あ み の 会 ざ 便 り

あざみの会(認知症の人と家族の会:長野支部諏訪地区会)
あ
目次
No20(H27年11月号)
り
み
会
の
便
ざ
▶11月4日家族のつどいin和が家の様子
▶小規模多機能型居宅介護施設とは?
▶ 介護職員さんの声
20名の参加者があり、4つのグループに分かれて日頃の様子など
話し合いました。皆さんから寄せられた意見を紹介します。
~1グループ~
テーマ『いま、悩んでいる事』〜このグルー
プでは、ほぼ共通しているのが「この先どう
なるのかが不安」と言う事でした。
・74歳の夫 アルツハイマーの診断が出て
いる。食器洗いが好きでやりたがるのだが、
壊してしまう事もあるのでハラハラしながら
見ている。元々短気な性格だったが、不安
定になると暴力的になった。医師に相談し
たら薬が変わりおとなしくなったが、意欲が
無くなった様な気がする。この先どうなるの
かが心配。
・病院が嫌いなので診断を受けていない
が、レビー小体型のような症状がある。実母
と言う事もあって、幻想を訴えられても否定
しがちになる。ほめる機会があるとうれしそ
うな態度をとってくれるのを見ると、やはり接
し方の工夫が一番効果があると思う。デイ
サービスに積極的ではないので、この先
ショートステイが必要になった時が心配。
・ 今年3月に退職して 、レビー小体型の義
母と脳血管性の義父を介護している。夫は
施設入所も選択肢にしているが、共働きの
時子育てでお世話になった二人には出来る
だけの事をしたい。義母の入院時に義父は
義母の不在に不安がつのり、落ちつかな
かった。主治医の投薬に疑問があり、情報
を集め、介護日誌を付けて、自分で服薬調
整したら落ちつくようになった事もある。ここ
まで何とか頑張れたが、この先がどうなるの
か不安になる。
・週1回のデイサービスの朝は5時起きで準
備して、行く気の無い妻を送り出している。
迎えに間に合わない時は私が送っている
が、帰ってくる時にはニコニコしている事が
多い。デイサービスの様子を尋ねてもまとも
に説明しようとしない。朝の態度も含めて、
私への反発としか思えない。
~2グループ~
*頼りにされる男性介護*
85歳、要支援1の妻を介護している。家で自
分の姿が見える所に居れば安心している
が、出かけると言うと何処に行くか同じことを
何回も繰り返し聞いて困る。娘2人はケアマ
ネで頼りになるが、仕事があるので常時面倒
を見て貰えない。食事は三食自分が用意し
ている。
(皆さんからの意見):この状態では要介護2
相当では?認定の改定をお願いしては。
*特養施設へ入所*
79歳、要介護4の夫を介護している。10年
前より認知症と診断され4年前から急に進行
した。お金に執着があり何に使ったかを細か
く聞き、時には2時間も掛かる。カラオケ大好
き、草むしりや雪かきをする。ディサービスに
は仕事に行ってくると出かけるが記憶力、理
解力はない。1週間ほど前に暴言が酷く家出
し、市役所に相談して特養に入れることにな
り、先日急遽入所した。
(皆さんからの意見):病気で病院に入った気
持ちで過ごしましょう。あざみの会には引き
続き出席してね。
~3グループ~
*デイサービスに行きたがらない*
実姉の介護中。デイサービスに1回行ったが
「もう行きたくない」というので困ってしまう。
直前まで今日がデイサービスの日であること
を本人に伝えないようにしている。
(ケアマネさんからのアドバイス)デイサービ
スは目的に見合ったところを見つけるのが一
番。例えばリハビリをしたいなら、リハビリので
きるところ、人と関わるのが好きな人ならにぎ
やかなところ…など目
的にあうところを探すと
良いと思う。
*薬を飲みすぎる母*
認知症の母を夫婦で介護中。母は病気
を良くしたい…という思いからか薬を飲
みすぎてしまう。小さな箱に1回分づつ
入れて渡すようにしているが、目を離し
たすきに3日分飲んでしまったことがあっ
た。
(皆さんからの意見)自分の家でも同じよ
うなことがあったが、飲んだ後の空の袋
を次回の薬の時間まで箱の中に残して
おくようにし、「薬がほしい」と言ったら空
の袋を見せることで本人も納得してくれ
るようになった。それが本人を怒らせず
に済む一番良い方法だと思っている。
~4グループ~
*年齢が若いので辛い*
68歳の妻(要介護2)を介護中。80歳前
後の認知症なら諦めもつくが、妻は68歳
のため辛い。自分の体調も悪く、不安は
増すばかり。特養の申し込みをするつも
り。
(皆さんからの意見)ご自身の体調の回復
のために、老健等に入所して介護から
離れる時間を持った方がいい。認定調
査の際に、日常生活での問題行動を
知ってもらうために日頃から書きとめて
おくと良い。
*特養入所で一段落*
要介護3の義父を介護中。特養入所とな
り一段落したと思う。本人は帰宅願望も
なく穏やかに過ごしている。環境の変化
などがなくなったので落ち着いたと思う。
*グループホーム入所に罪悪感*
要介護4の義母を介護中。グループホー
ム入所を考え始めたが、罪悪感があり
迷っている。
(皆さんからの意見)今までよく看たから
罪悪感は持たなくていいと思う。
今回のつどいは施設見学をかねて宅老所“和が家”で行いました。小規模多機能型居宅介護についての説明を聞い
つどいの様子
たり、施設内を見学させて頂き、有意義な時間を過ごすことができました。和が家の皆さん、ありがとうございました!
地域に開かれた場所であるために“かふぇ食堂”を併
設。この日も多くのお客さんで賑わっていました。在宅
で過ごす人のため安否確認を兼ねた配食サービスも
三食年中無休で行っています。
木をふんだんに使った広いリビング。テレビを見たり、
農作業ををしたり、畳の部屋でくつろいだり…利用者
が“その人らしく”過ごせるような工夫されています。
介
護 職
員
さ
ん
の
声
認知症の介護とは切っても切り離せない介護施設の利用。いつもお世話になっているとはいっても、介護職員の方のお話は
なかなか聞く機会がないものです。今月は今回のつどいでお世話になった宅老所“和が家”の統括責任者三井泉さんに介護
に寄せる思いを伺いました。
Q1.和が家の紹介をお願いします。
平成20年に設立し、現在岡谷市内にデイサービス、小規
模多機能型居宅介護など8つの事業所を運営しておりま
す。「地域の和が家を目指します」を理念に、安心して過ご
せる居心地の良い居場所を作るようにしています。また在
宅介護は地域の協力がなければなりたちません。engawa
かふぇ食堂の壁を挟んだ隣に介護施設がある事で、まずは
知って頂き見学に来てもらい場所を活用して頂くことで地
域の人とのつながりを築き、地域に開かれた場所を作るこ
とにも力を入れています。
Q2.介護職を志したきっかけを教えて下さい。
母が介護職員でその姿を見ていて自分も福祉の仕事がし
たいと思い介護福祉士になりました。当初は別の事業所に
いましたが、流れ作業のような介護に疑問を持ち、大きな
組織の中だと自分のやりたいことができない…と感じていた
矢先、和が家の今井代表に声をかけて頂き和が家の立ち
上げから関わらせて頂きました。人は誰でも必要とされた
り、役割があることで自分の存在価値を実
感でき、自分の居場所と感じる事が出来る
と思うので、その人がその人らしく過ごせる
役割、必要とする場をつくることに心掛けて
おります。
Q3.利用者の方とのエピソードで心に残ることがあれば教えて
下さい。
エピソードではないですが、最近感じることは“ありがとう”と利
用者の人に言わせない介護をしたいという事です。かつては
利用者さんに“ありがとう”と言ってもらえるような介護をしたい
と思っていました。でも経験を積む中で自分が逆に“ありがと
う”と言いたい、人に感謝したいと思うようになりました。感謝の
言葉は、気を使って言ってもらっている場合もあるので相手に
気を使わせないような介護、“介護する側される側”ではなく、
それを感じさせないような人と人とのつながりを大切にした介
護をしたいと思っています。
Q4認知症の介護をしている方に一言アドバイスをお願い
します。
在宅での生活は地域や家族の協力なしには成り立ちません。
家族や地域の方、そして福祉事業所と協力し合いながらお互
い無理しないよう、一人で背負いこまないようにすることが大
切だと思います。
Q5.介護施設を選ぶポイントは何ですか?
まず何を目的に施設を利用するか、本人が何を望んでいるか
で、ゴールを明確にすることが大切だと思います。介護者の介
護疲れを軽減したいのか、リハビリを行いたいのか…施設の
利用は介護する上での通過地点にすぎませんが、目的を
明確にすることで選びやすくなると思います。
学習会のご案内
「認知症について
先生に聞きたいこと」
~諏訪共立病院
五味先生を囲んでの座談会~
12月2日(水)
14:00~15:00
参加費100円
諏訪共立病院の五味春人先生
を囲んで、認知症をテーマに
座談会を行います。普段なか
なか先生に聞けないようなこ
と、相談できないことなど
なんでも聞いてみましょう。
*あざみの会のご案内*
小規模多機能型居宅介護とは、利用者のニーズに合わせ通い、泊り、訪問のサービスを組
み合わせて多機能なサービスを提供する小規模な施設です。 諏訪地区には12か所あり、
メリット・デメリットは以下のようになります。
【メリット】
・少人数登録制のため、家庭的な雰囲気の中で他の
利用者・職員と楽しくすごすことができます。
・「通い」「泊り」「訪問」などのサービスを利用して、
いつも顔なじみの職員がケアを行います。
・24時間年中無休なので、いざという時も対応可能。
安心して在宅生活が送れます。
・月額定額制なので、介護保険利用限度額からはみ
だす心配がありません(他サービス利用の場合を除く)。
・介護度が中等度になっても、住み慣れた自宅での
生活を可能にします。
【デメリット】
1事業所あたりの利用者登録は
29名以下。
・他の事業者の訪問介護やデイサービス、ショートステイ
*通い:18名以下
などは利用することはできません。
*泊り:9名以下
・ケアプランは小規模多機能型に所属するケアマネー
と定員が決まっています。
ジャーが担当することになるため、今まで在宅で介護
サービスを受けていた方はケアマネージャーが変わり
ます。
次回の家族のつどい:来年1月6日
14:00~15:00
あざみの会では家族のつどいの他、認知症に関する学習会なども開催しています。どなたでも入会できますので
お気軽にお問い合わせ下さい(年会費1000円)。皆様のお越しをお待ちしています!
あざみの会に関する要望やお問い合わせは下記までお願いします。
諏訪郡下諏訪町4342-6 あざみ胃腸科クリニック
0266-28-0505
担当:小笠原