September

September
9月
2015
No.52
表紙記事
特集 2
around 杉並健康ライフ 2015 開催のご案内
特集 1
アンギオグラフィシステムを導入しました
特集 3
緊急内視鏡の話
365 日 24 時間体制の小児二次救急診療
および急性 ・ 慢性疾患治療
河北総合病院をはじめ、杉並区内にある河北医療財団各施設の取り組みを知っていただく機会として、
「around 杉並健康
ライフ」を開催いたします。今年は初の 2 日間開催です。講演や体験など、だれでも楽しめる企画を数多く用意いたしま
した。皆様のご来場をお待ちしております。
1 日目:2015 年 9 月 12 日(土)
2日目:9月13日(日)会場
予約不要
杉並第一小学校体育館
場 所:河北総合病院 西館講堂
13:00 ~ 17:30
世尊院
神明宮
講演会
場 所:阿佐谷地域区民センター
10:00 ~ 16:00
10:10 河北 博文理事長講演
11:00 シンポジウム 「健康寿命をのばすには」
13:30 特 別 講 演 「住み慣れた地域で
病気の予防から医療~介護まで」
14:40 シンポジウム 「地域でがん治療を考える
~胃がん ・ 大腸がんを中心に」
JR
阿佐ヶ谷駅
至 荻窪 南口
パールセン
ター
2 日目:2015 年 9 月 13 日(日)
予約不要
西友
1日目:9月12日(土)会場
河北総合病院
西館講堂[地下1階 ]
※エレベーターはございません
三菱東京
北口 UFJ 銀行
中杉通り
13:00 ~ 14:30 「もしもの時に備えて命の終わりに関
する話し合いを始める」
神戸大学附属病院 緩和チーム長 木澤 義之先生
15:00 ~ 16:00 「もし身近な人が認知症になったら」
河北総合病院 内科科長 片山 真樹子医師
16:30 ~ 17:30 「膝の痛みについて」
河北総合病院 整形外科部長 吉岡 太郎先生
河北総合病院
至 高円寺
ローソン
2日目:9月13日(日)会場
阿佐谷地域
区民センター
「南阿佐ヶ谷駅」
杉並区役所
丸ノ内線
青梅街道
2 日目:2015 年 9 月 13 日(日)
場 所:杉並第一小学校体育館
10:00 ~ 16:00
特集 1
当院では日中 ・ 夜間を問わず消化器系緊急疾患を受
け入れております。我々の扱う緊急症例は上部 ・ 下部
消化管出血、消化管異物、消化管穿孔、腸閉塞、上腸
間膜動脈血栓症、出血性腸炎、憩室炎、急性胆管炎・
胆嚢炎、急性膵炎、肝癌破裂、肝性脳症など多岐にわ
たりますが、なかでも一番多いのは上部消化管出血で
す。今回はこの疾患について少し解説いたします。
上部消化管出血は吐血、下血などで発症し、時には
出血性ショックで生命を脅かす重症疾患のひとつで
す。当院で以前まとめた 2007 年から 2012 年までの上
部消化管出血緊急内視鏡施行 334 症例の集計をお示し
します。
(図 1)
平均年齢 68.0 歳、男 222 人・女 112 人、内視鏡施
行時平均 Hb 値 8.3g/dl で高度貧血例が多く、204 人
(61.1%) が輸血を施行されています。また LDA(低量
用アスピリン)もしくは NSAIDs を服用していたのは
206 人(61.7%)
、抗凝固薬も 22 人(6.6%)が使用して
おりました。緊急内視鏡所見の内訳ですが、胃潰瘍が
186 人(56%)と過半数を占め、胃 ・ 十二指腸・胃手
術後の吻合部を合わせると 270 人、実に 81% が潰瘍か
らの出血でした。
図1 当院での上部消化管出血 - 緊急内視鏡症例
n=334
血管異常、
8
逆流性
食道炎、
6
その他、
10
胃癌、
11
M-W 症候群、
29
総合病院副院長
内科部長
い が ら し
主な専門分野
消化器
認定専門医
臨床研修指導医
日本内科学会指導医・総合内科専門医、関東地方会常任幹事
日本消化器病学会指導医、関東支部評議員
日本消化器内視鏡学会指導医、支部評議員
日本超音波医学会指導医
日本肝臓学会専門医
日本医師会認定産業医
日本医学英語教育学会評議員
日本がん治療認定医
日本抗加齢医学会会員
東京女子医大非常勤講師
ESPEN international member
が広まりつつあるものの未だに多く遭遇します。
我々は消化器内視鏡専門医と、ベテラン内視鏡室ス
タッフを有し、共に夜間も待機制を敷いておりますので
日中のみならず夜間も緊急内視鏡の対応が可能です。
2014 年は緊急内視鏡件数が大幅に増加し約 500 件を数
えました。また消化器外科との連携も密接です。
これからも先生方からのご紹介をお待ちしております。
胃潰瘍、186
十二指腸
潰瘍、67
図
3
HSE局注法
潰瘍出血は内視鏡的治療が極めて有効な分野であ
り、我々はクリップ装着、HSE(高張生食液+エピネ
フリン)局注、熱凝固、アルゴンプラズマ等の方法を
用い、ほぼ 100% の止血を達成しています。まれに止
血困難例もありますが、その場合は経動脈カテーテル
塞栓術で止血を得ています。
クリップで止血した症例(図2)と HSE 局注の症例(図3)
を提示します。
H.pylori による潰瘍は減少してきております。一
方で LDA や NSAIDs に起因する潰瘍は、PPI の予防投与
クリップ法
2
胃十二指腸
潰瘍、
10
医師
卒業年度 : 1985 年
卒業大学 : 千葉大学
図
吻合部潰瘍、
7
ひろあき
五十嵐 裕章
特集 2
特集 3
2013 年 4 月に小児科診療体制が拡大し、現在 11 名の常勤医
で 365 日 24 時間体制の小児二次救急診療および急性・慢性疾
患治療を行っております。
皆様との連携で、紹介数・入院・外来実績ともに大幅に増加
しており(図1)
、杉並・中野区地域を中心とした城西地域の
子どもたちの様々な疾患に対する医療(表 1)を担ってきたと
自負しております。
小児科 部長
かつもり
入院患者延数
903
主な専門分野
小児神経、 発達 ・ こどものこころ
認定専門医
日本小児科学会小児科専門医
日本小児神経学会小児神経専門医
身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)
難病指定医
小児慢性特定疾病指定医
産科医療保障制度「診断協力医」
日本てんかん学会会員
日本小児救急医学会会員
臨床研修指導医
日本小児科学会医療安全委員会委員
2013 年度
外院患者延数
24,280
5,285
18,369
3,911
570
2014 年度
2013 年度
2014 年度
2013 年度
2014 年度
表 1 疾患別入院患者数(人)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
疾患
気管支喘息
肺炎、 急性気管支炎、 急性細気管支炎
ウイルス性腸炎
インフルエンザ (関連疾患)
上気道炎
食物アレルギー (負荷試験)
病的新生児 (院内出生)
急性扁桃炎、 扁桃周囲膿瘍、 急性喉頭炎
川崎病
腎臓 ・ 尿路感染症
2013 年度
168
118
123
101
106
18
41
29
23
200
2014 年度
213
213
140
102
84
106
51
45
34
36
当院の専門領域は、
神経発達症(神経発達障害)とアレルギー
疾患です。前者は、言葉の遅れ、落ち着きがない、指示に従わ
ない、集団行動が苦手、友人関係を築きにくいなどで、不登校、
摂食障害についても対応しております。
アレルギー疾患では気管支喘息に加え、特に食物アレルギー
については経口負荷試験を行っております。さらに川崎病につ
いても次のような治療方針で臨んでいます。
診察・検査の
ご 依 頼 は
医師
卒業年度 : 1988 年
卒業大学 : 浜松医科大学
図 1 小児科実績数(人)
紹介患者数
ひろし
勝盛 宏
免疫グロブリン IVIG(2g/kg/ 回 )+ アスピリン ASA(30mg/kg/
日)の通常療法に加えて、重症度スコアの高い症例に対しては
IVIG+ プレドニン PSL(2mg/kg/ 日 )+ASA 併用療法を行っており
ます(表 2)
。
入院期間はやや長めですが、後遺症の冠動脈病変もほとんど
認めず良好な結果を得ております。同疾患の地域診療所からの
紹介率(38/62 名、61.3%)は非常に高く、地域の先生方との医
療連携が重要な疾患と位置づけており、ご紹介に対し改めてお
礼申し上げます。今後も通常治療に反応しない不明熱などご紹
介して頂けると幸いです。
表 2 川崎病治療の概要(2013/4 ~ 2015/4)
IVIG+ASA
IVIG+PSL+ASA
無治療
人数
32
21
6
中央値(最小値-最大値)
11 日間 (8-26)
19 日間 (14-30)
5 日間 (3-16)
当院に専門外来診療・検査依頼を希望される方は、別紙の「診察・検査予約依頼書(FAX
用)
」をご利用下さい。
杉並医療連携セミナーのご案内
開催日時
開催名称
2015 年 9 月 18 日(金)
城西エリア 呼吸器フォーラム
19:00 ~ 20:00
科目名
内容
呼吸器科『肺癌診療の光と影と』
演者
会場名
日本赤十字社医療センター
化学療法科 部長
國頭 英夫 先生
新東京会館
お申し込み・お問い合わせ:地域連携課 広報担当
TEL:03-3339-5724(直通)FAX:03-3339-2928 受付時間:平日(月~土)09:00 ~ 17:00
シグマ [Sigma] 9 月 September 2015 年 8 月 20 日発行
発行責任者:清水 利夫 発行:社会医療法人 河北医療財団 河北総合病院 医療支援部 地域連携課
〒 166-8588 東京都杉並区阿佐谷北 1-7-3
TEL:03-3339-2121(代)
FAX:03-3339-2928 ホームページ : http://kawakita.or.jp