KYT(危険・予知・トレーニング)は 【事故ゼロ】の原点

KYT(危険・予知・トレーニング)は
【事故ゼロ】の原点
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はじめに
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も く じ
1.KYTとは
2.KYTの目的
3.KYTの準備
4.KYの進め方
(1)KYの手順と考え方
(2)安全ミーティングの進め方
(3)短期間KYの手法例
5.KYTシートによる訓練
第1章 KYTとは
KYTとは、危険(K)・予知(Y)・トレーニング(T)の頭文字を取ったも
ので、昭和49年につくられ、それ以来建設業をはじめあらゆる労働
現場で、安全衛生活動の手段として普及してきました。
危険予知トレーニング(訓練)は、作業のなかに潜んでいる危険の
芽(要因)を予測し、それによって引き起こる災害を未然に防ぐた
めに、現場ごと、グループごとで話し合い、安全対策を検討して、
作業に入る前に、問題解決をする訓練です。
KYTの実践は、このテキストのタイトルにもなっているように、現場での
事故を“ゼロ”に導くための原点でもあり、現場作業員全員が自分自身の
ことと深く認識し、真剣に取り組まねばならない、非常に重要なことです。
そのためにも、トップに立つ指導的立場の人は、形だけのKYTにな
らないよう、作業員自身、「貴方たち自身のKYT」であるかを、いかに
認識してもらうかが重要なポイントになるでしょう。
第2章 KYTのねらい
KYTの目指すねらいは、その日の作業開始前に、その現場につく
作業員全員がその日に行う作業について、考えられる危険を予測し、
実際の作業に活かすことにあります。
それと同時に、全員でのミーティングで危険予測を話して解決するこ
とにより、危険を危険と気づく感受性をお互いに養って、危険を共有
し、チームワークで【安全作業の実践】の意欲を強めることを目指し
ます。
さらに、全員参加のKYTを実践することによって、同じ現場内や、関
係する人達とのコミュニケーションがよくなり、人間関係が良くなって
明るい職場、「ゼロ災」の現場を構築するということです。
第3章 KYTの準備
職長や現場のリーダーは、その日行う作業内容や、手順などを伝えて、
その作業による危険性をテーマとして示します。
また、黒板や模造紙などを準備して、実際の作業をさせたり、イラストで説明したりし
て、作業の危険性を見つけさせ、その対策を講じていきます。
第4章 KYの進め方
KYの手順と考え方
安全ミーティング・KYKの進め方
短時間危険予知KYの手法(例)
短時間でKYを行う手法を例として、以下にワンポイントKYを紹介します。
第5章 KYTシートの(例)
①
【作業の状況】
移動式クレーンでトラックから資材を降ろしています。
予想される危険
1.移動式クレーンのアウトリガーの全てに敷板を敷いていないので、荷物を吊り上
げた際、クレーンの片方が沈下し転倒する。
2.立ち入り禁止の措置をしていないので、他の作業者に荷物が接触したり、落下
して負傷させる。
3.荷台の上に乗って作業をしている作業者が、足を滑らせて転落する。
安全対策・事前処置
1.移動式クレーンのアウトリガーには、4か所に相応の厚みの敷き鉄板を敷き、十
分張り出してクレーンを設置する。
2.作業エリアには、他の作業員が入り込まないように、バリケード等を設置し、立
ち入り禁止措置をする。
3.荷台上での作業は、あらかじめ足元の整理整頓をして余計な物を置いておかな
いで作業を行う。
②
【作業の状況】 夜間作業で、高所作業車を使用して、バケットの手すりと
足場用単管に足をかけて足場板を手渡しています。
予想される危険
1.高所作業車の手すりに乗っており、滑ったりバランスを崩して、墜落する。
2.安全帯を使用していないので、墜落する
3.照明が不十分なので、足元、手元の安全確認ができにくく、転落する。
4.安全ネットが張られていないので、足場板が下にいる人にあたって負傷する
安全対策・事前処置
1. 高所作業車のバケット手すりには乗らない。
2.安全帯を必ず使用する。
3. 十分な照明を確保して作業する。
4.吊り足場の下には安全ネットを張る.
③
【作業の状況】橋梁工事で、設置した吊り足場に、足場板を敷設しています。
予想される危険
1.単管に足をかけて作業をしているので、バランスを崩し転落する。
2.1人での作業は、無理をしがちになり、転落の恐れがある。
3.作業下には安全ネットがなく、足場板、工具などが落ちて下部作業者にあたる。
4.足場板上の金具、や材料が落下して、下部作業者にあたる。
5.固定されていない足場板の上で作業をしており、転倒、落下する。
安全対策・事前処置
1.作業手順、作業マニュアルに従って作業する。
2.足元の安定性を欠く場所での作業は、2人で行う。
また、親綱を設置して、安全帯をつけ作業する。
3.作業下には必ず安全ネッを設置し、作業者や物の落下を防ぐ。
4.足場板を確実に固定してから、作業する。
④
【作業の状況】2段積みフォークリフトに荷物を積み、前進、勾配の付いた検量機に乗
り上げようとしている。
予想される危険
1.検量機に乗り上げる勾配部で荷が揺れて崩れて落下し、歩行者にあたり負傷す
る恐れがある。
2.計量機に乗り上げ左折する際、運転手は前方が見えづらい為、歩行者を巻込む。
3.2段に積んでいるので前が見えず、検量機鋼製ガードにぶつかり、運転者が頭を
ぶつけたり、運転席から転落する恐れがある。
4.荷物を積んでいるリフト部が低く、計量機勾配部に差し掛かった際に、前方が勾
配上部に当たる恐れ。
安全対策・事前処置
1.計量機に乗る際は、荷物の安全な状態を確認しながら、低速で前進する。
2.狭い場所、危険性を感じる所では、誘導する人をつけて安全確認をしながら運転
をする。
3.前が見えづらい場合は、誘導する人を付けるか、検量機手前で一旦降りて安全を
確認して、低速で前進する。
4.計量機手前まで来たら、リフト下部が下面に接触しない高さを確認して前進する。
本文を記入して下さい。
⑤
【作業の状況】工場壁面の清掃作業を行うため、伸縮式の梯子を半分程度伸ばし、
その上に乗って作業をしている。
予想される危険
1.梯子から遠い場所を掃除しようとして身を乗り出し、身体のバランスを失って落下
する恐れがある。
2.椅子を立てて昇った時のたわみで、梯子がすべり体がよろけて落下する。
3.ヘルメットのアゴひもを装着していないので、落ちた時非常に危険。
4.上をむいた姿勢での作業のため、後方へ倒れこむ可能性がある。
5.体を支える体勢をしていないので、バランスを崩して落下する。
安全対策・事前処置
1.無理な体勢での作業はせず、安全に届く範囲のみ清掃を行う。
2.梯子を立てる角度はできる限り大きく保ち、ゆっくりと昇降する。
3.ヘルメットのあごひもは確実に装着し、後方へずり落ちないようにする。
4.無理な体勢での作業はやめて、そのつど移動して正常な位置で作業する。
5.片方の手で梯子につかまって作業をし、無理のない姿勢で作業をする。
以上にて、【KYT・危険予知トレーニング】についてのPDFテキストを終わらせていた
だきます。
御社の安全衛生活動の取り組みに、少しでも参考にしていただけたら
幸いに存じます。
ご安全に!