平成 28 年度 全国保育士会 事業計画

平成 28 年度
全国保育士会
事業計画
~子どもの命を育み、学ぶ意欲を育てる保育の実現をめざして~
平成 27 年 4 月より、子ども・子育て支援新制度が施行され、子どもの教育・
保育とその家庭支援を一体的に推進する仕組みがスタートしました。
同年 12 月には、保育士をはじめとする保育の担い手の確保に向けた「保育の
担い手確保に向けた緊急的なとりまとめ」
(厚生労働省 保育士等確保対策検討
会)が示され、朝夕の保育士配置の要件弾力化、幼稚園教諭および小学校教諭
等の活用等が可能とされました。このことで保育士の専門性を明示し、より一
層向上していくことが必要となってきました。
社会保障審議会児童部会保育専門委員会では、平成 30 年度施行をめざし、保
育所保育指針改定に着手しました。保育の専門性を踏まえた検討を行い、社会
状況の変化に伴う保育・子育て支援のさらなる充実を織り込むこととされてい
ます。
一方、
「子どもの貧困」や「児童虐待」が社会的に大きな問題となっています。
貧困状態にある子どもとその家庭は、社会的に孤立しがちであり、必要な支
援とつなげることが極めて重要となっています。
また、平成 26 年度に児童相談所が対応した児童虐待件数は、8 万件を超えま
した。私たち保育に携わる者は、子どもの命と健やかな育ちを守るため、保護
者とより良い協力関係を築きながら対応していくことが求められています。
本年度、全国保育士会として、保育の専門性を確立するとともに、一層の向
上を図るため、次の事業を進めてまいります。
本会の組織強化方策の一環として平成 27 年度に設置した「保育の言語化等検
討特別委員会」では、養護と教育が一体となった保育について、保護者や地域
社会にとって分かりやすい具体的な表現(言語化)での整理を進めており、平
成 28 年 6 月を目途にその検討結果をとりまとめ、保育に対する理解の深まりを
促進してまいります。
同じく「保育士等のキャリアアップ検討特別委員会」では、保育士の専門性
や園長資格としての位置付けについて提言すべく、検討を継続して進めます。
保育士が誇りとやりがいを持って長く働き続けることができるよう、新たなキ
ャリアアップの道筋について検討を進めており、平成 28 年度内に検討結果を取
りまとめる予定です。
また、都道府県・指定都市保育士会から会員名簿をデータでご提出いただき、
会員一人ひとりが明確な組織とすることによって、組織強化方策の遂行を進め
てまいります。
東日本大震災被災地の保育士のことを常に念頭に置き、継続した支援を行っ
てまいります。
平成 28 年度は、全国保育士会組織創設 60 周年にあたります。この 10 年間の
組織の歩みを振り返り、今後に生かします。
こうしたことをふまえ、平成 28 年度は次の4つの柱に沿って事業に取り組み
ます。
【保育士会事業の大きな柱】
1. 子どもの豊かな育ちを実現するための取り組み
2. 保育の専門性と質の向上のための保育士会組織・事業の強化と拡充
3. 養護と教育が一体となった保育に対する保護者・地域社会の理解促進のた
めの取り組み
4. 東日本大震災被災地保育士の支援