消化器外科 <後期研修 カリキュラム> 多くの症例が経験できます ●研修の一般目標 外科医としての基礎知識と技術を習得し全身状態の的確な把握と救急疾患への迅速な対応 ができる能力を身につけること、また外科専門医を目指して、より専門的な知識と技術を 取得しすることを目標とする。 消化器外科全般について基礎的技術から最新の治療まで幅広く学べます。 食道癌手術・胃癌手術・肝切除・膵切除・大腸肛門手術など多くの癌の手術が行えます。 大腸肛門病領域では特に大腸癌・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、および肛門 疾患(痔核・痔瘻・裂肛など)の専門病院としての多くの症例が経験できます。 ●到達目標 1. 外科専門医として的確な臨床診断能力を有し、各疾患に対し必要十分な外科治療を行う。 2. 患者及び家族に対し、納得と安心を与えるコミュニケーション能力を有する。 3. ナースやパラメディカルと共にチーム医療を実践すると共に、治療の中心となりチーム を指導できる。 ●指導医より ○大腸癌 大腸疾患は食生活の欧米化により、年々増加しています。直腸癌に対 しては出来る限り直腸低位前方切除術を行い、人工肛門を造らないよ うな手術を行っています。超低前方切除術、ISR(内肛門括約筋切除 切除・自然肛門温存術)も症例に応じて行っています。人工肛門を造 らなくてはならなくなった場合でも、専門スタッフが対応し、 QOL(生活の質)を考えた指導を行っています。また最近では、約半数 で腹腔鏡下での手術がなされており、常に根治性、より QOL を考え 大腸肛門病センター のもとで最先端の化学療法(FOLFOX,FOLFIRI,アバスチン,アービ センター長 梅枝 タックス,CPT-11,S-1,UFT/LV,など)が行われています。平成 20 年 覚 (昭和 53 年 た最先端の治療が行われるよう努力しています。また専門スタッフ 三重大卒) 1 月~12 月の手術症例は、大腸癌・直腸癌手術 91 例、潰瘍性大 腸炎・腹腔鏡補助下大腸全摘術 27 例、クローン病・腸閉塞・など・ 小腸結腸良性手術 141 例が行われています。 ○IBD(潰瘍性大腸炎およびクローン病) IBDの現在治療中の患者数は、潰瘍性大腸炎 約 450 名(治療中)で、顆粒球除去療法、 腹腔鏡補助下大腸全摘術が行われています。クローン病は、約 250 名が治療中です。臨床 においては、また医師、看護師、薬剤師、管理栄養士と共に治療チームをつくり最善の医 療に取り組んでいます。 ○痔疾患(痔核、痔瘻、裂肛、直腸脱、排便傷害など) 痔核、痔瘻、裂肛は根治手術を行うのはもちろんですが、より根治度の高い、疼痛の少な い、機能を温存した手術、入院期間の短い手術を心がけています。痔核の手術には、従来 の結紮切除手術以外にも、最近行われる様になった、より痛みの少ない痔核硬化療法(四 段階注射療法.ALTA 注射) 、および PPH(肛門環状自動縫合器を用いた痔核上の直腸粘膜 切除、肛門つり上げ固定術)が適応病状に応じて選択できます。痔瘻はどんな複雑な症例 にも根治手術を施行しており、県外からも多く紹介されてきます。 ・ 大腸癌、IBD(炎症性腸疾患) 、痔疾患共に、当院では最先端医療研究チームをつくり、 豊富な臨床症例と共に国内外ともに年間 30 件以上の多くの研究発表および学会活動をして います。 ・大腸・肛門病・IBD疾患の専門を目指す多くの医師と一緒に働けることを期待してい ます。 当院外科の 08 年度の年間手術症例数は 1,349 例で、大腸を始 め、胃、肝胆膵、乳腺など幅広く満遍なく学べます。一人前の 外科医には知識と共に技術の習得が必要です。自らの手で多く の症例を経験することで、はじめて身につくのが技能です。消 化器外科指導医・専門医、大腸肛門病専門医が皆様の指導に直 接当たります。後期研修は、どっぷりと臨床経験を積みたいと 主任外科部長 北川 達士 お考えの方、大歓迎です。是非一度見学にお越しください。お 待ちしております。 (昭和 56 年 三重大卒) 現在の医療では、豊富な臨床経験による優れた治療成績が要求 されます。また、様々な病態に応じて、エビデンスに基づいた 治療が要求されるため、医師は情報収集など、日々の努力が必 要になります。消化器外科も例外でなく、エビデンスに基づい たレベルの高い手術が要求されます。当院では外科を中心に大 腸肛門病・IBD センターを併設し、大腸疾患とくに炎症性腸疾 IBD センター センター長 山本 隆行 (平成元年 三重大卒) 患に力を注いで診療を行っています。外科的には、腹腔鏡を用いた患者さんの満足度の高 い手術を行っています。勿論、術前術後の内科的治療も外科が中心に行っています。研修 医の方は、炎症性腸疾患に関して総合的なレベルの高い治療を学ぶことができると信じて います。 ●当院の特徴 三重県の中核都市である人口30万の四日市市に位置し、当病院の他、年間12万人の健 診業務を営む健康管理センターと特別養護老人施設を併設しています。大規模な健診施設 を有しているため、乳腺エコーやマンモグラフィ-、胃カメラ、胃透視、注腸透視、大腸 内視鏡などの検査数は多く、短期間に豊富な症例を経験できます。 平成20年度の手術数では、特に大腸癌をはじめ潰瘍性大腸炎・クローン病、さらに痔核・ 痔瘻などの肛門疾患も多いため、IBD・大腸肛門病センターを開設し、最新の治療を提 供しています。 大腸手術では腹腔鏡手術を積極的に導入し、今後更に適応症例の拡大を図っていく予定で す。 最近急増している乳癌の診断に対しては、doppler・elastgraphyUSをルーチンに行い、手 術に対しては、術前にMDCTによるCT lymphography を行い、術中にPDEを用いて 積極的にセンチネルリンパ節生検を行っています。 外科に興味があり、高い志をもたれている方は、是非一度見学にお越し願いたいと思いま す。 ●後期研修プログラム 症例豊富な指導医のもと積極的に実地研修を行ってもらいます。術前の検査を初め、手術・ 術前術後管理、患者や家族への説明なども行ってもらいます。また様々な相談相手として メンター制を置き、少しでも有意義な外科研修を遅れるようサポートします。研修プログ ラムは研修医の希望に沿い、診断中心、病棟実習中心、手術実習中心など配慮します。 ●実習内容 ○術前術後管理 輸液管理、vascular access(CVC)、人工呼吸器管理 ○検査担当 胃カメラ、大腸内視鏡検査、胃透視、注腸透視、小腸透視 ○術者研修 日帰り手術(アテロームなど) 、鼡径ヘルニア、虫垂切除術 ○主治医として研修 腹腔鏡下・開腹胆嚢摘出術、乳癌・大腸癌・胃癌手術、腹腔鏡下大腸切除術、痔瘻・内痔 核手術、膵・脾合併胃全摘、直腸低位前方切除術・腹会陰式直腸切断術 ○但し、研修医の希望により、外来診断中心、病棟管理中心、手術実習中心など プログラムの変更を考慮します。 手術実習については研修医の習熟度に応じて、術者になっていただきます。 ●週間スケジュール 時間 月 火 水 木 金 8:30 点滴 点滴 点滴 点滴 点滴 病棟管理 病棟管理 病棟管理 病棟管理 病棟管理 指導医報告 指導医報告 指導医報告 術前検討会 9:00 13:00 内視鏡(上部) 手術実習 手術実習 内視鏡(上部) 手術実習 レントゲン検査 麻酔実習 麻酔実習 レントゲン検査 麻酔実習 病棟管理 病棟管理 病棟管理 病棟管理 病棟管理 外科手術 手術 手術 内視鏡(下部) 内視鏡(下部) 麻酔 麻酔 術後管理 術後管理 19:00 ●スタッフ 外科医7名 日本消化器病学会専門医 1 名、 日本消化器内視鏡学会専門医 1 名、 日本大腸肛門病学会指導医2名、同専門医3名、 日本消化器外科指導医2名、同専門医4名 ●症例数 ・潰瘍性大腸炎 480 例(当院加療中) ・クローン病 280 例(当院加療中) 《外科の年間手術症例数 1,349 例》 ・大腸肛門悪性疾患根治術 94 例 ・胃十二指腸悪性手術 32 例 ・腹腔鏡手術 40 例 カンファレンス
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