第三次産業・観光業(pdf)

第三次産業
1 第3次産業
(1)第3次産業とは
・・・ 商品 情報 サービス
を分配することで
富 を創造する非物質的な営み。
商業
,医療・福祉,飲食店・宿泊業,運輸・郵便業,
教育産業,娯楽・洗濯業,公務,学術研究, 情報通信業
,
金融・保険業, 環境ビジネス
(2)第3次産業の特色
①とくに 商業
に従事する人間割合が高い
日本では第三次産業就業人口の 1/4
を占める
※商業とは
・・・財やサービスなどの 商品
を所有している人
と,必要としている人を結びつけることにより利益を
得る経済活動
卸売業と小売業を中心としている
②
労働生産性 (収益性)が最も高い産業である
■国や地域は, 経済発展
とともに中心的な産業が
一次産業 → 二次産業 → 三次産業へ
と変化する傾向がある(ペティ=クラーク
の法則)。
■先進工業国は,他の産業よりも 第三次 産業に従事する
人間割合が高い
③商業は 卸売業 と 小売業 に分かれる
■ 卸売業
製造業(メーカー)から商品を仕入れ、あるいは市場から
食材を買い付け、小売業者に商品を販売する(卸す)業
態。流通過程で重要な位置を占める。
日本では,階層的な流通システムが成立しているた
め拠点となる都市に集中
・3大都市圏の中心である 東京都・愛知県・大阪府
札幌・仙台・広島・福岡
・広域中心都市(
含む北海道・宮城県・広島県・福岡県
・( 神戸
)を含む兵庫県
.
)を
■ 小売業
・・・大都市を中心に集中
(3)三角図表(三角グラフ)で経済発展の度合いを確かめる
①産業別人口構成を「点●」で示す方法
日本(2012)
■1次産業・・・3.8%
■2次産業・・・ 25%
■3次産業・・・71.2%
25.0%
2次産業
1次産業
3.8%
71.2%
3次産業
②三角図表で,日本の経済発展の度合いを確かめる
1950年
1960年
1970年
1980年
1990年
2000年
2010年
2012年
1次産業 2次産業 3次産業
48.5
21.8
29.7
32.7
29.1
38.2
19.3
34.1
46.6
11
33.6
55.4
7.1
33.5
59.4
5.1
29.8
65.1
4
23.7
72.3
3.8
25
71.2
1950
1960
1970
1990
2012
2010
1980
2000
③地図帳の統計を使い,以下の国々の産業別人口割合を示す点
を国名とともに書き,経済力を比較する。
日本
中国
韓国
インド
アメリカ
ロシア
イギリス
エジプト
ガーナ
モンゴル
1次
4.2
44.1
7.2
60.9
2次
27.3
17.7
25.0
11.4
3次
68.5
38.2
67.8
18.7
59.3
36.2
12.2
18.3
25.7
45.5
発展途上国
新興国
先進国
2 商業の発展
(1)
大量消費文化
の発展, モータリゼーション の進展など
様々な業態の出現
①1980年代はじめまでの商業の中心
・・・ 駅 周辺, 中心商店街 .
※時代背景:モータリゼーションの進展がまだ未成熟
■
デパート
(百貨店)
■
専門店
(本屋さん・おもちゃ屋さん)
■ スーパーマーケット
(松清など)
②1980年代中ごろ~1990年代の商業の中心
・・・
周辺, 住宅地 ,郊外
駅
※時代背景
:モータリゼーションの進展+ ライフスタイル の多様化(24時
間型ライフスタイルなど)
■
コンビニエンスストア
(セブンイレブンなど)
■
ファストフード店
(マクドナルドなど)
■ ファミリーレストラン
(外食産業ですが)
北米・ヨーロッパ・日本 中心に普及
マクドナルドの増大地域
●
新興国
(ロシア・インド・中国など)でも増大の傾向
③2000年代の商業の中心・・・・・・・・・・・
※時代背景: モータリゼーション
■
郊外型店舗
.
1) ショッピングセンター(SC) .
(けやきウォーク,イオン)など
核となる店(スーパーなど)の他に、
がたくさん集まって
専門店
いる店舗。
・ ワンストップショッピング でほと
んどの用事を済ませることが可能
郊外
のさらなる進展
.
イオン
ウォルマート
カルフール
日本のSC
EUのSC
2)
総合スーパー(GMS)
(ベイシア等).
一つの スーパー
で食品から日用雑貨、衣料品まで何
でも揃えている店舗。
・ ワンストップショッピング でほと
んどの用事を済ませることが可能
3)
ロードサイド店
(RS)の発達
(紳士服のアオヤマ,カインズホーム)
④近年の商業の変化
※時代背景: 通信手段
■
通信販売
の発展
.
・・・テレビ・雑誌・カタログ・ インターネット
で商品広
告し,郵便・電話・ファクシミリなどで注文を受け,宅
配便で配送を行う業態
近年,e-コマースと呼ばれる 電子商取引
が発達
(ネットショッピング)
例.セシール(香川),ジャパネット.Amazon
(2)近年の新業種発展による影響
①かつて発展していた業種が減少・衰退・・
百貨店
など
②中心商店街の
空洞
化( シャッター通り
化)
3 世界の観光業
(1)世界の観光業の発展
■生活が豊かになって(
■(
交通
余暇
時間)が増加
機関)が発達
人間の 行動空間
観光業が発展
が拡大し,
(2)余暇(レジャー)
・・・ 労働時間
や生活維持に不可欠な事柄以外の自由時間。
※教養・文化の向上,健康回復などに
かかせない重要な時間である。
日本の場合2012年現在、年間の総労働時間が 1745 時間で,
アメリカ
と イタリア
に次いで長い。そのため休日が
少なく余暇も短い。
1990年
1995年
2000年
2005年
2010年
2012年
日本 アメリカ カナダ イギリス ドイツ フランス イタリア オランダ
2031 1831 1796 1765 1578 1644 1867 1451
1884 1844 1774 1731 1529 1590 1859 1456
1821 1836 1777 1700 1471 1523 1861 1435
1775 1799 1745 1673 1431 1495 1819 1393
1733 1778 1701 1652 1407 1480 1772 1381
1745 1790 1710 1654 1397 1479 1752 1381
→ ただし日本の年間総労働時間は,1990年頃と比較する
と,現在は大きく 短縮 しており(300時間近く),余暇時
間は 拡大
している。
(2)観光業が盛んな国
①国際観光収入が多い国・・・
2011年 国際観光収入
欧米
+
中国
.
②国際観光支出が多い国・・・
2013年 国際観光支出
中国
+
欧米
.
③国際観光客数が多い国・・・
フランス
が一位
(3)日本の観光産業
①余暇時間の短さからくる特徴
■観光時期・・・日曜・祝日、年末年始、ゴールデンウィーク、
( 盆
休み)など短期間に集中。
■行き先・・・・安価で、近距離の場所が好かれる傾向
( 安・近・短 )
②日本人の海外旅行者
■現在の旅行者数・・・
1700
■行き先・・・・・・・アジア( 中国
万人
・ 韓国
など)が中心
2011年東日本大震災
2008年リーマンショック
2003年 アジア地域で新型肺炎SARS(重
症急性呼吸器症候群)が発生
ただし2013年は前年からの尖閣、竹島をめぐる中国や韓国との
関係悪化により、両国(香港を含む)への旅行客は急減した
③訪日外国人旅行者
■2014年,訪日外国人旅行者の数・・過去最大の 1300
2011年東日本大震災
2008年リーマンショック
万人台
■旅行者の国籍・・・・ 韓国 ・ 台湾
の入国が多い。
・ 中国 の順でアジアから
2013年
(4)フランスの観光産業
①政治的な背景からくる特徴
■ バカンス
制度(1936年~)による連続した有給休暇の保障
すべての人間が夏に連続1ヶ月ほどの休暇を取得。5週
間まで取得可能となり, 長期滞在 型の観光が盛ん
■ 政府による積極的な観光開発
ラングドックルシヨン
( コートダジュール や
シェンゲン 協定
+他のEU諸国との
)
国内や他の EU 諸国からから多くの観光客を
引きつけている
1位
2位
パリ
エッフェル塔
シャンゼリゼ通り
凱旋門
オペラ・ガルニエ(オペラ座)
シャルル=ド=ゴール広場
ラ=デファンス
ノートルダム寺院
ルーブル美術館
コート=ダ=ジュール
4 様々なツーリズム
①遺跡・有名建造物ツーリズム
ギザの三大ピラミッド
(エジプト)
ストーンヘンジ
(イギリス)
アンコールワット
(カンボジア)
サグラダ・ファミリア教会
(スペイン)
タージ・マハル(インド)
ピサの斜塔(イタリア)
スルタンアフメト・モスク
(ブルー・モスク) (トルコ)
エッフェル塔(フランス)
自由の女神(アメリカ)
パルテノン神殿(ギリシア)
万里の長城(中国)
マチュピチュ遺跡(ペルー)
モン・サン=ミッシェル
(フランス)
②戦場ツーリズム
クチトンネル(ベトナム)
アウシュビッツ強制収容所(ポーランド)
原爆ドーム(日本)
ひめゆりの塔(日本)
③援助ツーリズム
マザーテレサ施設(インド)
④ショッピングツーリズム
シャンゼリゼ通り
(フランス)
香港のトンローワン
(中国)
ソウルの明洞(ミョンドン)(韓国)
秋葉原の電気街(日本)
⑤エスニックツーリズム
ゲル体験(モンゴル)
バラナシ川の沐浴(もくよく)(インド)
⑥フィクショナルツーリズム
サンタクロース村(フィンランド)
⑦エコツーリズム
国立公園(ケニア)
⑧景観観察ツーリズム
ウルル(エアーズロック)(オーストラリア)
フェアバンクスのオーロラ(アメリカ)
グランドキャニオン(アメリカ)
ナイアガラ滝(アメリカ)
白神山地(日本)
カッパドキア(トルコ)
桂林のタワーカルスト(中国)
⑨スポーツツーリズム
JALホノルルマラソン(アメリカ)
グレートバリアリーフ(オーストラリア)
ハワイのワイキキビーチ(アメリカ)
カナディアンロッキーのスキー(カナダ)
ヒマラヤトレッキング(ネパール)
メジャーリーグ(シカゴ・ホワイトソックス)(アメリカ)
FIFAワールドカップ(2010年南ア共和国)
⑩アグリツーリズム(グリーンツーリズム)
トスカーナのアグリツーリズモ(イタリア)
⑪アーバンツーリズム
人気順位1位
ニューヨーク
(アメリカ)
人気順位2位
ロンドン
(イギリス)
人気順位3位
人気順位4位
パリ(フランス)
東京
(日本)
⑫ヘルスツーリズム
草津温泉(日本)
バーデン・バイ・ウィーンの温泉(オーストリア)