高感度PSA測定について

FAQ(免疫)
高感度PSA測定について
Q PSAを高感度に測定することの利点はどんなことですか。
A
前立腺肥大症や前立腺癌の治療として前立腺全摘出を行った場合、血中PSA濃度は、0.01ng/ml以下に
なることも珍しいことではありません。再発を観察するための術後管理においては、高感度のPSA測定
系が要求されます。
また、高感度PSAは再発を早期に発見することを可能にするだけでなく、前立腺全摘出術後、どこまで
PSA値が下がるかを観察するためにも有用と言われています。これは、術後の高感度PSA nadir値*が低
いほどPSA再発のリスクが少ないことが報告されているためで、予後予測因子として有用であると臨床
的に示唆されています。さらに、内分泌療法にて、nadir値が0.1ng/mL未満まで下降する症例では予後が
良好である可能性が高く、nadir値が0.01ng/mLまで下降した症例では、さらに予後良好な可能性が高い
と報告されています。
高感度PSAを測定することは、追加治療の適否や治療開始時期を早期に判断することが可能と考えら
れ、また患者本人に事前に説明することができると期待されています。
* PSA nadir値・・・PSAの最低値
<参考>
前立腺全摘除術後PSA再発診断における高感度PSA測定の意義 Urology View Vol.6 No.2
内分泌療法における高感度PSA測定の意義 Urology View Vol.6 No.2