保険診療のページ 長崎県医師会報〔平成 27 年1月 15 日〕第 828 号・付録 医師会会員 各 位 平成27年1月1日からの健康保険法施行令、難病法、児童福祉法等の一部改正等 平成27年1月1日からの各法の一部改正等に伴い各種通知が発出されています。本会では2月15 日発行県医師会報に掲載予定ですが、既に施行されていることから概要をお知らせします。詳細は、 2月号か日医通知を本会ホームページに掲載しますのでトップページの新着情報でご確認下さい。 「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(H26.12.24 保194) 1 改正法等の概要(平成27年1月1日施行) (1)小児慢性特定疾病の児童等に対する医療費助成は、今般の改正で義務的経費化。 (2)難病患者の医療費助成は、今般の法制化でスモン等の一部の疾患を除き法定給付化。 (3)70歳未満の被保険者等に係る高額療養費の自己負担限度額の算定基準額をきめ細かく設定(3段階を5段 階に細分化) 。 2 「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の主な改正内容 (1)特記事項欄への記載について 70歳未満における高額療養費に係る所得区分の細分化に伴う限度額適用認定証等が提示され、当該認定 証等に所得区分の記載(ア~オ)がある場合、特記事項欄に「26区ア」 「27区イ」 「28区ウ」 「29区エ」 「30 区オ」を記載。 (医科、歯科、調剤、訪問看護全てを対象とする。 ) また、難病法又は小児慢性特定疾病医療支援に係る公費負担医療において、特定疾病給付対象療養高額 療養費が多数回該当した場合は、特記事項欄に「31多ア」 「32多イ」 「33多ウ」 「34多エ」 「35多オ」を記載。 なお、特定疾病給付対象療養高額療養費多数回該当の対象は入院のみのため、医科・歯科の入院外の診 療報酬明細書、調剤報酬明細書及び訪問看護療養費明細書に記載する必要はない。 これまで難病等公費併用レセプトにおいて特記記載が必須となるレセプトで特記事項に記載がない場合も 返戻はされていませんでしたが、今回の改定に伴う細分化により、記載がない場合は審査支払機関では区分 の判断が出来ないため、 「特記事項に記載がない場合は返戻」せざるを得ないとのことです。請求の 際は必ず確認をお願いします。 (平成27年1月診療分以降) 70歳未満における高額療養費の所得区分の細分化(平成27年1月1日施行)に伴うレセプト「特記事項」欄の記載 平成26年12月診療分以前 平成27年1月診療分以降 特定疾患給付対象療養高額療養費多数回該当以外 特定疾病給付対象療養高額療養費多数回該当以外 上位所得者 17 上位 標準報酬月額 83万円以上 26 区ア 一般 18 一般 〃 53万~ 79万円 27 区イ 低所得者(住民税非課税) 19 低所 〃 28万~ 50万円 28 区ウ 特定疾患給付対象療養高額療養費多数回該当※ 〃 26万円以下 29 区エ 上位所得者 22 多上 低所得者(住民税非課税) 30 区オ 一般 23 多一 特定疾病給付対象療養高額療養費多数回該当※ 低所得者(住民税非課税) 24 多低 標準報酬月額 83万円以上 31 多ア 〃 53万~ 79万円 32 多イ 〃 28万~ 50万円 33 多ウ 特記事項には必ず記載を! 〃 26万円以下 34 多エ (記載無しは返戻となります) 低所得者(住民税非課税) 35 多オ ①今般の改正は、高額療養費について、70歳未満の所得区分を細分化し自己負担限度額をきめ細かく設定するもの。 ②前①に伴い、新たに特記事項「26」~「35」を追加。なお、当該特記事項は、平成27年1月診療分以降に使用 するものとし、平成26年12月診療分以前は従前の特記事項を使用。 ※特定疾患治療研究事業等に係る公費負担医療(入院に限る。 )の自院における高額療養費の支給が直近12 か月間において4月目以上である場合。 (2)法別番号及び制度の略称表について ア 小児慢性特定疾病の児童等に対する医療費助成の義務的経費化に伴い、区分が「児童福祉法による小児 慢性特定疾病医療支援」と変更。※法別番号「52」 イ 難病の患者に対する医療等に関する法律による特定医療費の法別番号を「54」とする。 1 長崎県医師会報〔平成 27 年1月 15 日〕第 828 号・付録 保険診療のページ 3 受給者証等に所得区分が記入されるまでの間の取扱いについて(別添2参照) 高額療養費の見直しにより変更された後の所得区分が記載された受給者証等の更新が平成27年1月1日 (改正法等の施行日)よりも遅れる場合、下記のような取扱いとなる。この取扱いは27年12月31日まで。 平成27年1月~12月までの医療機関における難病法による特定医療及び小児慢性特定疾病医療支援の 受給者証の提示パターンとレセプトの取扱いについて 【所得区分の受給者証への反映ができている場合】 提示パターン 反映後の受給者証 レセプトの「特記事項」欄への記載と取扱い 受給者証の所得区分に応じた記載とする 【所得区分の受給者証への反映ができていない場合】 提示パターン 反映前の受給者証(受給者証に所得区分の記載がな ① いもの)のみ 反映前の受給者証+「3割」 (現役並み所得者の記 ② 載がある高齢受給者証等) 反映前の受給者証+限度額適用認定証又は限度額 ③ 適用・標準負担額減額認定証 レセプトの「特記事項」欄への記載と取扱い 特記事項へは記載しない 「現役並み」として記載する 限度額適用認定証又は限度額適用・標準負担額減額認定 証に応じた記載とする ※ 本取扱いは、 「難病の患者に対する医療等に関する法律に基づく特定医療に係る高額療養費の支給に係る事務の当面の取扱 いについて」及び「児童福祉法に基づく小児慢性特定疾病医療支援に係る高額療養費の支給に係る事務の当面の取扱いにつ いて」に基づく内容である。 「70歳代前半の被保険者等に係る一部負担金等の軽減特例措置実施要綱」の一部改正等について (H26.12.26 保197) 70歳から74歳までの一部負担金は、平成20年4月1日に2割へ引き上げられた際、国が1割相当分支払う軽減 特例措置が実施されていたが、26年4月2日以降に70歳を迎える患者は、一部負担金の割合を2割とし段階的に 軽減特例措置が廃止、また、26年4月1日までに70歳を迎えた患者は、引き続き軽減特例措置の対象となってい る。この軽減特例措置は、他の公費負担の対象となる場合は、対象外とされているが、 「特定疾患治療研究事業」 の対象者は、公費負担を受けてなお残る患者負担が1割を超える場合には、その超える部分は軽減特例措置の対 象とされている。 今般の難病法の施行に伴い、難病法の医療費助成の対象となる「指定難病」に罹患している方も、特定医療費 を受けてなお残る患者負担が1割を超える場合は、その部分が軽減特例措置の対象となる。 難病法の施行に伴う入院時生活療養費の生活療養標準負担額について(H26.12.24 保192) 入院時生活療養費の生活療養標準負担額は、原則、食費1食につき460円、居住費1日につき320円だが、 「所 得の状況、病状の程度、治療の内容その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定める者」は、減額されることと している。減額される者は、健康保険法施行規則に規定され、その中「病状の程度が重篤な者又は常時の若しく は集中的な医学的処置、手術その他の治療を要する者として厚生労働大臣が定める者」とされている。 これまで、 「特定疾患治療研究事業」の対象疾患に罹患している患者は、告示により減額対象者とされている が、難病法施行により、同法の医療費助成の対象となる患者も、入院時生活療養費の生活療養標準負担額の減額 対象者に加えるための告示改正が行われた。また、平成26年12月31日以前に特定疾患治療研究事業の対象患者の 認定を受け、かつ27年1月1日以降も難病法の医療費助成の対象者の入院時生活療養費の生活療養標準負担額は、 経過的特例として、27年1月1日から3年間、2分の1が公費負担となる。 「保険者番号等の設定について」の一部改正について(H26.12.25 保196) 難病法等の施行に伴い、 「保険者番号等の設定について」の一部(公費負担番号の設定)が改正された。 <改正後> <改正前> 2 長崎県医師会報〔平成 27 年1月 15 日〕第 828 号・付録 保険診療のページ ○難病の医療費助成制度の既認定者に係る経過的特例について(H27.1.6 地Ⅲ252F) 従来の特定疾患治療研究事業の対象者(既認定者)は、26年12月31日時点で都道府県が支給認定申請を 受理したと認めた場合に、新制度における経過的特例の対象として、軽減された負担上限月額を適用する こととされているが、特別な事情により26年12月31日までに当該申請を行うことができなかったと認めら れる者(26年9月30日時点で特定疾患治療研究事業の対象であった者に限る。 )も、27年2月末までに支給 認定申請を行うことにより、当該特例の対象として取り扱うことで差し支えない。 難病の医療費助成制度における患者負担の当面の取扱いについて 及び 指定医及び指定医療機関の指 定に関する取扱いについて(H26.12.25 地Ⅲ247F) 通知の概要は次のとおり。 1.難病の医療費助成制度における患者負担の当面の取扱いについて (1)既認定者で、新制度の受給者証を持参していない受診者は、医療機関で特定疾患治療研究事業の対象者と 確認できた場合、各医療機関の判断で当分の間(平成27年1月診療分に係る期間) 、患者負担を一時的に 猶予することも可能とする。その際、新制度の医療受給者証が提示された場合は、改めて患者負担額の精 算手続きを行う。 (2)上記の取扱いは、これは各医療機関に強要するものではなく、対応可能な医療機関に協力を依頼する趣旨 のものであることに留意いただきたい。 2. 指定医及び指定医療機関の指定に関する取扱いについて ・指定医及び指定医療機関の指定に関し、各申請様式の周知から法施行までの時間が限られていることを 踏まえ、以下のとおり取り扱うこととされた。 (1)法施行前に指定医又は指定医療機関の申請が行われた場合は、当該申請に係る指定が法施行以後に行われ た場合も、27年1月1日より当該指定の効力が発生するものとして差し支えない。 (2)法施行後に指定医又は指定医療機関の申請が行われた場合も、26年度中は申請日に遡って当該指定の効力 が発生することとしても差し支えない。 (3)上記(1)及び(2)にかかわらず、特定疾患治療研究事業に係る医療費の支給が行われたことのある医療機 関は、26年12月31日までに指定を受ける意思があったものとして、27年1月中に指定の申請が行われた場合 も、27年1月1日に申請が行われたものとみなし、同日から指定の効力が発生するものとして差し支えない。 難病の患者に対する医療等に関する法律に係る関係通知等の送付について(H26.12.22 地Ⅲ245) 通知の概要は次のとおり。 1.特定医療費の支給認定について ・支給認定の申請手続き等(第4) ・支給認定の更新手続き等(第5の8) ・特定医療費(指定難病)支給認定申請書(新規・更新・変更) (別紙様式第1号) ・特定医療費(指定難病)受給者証(別紙様式第2号) ・特定医療費(指定難病)自己負担上限額管理票(別紙様式第3号) ・重症認定患者の認定申請に係る診断書(別紙様式第6号) 2.新規申請者に係る特定医療費の支給認定について ・法の施行時において、特定医療費(指定難病)支給認定申請書、診断書等の必要書類を添えて特定医療費 の支給認定申請を行うことが困難な新規申請者は以下の(1)及び(2)の手続きを行うことにより、 27年1月1日に遡って支給認定の効力が生じるものとする。 (1)26年12月31日までに都道府県に対して、都道府県が必要と認める事項(氏名、居住地、生年月日、連絡先 及び当該申請に係る指定難病の名称等)を記載した書面(※)により申請の意思を表示する。 ※都道府県が作成する任意の書式 (2)27年2月28日までに、特定医療費(指定難病)支給認定申請書(添付書類を含む。 )に診断書を添えて、 都道府県に提出。 3.在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業実施要項の一部改正についいて ・今般の難病法の施行に伴う所要の改正が行われ、指定難病の患者とともに、特定疾患治療研究事業対象疾 患患者についても引き続き当該研究事業の対象とされた。 4.特定疾患治療研究事業におけるスモンの取扱いについて ・スモンの患者は、27年1月1日以降も特定疾患治療研究事業の対象として従来どおり取扱う。 3 長崎県医師会報〔平成 27 年1月 15 日〕第 828 号・付録 保険診療のページ 児童福祉法の一部を改正する法律等に係る告示及び関係通知等の送付について(H26.12.22 地Ⅲ243) 通知の概要は次のとおり。 1.告示(厚生労働省告示第462~466、471号) ・小児慢性特定疾病指定医の要件に係る認定機関及び資格(厚生労働省告示第465号) ・指定小児慢性特定疾病医療機関療養担当規程(厚生労働省告示第466号) 2.関係通知 (1)指定小児慢性特定疾病医療機関の指定について ・指定医療機関の審査(確認)事項(第2の1(1) 、 (2) ) ・指定申請に係る様式等(別紙様式1-(1)~5-(2) ) 27年1月1日以降、指定難病の患者が医療費助成を受けるためには、都道府県知事が指定した「指定医療 機関」を受診する必要があることから、本年中に所在地の都道府県知事等に対し別紙様式1-(1)等を用 いて指定申請を行う必要がある。 (2)小児慢性特定疾病指定医の指定について(平26.12.11 雇児母発1211 第2 号) ・小児慢性特定疾病指定医の研修内容に含むべき事項(第2の4) <略> (3)小児慢性特定疾病医療費の支給認定について ・支給認定の申請手続き等(第6) ・支給認定の更新手続き等(第10) ・小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書(新規・更新・変更) (別紙様式第1号) ・小児慢性特定疾病医療受給者証(別紙様式第4号) ・小児慢性特定疾病医療費 自己負担上限額管理票(別紙様式第6号) ・小児慢性特定疾病に係る医療費助成申請における医療意見書の研究利用についての同意書(別紙様式第7) 児童福祉法第六条の二第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める小児慢性特定疾病及び同条第二項 の規定に基づき当該小児慢性特定疾病ごとに厚生労働大臣が定める疾病の状態の程度等について (H26.12.22 地Ⅲ244) 児童福祉法の一部を改正する法律が施行され、小児慢性特定疾病の患者に対する新たな医療費助成制度が開始さ れることに伴い、今般、その対象となる疾病及び状態の程度について、新たに制定された。また、医療費助成の支 給認定に係る留意事項が示された。 なお、厚生労働省当局より、各疾病に係る概要、診断の手引き及び医療意見書(診断書)は、小児慢性特定疾病 情報センターのホームページ(http://www.shouman.jp/)への掲載により周知が図られる。 医療意見書の書式は、現時点ではPDFファイルのみであり、日医では、直接入力可能な形式での書式を作成・ 公開するよう厚生労働省当局に申し入れたが、登録管理システムの早期稼働に向けて準備を進めているとのことで、 現時点では、当該様式を印刷の上、活用いただきたいとのこと。 障害者総合支援法の対象となる難病等の見直しについて(H26.12.25 地Ⅲ249) 平成25年4月に施行された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下、 「障害者総 合支援法」という。 ) 」において、障害者の定義に新たに難病等が追加され、これまで当面の措置として130疾病が 障害者総合支援法の対象とされていたが、今般、難病法等の成立に伴う指定難病及び小児慢性特定疾病の対象疾病 に関する検討等を踏まえ、27年1月1日より、障害者総合支援法の対象となる難病等が151疾病に拡大された。な お、27年1月1日以降、障害福祉サービス等の申請に必要となる診断書や障害支援区分の認定に必要となる医師意 見書等の作成に際しましては、別紙(略)にある疾病名を記載。 特定医療費に係る自己負担上限額管理票等の記載方法について(H27.1.6 地Ⅲ251) 自己負担上限管理票等の記載方法についての通知が発出された。 厚労省ホームページ掲載:http://www.pref.tochigi.lg.jp/e04/documents/141222kisaihouhou.pdf ※請求関係で、ご不明な点は各審査支払機関へご確認ください。 4
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