ESBL NDP test の有用性 ○上地 幸平 1), 新垣 桃子 1), 當銘 高明 1), 石橋 和磨 1) 仲宗根 勇 2), 前田 士郎 1) 琉球大学医学部附属病院 検査部 1) 琉球大学医学部附属病院 感染対策室 2) 【目的】現在, Extended Spectrum β- lactamases (ESBLs) 産生菌の検出は薬剤感受性プロファ イルまたは選択培地での発育から存在を疑い, CLSI 法や Double Disk Synergy Test (DDST), PCR 法などで確認されている. しかし, 表現型試験は時間を要すること, 他の耐性機構保 有株等では ESBLs 産生の有無を明確に判定できない. また, PCR 法は手技が煩雑であると いった問題がある. 今回, ESBLs 試験法である ESBL NDP test の基礎的検討に加え, 尿検 体からの直接検出の検討を行ったので報告する. 【対象と方法】各種臨床材料より分離された第 3 世代セファロスポリン系薬剤に耐性を示 す腸内細菌科細菌 105 株を対象とした. また, 直接検出の検討ではグラム染色所見にてグ ラム陰性桿菌が確認された尿検体 75 件を試験対象とした. ESBL NDP test は Nordmann ら の報告に従った. ESBLs 産生の参照法は PCR 法を用いた. 【結果】表現型試験で ESBLs と判定された 71 株のうち ESBL NDP test にて ESBLs と判 定されたのは 57 株 (80.3%) であった. 尿検体を用いた直接検出の検討では ESBLs 産生菌 が 105 cfu/mL 以上の発育を認めた 7 件のうち, ESBL NDP test にて ESBLs と判定されたの は 5 件 (71.4%) であった. 【まとめ】ESBL NDP test は迅速に ESBLs 産生か否かを判定できるため, 材料中の ESBLs 産生菌のスクリーニングに有用であると考えられる. 本報告では検討株数を追加し, PCR 法との比較検討も加えて報告する。
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