SiCウェーハの研削・研磨・洗浄技術(PDF版)

SiCウェーハの研削・研磨・洗浄技術
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目 次
1.SiC基板の研削・研磨・洗浄のニーズ
2.ラップ研磨からグラインド研削へ
3.ダイヤモンドホイールによるSiC研削加工実用化
4.高速・超平滑化を可能にしたCMP
5.エピウェーハの再生加工結果
6.CMP後洗浄の結果
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SiC基板の研削・研磨・洗浄の取組み
 ラップ研磨からグラインド研削へ
・研削加工で加工時間,コストを低減
研削(グラインド)
 前工程の加工ダメージ低減とCMP
・高速・超平滑面を得るCMP
 パーティクル,金属汚染除去洗浄
・シリコンウェハRCA洗浄を基本に
した清浄化
研磨バッチ処理(CMP)
洗浄(RCA)
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1.SiC基板の研削・研磨・洗浄のニーズ
①ラップ加工を研削加工にする
②購入したSiCウェーハの再CMP
③Epi成膜面の平滑化CMP(エピレディ面の作製)
④Epi成膜済みウェーハの再生加工(エピ層の除去)
⑤デバイス付きウェーハの薄化加工
⑥チップ形状(非円形)SiC基板の薄化・鏡面化
⑦Epi後ウェーハの金属汚染除去洗浄
⑧パーティクル・金属汚染の低減
⑨加工面粗さの調整,反りの低減
⑩φ150mmウェーハの加工
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2.ラップ研磨からグラインド研削へ
ラッピング(遊離砥粒)研磨
一般的な平坦化・前加工ダメージ除去
研磨剤を使用した表面研磨加工
グラインド(固定砥粒)研削
固定砥粒(ダイヤモンド砥粒)を使用
枚葉加工で自動化が容易
ラッピングより高速で加工
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2.ラップとグラインドの長所,短所
長 所
短 所
1)バッチ処理で生産性高い
遊離砥粒加工
( ラップ )
1)作業環境が汚くなる,スラリー廃棄物多い
良好な加工面が得られる
2)加工速度が遅い。自動化が困難
(面粗さ)
3)定盤精度維持に熟練必要
2)加工方法が確立されている
4)少量加工が困難
3)スライス後,両面ラップで
5)デバイス付きウェーハの薄化困難
うねり除去できる
固定砥粒加工
( グラインド )
1)自動化が容易
1)ウェーハにより,砥石仕様,加工条件出しが必要
2)加工速度が速い
2)大口径ウェハの研削は高剛性・高出力スピンドル
3)作業環境がきれい
装置が必要
4)ロット内厚みバラツキ小さい
3)スライスウェーハのうねり除去が困難
 ウェーハメイキングに適したラップ加工 ⇒ 大量生産に最適
 デバイス付きウェーハの加工に適したグラインド加工 ⇒ 少量から量産に対応
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2.ラップ研磨からグラインド研削へ
ラッピング(遊離砥粒)研磨
4~7時間
現行
一次
ラップ
プロセス
5~8時間
二次
ラップ
一次
ダイヤ研磨
二次
ダイヤ研磨
2~10時間
仕上げ研磨
CMP
表面粗さ
Ra≦0.1nm
グラインド(固定砥粒)研削
現行プロセス:11~25時間
研削
プロセス
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0.3~
0.5時間
1.5~3時間
研削
仕上げ
研磨
表面粗さ
Ra≦1nm
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表面粗さ
Ra≦0.1nm
研削プロセス:2~4時間
ラップ加工を研削加工にすることで
加工時間が1/3~1/12まで低減
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3.従来の研削装置と高剛性研削装置
SiC ウェーハのグラインディング
• 従来のシリコンウェーハ研削装置
≦ φ4インチ
• 高剛性研削装置
φ6インチ
振動・砥石の逃げの小さい装置で加工,品質・コスト低減
高剛性 グラインダー(メカスピンドル)
インフィード 研削
ウェーハ
ダイヤモンド
ホイール
研削部の写真
150mmウェーハ,φ300mm砥石
SiC ウェーハは高剛性装置,高トルクスピンドル必要
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3.ダイヤモンドホイールによるSiC研削加工
(1)ダイヤモンドの砥粒径と加工組み合わせ
基板
シリコンウェハ
SiCウェハ
サファイアウェハ
粗研削
仕上げ研削
ファイン研削
#320~#360
#2000
-
#320
-
#8000
#400~600
#2000~#3000
#5000~#8000
#400~600
#2000~#3000
-
-
#2000~#3000
#7000~#8000
#400~600
-
#7000~#8000
#270~325
#1000~#2000
なし
※各基板,6インチウェーハの研削実績
• SiC用のダイヤモンド砥石を使用することで,高速,薄化加工ができ
るようになった。
• ノンドレス研削加工が成立し,連続加工ができるようになった。
1)シリコンウェーハは2ステップ研削
2)SiCウェーハ研削は電流負荷高く,#400以下の加工困難
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3.SiCウェハ 加工実績
SiC ウェーハ加工例
サイズ
加工面
粗研削
仕上げ研削
ファイン研削
CMP
再生
76.2 mm
Si 面
○
○
○
○
パターン
C面
○
○
○
○
エピ膜除去
Si 面
○
○
○
○
エピ膜除去
C面
○
○
○
○
-
Si 面
○
○
○
○
エピ膜除去
C面
○
○
○
○
エピ膜除去
<50 mm
A面・M面
-
○
○
○
-
-
その他
Si・C面
-
○
○
○
-
< 5 μm
100 mm
150 mm
① 研削加工(BG)
② CMP加工(BG+CMP,CMP)
➂ 膜除去再生加工(エッチング+CMP,BG+CMP)
1) 研削【グラインド】
2) 研磨【CMP】
3) 洗浄【研磨後洗浄】
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仕上げ厚み
< 50 μm
< 50 μm
(デバイス付き)
< 100 μm
< 0.1nm
薄板化,低Ra化
CMP,φ6インチ Ra <1Å(AFM 10×10μm)
Candela測定,TXRF測定
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3.SiCウェーハ研削加工 表面粗さ
150mm SiC ウェーハのグラインド 表面粗さ
評 価 項 目
表面粗さ
Ra
反り
目視(スケール)
仕上げ研削
ファイン仕上げ研削
12.4 ~ 14.6 nm
0.6 ~ 0.8 nm
0.5 ~ 0.8 mm
0.2 ~ 0.4 mm
・各数値は使用砥石,加工条件,ウェーハ状態によって異なります。
・Si面・C面で加工効率,表面粗さは同等
表面粗さ:非接触表面形状測定機 zygo
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4.高速・超平滑化を可能にしたCMP
化学機械研磨( CMP:chemical mechanical polishing)
ウェーハそのものを平坦化・鏡面化
前加工の加工ダメージを除去
仕上げ加工。
※研磨量は数~数十μm
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4.SiCウェハ CMP装置
① バッチ片面研磨機
(36型研磨機)
φ6インチ CMP バッチ片面研磨
セラミックプレート:φ360mm
φ4インチ CMP バッチ片面研磨
最大6枚×4 24枚バッチ研磨
② φ6インチ CMP 枚葉片面研磨機
(3テーブル,2ヘッド)
③ φ6インチ CMP 枚葉片面研磨機
(1テーブル,2ヘッド)
ウェーハ枚数や研磨量,デバイスの有無で装置を使い分け
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4.SiCウェーハ CMP面のAFM測定結果
φ6インチ Si面 研磨面のAFM測定結果(面内の3点)
Center
Middel
Edge
Ra=0.711Å
Ra=0.576Å
Ra=0.632Å
150mm SiC ウェーハ Si面
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φ6インチ
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CMP表面粗さ Ra < 0.1nm(1Å)
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4.SiCウェーハ CMP面のAFM測定結果
Φ4インチ Si面 研磨面のAFM測定結果(面内の2点)
Edge
Center
Ra=0.053nm
100mm,150mm SiC ウェーハ Si面
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Φ4インチ
Ra=0.062nm
CMP表面粗さ Ra < 0.1nm(1Å)
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5.エピウェーハ再生加工後のAFM測定結果
5-1.SiC エピウェーハの再生加工後面粗さ
①4水準のエピウェーハ再生後の粗さ及びRef.材として4inchベアウェーハ(エピレディ面)の粗さを
下記に示します。
※測定視野角:10×10um(X・Y方向各々512ステップ),ウェーハ中心1点測定
サンプル
Ref.(ベアウェーハ:エピレディ面)
エピウェーハ再生①
エピウェーハ再生②
エピウェーハ再生③
エピウェーハ再生④
Ra
0.075
0.051
0.046
0.053
0.050
RMS
0.095
0.064
0.059
0.067
0.064
(単位:nm)
②エピウェーハ再生後の面粗さは,市販のエピレディ面のベアウェーハに較べ,面粗さが小さく
良好な面状態に仕上がっております。
※Ref.材
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※エピウェーハ再生①
※エピウェーハ再生②
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※エピウェーハ再生③
※エピウェーハ再生④
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5-2.SiC エピウェーハの再生加工面のPSD(Power spectral density )評価
①4水準のエピウェーハ再生後及びRef.材:4inchベアウェーハ(エピレディ面)のPSD評価結果
を下記に示します。
※測定視野角:10×10um,X方向ラインプロファイルにて解析
1.0E+01
Ref.(ベアウェーハ:エピレディ)
Power spectral density (nm^3)
エピ再生①
1.0E+00
エピ再生②
エピ再生③
エピ再生④
1.0E-01
1.0E-02
長周期のうねり
1.0E-03
1.0E-01
短周期のうねり
1.0E+00
1.0E+01
1.0E+02
Sptial Frequency (1/um)
各サンプルのPSDプロファイル
②エピウェーハ再生後のPSDプロファイルでは,市販のベアウェーハと較べて長波長側の成分が小さく
なっており,より平坦な面状態に仕上がっていると考えられます。
⇒長波長域のうねり成分の低減により,面粗さが良化していると推測されます。
 ベアウェーハ作製時の遊離砥粒によるラップ加工と再生加工時の固定砥粒による
研削加工の違いによるものと考えられる。
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6.洗浄 パーティクル・金属汚染
CMP後ウェーハ洗浄
◆清浄面に洗浄
RCA洗浄(バッチ)
RCA洗浄(枚葉)
1,パーティクル
2,金属汚染
スクラブ洗浄
◆洗浄方法
1,有機洗浄,スクラブ洗浄
表面分析装置
2,RCA洗浄(シリコンウェーハの洗浄方法)+α
3,その他洗浄方法
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6.SiCウェーハ洗浄後 パーティクル結果
150mm SiCウェーハ洗浄後 パーティクル
スクラブ
洗浄後
洗浄前
BIN1
BIN2
BIN3
BIN4
BIN5
TOTAL
Scratch
0
0
1
0
1
2
Pit
0
1
1
0
2
4
Bump Particle Stain
0
52
802
26
48
348
8
318
214
0
326
13
8
1,277
2
42
2,021 1,379
TOTAL
3,448
BIN1
BIN2
BIN3
BIN4
BIN5
TOTAL
Scratch
0
0
0
0
0
0
Pit
0
1
0
0
2
3
Bump Particle
0
4
3
0
1
103
0
120
0
276
1
506
Stain
39
4
1
0
0
44
TOTAL
554
洗浄後
BIN1
BIN2
BIN3
BIN4
BIN5
TOTAL
Scratch
0
0
0
0
0
0
Pit
0
1
0
0
0
1
洗浄後
Bump Particle
0
2
0
0
1
4
0
0
0
7
1
13
Stain
0
0
0
0
0
0
TOTAL
15
1,スクラブ洗浄で砥粒・パッドクズなどの除去効果がある
2,RCA洗浄後はパーティクル,汚れも除去された
3,T/M:≦10個/WF(≧0.3um)
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6.SiCウェーハ洗浄後 パーティクル結果
150mm SiCウェーハ洗浄後 パーティクル
スクラブ
洗浄後
洗浄前
BIN1
BIN2
BIN3
BIN4
BIN5
TOTAL
Scratch
0
0
1
0
1
2
Pit
0
1
1
0
2
4
Bump Particle Stain
0
52
802
26
48
348
8
318
214
0
326
13
8
1,277
2
42
2,021 1,379
TOTAL
3,448
BIN1
BIN2
BIN3
BIN4
BIN5
TOTAL
Scratch
0
0
0
0
0
0
Pit
0
1
0
0
2
3
Bump Particle
0
4
3
0
1
103
0
120
0
276
1
506
Stain
39
4
1
0
0
44
TOTAL
554
洗浄後
BIN1
BIN2
BIN3
BIN4
BIN5
TOTAL
Scratch
0
0
0
0
0
0
Pit
0
1
0
0
0
1
洗浄後
Bump Particle
0
2
0
0
1
4
0
0
0
7
1
13
Stain
0
0
0
0
0
0
TOTAL
15
1,スクラブ洗浄で砥粒・パッドクズなどの除去効果がある
2,RCA洗浄後はパーティクル,汚れも除去された
3,T/M:≦10個/WF(≧0.3um)
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6.SiCウェーハ洗浄後 金属汚染
150mm SiCウェーハ 洗浄後 金属汚染
TXRF測定装置
洗浄後ウェハ TXRF測定結果
B/M:< 5×1010atoms/cm2
T/M:< 1×1010atoms/cm2
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