「ジャスコ福知山店」 - ヒートポンプ・蓄熱センター

「ジャスコ福知山店」
1.建物概要
建物名称
所在地
福知山グリーンシティー
京都府福知山市
建物構造・階数
S造・2階建て
延床面積
22,000㎡
空調面積
(蓄熱部分)
リニューアル・新築区分
主要用途
21,000㎡
(約4,000㎡)
新
築
店
舗
図1.建物外観
2.蓄熱式空調設備/システム
空調システム
個別分散型(パッケージ)
容量(型式)
×台数
・37.5馬力相当
(SPW-CHJ840T)×4台
空調機器メーカー
三洋電機(株)
蓄熱空調導入年月
平成10年11月
設備設計事務所
(株)きんでん大阪支社
設備施工会社
(株)きんでん大阪支社
図2.空調機器(蓄熱槽&室外機)
3.導入経緯
コスト管理に厳しく、エネルギーを大量に消費する大型ショッピングセンターでは、
社会性(環境性・電力負荷平準化)に少しでも寄与しながら、イニシャルコストの増加
を最小限に押さえてランニングコストを削減することが施設計画の命題であり、その解
決方法として、「氷蓄熱式パッケージ」(氷―同時運転マルチ)をご採用いただくことと
なった。
当初は、一般的な「ビル用マルチ」で検討されていたが、
「氷蓄熱式空調システム」
を導入しても、コストアップ分を最小限に押さえればメリットが大きいと判断された。
表1.非蓄熱方式とのコスト比較検討(試算)
[千円]
氷蓄熱式空調システム
非蓄熱式空調システム
イニシャルコスト(正価)
空調設備機器(機器費のみ)
設置補助金等
エネ革税制、各種助成金等
イニシャルコスト(実勢比)
ランニングコスト
(主契約名)
19,050
−
−
133%
100%
(業務用電力 6kV)
(業務用電力 6kV,業務用蓄熱調整契約)
¥1,660/Kw×119 kW×0.85×12 ケ月 =
¥1,660/kW×155 kW×0.85×12 ケ月=
2,015
基本料金
従量料金
24,040
−
▲
840
冷房 (夏季)
(他季)
(夜間)
暖房 (他季)
ランニングコスト合計
回 収 年 数
¥14.15/kWh×124.4kW
×654h
2,624
=
¥14.15/kWh×162.5kW
1,151
¥12.86/kWh×124.4kW
×190h
=
¥12.86/kWh×162.5kW
304
¥ 4.12/kWh×307.2kWh/d×150d
=
×179h
=
374
=
−
190
×683h
=
1,086
約 4,746 (86%)
¥12.86/kWh×123.6kW
×616h
1,416
×546h =
1,085
約 5,499 (100%)
¥12.86/kWh×154.5kW
約 2.7 年
注記)
・上記表の数値は、試算したものであり実績に基づくものではない。
・イニシャルコストにおいて、表中は正価で示したが合計の比率はより実勢に近い値で
換算した。
4.配慮した点
今回採用された「氷蓄熱式パッケージ」では、負荷に対する容量制御を行うことはでき
るが、「室内機」の個別ON/OFF制御はできないという制約条件があり、負荷側での
ニーズに答えるためのゾーニング(物販ゾーンと専門店・飲食店ゾーン)を行いながら、
コスト管理に注意した。
同時0N/OFF制御でも対応が可能な物販ゾーンには「氷蓄熱式パッケージ」を導
入し、個別ON/OFF制御が必要な専門店・飲食店ゾーンには「非蓄熱式ビル用マル
チ」を導入した。
同じ建物内であっても、業種によって違いのある空調ニーズ(時間帯・温度域・個別
ON/OFF制御の必要性)に対応するため、ゾーン毎に導入する機種選定を行うこと
で、大規模ショッピングセンターにおけるコスト低減を図った。
図3.業種による「氷蓄熱式空調システム」のゾーンニング
表2.ゾーン毎の空調方式
物販ゾーン
氷蓄熱式パッケージ
(大空間氷エコマルチ)
空調方式
空調機器総能力
空調機器台数
150馬力
専門店・飲食店ゾーン 他
非蓄熱式ビル用マルチ
(大容量インバターレス W エコマルチ)
780馬力
室外機
4台
34台
室内機
28台
180台
5.そ の 他
全館の空調を「個別分散型空調システム」で行っているが、電力消費の大きなショッピ
ングセンターにおける「空調システム」のあり方として一つの方向性を示すことができ
たと考えている。
三洋電機空調(株) 近畿支店 エンジニアリング部 部長 井 上
〃
主任 垣 内
一 之
章 良
(電話:06-6339-5778,FAX:06-6339-5776)