北海道大学 博士課程教育リーディングプログラム 「One Health に貢献する獣医科学グローバルリーダー育成プログラム」 海外出張報告書(教員用) 氏名 中尾 所属 寄生虫学教室 職 特任助教 出張先 Yangon 大学 Zoology 部門 平成 27 年 6 月 2日提出 亮 Pyay 大学 Zoology 部門とその周辺の農村地域 Mandalay 大学 Zoology 部門とその周辺の農村地域 出張期間 2015 年 5 月 14 日〜2015 年 5 月 24 日 目的 ミャンマー連邦国の3大学(Yangon 大学、Pyay 大学、Mandalay 大学)を訪問し、大学教員との意見交換ならびにセミナーを開催し、 リーディングプログラムについて広報活動を行う。また、同大学 Zoology 部門の大学教員とともに、海外疫学演習活動の演習先候補 の視察を行う。 活動内容 【概要】 本出張では、ミャンマー連邦国の3大学(Yangon 大学、Pyay 大学、Mandalay 大 学)を訪問し、当該大学の研究教育環境について視察を行うとともに、大学教官との 意見交換ならびにセミナー開催により、リーディングプログラムの概要、カリキュラ ムの特色、大学院学生の募集について情報提供を行った。また、ミャンマー獣医科学 大学教員(Dr. Saw Bawm)、Mandalay 大学教員(Dr. Khin Myat Myat Zaw)、 Pathein 大学教員(Dr. Mie Mie Kyaw)とともに、Pyay 大学、Mandalay 大学周辺 の農村地域で野生齧歯類とその外部寄生虫を採集し、海外疫学演習活動の演習先候補 としての適正を視察した。 左から、セミナー風景(Mandalay 大学) 、機器技術指導(Yangon 大学) 、サンプリング実演(Pyay 大学) 北海道大学 博士課程教育リーディングプログラム 「One Health に貢献する獣医科学グローバルリーダー育成プログラム」 左から、齧歯類採集(Mandalay 周辺) 、齧歯類採集(Pyay 周辺)、外部寄生虫採集(Pyay 周辺) 【海外疫学演習受け入れ体制】 ミャンマー連邦国の大学には、付属のゲストハウスを所有するものが多い。今回は、 Mandalay 大学の短期外国人滞在用のゲストハウスを視察した。国自体の治安が良い ことに加え、ゲストハウスは大学構内にあり、警備員が24時間駐在することから安 全といえる。個室内には冷蔵庫、簡単な調理ができるキッチンが備え付けられており、 長期滞在にも適する。利用申請には、各大学の細かなルールがあり、大学間あるいは 部局間で MOU を締結していることが望ましいようだが、受け入れ担当教員の裁量に よるところも大きいようだ。 左から、外国人用ゲストハウスの外観、居室、簡単なキッチン(Mandalay 大学) 【Zoology 部門との連携】 感染症、特に野生動物に由来する人獣共通感染症の疫学調査研究において、獣医学 以外の分野の研究者との連携が課題となっている。今回の出張では、北海道大学大学 院環境科学院の鈴木仁教授、ならびに訪問した3大学の Zoology 分野の研究グループ との共同疫学調査を視察した。Zoology 分野の教員は、3、4年おきに大学間で人事 交流を行うことから、ミャンマー全土で研究ネットワークが構築されている。研究対 象が獣医学分野と近く、共同での研究推進に積極的なことから、今後の交流により分 野融合型の海外実践疫学演習計画の立案が可能であると考えられた。 北海道大学 博士課程教育リーディングプログラム 「One Health に貢献する獣医科学グローバルリーダー育成プログラム」 左から、Zoology 部門が所有する標本(Mandalay 大学)、採集したサンプル、協議風景(Mandalay 大学) 【滞在中のスケジュール】 5 月14日:ヤンゴン着 5 月14−15日:Yangon 大学 Zoology 部門を訪問し、Prof. Myinzu Minn、Prof. Thida Lay Thwe と面会し、リーディングプログラムの趣旨の説明と今後の協力依頼 を行った。また、同大学に最近導入されたリアルタイム PCR 装置について、その使 用方法と応用例について大学教員向けに講習会を行った。 5 月16−17日:Pyay 大学 Zoology 部門を Yangon 大学教員とともに訪問し、実習 施設を見学した。前日に大学近辺で野外捕獲した齧歯類について、遺伝子解析材料の 調整方法を Pyay 大学教員ならびに大学院生に実演した。 5 月18−19日:Pathein 大学教員とともに、マンダレー地方域の農村地域5箇所で げっ歯類の捕獲、外部寄生虫の収集を行った。 5 月20−23日:Mandalay 大学を訪問し、学長の Prof. Maung Thynn と面会しリ ーディングプログラムの趣旨の説明と今後の協力依頼を行った。さらに、同大学 Zoology 部門の Prof. Thant Zin が中心となり開かれたセミナーで、リーディングプ ログラムならびにゲノム解析技術についての講演を行った。 5 月23日:ヤンゴン発、翌24日札幌着
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