平成 27年 7月 22日 脳神経科学 (第 10 話) 学習 アメフラシ(ウミウシ) エリック・カンデル 頭 頭部(サイフォン)をたたく エラを引っ込める (Gill Withdrawal reflex) 同じところを繰り返したたくと エラを引っ込めなくなる (慣れ・Habituation) サイフォンを軽くたたく エラを引っ込めない 頭部を(強く)たたく (1) サイフォンを軽くたたく エラを引っ込める (2) 頭部(強く)をたたく エラを引っ込める サイフォンを軽くたたく エラを引っ込める アメフラシは条件づけされる 条件づけ(Conditioning) ① サイフォンを軽くたたく (条件刺激) ② 頭部を(強く)をたたく (無条件刺激) ③ エラを引っ込める (条件反応) 条件付け(conditioning) (conditioned stimulus: CS) (unconditioned stimulus: US) 条件反応 条件反応 嫌悪条件付け 条件刺激:音 無条件刺激:電気ショック 条件刺激: 音 ↓ 条件反応:不動化 (freezing) 条件刺激:音 ↓ 条件反応:不動化 (freezing) オペラント条件付け レバー オペラント条件付け オペラント条件付け オペラント条件付け 学習 (learning) 1.慣れ (Habituation) 2.感作 (Sensitization) 3.条件付け (Conditioning) 古典的条件付け (Classical conditioning) オペラント条件付け (Operant conditioning) (道具的) 4.運動学習 (Motor learning) 5.知覚学習 (Perceptual learning) 条件付け (Conditioning) 古典的条件付け(Classical conditioning) 本来動物が持っている反射を条件付ける 唾液分泌、瞬目反射・・・・ オペラント条件付け(Operant Conditioning) 動物が自発的に行なう行動を条件付ける レバー押し、迷路学習、弁別学習 4.運動学習 (Motor learning) 自転車(一輪車)、逆上がり、はしの持ち方・・・ 5.知覚学習 (Perceptual learning) 人の顔、地図・・・ 学習の神経メカニズム サイフォンを軽くたたく エラを引っ込める アメフラシは条件づけされる 条件づけ(Conditioning) ① サイフォンを軽くたたく (条件刺激) ② 頭部を(強く)をたたく (無条件刺激) ③ エラを引っ込める (条件反応) アメフラシのエラ引っ込み反射 (Gill withdrawal reflex) 無条件刺激 引っ込み アメフラシが学習すると・・ 条件刺激 引っ込み シナプス(神経と神経の結合部)での変化 介在ニューロンの 神経終末 サイフォンからの 感覚ニューロンの 終末 サイフォンからの 条件刺激のみ 神経伝達物質 (グルタミン酸) のわずかな放出 グルタミン酸 運動ニューロン 条件刺激-無条件刺激によって・・ ② 頭部からの無条件刺激 ① サイフォンから の条件刺激 ③ グルタミン酸が 多量に放出 セロトニン 運動ニューロン 条件付け(学習)が成立すると サイフォンからの 条件刺激のみ グルタミン酸が多 量に放出 運動ニューロン アメフラシに条件付けが起こるとき ① 条件刺激 ② 無条件刺激 条件付けによる変化=シナプスの伝達効率の上昇 嫌悪条件付け 条件刺激:音 無条件刺激:電気ショック 条件刺激: 音 ↓ 条件反応:不動化 (freezing) 条件刺激:音 ↓ 条件反応:不動化 (freezing) 扁桃体外側核ニューロンの条件刺激(音)に対する反応 (血圧・心拍上昇, Freezing) 嫌悪刺激 音、視覚刺激 USとCSの組合わせにより、CSを伝えるニュ ーロンから扁桃体外側核ニューロンへのシ ナプスの伝達効率が増加する オペラント条件付け・運動学習 ・ 小脳 ・ 大脳基底核 (学習の完成期) (学習の初期) 意識的 運動系 (高次運動野) 無意識 感覚系 一次運動野 条件刺激 条件刺激 オペラント行動 (ぎこちない) オペラント行動 (スムース) 小脳 運 動 系 小脳 遠心性コピー フィードバック プルキンエ細胞 大脳皮質 運動野 骨格 筋肉系 運 動 の 発 現 小脳は、運動系からの情報(フィードバック)と運動指令(遠心性コピー)との誤 差を計算して、適切な指令を運動系に送る。 円滑、正確な運動の発現 大脳基底核 大脳基底核: スムースな運動の発現、姿勢の保持・・・ パーキンソン病患者 大脳基底核損傷サル 大脳基底核は、行動の学習(オペラント条件付け)に必須 ・ オペラント課題遂行中・・・尾状核の神経活動上昇 ・ 大脳基底核の破壊・・・・オペラント条件づけに障害 ・ 大脳基底核への視覚経路遮断 ・・・視覚に基づくオペラント条件付け障害(視覚は正常) 大脳基底核の神経路 運動性入力 大脳基底核 さまざまな感覚入力 (学習の完成期) (学習の初期) 意識的 運動系 (高次運動野) 感覚系 一次運動野 条件刺激 感覚系 運動系 (高次運動野) 一次運動野 条件刺激 無意識 大脳基底核 オペラント行動 (ぎこちない) オペラント行動 (スムース) 小脳 オペラント条件付け・運動学習 ・ 小脳 微細な運動のコントロール ・ 大脳基底核 刺激と行動の連合 無意識な運動パターンの発現 まとめ ウ いミ わウ んシ や、 な 人お 間も をて や学 。 習 す る 。 親 鸞 ( 歎 異 抄 ) 善 い人 わ ん、 な やお 悪も 人て を往 や生 。を 遂 ぐ 。 レポート 動物が以下の学習することを示す例を挙げなさい ・ 慣れ(habituation) ・古典的条件付け いずれも、哺乳類、鳥類を除いた、できるだけ下等な動物で、 具体的な実験例などを挙げて A4レポート用紙1枚 (表紙なし) 締め切り:8月 5日(水) 最終試験 8月5日(水) 範囲: 神経・活動電位~学習 ノート、資料等持込不可
© Copyright 2024 ExpyDoc