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小宮悦子の
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SPECIAL INTERVIEW
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総合商社
住友商事
代表取締役社長
Guest
中村
晴氏
海外の資源や食料、あるいは様々な商品を日本に輸入し、
日本で作られた製品を世界中に届ける─。かつては、それが総合商社の主な役割だった。
しかし今日、総合商社のビジネスは極めて多岐にわたっている。
日本を代表する総合商社の一つ、住友商事は、
「総合力」を武器に
海外工業団地、自動車、エネルギーなど、非常に幅広い分野での事業活動を行っている。
ニュースキャスター、ナレーターとして活躍する小宮悦子が
代表取締役社長の中村
晴氏に、住友商事の現在と未来について聞いた。
企画・制作=日本経済新聞社クロスメディア営業局
団地を建設しました。ここにもすでに多くの企業の入居
が決まっています。
ビジネス環境の変化は
ピンチではなく大きなチャンス
小宮 先日、BS 放送の番組の取材でベトナムのハノイに
小宮 他国でのビジネスの経験がいきそうですね。
小宮 これまでもそのような「つながり」の実践はあった
行き、住友商事が経営しているタンロン工業団地を訪問
中村 ええ。過去の経験をいかしながら、私たちが得意
のですか。
してきました。電気や水道などのインフラだけでなく、現地
とする電気、通信、物流といった事業分野を組み合わせ
中村 もちろんです。例えば、私が長く関わってきた自動
での雇用支援や法律に関する情報提供など、非常にきめ
た「総合力」を発揮することで、質の高いインフラや事業
車ビジネスでは、原料の調達、部品製造、本体製造、販
細やかなサポート体制が整っているのが印象的でした。
支援のサービスを提供できると考えています。
売、さらにはファイナンスと、それぞれのプロセスを様々
中村 あらゆるビジネスに共通することですが、お客さま
ミャンマーでとくに私たちが注力しているのが人材育
な事業部隊が担うことによって、サプライチェーンの川上
から川下までをつなげています。
の声に耳を傾け、ニーズを的確にとらえ、それに応えるこ
成です。電気工事や鉄道保線などの技術を持つ人たち
とが何より大切だと私たちは考えています。工業団地ビ
を養成する取り組みを現在進めています。産業を支え、
また最近では、グループ会社であるジュピターテレコム
ジネスでいえば、単に土地を提供するだけではなく、入
国を支えるのは人です。人材が厚くならなければ、国は
(以下、J:COM)とサミットエナジーの連携が挙げられま
居する企業の皆さまが不便だと思っていることが何かを
発展していきません。
す。J:COMは、一般家庭向けケーブルテレビ契約で5割
把握し、その課題を
小宮 先日、TPPが大筋合意に至りました。これによって
以上のシェアを持ち、サービス総加入世帯数は約500万
解決するということで
「国づくり」がボーダーレスになっていく可能性もありそう
に上ります。このネットワークを、来年4月からスタートす
す。それが結果的に、
です。
る電力小売全面自由化後の電力販売に活用していきた
きめ細やかなサービ
中村 おっしゃる通りです。米国のアトランタで行われ
いと私たちは考えています。
スにつながっている
たTPPの折衝に随行したのですが、TPPは参加 12カ国
そこで力を発揮するのが、10 年以上前から電力小売
ということなのだと思
の全てが経済的恩恵を得ることのできる協定であると強
事業を手掛けているサミットエナジーとの連携です。サ
います。
く実感しました。関税率が下がるだけでなく、貿易や経
ミットエナジーが生み出す電力をJ:COM の加入者網を
小宮 タンロン工業団地では6万人もの人たちが働いてい
済活動のルールがかなりの部分で統一されることによ
通じて一般家庭に届ける。これなどは、まさしく私たちな
るそうですね。しかし、雑然とした感じがまったくなく、敷
り、国境を越えたビジネスが活発化することが期待でき
らではの「つながり」の形であるといえます。
地内がとてもきれいに整備されていることに驚きました。
ます。
小 宮 ケーブルテレ
中村 現地で雇用された皆さんがいかに快適に働ける
小宮 まさに総合商社の腕の見せどころですね。
ビと電力という一 見
か。それも私たちにとっては非常に重要な視点です。入
中村 今後は、原材料の調達、製造、販売といった活動
何の関 係もなさそう
居企業の業績が上がるだけでなく、そこで働く従業員の
をそれぞれ最も適した国で展開していくといったことが可
な事業がつながるわ
皆さんが生き生きと仕事をすることで、その国の産業が
能になるでしょう。国境を越えたダイナミックなサプライ
け で す ね 。新しい
発展し、国が成長していくと私たちは考えています。海外
チェーンが成立することで、これまでになかった新しい価
ルールやビジネス環
の国でビジネスを成功させようと思ったら、まずはその国
値を生み出していくことができるはずです。住友商事は
境 の 変 化 に 直 面し
の発展に寄与しなければなりません。
「国づくり」に貢献
参加国のすべてに事業所を持っていますが、私たちに
て、そこでチャンスをつかみ、新しい事業を生み出してい
することの先にビジネスの成功がある。それが私たちの
とっても、TPPは間違いなく大きなビジネスチャンスであ
くのが御社のスタイルといえそうです。
信念です。
ると思います。
中村 ルールやテクノロジーは日々変わっていきます。そ
小宮 一民間企業が「国づくりに貢献する」といった大き
小宮 そこでも御社の「総合力」が発揮されると。
れをピンチではなくチャンスと捉えることが大切です。変
な視点を持つのはなかなか難しいことですよね。
中村 はい。その総合力をより強くしていくためには、異
化を先取りし、新たな価値を創造していくこと─。それ
中村 住友商事は2019 年に100 周年を迎えますが、住
なる事業分野の結びつきをさらに活発にしていかなけれ
が私たちの経営理念の一つです。いよいよ変化が激しく
友の事業のルーツは400 年以上前にさかのぼります。そ
ばなりません。私たちは中期経営計画で営業部門間の
なるこれからの時代に、その理念を確かな実践につなげ
の間引き継がれてきた住友の事業精神の一つが「自利
連携を促進することを謳っていますが、TPP が発効すれ
ていきたい。そう考えています。
利他公私一如」です。これは、
「住友の事業は、住友自身
ばそれが一層重要になるでしょう。
を利するとともに、国の発展に貢献し、社会に貢献するも
小宮 いろいろなものを「つなげる」ことが、総合力を発
のでなければならない」といった意味です。その精神や
揮するためには必要なわけですね。
企業文化が、海外工業団地ビジネスに限らず、あらゆる
中村 ここ最近、IoTという言葉が新聞や雑誌をにぎわ
事業分野に行きわたっていると感じています。
せています。IoT の本質とは、まさに「異なるものをつな
げる」点にあると私は考えています。IoTという新しいテク
国境を越えたビジネスに
総合商社の力が生かされる
ノロジーによって、いろいろなものをつなげることが可能
になった。では、何と何をつなげれば新しい価値を生み
出すことができるか。それを私たちは本気になって考え
小宮 現在、新たに注力している国はありますか。
なければなりません。様々な事業分野を持ち、それをつ
中村 社を挙げて取り組んでいる国がミャンマーです。
なげることができるのが総合商社の強みなのですから。
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∼奮闘!商社ビジネスの現場∼
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12月12日(土)
午後5時 30 分∼
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特別篇 中村
晴社長インタビュー
http://ps.nikkei.co.jp/sumitomocorp15/special
﹁つな げる ﹂ことで
いろいろなものを
ティラワ経済特別区というところに、他社と連携して工業
総 合 商 社 ならではの総 合 力 が発 揮されるのですね
│
新 たな価 値 を創 造 していくこと
変化を先取りし、
それが私たちの大切な理念です
「国づくり」への貢献の先に
ビジネスの成功がある