各々予定している。Eni は 2006 年 11 月 6 日に Block15/06 の探
鉱権を与えられてから、Lower Congo 堆積盆地の Congo Fan 構造にて 10 坑で油を発見しており、水
深は 200~1,700m のレンジである。
 2016 年 1 月、Maersk 社は Chissonga 油田の最終投資決定 FID を延期。同油田の位置する Block 16
の一部からのファームアウトを検討中。Chissonga 油田は 2009 年に発見され、Block 16 の西部に位置
し、水深は 1,200~1,550m。探鉱井 Chissonga 1 号井の試油では比重 API36 度の中質油が日量 6,850
バレル産出。近隣の Caporolo 油田を加え、FPSO による開発が想定される。油とガスの可採埋蔵量は
1.5 億バレル、1500 億立方フィート。Maersk 社の Block 16 の権益は 65%。
 Vaalco Energy 社は、Kwanza 堆積盆地に位置する Block 5/06(水深 900m 以浅)での 2016 年~2017
年の掘削キャンペーンのパートナーを探している。プレソルト構造(Zenza, Milando, Logo, Cambo)に
15 億バレルの資源量が期待。
 2015 年 12 月、Total 社は、Block 17/06 を売却。Block 17 では、4 構造(Gardenia, Begonia, Canna,
Forsythia)を発見。Total 社はまた、2015 年 12 月末に Block 32 の探鉱期間を 2 年延長。
3.3 プレソルト

ブラジルでは 2007 年以降南部のサントス盆地、カンポス盆地深海(水深 300~1,500m)の下部白亜
系プレソルトにおいて油田発見が相次いだ。ブラジルとアンゴラはジュラ紀後期から白亜紀初期に
かけてアフリカ大陸と南米大陸の分裂により分かれており、ブラジルの Campos 盆地とアンゴラ南部
の地質構造には相関性がある。ブラジルにおけるプレソルトの発見を受け、カンポス盆地対岸のア
ンゴラ南部深海プレソルトにおける石油発見の期待が高まったのである。
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
2010 年にアンゴラは南部 Kwanza 盆地プレソルト 11 鉱区(Block 19~20、Block 22~25、Block 35~
40)の入札を行った(図 5)。深海開発に定評のある IOC13 社(米 Cobalt を除き大手)が入札に参加
した。アンゴラ深海でオペレーターを務める BP、Total や米 Cobalt などが落札した。Block 21 は米
Cobalt 社によるリスクサービス契約で探鉱作業となった。

2012 年 2 月に Cobalt は深海プレソルト鉱区 Block 21 の Cameia-1(水深 1,680m)でネットペイ 274m
の油層を発見。テストの結果、坑井あたりの生産能力は 2 万バレル/日を超える見通しだった。2014
年 2 月 Cobalt は Cameia 構造について開発に向けた最終的な評価・開発井を掘削した。2015 年 8
月、Cobalt 社は深海プレソルト鉱区の Block 20 及び Block 21 の権益を Sonangol に売却。各 Block
の Cobalt 社の権益 40%に対して、Sonangol は 17.5 億ドルずつ支払う。
 Block 39 の権益 10%をコロンビア Ecopetrol に売却する一方、Total から 7.5%を取得(権益比率は 2.5%
減)。それに先駆け権益 15%を 2.22 億ドルで WRG Angola(Genel Energy と White Rose Energy
Ventures の JV)に売却。Block 39 の権益比率は Statoil (37.5%、オペレーター)、Total (7.5%)、 WRG
(15%)、Ecopetrol (10%)、Sonangol P&P (30%)。
 Block 38 について Statoil と Sonangol は WRG にそれぞれ 7.5%、計 15%売却することで合意、政府承
認待ち。Block 38 の権益比率は Statoil(45%、オペレーター)、WRG (15%)、Ecopetrol (10%), Sonangol
P&P (30%)。
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るデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資
等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負
いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
出所: 各種資料
図 5 アンゴラにおけるプレソルト鉱区

2015 年 12 月、コロンビアの国営石油会社 Ecopetrol は、探鉱井 2 坑で油の発見がなかったことか
ら、Block 38 と 39(オペレーターは Statoil。Ecopetrol の権益は各々10%)からの撤退プロセス中。
Statoil が Ecopetrol の権益を引き継ぎ、Statoil の権益は Block 38 が 70%、Block 39 が 62.5%となる。

2015 年 11 月、Sonangol は Total に対して、Block 21/09(Cameia, Mavinga, Bicuar の 3 フィールド)
のオペレーターとなるよう要請。Cameia フィールドは、Kwanza 堆積盆地の深海にて初めてとなる
2018 年に出油開始予定。また、2015 年 12 月、Sonangol と Total は水深 2,000m~3,500m の Block
46~50 の5ブロックにおける探鉱契約に調印。2016 年2月時点で探鉱井はまだ掘削されていない。
Total は 5 ブロックの内、1 ブロックを PSC(生産物分与契約)で保持する予定。

総じて、油価下落後の探鉱は低迷しており、Block 21 を除き、探鉱成績は不調である。
3.4 随伴ガス活用の LNG

アンゴラは油田操業によって生産される随伴ガス生産量が大きく伸びたが、大半はインフラ不足によ
り利用されていなかった。2005 年に Chevron の Sanha 処理プラント(投資額 19 億ドル、処理能力 10
万バレル/日)が稼働し、Block 0 の Cabinda 油田における随伴ガスの焼却処理が 50%減少した。しか
し 2012 年の天然ガスグロス生産量は 1990 年の 970 億立方フィートから 3830 億立方フィートに増え
たが、91%は油田への再圧入あるいは焼却処理されていた。

アンゴラ政府はフレア抑制と随伴ガスの有効利用のため液化事業を志向。アンゴラ LNG が 2007 年
に最終投資決定 FID を行い、2013 年 6 月に出荷を開始した。原料ガスは沖合油田(Block 0、2、14、
15、17、18)の随伴ガス(最大 10 億立方フィート/日)である。事業者は Chevron(36.4%)、Sonangol
(22.8%)、Total(13.6%)、BP(13.6%)、Eni(13.6%)である。プラントサイトはザイーレ州ソヨ(Soyo)で
生産能力は 1 トレイン 520 万トン/年である。当初 2011 年前後に稼動開始予定としていたが、火災な
どのトラブル続きで出荷は 2013 年 6 月になった。

Sonangol はアンゴラ LNG の販売先について当初北米への LNG 供給を検討していた。米 Gulf LNG
Energy が手がける Pascagoula 港のガルフ LNG 受入基地(受入能力 1,100 万トン/年)の権益 15%を
取得した。しかし米国ではシェールガスの増産に伴い LNG の輸入量が当初見込みから大幅に減少
した。アンゴラ LNG は長期売買契約を締結しておらずスポットで販売することとなった。

2007 年に三井物産、日本郵船子会社 NYK LNG(Atlantic)LTD、カナダ Teekay Corporation が長期
定期傭船(LNG 輸送)契約を受注(4 隻×約 20 年)、LNG 船の積載容量 16 万 m3 で韓国サムスンが
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれ
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建造した。

アンゴラの LNG は出荷開始当初は需給緩和効果があると期待されていたが、現在のところ販売は
低調な滑り出しである。2013 年 6 月の出荷開始以降 11 月までに計 5 船をブラジル、日本、中国、韓
国向けに出荷したが、その後原料ガス供給パイプラインでガス漏れが見つかり、メンテナンスに入っ
た。2014 年 2 月に Chevron はホスト国のマネジメントの問題により 2015 年末までフル稼働には達し
ないという見通しを示した。2016 年 4 月に LNG 再出荷の予定である。
3.5 入札
① 深海・超深海鉱区入札(2015 年実施予定からの遅れ)
 2014 年 6 月 20 日、Sonangol は深海・大水深 12 鉱区を 2015 年に公開入札する計画を発表した。
バスコンセロス(Vasconcelos)石油相は世界石油会議(2014 年 6 月、モスクワ)において南部
Namibe 盆地 7 鉱区、北部 Lower Congo 盆地 5 鉱区を公開すると発言。アンゴラの 2014 年 6 月の
生産量は 173 万バレル/日で政府は 2015 年に 200 万バレル/日に増やす計画であった。アンゴラ
は政府財政の 45%を石油に依存しており、現在生産中の油田の減退を新規油田の開発で補う計画
と語った。12 鉱区は Namibe Basin の 7 鉱区(Block 11~13 および Block 27~30)および Lower
Congo Basin の Congo Fan 5 鉱区(Block 46~50)である。これらの鉱区における掘削実績はない。
しかし、2014 年半ばからの油価下落に伴い 2015 年の実施は見送られた。バスコンセロス石油相
は、2016 年 1 月半ば 15 鉱区を入札にかけたいと発言。12 鉱区に、3 鉱区(Block 43~45)を加え
たもの。Block 45 では、1997 年 ODP (Ocean Drilling Project)の一環として、2 坑(ODP1080A,
ODP1080B)掘削されたが、どちらも石油探鉱目的ではなかった。
② 陸上 10 鉱区入札
 アンゴラは 2014 年 5 月に陸上 10 鉱区(Lower Congo 盆地 3 鉱区、Kwanza 盆地 7 鉱区)を公開し
た。対象鉱区は Lower Congo 盆地が CON 1, CON 5, CON 6 の 3 鉱区ならびに Kwanza 盆地が
KON 3, KON 5, KON 6, KON 7, KON 8, KON 9, KON 17 の 7 鉱区。Kwanza Basin は人口密度
が高く 30 年以上内戦が行われていた。陸上の探鉱は過去には行われていたが低調であった。北
部陸上 Cabinda は重質油で市場価値が低いとみなされており、総じて陸上への関心は低かった。
しかし米 Cobalt の深海プレソルト鉱区(Block 20、21)における発見は 1960 年代以降探鉱が行わ
れていない陸上 Kwanza Basin に関心を呼び戻した。CON 1, KON 3, KON 5, KON 9 ならびに
KON 17 でプレソルトやポスト・ソルトのリードの可能性があるとされたのである。2014 年 9 月、
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Sonangol は Kwanza Basin の 4 鉱区(KON 2、4、11、12)を落札したと報じられた。
 2015 年 9 月、Sonangol は、Kwanza 盆地が KON 3, KON 5, KON 6, KON 7, KON 8, KON 9, KON
17 の 7 鉱区の落札後の探鉱条件を緩めた(750km2 の 3 次元地震探査 → 750km の 2 次元地震
探査)。Lower Congo 盆地の 3 鉱区(CON 1, CON 5, CON 6)についても、同様に探鉱条件を緩
め、入札期限を 2015 年 10 月 1 日とした。
 その結果、Kwanza 盆地の 7 鉱区、Lower Congo 盆地の 3 鉱区の内、KON 3 と KON 7 を除く 8 鉱
区が、2015 年 11 月 30 日に落札された。オペレーターは、SomOil(CON 1), Sunshine(KON 5),
Alfort Petroleum(KON 8), Soconinfa(KON 17)ほかと、石油開発の経験がほとんどない「アンゴラ
の地場企業」であった。Kwanza 盆地の 2 鉱区(KON 1, KON 11)では、Sonangol が地震探査を計
画している。
 2015 年に Sonangol が開発権を取得した Block: Block 02/15(2015 年 1 月、浅海)、Block 06/15
(2015 年 1 月)、Block 16/15(2015 年 12 月)、Block 20/15(2015 年 12 月)。
 2015 年 11 月、SomOil 社は、Soyo 南の陸上油田(Cabeca da Cobra, Ganda, Lumueno, N’Zombo
Complex, Quifuma, Quinfuquena, Quinguila, Sereia)の権益 16.33%を 900 万ドルで Chevron から取
得し、取得後の権益は 31.33%になった。油の日産量 8,500 バレル。2015 年 12 月 SomOil 社は、
日産量 1 万バレルを目指すべく、2 次元および 3 次元震探作業を計画した。同月 898km に及ぶ 2
次元震探作業を大雨のため中断した。
3.6 政府系ファンド
 2012 年 10 月、原油売却益を原資とする国家ファンド(FSDEA: Fundo Soberano de Angola)が設立さ
れた。本ファンドは 2008 年よりドス・サントス大統領によって進められ、2011 年の国会で承認。本ファ
ンドは原油売却益を原資とし,農業・電力・水・運輸セクターのインフラやホテル業をはじめ国内、国
外の様々な分野への投資に使われる予定。これら投資によって海外からの投資をさらに呼び込み、
国内産業を発展させ、石油依存型経済から脱却し、経済の安定化を図ることを目的とする。50 億ドル
を開始資金とし、10 万バレル/日の売却益を予算としている。2013 年以降毎年 35 億ドルが追加され
る予定。
 2015 年9 月5 日の FT(フィナンシャルタイムズ)によると、同ファンド Chairman の Filomeno Dos Santos
氏(ドス・サントス大統領の子息)は同ファンドの 3 分の 1 を現金や株式に、3 分の 1 をサブサハラ地
域に、3 分の 1 はアフリカ域外への投資を検討していると語った。
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3.7 汚職容疑
 汚職容疑で米国証券取引委員会 SEC と争う姿勢の米 Cobalt 社(Cobalt International Energy, Inc.)の
集団訴訟(Class Action):
2011 年に Cobalt 社がアンゴラで鉱区権益(Block 9、21)を取得した際、地元の Nazaki Oil and Gaz 及
び Alper Oil Limitada とパートナーになったことについて、”US Foreign Corrupt Practices Act.”違反に問
われたが、2014 年 8 月 Cobalt は同法を含む全ての法律を順守しており SEC の課金決定は誤っていると
指摘。Anti-corruption activist の Rafael Marques de Morais の指摘により SEC および the Department of
Justice が調査。Cobalt の提出書類によると 2011 年に同社がアンゴラで鉱区権益を取得した際アンゴラ当
局が Nazaki Oil and Gaz をパートナーとして指名。当時の Sonangol CEO の Manuel Vicente(現副大統
領)を含む高官 2 名が Nazaki 社の株を隠し持っている疑い。また、Block 9 の Loenga 坑井と Block 21 の
Lontra 坑井情報の偽証罪にも問われている。米腐敗防止法は外国(ここでは、アンゴラ)公務員への価値
の提供を禁じており数億ドルの罰金を課す。2016 年 3 月時点、Cobalt 社は一貫して無実を主張。Cobalt
社は 2015 年の会計報告で 4 億 9850 万ドルの純損失を計上した。
2015 年 8 月、Cobalt 社は深海プレソルト鉱区の Block 20 及び Block 21 の権益を Sonangol に売却し
た。2016 年 3 月、Block 9 の権益 40%全てを売却した。
4. アンゴラと日本との関係見通し

アンゴラは 27 年続いた内戦が 2002 年に終結した後、主に原油輸出のおかげで急速に経済成長し
た。今は、2014 年半ばからの油価下落の状況下、真剣に産業の多角化を進めなければいけない状
況にある。

アンゴラと中国との関係は、総額150 億ドルといわれる巨額の借款、それを原資とする鉄道・道路・住
宅ほかのインフラの建設・整備、そして生産原油の半分を輸出する先であるという、切っても切れな
い関係ではあるが、アンゴラには今後の産業多角化のために日本企業の技術力・人材育成力を導
入したいとの強い期待がある。

これまでも日本企業は石油開発権益(アンゴラ石油、INPEX)、FPSO(三井海洋開発)、自動車・重機
の販売(住友商事、豊田通商、コマツ)、セメントプラント(双日)、繊維工場のリハビリ(丸紅)などの取
り組みで高い評価を受けてきたが、2015 年 8 月に調印された第一号の円借款供与(2 億ドル)により
両国間の関係の緊密化は、さらに日本企業の後押しとなることが期待されている。特に 2016 年は日
本アンゴラ国交樹立 40 周年となる。
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日本企業側のアンゴラを見る目も積極化しており、2015 年 3 月に在京アンゴラ大使館とアンゴラ経済
省が主催して、首都ルアンダ市で開催したアンゴラ・ジャパン・ビジネス・フォーラムには、約 120 名
の参加があった。同年 12 月に㈱国際協力銀行(JBIC)にて在京アンゴラ大使館が主催したアンゴラ
ビジネスセミナーには同数程度の参加があり、関心の高さは継続されている。
5. 原油価格の下落に対するアンゴラ政府の動き
アンゴラは 27 年続いた内戦が 2002 年に終結した後、主に原油輸出のおかげで急速に経済成長した。
2002 年から 2008 年にかけてのアンゴラの石油開発ブームの間、世界銀行データによれば、GDP は年間
平均 15%も成長。しかし、GDP 成長率は、世界的な財政危機と油価下落の後、2009 年に 2.4%に減速。し
かし、油価がその後上昇に転じ、2012 年 5.2%、2013 年 6.8%まで回復。国際通貨基金 IMF によると、石油
輸出収益は 2012 年の総輸出収益の 97%を占めた。
しかし、2014 年半ばからの石油生産の停滞と油価下落は、アンゴラの経済に減速感を与えている。本気
で産業多角化を進めなければならない。EIA によれば、生産減少と年間平均の油価下落のため、2014 年
の石油輸出収益(インフレ未調整)は 240 億ドルとなり、2013 年より 30 億ドル減った。アンゴラの経済は石
油収益に依存するため、油価下落に弱い。2015 年度予算は年初早々組み直しを迫られ、2015 年 3 月に
油価を 40 ドル/バレルと置いて、当初予算比で歳出 30%減の修正を議会が可決した。7 月末には、2015
年の経済成長率見通しを 6.6%から 4.4%に修正した。
アンゴラ議会は、2015 年 12 月 11 日に 2016 年の予算基準油価を 45 ドル/バレルに引き下げ、原油生
産は日量180 万バレルとほぼ現状維持(2015 年平均日量177.2 万バレル)とする政府案を承認した。GDP
成長率は 3.3%(石油産業 1.5%、石油産業外 1.8%)、インフレ率 11~13%、前 2015 年比 5.5%の予算
減を想定している。原油価格の下落に対するナイジェリア政府の動きが注目される。
<参考資料>
・ JOGMEC 石油・天然ガス資源情報「西アフリカと大水深石油開発動向」、2015 年 5 月 18 日、伊原賢
・ JOGMEC 石油・天然ガス資源情報「IEA のアフリカのエネルギー見通し(“Africa Energy Outlook”)につ
いて」、2014 年 12 月 17 日、竹原 美佳
以上
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