200 0 , 7 5 ,2 0 1 2 0 8 ,N o . 2 5 ,6 月2 3 日版 25 -1 流行ニュース: <アフガニスタンにおける急性出血熱症候群> 急 性 出 血 熱 症 候 群 が Gulran地 域 の 村 で 報 告 さ れ た 。 徴 候 は ク リ ミ ア ・ コ ン ゴ 出 血 熱 (CCHF) と 適 合 性 が あ る 。 国 際 ウ イ ル ス 研 究 所 (NIV南 ア フ リ カ )、 疫 学 セ ン タ ー (フ ラ ン ス )、 WHOを 中 心 と し た 国 際 チ ー ム は 制 圧 ・ 調 査 の た め 、 6月 16日 に 罹 患 地 域 入 り し た 。 25の 疑 わ し い 症 例 ( う ち 死 亡 例 15) が 確 認 さ れ た 。 チ ー ム は 防 護 物 質 や 消 毒 剤 を 提 供 、 出 血 患 者 の 看 護 の た め の 使 用 法 を 伝 授 し て い る 。Heratの 病 院 を 患 者 管 理 の 隔 離 の ひ と つ と し て 、 WHOに よ っ て 装 備 さ れ る 予 定 。 今週の話題: <天然痘ワクチン、暴曝事故例、ロシア連邦> ロ シ ア の 厚 生 省 は 、廃 棄 さ れ た 天 然 痘 ワ ク チ ン の ア ン プ ル で 遊 ん で い た 8 人 の 子 供 達 の 間 で発生した疾患に関する報告(ウラジオストック)を確認した。一部の報道では、ワクチン成 分や、なぜ一部の国では未だに天然痘ワクチンをストックしているのか、に関して誤解が見 ら れ た の で 、 こ こ で は こ れ ら を 明 瞭 に し て お き た い 。(1)天 然 痘 ワ ク チ ン は 、 天 然 痘 ウ イ ル ス か ら で は な く 牛 痘 ウ イ ル ス か ら 作 ら れ て い る 。 (2)天 然 痘 は 根 絶 さ れ 、2国 、 つ ま り ア メ リ カ の ア ト ラ ン タ 、ロ シ ア の Koltsovoに あ る WHO共 同 研 究 セ ン タ ー で は 未 だ に 天 然 痘 ウ イ ル ス の ス ト ッ ク が あ る 。(3)WHOは 、 天 然 痘 ワ ク チ ン(牛 痘 )の ス ト ッ ク の 保 持 を 勧 め て い る 。 牛 痘 ウ イ ルス等の研究員の予防接種に極微量でも必要であり、万が一、天然痘ウイルスが放出された 場 合 に 必 要 と な る 可 能 性 も あ る か ら で あ る 。(4)ワ ク チ ン や 薬 品 、 診 断 材 料 の よ う な 生 物 学 的 材料や製剤は、高圧滅菌や焼却によって安全に処理されるべき。 < チ ュ ニ ジ ア に お け る 出 産 時 予 防 法 ( PAB) > 破 傷 風 ト キ ソ イ ド (TT)の 普 及 率 は 、 発 展 途 上 国 に お い て は “TT2+法 ” で 通 常 モ ニ タ ー さ れ て い る 。“ TT2+法 ” と は 、 一 年 間 に 妊 婦 に 投 与 さ れ た TTの 報 告 予 防 接 種 数 を 、 そ の 年 の 出 生 数 で割って求める方法である。接種数は感染予防された妊婦数、つまり結果的には予防された 新 生 児 数 を 示 す と 考 え る 。 し か し 、 妊 娠 中 にTTの 感 染 予 防 投 与 を 受 け た 妊 婦 の み が カ ウ ン ト され、ワクチン注射をしていない妊婦は除かれる欠点がある。 そ れ に 対 し 、“ PAB法 ”( 予 防 さ れ た 子 供 の 数 を ジ フ テ リ ア -百 日 咳 -破 傷 風 ワ ク チ ン( DTP1) を 受 け た 子 供 の 数 あ る い は 出 生 数 で 割 っ て 求 め る ) は 、 仮 に 母 親 が 妊 娠 の 際 に TT法 で は 感 染 予防必要量の接種を受けていなくても、あるいは報告のない保健施設で受けていても子供が 出生時感染予防されたものとして正しく分類され、その欠点を避ける事ができる。また予防 さ れ な か っ た 子 供 の 母 親 は た だ ち に ワ ク チ ン を 打 た な け れ ば な ら な い の で 、 PAB法 は TTワクチン 投 与 機 会 の ミ ス を 減 ら す の に 役 立 ち 、次 世 代 の 子 供 は 新 生 破 傷 風 (NT)か ら 感 染 予 防 さ れ る 。1 991年 度 に チ ュ ニ ジ ア 国 内 の 免 疫 普 及 調 査 が 行 わ れ た が 、 そ れ で は 、 TTワ ク チ ン 接 種 歴 の あ る 母 親 に よ っ て 予 防 さ れ た 新 生 児 の 割 合 は 77%で あ っ た 。 新 生 児 破 傷 風 の 報 告 数 は 1987年 の 37件 か ら 1991年 に は 8件 に 減 少 。 表1:新生児破傷風患者報告数およびT T 、 P A B 普 及率 1 9 8 5 1 9 9 9、チュニジア 新生児破傷風患者数 破傷風トキソイド普及率 調査 調査 TT2+ PAB (出産時予防法) NT患者(新生児破傷風) * TT2+法は1998年廃止された 年 2 5 2 *チ ュ ニ ジ ア に お け る PAB法 : PAB法 は 1992年 と 1993年 に 導 入 さ れ 、 1996年 、PAB法 の 普 及 率 (80% )は TT2+法 (49% )よ り 高 か っ た 。 同 年 、 新 生 児 の 65% は 母 親 の TTワ ク チ ン 接 種 と 清 潔 分 娩 ( 公 ま た は 民 間 の 産 科 病 院 で の 分 娩 )に よ っ て 予 防 さ れ た が 、 母 親 の TTワ ク チ ン 接 種 経 歴 の み で は15% 、 清 潔 分 娩 の み で は 11% の 予 防 に 終 わ っ た 。 一 方 、 ど ち ら の 方 法 に よ っ て も 9% の 新 生 児 は 感 染 予 防 さ れ な か っ た 。 PAB 法 に よ る TT普 及 率 は TT2+法 よ り 正 確 で あ る 、 と 判 断 さ れ 、 ま た PAB法 は よ り 実 用 的 で あ る た め 保 健 従 事 者 に よ く 受 け 入 れ ら れ た の で 、1996年 に は チ ュ ニ ジ ア の 主 な TT普 及 率 の モ ニ タ リ ン グ 方 法 と し て 採 用 さ れ た 。TT2+法 は 1998年 廃 止 さ れ た 。 *編 集 ノ ー ト チ ュ ニ ジ ア は 国 を あ げ て PAB法 を 実 施 し た 最 初 の 国 で あ る 。 チ ュ ニ ジ ア の 全 国 ワ ク チ ン 接 種 プ ロ グ ラ ム は PAB法 と TT2+法 と の 間 で TTの 推 定 数 に 大 き な 違 い が あ る こ と を 見 い だ し 、PAB 法 が よ り 正 確 で あ る 、と の 結 論 を 下 し た 。DTP1普 及 率 が 高 い 他 の 国 や 、TT2+法 の 正 確 性 が 疑 わ れ る 国 で は PAB法 は TT2+法 に 代 わ る 方 法 と し て 1つ の 選 択 肢 と な り え 、PABの 経 験 を 高 め る こ とが奨励されている。 < リ ン パ 性 フ ィ ラ リ ア 症 (LF) > ー 2000年 の 状 況 ー LFは 15年 以 内 に 消 滅 す る と 予 測 。LFは 身 体 障 害 の 原 因 と し て は 2番 目 に 多 く あ げ ら れ る が 、 比 較 的 経 済 的 な 負 担 も 少 な く 簡 単 な 方 法 で 撲 滅 す る こ と が で き る 。 罹 患 国 を 地 図 1で 示 す 。 1997年以 降 、 撲 滅 計 画 は 公 的 私 的 を 問 わ ず 多 く の 機 関 の 協 力 の も と に 立 案 さ れ た 。 1999年 、 サ モ ア ・ 米 領 サ モ ア ・ Niueの 3 国 で LF消 滅 計 画 が 開 始 さ れ 、 試 験 的 パ イ ロ ッ ト 活 動 が エ ジ プ ト で 開 始 さ れ た 。20万 人 以 上 が ア ル ベ ン ダ ゾ ー ル と ジ エ チ ル カ ル バ マ ジ ン (DEC)の 投 与 を 受 け た 。 ア フ リ カ で は 、LFの 撲 滅 プ ロ グ ラ ム は す で に 進 行 中 の 回 旋 糸 状 虫 症 ( オ ン コ セ ル カ 症 ) 制 圧 と 統 合 さ れ る 事 に な っ た ( 両 疾 患 に 制 圧 戦 略 上 共 通 点 が 多 い た め ) 。1999年 の 回 旋 糸 状 虫 症 の 撲 滅 プ ロ グ ラ ム (OCP)、 ア フ リ カ の 回 旋 糸 状 虫 症 の コ ン ト ロ ー ル プ ロ グ ラ ム (APOC)や L Fプ ロ グ ラ ム は 、LFと 回 旋 糸 状 虫 症 が 共 通 の 風 土 病 で あ る 30の ア フ リ カ の 国 に お い て 、 い か に 協 調 し て 活 動 す る か の 共 通 の 理 解 と な っ た 。 ア フ リ カ 諸 国 で の 共 通 の 風 土 病 に 対 し て は DEC がイベルメクチンの代わりに用いられている。 地図1 :リンパ性フィラリア罹患地域 国ごとの状況 罹患国 不明 流 行 ニ ュ ー ス の 続 報 : < イ ン フ ル エ ン ザ > (WER参 照 ) 2000年 6 月 14日 付 け ア ル ゼ ン チ ン 、 ブ ラ ジ ル 1 か ら の 報 告 。 参 照 : 1 No.23,2000,p.192 (宮川孝芳、嶋田智明、中園直樹)
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