前回の解答 M=132でC,Hを含み、Oもあるかも 132 12=11あまり0

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前回の解答 M=132でC,Hを含み、Oもあるかも
132 12=11あまり0 → 最大炭素数10
炭素数 炭素分のM
差
最大水素数
可能な分子式
10
120
12
22
C10H12
9
108
24
20
C9H8O
8
96
36
18
C8H4O2
7
84
48
16
C7H16O2
6
72
60
14
C6H12O3
5
60
72
12
C5H8O4
4
48
84
10
C4H4O5
第12回
2016年 1月 22日 金曜日
2
前回の追加説明 ーカチオンラジカルって?ー
(非常にラフな有機物限定の説明)
アニオンラジカル
H
H
電荷
C
H
H
+ e-
H
C
H
- e-
H
H
+
C
H
H
H
H
-1
0
+1
一重項
二重項
偶数
奇数
スピン
二重項
多重度
電子数
カチオンラジカル
奇数
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アニオン
H H
電荷
C
H
-
H+
H
C
H
H
-
H-
H
C
H
H
-1
0
+1
一重項
一重項
偶数
偶数
偶数
Chem-Stationの以下の記事に詳細が書かれています
http://www.chem-station.com/yukitopics/radicalion.htm
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+
H
スピン
一重項
多重度
電子数
カチオン
3
第12回
4
様々な官能基の開裂の仕方
・アルコール
α-開裂(アミンでも同じように起きる)
OH(N)に一番近いC­C結合が切れる
R'
•
+
R C O H
R"
••
分子イオンion
Molecular
(a radical cation)
(ラジカルカチオン)
+
+
••
R'-C ••
O H
R'-C=O-H
R"
R"
共鳴安定化された
A ラジカル radical
A resonance-stabilized
oxonium ion
オキソニウムイオン R• +
[M-R]+
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5
様々な官能基の開裂の仕方
・アルコール
脱水
分子イオンからH2O(18)が脱離する
H
C
+・
OH
C
+・
C
C
+ H2O
[M-18]+
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6
2-ヘキサノールのMSスペクトル
スペクトルはSDBSより
CH3CHCH2CH2CH2CH3
OH
M = 102
m/z=45
+
CH3CH
OH
[CH3C=CHCH2CH2CH3]+•
+
CHCH2CH2CH2CH3
OH
m/z=84
m/z=87
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7
様々な官能基の開裂の仕方
・カルボニル化合物
McLafferty転位
例
O
H
六員環遷移状態
+・
O
H
カチオンラジカルと
アルケンが生成
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8
様々な官能基の開裂の仕方
・カルボニル化合物
α-開裂
RCH2
O
C R'
RCH2
+
O
C R'
安定な
アシルカチオン
が生成
McLafferty転移もα開裂もケトン・アルデヒド・
カルボン酸・エステルなどさまざまな
カルボニル化合物において起きる
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9
+
2-オクタノン(M =128)のフラグメントイオン
スペクトルはSDBSより
m/z=58
.
m/z=43
O
.
O
O
H
O
H
H
O
McLafferty転位
αー開裂
O
αー開裂
.
m/z=128
M+
m/z=113
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10
マススペクトルの窒素ルール
一応ベリリウムを含まない場合という特殊な条件はある。
フラグメントイオンの話ではないので要注意!
(フラグメントイオンはNが無くても奇数になる)
整数分子量が
偶数の分子は窒素を偶数個
}含む
奇数の分子は窒素を奇数個
※ 窒素を含まないものはゼロなので偶数扱い
奇数原子価をもち,かつ最安定同位体が偶数質量数で
ある原子は全原子中で窒素しかない
例
CH3
N
H
OH
1x5 + 12x1 + 14x1 + 16x1
= 47
最安定同位体の質量数
H
C
N
O
1
12
14
16
原子価
1
4
3
2
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前回の訂正
質量分析におけるさまざまなイオン化法
イオン化法の例
ハードイオン化法
測定対象が分解されたものも検出される
EI (電子衝撃イオン化法)
Electron Ionization
ソフトイオン化法
主に測定対象の分子量のみ検出される
FAB (高速原子衝突法)
Fast Atom Bombardment
FABは強めのソフトイオン化法に
分類されるのが一般的でした
MALDI (マトリックス支援型レーザー脱離イオン化法)
Matrix-Assisted Laser Desorption Ionization
ESI (エレクトロスプレーイオン化法)
ElectroSpray Ionization
FD (電解脱離イオン化法)
Field Desorption
FAB、FDに関することは試験に出しません
2016年 1月 22日 金曜日
第11回