乳腺・内分泌外科

乳腺・内分泌外科
1.目的と特徴
外科後期レジデントローテーションコースのプログラムに則り、各科をローテーション
し手術手技の向上ならびに外科一般の基本的な知識・診療能力・手技を身につけ、後期
レジデント期間に外科専門医を取得するに十分な修練を積むことが第一の目標である
と考えている。特に当院の外科各科は国内有数の手術症例数を誇っていることから、充
実した外科研修が可能となっている。
特に乳腺外科を専門と志望する場合は、後期 3 年目に乳腺内分泌外科や腫瘍内科、病理
診断などを重点的に研修し、医師 6 年目以降に乳癌学会乳腺認定医・乳腺専門医が取得
できるよう、手術を中心として画像診断・病理診断・薬物療法・緩和医療と幅広く習得
できるよう十分な修練を行う。(各学会に所属すること)
将来の進路については本人の希望を重視するが、未定の場合は部長や指導医が相談を受
け、医学博士を含めた各種資格取得など各々が Vision を持ってキャリアを詰めるよう
に具体的な提案を行っている。
2.内容
研修
3年目
外科各科
(1年次)
4年目
(2年次)
5年目
ローテーション
後期
外科各科
レジデント
ローテーション
マンモグラフィ読影資格取得
乳腺・内分泌外科 4-6月 :外科専門医予備試験申請(満4年)
(3年次)
腫瘍内科
病理診断科
6年目
8月
:筆記試験
10月 :合否通知
4-6月 :外科専門医認定試験申請(上記+手術経験)
虎の門病院フェローへ進級
11月 :面接試験
または
12月 :合否通知
大学などの他施設
7年目
資格取得(申請資格)
1月
:乳腺認定医申請(外科専門医、認定施設2年)
(最近の入局先:東京大学・大阪大学・
6月
:認定医合格通知
聖マリアンナ医科大学など)
7月
:乳腺専門医申請(医師7年目以降、乳癌術者
100例、論文1編など)
10月 :乳腺専門医筆記・口頭試問
1-2月 :合格通知
3.到達目標
Ⅰ
後期レジデント 1~2 年次(医師 3~4 年目)の 3 カ月到達目標
◎経験することが期待される手術:3 カ月で術者 30-50 例
術者:乳房部分切除術・乳房切除・センチネルリンパ節生検・腋窩リンパ節郭清(乳腺外
科領域)、甲状腺全摘/片葉切除術・副甲状腺摘出(内分泌外科領域)
(1) 乳癌症例の診断、治療、経過観察の一連に、責任を持って担当できる。
(2) チームの統括的マネージメントが行え、後輩に指導的立場として、各診療の場面でア
ドバイスができる。
(3) 画像診断が出来る:マンモグラフィ読影資格取得(精中委 A-B 判定)、超音波検査実
施、MRI 読影など。
(4) 臨床テーマを中心に学会発表を行い、質疑応答で意見を述べることができる。
(5) 各種研究会・学会に積極的に参加し、医学の進歩にあわせた自己研鑽を行う。
Ⅱ
後期レジデント 3 年次・フェロー(医師 5~6 年目)の到達目標
◎経験することが期待される手術:後期レジデント 1~3 年次で術者 100 例
術者:乳房部分切除術・乳房切除・皮下乳腺全摘・センチネルリンパ節生検・腋窩リンパ
節郭清(乳腺外科領域)、甲状腺全摘/片葉切除術・副甲状腺摘出(内分泌外科領域)
(1) 診断・治療においてリーダーとしての任務を遂行し、当科のチームの顔として各職種
(チーム医療)との連携やマネジメントができる。
(2) 外来医として初診患者の診療計画を樹立し手術や薬物療法など責任を持って実行す
ることが出来る。
(3) 基本的な病理診断ができる(組織型、異型度などの評価)。
(4) 臨床試験・治験を理解し、患者を担当することが出来る。
(5) 自主研究(臨床試験)を計画し、遂行、学会発表や論文執筆など学術活動を行うとと
もに、後輩の指導・育成ができる。
(6) 国際学会への参加を通し、世界的視野からわが国の情勢を理解できる。
(7) 社会的役割(検診への協力、市民への啓発など)を担い、住民啓発・病診連携・地域
学術講演会などを企画できる。