平成24年度スマートコミュニティ構想普及支援事業 成果報告書(要約版) 1.補助事業者名:株式会社日立製作所 2.対象地域:茨城県日立市 3.補助事業の名称: 日立市におけるスマートコミュニティ構築とライフスタイルへの波及効果に関する調査 4.内容 4-1.目的 日立製作所と日立市は、全国でも有数の「工業都市」である日立市の特性を生かし、「日立市未来都市モデル プロジェクト」において、企業・工場が既存エネルギーと再生可能エネルギー等を活用して、省エネ・低炭素な 環境で工業振興を牽引するとともに、災害時にも企業の生産活動・地域住民の生活を維持できる方策を検討 している。本調査事業は、 「スマート工業都市」実現に向けて、日立市におけるエネルギーマネジメント システム(EMS)とその運営事業体(以下、EMS運営事業体)が、エネルギー以外でも地域の課題解決のために 行う新たな市民生活サービスと、その提供による市民ライフスタイルへの波及効果を調査するものである。 4-2.調査内容 (1)日立市におけるエネルギーマネジメントシステム(EMS)の検討 日立市内の公共施設、日立製作所およびそのグループ企業等における再生可能エネルギーの利活用状況を 調査し、東日本大震災における教訓を生かして、災害時の一定期間、エネルギー面で自律できる仕組みを構 築するEMSとEMS運営事業体の構想を策定した(図)。 PV・蓄電池 PV・蓄電池 避難所 交流センター 交流センター 発電 避難所 PV・蓄電池 電力使用量・ 電力使用量・発電量 の見える化 える化 発電 EVによる EVによる電力搬送 による電力搬送 EMS運営事業体 EMS運営事業体 交流センター 発電 避難所 *各拠点でも、全体のエネルギーを見える化 発電 図:「災害時のエネルギーマネジメント」イメージ (2)市民のライフスタイルへの波及を促す生活サービスの検討 EMS運営事業体が、EMS以外でも地域の課題解決のために行う新たな市民生活サービスについて検討した。 スマートコミュニティ構築による「市民のライフスタイルへの波及を促す生活サービス」として、以下の5つの サービスについて、サービス内容、事業スキームと採算性、および実現に向けた課題を調査した。 ①「市民ファンドで実現する再生可能エネルギーの普及促進」 ②「市民の活動・交流促進拠点としてのコミュニティカフェ」 ③「新たな生きがい・雇用を創出する植物工場」 ④「高齢者をはじめとした地域の安心・安全のための見守り」 ⑤「EVカーシェアリングとテレマティクスを利用した地域交通の最適化・CO2削減」 4-3.まとめ 本調査により、EMS事業体が新たな生活サービスを提供することで市民のライフスタイルへの波及に対し、一定 の効果を促すという認識に至った。市内関係機関と連携し、今後の事業化に向けて継続的に検討していきたい。
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