26.民話・童話 固まった頭をほぐすのに必要なのは、肯定的に積極的に

26.民話・童話
固まった頭をほぐすのに必要なのは、肯定的に積極的に受けとめる心、童心。童話の面
白さを探検していただきたい。
1. 「子どもに聞かせる世界の民話」矢崎源九郎編・実業之日本¥2500 '64
滝
81 の民話を収録。
・サルのきも 13-15p
ワニがサルの生きぎもを食べると奥さんの身体が治るときいて、サルをだましてつか
まえる。サルはイチジクを持ってきて生きぎもだといってワニにわたす。それを食べる
と治ってしまう。日本にも類話がある。
2. 世界民話の旅 7「中国・東南アジアの民話」さえら書房
'70
・クマたいじの勇士 ・どろぼうと気ちがい村 ・竜のよめさん
ア文
3. 「世界のむかし話集・下」山室静編・社会思想社 '71
外
・金のハゼ(継母の娘いびり物語)
・夢の話(人が夢を見るのは、自分の魂が鼻の穴から外へ出て好きな場所で遊んで来る
又、魂が長く帰ってこないと病気になってしまう物語)
4. 「現代アジア児童文学選③ サンゴ礁軍団」東京書籍¥2000 '73
・ねこを捨てれば: ヌットノ-イ・マハ-ノン 57-71p
アラ
5. 「アジアの昔話1」ユネスコ・アジア文化センタ-編・福音館書店 '75
・タイ マカトのたから貝
71-87p
6. 「アジアのお祭り2」ユネスコ・アジア文化センタ-編
・タイのロ-イ=クラトン祭り
講談社¥980 '76
ユ
7. 「タイの昔話」吉川利治・赤木功編訳 三弥井書店¥1800'76
日
本書はタイ文部省芸術局編「民間説話」の第一部、第二部を邦訳したもの。
収集された 24 県の内 9 県の昔話を紹介している。又、良風美俗に反するものは省かれ
ている。訳者が巻末に「タイの歴史と文化」を書いて昔話の背景を概説している。
8. 「世界の民話 アジアⅡ」小沢俊夫編訳・ぎょうせい¥1500 '77
本
・タイ 119-232p
キラキラ光る小さなひよこの星(じいさんばあさん二人暮らし。祭に供えるものが他
にないので母鶏が殺されることになる。それを聴いた母鶏が、前夜6匹のひよこたち
に死んだ後のことを教え諭す。煮え湯の中に投げ込まれる母鶏を見たひよこたちは一
緒に飛び込む。やがて母鶏とひよこ達の強い愛の力が働いて皆星に生まれ変わる。)
猿、ライオン、白象、鳥、蛇、虎といった動物が主人公になったリアルな話が多い。
悲惨、悲恋、懺悔が重要な関心事であることが民話を通して伺える。
9. 「新編世界むかし話集 8 中国・東アジア編」山室静編著・社会思想社¥400 '77
世界の代表的な昔話 500 余編を国別に 10 冊に分けて収録。
・タイ 210-233p
金のハゼ、夢の話、ヒヨコ屋、小さい割籠
本
10. 「アジアの昔話4」ユネスコ・アジア文化センタ-編・福音館書店¥840 '78
YT1,80
国
11. 「世界の民話劇」洋々社¥1200
国
'79
12. 世界むかし話 11 東南アジア「象のふろおけ」ほるぷ出版 '79
KH15,31
¥1550
13. 「世界の民話 第 12 巻」研秀出版
外
タイ 57-88p
・カラスのごとくすばしこく女のごとく大胆に(女の手練手管は、牛車500台あると
いわれていることの実例物語)
タイ人の人生観は、如何に自然に順応するかを考えるところから始まり、現実的に、
臨機応変に対処しようとする。
14. 「ものぐさ成功記・タイの民話」森幹男編訳・筑摩少年図書館 50¥1200 '80
Y7,8346
15. 「タイ古典文学名作選」富田竹二郎編訳・井村文化事業社¥1900 '81
古典 16 編の要約。
国
日
16. 「アジアの昔話6」ユネスコ・アジア文化センタ-編・福音館書店
・みどり色の子犬
35-51p
17. 「わたしの村 わたしの家-アジアの農村」ユネスコ・アジア文化センタ-編・福音館¥980 '81
アジア 15 カ国の人々の生活を紹介する。
・タイ
32-35p
18. タイの民話「おしゃかさま
ものがたり」パニヤ・チャイヤカム絵・ほるぷ出版 中
¥1200 '82
世界民話絵本シリ-ズで、釈迦の前世物語。僧侶がよく話して聞かせておりタイ人な
ら誰でも知っている。自己犠牲があってこそ他の人が幸福になるという信仰が一つの比
喩として語られている。
19. 「現代アジア児童文学選1」東京書籍¥1200 '82
外
・たまご割りあそびのチャンピオン:マ-ノップ・ケオサニット作 173-183p
ジュ-クはお寺の縁日に友達3人と出かけアヒルの卵を打ち合わせて割れなかった方
が勝ちというゲ-ムをする。父親から教わった茹で方で次々と勝って卵割りの名人に
なる。
20. 「現代アジア児童文学選2」東京書籍¥1200 '82
外
・ノイのくじらつり:ウィリア-・シリシン作 189-199p
バンコクに住むノイは、友達と子守ねえやと一緒に運搬舟で沖合に出てエビを餌に釣
りをする。一番大きな魚を釣った者を優勝とした。生まれてはじめてのノイの糸にか
かったのは鯨ではなく古ぼけた籠だった。
21. 「アジアの民話」君島久子・講談社¥1200 '82
'80 年から読売新聞に「アジアの民話」と題して連載されたもの。
・金の孔雀(タイ民間故事集より)131-4p
本
22. 「メイド イン 東南アジア」塩沢美代子・岩波ジュニア新書¥580 '83
駒
副題: 現代の「女工哀史」。アジア各地の女子労働者の苛酷な実態を報告している。
・「団結」をめざしての語らい(タイ) 143-153p
23. 「タイのお百姓さん」文・絵クリク・ユ-ンプン蝸牛社¥1200 '84
本
ユネスコ・アジア文化センタ-主催野間自動絵本原画コンク-ル入選作
*田んぼには、ねずみや鳥たちから作物をあらしにくるので、お百姓さんたちは、かか
しをつくっておいはらいます。
*お彼岸には、庭をよくはききよめ夜あけにやってくるお坊さんたちに、お米をさしあ
げ豊作のおれいをします。
24. 「世界子どもの歴史 10」アジア 第一法規出版¥2600 '85
・タイの子ども 権藤与志夫、小野沢正喜 117-174p
滝
25. 「タイ・ラオス・ベトナムの昔話 いたずら物のパオロ-」小峰書店¥1500 '86 滝
・タイの昔ばなし
13-78p
#精霊と人間 #ふしぎな水がめ #欲ばりな三つの動物 #竜の妻
#力持ちの象の子 #竜をほろぼした人 #ずるいやつをこらしめる
タイやラオスの昔話には森の動物や竜・鬼といった想像上の動物、水牛や犬、オウム
等のように人間と暮らしてきた動物が登場する。
正月は祖先に会うための日となっており、祖先からエネルギ-を吸収する日。
26. 「沼のほとりの子どもたち」テ-プスィリ・スクソ-パ-偕成社¥1600 '87○
豊かなタイの自然を背景に、みずみずしい少年群像を描いた長編。
自然と動物の観察が絵画的で心が洗われる。
日
27. 「アジアの笑いばなし」松岡享子監訳・東京書籍¥1648 '87
現代アジア児童文学選
・どちらがまぬけ? 41-43p
・トン大僧正
217-223p
本
28. 「タイ-マナと緑の大地」世界の子どもたち 24 折原恵・偕成社¥1450 '88
本
タイ北部スコ-タイ県サワンクロ-クにある小村に住む 11 歳マナ少年の生活振り。
毎朝 7 時前にお坊さんに食事の施しをすると托鉢僧は短いお経をとなえてくれる。
サイヤイ小学校は、8 時 15 分の朝礼では合掌する。5 年生から英語がはじまる。
家は果物や野菜をつくって生計をたてており、弟と一緒に家事を手伝う。
29. 「サムル-ン:工場で酷使されるタイの少年の物語」明石書店¥600 '88
アラ
児童財団・児童権利擁護センタ-作。スリン県プラサ-ト郡バ-ンサイ村出身の若者
がバンコクに働きに出て死んでいく実話を劇画したもの。
30. 「世界むかし話・東南アジア」光吉夏弥訳編・ほるぷ出版¥1550 '89
・ひとしずくの蜜
・大きいぼうさんと小さいぼうさん
・世界一大きなワニ
・クマたいじの勇者
・王さまの秘密
・マノラ姫
・オウムはなぜ教わったことしかしゃべらないか
滝
31. 世界のむかし話 10「タイのむかし話し」吉川利治編訳・偕成社¥1500 '90
中
・ストン王子とマノ-ラ-姫
9-25p
浦島太郎と七夕の話に似ている。
・悪口は水に流して
26-34p
年老いた人をいたわり、修行した人を尊敬し、動物をかわいがる気持ちを魚にして
人のあらさがしをする声に振り回されたあげく、人の悪口を水に流すことにする。
・よくばりなねえさん
35-49p
タイでは末娘が両親と住み世話する代わり、最も多く財産を相続する。この話は、
姉が欲張りな為に蛇に殺される。
・ティッチュ-じいさんのどぶろく
50-59p
タイでは酒を勝手に作ることは禁止されているので、ティッチュ-じいさんは、竹
柱の中に隠していた。この秘密をつい若者に洩らした為捕まってしまう。
・チョ-ンとチュ-ム
60-73p
「高い所ではうつぶせに寝て低い所では仰向けに寝よ」という教訓を生かして成功
した若者二人の物語。
・王さまのかさ
74-81p
蟻とキリギリスの話に似ている。
・弓の名人 マン
82-95p
・おとうさんのいうとうり
96-107p
・カラスのはねが黒いわけ
108-112p
・死からはにげられない
113-119p
・トラになったマ-じいさん
120-133p
カンボジア国境に接するカオサミン(虎の王の山)という地名の由来を語る伝説。
・いたずらシンとコン先生
134-149p
32. 「夜明けのうた」ミンフォン・ホ-佑学社¥1300 '90
日
'SING TO THE DAWN' by Minfong Ho '75
その日の朝、少女タワン(太陽)と弟のクウェ-(川)は、期待に胸をはずませて
学校へ向かった。都会の学校で勉強が続けられる奨学金の発表があるのだ。両親はク
ウェ-に期待をかけていたが、一番になったのはタワン。・・・タイの農村を舞台に
した少女の自立の物語。
33. 「世界の国ぐに・民話と風土⑪」学習研究社 '90
ミャンマ-・タイ・ベトナム・ラオス・カンボジア
滝
・四つのなぞなぞ
・鼠年が十二支の最初の年になったわけ
・恩知らずの犬
’
・アユタヤ-の若獅子 タ-クシン
・郷に入れば郷に従え
・プラ/ルワンのことば
’
’
34. 「アジアに生きる子どもたち」松井やより・労働旬報社¥680
91
日
85 年に法律化され、違反すると罰金がとられるようになる迄、バンコクでは、子ども
が
街頭で花や新聞等の物売りをして交通事故に会い障害児になるケースが多かった。
著者は 80 年秋マニラでストリート・チルドレンの苛酷な状況を見て以来、路上生活児童労働や児童
買春の問題を取り上げている。
35. 「空の民の子どもたち」安井清子・社会評論社¥2060 '93
都
曹洞宗国際ボランティア会によるバンビナイ難民キャンプの図書館活動に従事しなが
ら、モン族の世界及び子どもとの交流を書いている。チャオファ-「空の民」とは、モ
ン族が信ずる空の神に祈って戦う人のこと。ラオスの内戦によってタイに一四万人さら
に欧米やオ-ストラリア等に一〇万人移住している。
36. 「アジアの友だち」杉谷依子編・ブレ-ンセンタ-¥1063 '93
・私のタイはパクチ-の味:春野みさき 87-114p
小学 6 年生のタイ旅行記。
本
36. 「いま、アジアの子どもたちは・・」吉田ルイ子・ポプラ社¥1600 '93
滝
著者はフォトジャ-ナリストでハ-レムに住んでの写真作品が衝撃を呼ぶ。ベトナム
戦争でアジア人として自覚、ベトナムの戦争孤児と暮らしたりカンボジア、タイのスラ
ムを取材する。
・タイの' スラムの天使' プラティ-プさん 111-138p
・対談: 秦辰也+吉田ルイ子 139-176p
37. 「はじめてであう世界の名詩 10」桜井信夫編著・あすなろ書房¥1600 '94
滝
・かに : ファイブ-ン・リ-スワ 38-41p
小さいかに つかまえろ
大きいかに ひっつかめ
満月のばんは かにをとりに行こう
風はさわやか 波はおだやか
海のかには 大きなはさみだよ 海は遠いからかにも うちのたんぼで飼いたいな
恋をつかむのも かにをつかまえるのも やさしくはないよ やさしくはないよ
いそがなきゃにがしちゃう 恋はかにより もっとすばしこいから どちらも
つかまえようなんて けっして よくばらないことよ
38. 「アジアの子ども」アジア保険研修財団・明石書店¥1600 '94
・ぼく働くよ-タイ: 27-36p
児童労働を取り上げている。14 歳以下で働いている子どもは、約 100 万人。
日
39. 「アジアからの春風」ユネスコ・アジア文化センタ-編・講談社¥2600 '95
滝
英語版'THE LAST TICKET and Other Series''THE WALL and Other Series' の翻訳。
アジア 20 か国からの現代文学作品でそれぞれの国で逞しく生き、悩み、戦っている人々
を生き生きと描いている。
・いちばん明るい夜(THE NIGHT FULL OF LIGHT):Ma Van Khang 270-299p
40. 「はたらくアジアの子どもたち」佐竹庸子・岩崎書店¥2800 '95
滝
アジアを考える本③
・タイの子どもたちは今・・・ :金原 隆
29-53p
'76 年頃から日本のアニメがタイのテレビで放映され評判となりサンリオのキャラク
タ-商品がバンコクのデパ-トで売られている。経済的に豊かな家庭の子供は家庭教師
について自家用車で学校に通うが、他の子供達は交通渋滞のため朝五時には満員のバス
に乗っていく。児童への長時間労働・暴力・賃金未払いの容疑で'91.10.31 に紙工場が
'94.5.30 にGパン工場が摘発されている。終わりに子供自身が「もの」のもつ魅力にひ
かれるあまり自分自身を売ってしまう児童売春の問題を指摘している。
41. 「お祖母さんの木の遺産」ティップワ-ニ-・サニットォオン段々社¥1500 '95 日
お祖父さん(クンタ-)とお祖母さん(クンヤ-イ)の子ども時代(1910-1935) につ
いて書かれたもので、当時の暮らしが良くわかる。タイ・ユネスコの「優れた子供の本
」に選ばれている。
42. 「世界各地のくらし3・タイのくらし」文・写真渡辺一夫・ポプラ社¥1500 '95
タイについての紹介の他、日本人学校生徒の作文を掲載している。
本
43. 「聖バレンタインデ-の心中」立原えりか・原生林¥1500 '96
日
幼なじみで三つ年下ジャズダンス教師の水王君と婚前旅行にタイを選び、サイアムイ
ンタ-コンチネンタルホテルに泊まる。バレンタインデ-の日に彼は首吊り自殺、スイ
レン姫のもとに行ってしまう。・・・著者の思い入れの場所に事件が続いていく。
滝
’
44. 「アジアの昔話」1. 2こぐま社各¥1600 '97
ユネスコ・アジア文化センタ-編「アジアの昔話 1-6 」を再編集したもの。
’
45.「おぼうさんになった少年ピタック」田村仁・草土文化社¥2500 98
真砂
中部タイの貧しい農家の少年が小学校を卒業後、バンコクのお寺で得度式を済ませ、
朝の托鉢やお寺の学校で学ぶ。
46.「NHK地球たべもの大百科8・タイ」ポプラ社¥2600 01
滝
小・中学生向けのタイ案内。トムヤンクンの作り方、日本との関係などを書いている。
’
‘
47.「ガジュマルの木の下でー26 人の子どもとミワ母さん」名取美和・岩波書店¥1700+税
02
台東区
1999 年にジョルジオアルマーニ日本の資金援助をもとにHIV感染症で両親を亡くし
た施設「バーンロムサイ(ガジュマルの木の下の家)」がチェンマイ市のはずれにある
ナンプレー村に開設され、著者はその代表者となる。
48.「奇跡の名犬物語」プーミポン・アドゥンヤデート国王・世界文化社¥1300+税 06
滝野川
プーミポン国王が地域犬でバセンジー(吠えない、体臭がない、堂々としているのが
特徴)の雑種だった子犬を引き取り、トーンデーンと名づけて育てたお話。消費社会
になって殺伐とした人間関係が横行している中で国民に他人への感謝などの基本的な
倫理をもつように訴えている。