ヒペリカムの栽培 - JA和歌山県農

平成 27 年 新年号
和歌山県JA花き情報
ヒペリカムの栽培
福花園種苗(株)営業部
第 331 号(10)
次長
藤田和義
ヒペリカムは、初夏から秋にかけて実付きの枝物として出荷されます。露地で栽培
ができる省力品目の一つで、-10℃までの耐寒性があります。
花は 5 月頃に開花し、6 月~7 月頃に実を結びます。出荷は暖地 6 月の季咲きから
高冷地7月が中心です。
今回ご紹介するヒペリカム2種は、国内で実生から選抜した福花園オリジナル品種
で、日本の気候に適した特性を持っています。
種苗は7.5cmの黒ポリポットで供給され、供給時期は4月です。ほ場の占有期
間は4~5年で、据え置き栽培とします。
紹介品種
ピーチキャンディ
つやある桃色実で実付の良い品種です。草丈は良く伸び、しかも基部より分枝する
ため長い実付切り枝を切ることが可能です。
ショコラティエ
つやのある茶色の実をつけおいしそうに見える品種です。草丈は長く伸びます。既
に販売している、ラブショコラの改良品種です。
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平成 27 年 新年号
第 331 号(11)
和歌山県JA花き情報
2年目株の形質
1)栽培法
<露地栽培>
定植ほ場はpH5.5~6.0になるよう石
灰などで事前に調整をします。
元 肥 は 、 堆 肥
3 0 0 k g / a
形質 ピーチキャンディー ショコラティエ
草丈
92cm
80cm
茎立数
9本
7本
1房実数
11個
13個
実径
10×8mm
10×8mm
枝数
15枝/本
13枝/本
茎径
6mm
6mm
N:P:K=2kg:3kg:4kg/a(各成分量)で打ち込みます。葉やけの原因になるので、過
剰施肥に気をつけましょう。
追肥は、苗の活着後に遅効性の化成肥料を N:P:K=0.5kg:0.5kg:0.5kg/a(各成
分量)を株元から少し離した位置に置肥します。
定植間隔は、株間50cmの 1 条植え、畦幅50cm、通路50~60cmとしま
す。 水田では高畦20~30cmとして排水性を確保します。苗は枯れるのを防ぐ
ため暖かくなってから定植をします。
枝の切り戻しは、秋に切り戻すと枯れやすいので、春の新芽の伸長初期に地上部
10cmくらいのところから切り戻します。
<芽整理>
1 年目は 5 本程度、2 年目は 10 本程度、3 年目以降は 20 本程度(株あたり)に芽
の数を整理をします。1 年目は株作り主体に考えたほうが良いです。
暖地
1年目
春定植 2年目
1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10月 11月 12月
● ●
×
3年目も継続
暖地
1年目
秋定植 2年目
×
高冷地 1年目
春定植 2年目
● ●
3年目も継続
● ●
×
高冷地 1年目
秋定植 2年目
3年目も継続
●
×
●定植 ×切り戻し
●
3年目も継続
出荷期
2)病害虫防除
さび病・・・梅雨の時期に発生が顕著なので、1~2 週間ごとに適宜専門薬で予防
散布をします。
3)収穫と出荷
1 番花の実の色が良く出たら、切って水上げし出荷します。
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