自信と行動で 業界活性化へ

第2302号 (昭和25年2月28日第3種郵便物認可)
2016年(平成28年)1月1日 (17)
あけましておめでとうございます。
2016年
新
年
特別号
保険のご相談は
(株)東時へ
(株)時計美術宝飾新聞社
●発行所
●編集発行人 藤井正義
〒110-0015 東京都台東区東上野1-26-2
ジュエラーズタウン・オーラム2F
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(03)3833-1886 FAX
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第1部:クオリティNEW YEAR
(カラー版)
第2部:我が社のブランド戦略
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第3部:各界の年頭所感
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2016
いまの時代、商品力よりも人間力で勝負したい
∼改めて、
モラルが求められる時代だからこそ∼
株式会社時計美術宝飾新聞社
専務取締役 藤井 勇人
になるのではないかとの話が出る
まらない状況が続いている。
ほど、
その仕組みや流通に変化が
本来業界をリードすべき団体が
点で、IOFTには報告会が設けら
見られる。加えて、保証期間を過ぎ
課題に対して取組むのが相応しい
れ、福井眼鏡協会の会長も出席す
た時計はメーカー修理対象ともな
が、団体も会員の減少とともに衰
る。この点だけ見ても取組みに差
らず、修理ができない(断る)メー
退傾向にあり、力を失い、現在は
があると言っても過言ではなく、見
カーがあるのも大きな問題であり、
会員外や個人での問題抽出が増
直す点はないだろうか。
今後の小売の在り方が問われる。
えてきているようだ。
もう一度団体
また、
これからの需要がどこまで
としての在り方を業界として明確
伸びるか期待と懸念の狭間にある
にするべきである。会員を増やすに
ウェアラブルウオッチの動向は、時
は、まずは団体が何をしているの
真珠業界では、業界で唯一の専
計業界にとっても目が離せなくな
か明確に伝えるべきでもある。
門紙「真珠新聞」が休刊となった。
りそうである。
この数年必ずと言っていいほど
休刊を告げた昨年の9月11日号
現在、時計メーカーの商品は極
他産業で大手企業による不正が
(第2138号)の記事には感慨深い
わずかであるが、電化製品系の企
発覚している。それが日本の歴史
内容が掲載され、最後に
「さらば世
業からは手頃な価格でネット販売
であり、信頼や技術力が揺らいで
界の美しき真珠たちよ、
ここでひと
を主流に出回っている。
その多くは
きている証拠でもある。
ここでもう
たびのお別 れをいたしましょう。
「健康」需要に対応した機能が付
一度、緩んだ紐をきつく縛り直す
日々続く業者各位のたゆまぬ努力
属しているが、ITの目覚ましい発
必要があるだろう。
その為にも人の
によって、夢ある産業はこれまでも、
展により時計の価値を利用したア
繋がりの再構築を求めたい。
そしてこれからも永遠であることを
質の高い時計は価格も高い と
か、ITを駆使した時計の開発を進
㈱(以下、
リード社)が主催してい
ようとしている。
そして進めているの
めるべきかの分岐点が近い将来
る。
そのノウハウは 日本最大 と謳
は人である。モラルというのは人の
にやってくるかもしれない。
うだけに、相当網羅していると思わ
繋がりがあってこそ発揮されるもの
れる。
で、モラルのないものは必ず隠れて
IJTとIOFTを見比べると、同じ
行われているのである。
リード社が主催であるにも拘らず、
人の幸せを応援する商売だから
宝飾業界を見渡すと、昨年見本
会場の雰囲気から運営の仕方に
こそ、人と人の繋がりの見える業界
市での売上が激減したという声を
至るまで大きく異なる。
をつくり上げるべきであり、特に富
良く聞いた。
ブライダルの低迷や二
流 通や仕 組みの違い、販 売 方
裕 層を相 手にする商 品を扱うに
次 流 通 品・処 理 石の情 報 開 示 、
法、良い点・悪い点などはそれぞ
は、社会貢献活動が不可欠な時代
CVDダイヤモンド、職人の減少、
れ 異なるものの、展 示 会はじめ、
であり、
そこには必ず人間力が求め
CADの活用法、勉強不足など課
フェア、新年会、総会などにおいて、
られているはずである。
題は盛りだくさんである。
他業種から学べることは多くある。
微増といわれる宝飾業界
よこの繋がりを明確に
的に業界のあり方を考えるのも意味あることだと思う。
そのため、本号から1
だろうか。苦しかった時を経て、
企業が集まり、良い方向へと進め
ない企業が大部分だった。
バブル経済崩壊後、
4分の1世紀を過ぎた今日、抜本
にきて良い面もあったのではない
リード・エグジビション・ジャパン
年間の予定で再度、当業界のあり方を考えてみる。
懸念された価格帯の上昇は、
ここ
時計の価値だけを追い求めるの
以前から高価な宝石・貴金属は、非日常的な存在のものであったが、少なくと
る。一方では、一時期販売店から
性の中には、大・中・小の関係ない
も1980 年 代の日 本では、努 力すれば庶 民でもなんとか手にできる 存 在で
ますます二 極 化が 進みそうであ
1 0 0 本の見 本 市を開 催している
あった。
しかしバブル崩壊後、社会階層の激変で、
それらのものは、
もはや庶民の
入や海外モデルも市場を賑わし、
時に時計メーカーが、
これまでの
つまり、宝石・貴 金 属の存 在 意 義が大きく 変わってしまって、今やハリウッド
いるブランドが多い。今では逆輸
いものだと感じる。
その大きな可能
まったく手の届かないものになってしまった。
品としてワールドワイドに展開して
鏡のI O F Tがある。
どちらも年 間
女 優がレッドカーペットへ登 場するとき着 飾るものか、皇 室の儀 式に必 要なも
時計は富裕層に支持される商
求めるかが焦点となるだろう。
その
のといった、
もはや庶民には全く縁のないものになってしまったのだ。
展開した。
産業の可能性はとてつもなく大き
こうした中で、業界としてやるべきことは、まず庶民が欲しくなる宝飾品と
ンドを集めた「ウオッチメゾン」を
付けられている、宝飾のIJTと、眼
それは憧れだけの商品では駄目で、実際に購入できる価格のものでなければ
初めには、
日本橋高島屋が83ブラ
こまでユーザーが 時計らしさ を
は何かを、具体的に提案することだ。
ムブティック」
を出した。
また、10月
が深いように感じる。
そして、夢ある
ならない。現在、
ジュエリー市場の中心商品であるブライダル商品の需要は徐々
級ブランドのみを取扱う
「プレミア
業界をリードする展示会と位置
に減少する。
なかでも、ダイヤモンド婚約指輪の需要は激減する。
ばし、昨年の7月末には銀座に高
チ)
の開発を進めていった場合、
ど
そのため、早急に時代に即した魅力的な欲求商品を提案し、最大限、販売拡
150%∼200%の勢いで売上を伸
この最後の4行は、想像すると奥
大を図ることが必要だ。
メーカーのSEIKOは、前年対比で
企 業が時 計(ウェアラブルウオッ
では、その商 品の要 件は、何か。永 遠のベストセラー 、ダイヤのプチペンダント
は、時計業界が顕著だ。国内時計
を 導 入したのは、1977 年 夏のデビアスのダイヤモンドサマー ギャラリ ー・
測される。時計メーカーではない
信じて」
と締めくくっていた。
キャンペーンだが、
そこから言える条件は、
デザインはシンプルが絶対条件、値段
インバウンドで好調となったの
身近な取組み方の違いから
学ぶことも多い
65回
第
抜本的に再考しなければならない
宝飾業界 その①
オーラム企画 社長 本多忠頼
今年、多彩な提案が、積極的にされることを望みたい。
プリ等の開発も今後進むことが推
日本のジュエリー産業
明日の姿を考える 第27回
は3∼5万円の低価格帯、
どんな服装にもあって飽きが来ないものが良い。
好調続く時計業界
二極化+ITの動向+修理問題
モラルには
人間力が必要である
新しい経済環境に直面する中で新年が始まった。
それは、展示会報告の仕方も違
えば内容も雲泥の差となっている
おそらく今年は、世界にとって経済の大変革が訪れる年になるであろう。
る宝飾業界では、纏まるものも纏
というのは、E U 諸 国や日 本は、依 然として経 済は低 迷しており、金 融 超 緩
バーホールは丸ごと交換が主流
30
和策がとられているが、
そうした中で昨年末、米連銀は金利値上げの政策を決
はない価値ある商品が求められて
いるといえよう。
違うということ。
定、新しい経済政策へ踏み切ったが、
それが今後の世界経済にどんな影響を与え
向が強い。路面店はじめ、
ネットに
も、横のつながりが薄くなりつつあ
るかは未知数である。
質の高いものが求められている傾
ランドにおいては、将来的にはオー
米 連 銀は、米 国 経 済が順 調に回 復しているとの判 断から 金 利 値 上 げに踏み
はり信 頼 性の高さや他にはない
ドする展示会に対する取り組みが
切ったのだが、果たしてそれは本物だろうか。世界的な観点から言えば、昨年来、
いるようだ。その理由としては、や
る。ルールがあればと考えてみて
新興国の経済成長率はダウンしだしており、
回復の目鼻は立っておらず、
かっての
百貨店を求めるニーズは高まって
切り替わり始めている。世界的ブ
90
ように米国経済だけで世界経済を牽引できる時代ではない。
また今年は、
米大統
サービスにおいても刷新が進み、
主催し、業界が違えど業界をリー
領改選の年でもあり、
政権交代があれば政治環境も大きく変わってくる。
また、取扱アイテムや、
ブランド、
を抱え、売上の低迷が足を引っ張
一方、国内での大問題は、少子高齢化の着実な進行である。東京都でさえ、
2
方だろう。
あった
「修理」は、メーカー主導に
020年の東京五輪が終わるとともに、人口減少がスタートするとのことだ。
外国人に頼る部分は大きくなる一
福井県眼鏡協会がリード社と共に
人口減少は、
もはや都市・地方を問わず、
日本の将来を左右する大問題になって
きなかったものの、2016年も訪日
は、モラルだけでは守れない問題
いる。最近地方での伝統的な祭りの復活が話題になっているが、地方再生の原点
と京都以外では前年比をクリアで
これまで部品の調達が可能で
は、
その昔、
春・秋に行われた鎮守様のお祭りに沢山の人が集まることだと思う。
をクリアし、11月に至っては、東京
ジュエリー協会と、一般社団法人
いずれにせよ、多彩な問題を抱える中で、新年がスタートしたが、何よりも国
2015年4月∼10月までは前年比
も聞かれなくなった。その背景に
年の間 、宝 飾 業 界の売 上 額は、年々減 少 、今やジリ 貧 状 態
全 国 百 貨 店の売 上 高を見ても、
要は今年も続く。
際情勢に大きく左右される1年になることは間違いない。
込みは一層激しくなってきている。
をリードする一 般 社 団 法 人日本
ところで、過 去
百貨店では訪日外国人の取り
良く聞かれた「モラル」
という言葉
だ。だからと言って、現状を打破する積極策を打つわけでもなく、
その間、多く
る需要は増すばかりのようである。
富裕層以外での需要を伸ばす必
の企業が取ったのは、延命策ばかりであった。
手ブランドが再登場するなど家賃
が上がるほど、アジア地域におけ
ここで述べたいのは、共に業界
年 代 初 頭 、荒れ狂っていた倒 産の嵐を 避け、他 企 業よりも一日でも
シュが続いている。銀座では、大
最近では、一時期宝飾業界で
長く商売ができるための最善策の実行であり、残念ながら自社のことしか考え
東京では、数年ぶりに建設ラッ
の浸透が広まったようであるが、
つまり
いつの時代も差別化商品が
求められる