様式 7-1 個別案件（専門家）案件概要表案件概要表（専門家）派遣国名カザフスタン協力対象国名カザフスタン指導科目生産・品質管理指導科目（英） Production/Quality Control 配属機関カザフスタン共和国国民経済省配属機関（英） Ministry of National Economy of the Republic of Kazakhtsan 任地アスタナ、アルマティ ※全角カナ派遣予定 M/M 3.75M/M カザフスタン共和国（以下、カザフスタンという）は1991 要請背景年12月に独立して以来、CIS諸国の中でも急進的な改革路線をとっており、プラスの経済成長を達成している。2013 年度世銀発表の国民1人当たりGNIは11,380ドルに達しており、GDP成長率は近年6%前後を維持しているが、そのほとんどは豊富な天然資源に依存している。経済分野の人材に関しては、この急速な経済成長に追いついておらず、産業の多角化も進んでいない状態にある。こうした背景のもと、カザフスタン政府は1997年、長期開発計画「カザフスタン2030」を策定し、2030年を目標年に、市場経済をベースとした東アジアの中進国レベルまでの経済成長の達成と、そのための人材の開発に重点的に取り組む開発戦略を掲げている。また「カザフスタン2030」をより具体化させた「カザフスタン国産業革新発展工業開発戦略プログラム」（2003－2015年）では、中小企業振興の必要性に着目しており、製造業を中心に産業の多角化を目指している。さらに、国家プログラム「Productivity 2020」では、これら産業のいっそうの効率化を目指す基盤として、「カイゼン活動」、「リーンプロダクション」を推進している。しかしながら、これらの考え方はカザフスタン国内ではまだ十分には浸透しておらず、企業指導を行うことができる専門家の育成が急務となっている。JICAでは、これまで「カザフスタン日本人材開発センター・企業振興プロジェクト」を通して、この分野の専門家を派遣してきた。同プロジェクトは2012年9月をもって終了したが、カザフスタン様式 7-1 個別案件（専門家）案件概要表国内では「カイゼン活動」が最も盛んである日本からの専門家派遣のニーズ及び要望は依然として強く、プロジェクト終了後も、引き続き個別で専門家派遣を要請してきているものである。その後、2014年にカザフスタン政府が1兆テンゲの基金を用意し、その一部を国家経営持株会社「バイテレク・ホールディングス」傘下の中小企業振興基金「DAMU」を通じて中小企業支援を行うことを決定した。カザフスタン政府からJICAに対してもDAMUと連携した形での中小企業振興への支援の要望があり、カザフスタン日本人材開発センター及びDAMUと協議を行った結果、共同で事業を行うことに合意した。我が国のカザフスタンに対する援助方針においては、経済開発と社会開発のバランスが取れた国づくりを支援すると定められている。また、そのための「小目標」として、「持続的経済成長のための政策策定・制度整備・人材育成」を掲げており、本専門家派遣は、天然資源依存からの脱却を図り、経済安定や企業振興に資するための人材育成に直接寄与する。派遣の目的本専門家の派遣により、企業診断・指導を実施できる現地の専門家が育成されるとともに、カザフスタン企業の「カイゼン活動」導入が促進される。また、中小企業振興をさらに促進するため、中小企業金融を実施する DAMU と連携した事業を行う。期待される成果１．セミナー受講生の「カイゼン」分野の理解が向上する。２．OJT を通じて企業における「カイゼン活動」の重要性が認識される。３．「カイゼン活動」の導入が現地の専門家によって行われる。４．DAMU が金融支援する中小企業の品質・生産性が向上する。活動内容１．生産・品質管理分野の専門家を派遣し、アルマティ及びアスタナの2都市でセミナーを行う。なお、アルマティでは「カザフスタン日本人材開発センター（KJC）」の人材、施設を活用して行う。具体的な活動内容は下記のとおり。様式 7-1 個別案件（専門家）案件概要表 ① 本テーマにかかるテキストの準備 ② OJT実施企業の選定 ③ 講義・OJT実施 ④ 受講生（企業の生産・品質管理担当責任者等）への個別コンサルティング ④ 現地講師・KJCスタッフへの指導２．DAMUが金融支援する中小企業に対して上記専門家が生産・品質管理の能力強化を支援することを通じて、技術面、資金面双方から中小企業支援を行う。具体的な活動内容は以下の通り。 ①DAMUが金融支援する中小企業に対するセミナー開催及び技術指導対象企業の絞り込み ②対象企業に対して企業訪問・診断と改善に向けたコンサルテーションの実施 ③対象企業の改善状況のフォローアップ