2015年6月1日 プロジェクトチームと労働法

くちきデイリーニュース
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2015 年 6 月 1 日(月)
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時代錯誤の労働行政が基本原因と言えます。
プロジェクトチームと労働法
企業が創造的な開発業務を行なう場合、
自社が保有する技術を補完するため、外部
の企業、専門人材を集めてプロジェクトチ
ームを編成する必要が生じます。
このようなプロジェクトチームでは、専
門人材が自由にコミュニケーションを行な
い、合意形成を図りつつ成果物を開発する
組織運営が不可欠です。
プロジェクトチーム活動の障害
問題回避の方策は合同会社の活用
この問題回避の方策は合同会社(LLC)を
活用してプロジェクトチームを編成するこ
とです。その実務的要点は次の通りです。
① 企業が創造的成果物を開発する目的で
合同会社(LLC)を設立し、そこに開発
業務を委託する。
② 開発業務委託企業と外部の専門人材(企
業、または個人事業主)を合同会社(LLC)
の代表社員・業務執行社員として登記す
る(外部人材は合同会社と業務委託契約
しかし、現実には労働局の指導、監督に
より、業務委託企業・受託企業の従業員間
で、間仕切り、配席区分が行なわれ、専門
人材間の自由で創造的な直接コミュニケー
ションが行なえず、機能不全が生じていま
す。この状況は、人口構成の高齢化や少子
化に伴う課題先進国であり、創造的課題山
積国である日本にとって、開発力の基本を
脅かす重大問題で、国際的開発競争力の問
題でもある障害です。
の上、業務執行社員となる)。
③ 合同会社(LLC)には定款自治が認めら
れており、定款で、代表社員・業務執行
社員間の直接コミュニケーションによ
る合意形成、その結果を尊重した代表社
員による成果物の承認、決定の組織運営
方法を定めて業務を執行できる。
障害が生じた基本的な原因
約に伴う労働法・税法上のコンプライアン
ス確保策が必要になります。
この問題は、労働集約型産業社会の高度
成長期に建設業界における重層下請け構造
による中間搾取の取締りのため、労働省が
行なった規制を、今日の知識集約型産業社
会に適用した結果生じたものです。言わば
経営者・管理者の留意点
合同会社(LLC)であっても、業務委託契
産業社会の変化に
合った法規制が必
要!
補足と解説
http://www.wikihouse.com/gisoukeoi/index.php
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1 作業に従事する労働者を受託者が指揮監督する
ものであること。 †
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(1) 労働者に対する業務の遂行方法に関する指示
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その他の管理を受託者が自ら行っている。
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□ 複数の会社の労働者が混在するプロジェクトチー
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ムの場合、受託者以外の労働者が受託者の個々の
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労働者に対し業務遂行の指示等を行っていない。
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□ 受託者は仕様書等に基づき自らの判断で業務を
《情報サービス業に於ける請負の適正化のた
処理している。
めの自主点検表》 †(抜粋)
□ 受託者労働者と発注者労働者が同一の場所で作
派遣と請負により行われる事業の区分基準(昭和6
1年労働省告示第37号)及び職業安定法施行規則
第4条を踏まえて、請負(業務委託を含む)が適正に
行われているかのチェックポイント(目安)を示したも
のです。(対象業務:ソフトウェア・システム設計・開
業を行う場合、お互いがひとかたまりにまとまってお
り間仕切り・看板等を用いるなどして、客観的に区分
できる状態になっている。
(2) 労働者の労働時間等に関する指示その他の
管理を受託者自ら行っている。
発、システム運用管理等)
2 作業に従事する労働者に対し、使用者として法律
★ 受託者が雇用する労働者の労働力を自
に規定された全ての義務を負うこと。(企業における
秩序の維持、確保等のための指示その他の管理を
ら直接利用すること †
、(1)業務の遂行方法等を発注者が介在せずに受
託者が決めること、(2)労働者の勤怠管理等を発注
者が介在せずに受託者が行うこと、(3)労働者の選
受託者自ら行っている。) †
★ 請け負った業務を受託者の自己の業務
として独立して処理していること †
定等についても受託者が決めることが必要です。
また、その請け負った業務の一部または全部を協力
業務の処理について、事業主としての財政上及び法
会社等へ再委託する場合、その業務の処理方法、
律上の全ての責任を負うこと。 †
協力会社の労働者の勤怠管理、選定等について、
4 単に受託者が肉体的な労働力を提供するものと
発注者等が介在してはいけません。
はなっていないこと。 †
(□印の各項目に該当すれば適正といえるでしょう)