循環器内科 後期研修カリキュラム 概要 当院は循環器科の High volume center であり後期研修期間に数多くの症例を経験 し、循環器疾患全般に関する検査/診断/治療方法の習得が可能である。特に当科の虚 血性心疾患に対するインターベンション件数は全国有数であり、侵襲的検査/治療を 数多く経験することで Interventional Cardiologist としての基礎を身につけること ができる。また、当科の特色として虚血性心疾患以外に末梢血管、弁膜症、不整脈の インターベンションにも積極的に取り組んでいる。様々な先進的インターベンション の施設認定を受けており、実際に助手そして術者として治療を経験できる。日本心血 管インターベンション学会認定医の取得に必要な症例数は約 2 年間で経験可能であ る。学術面においても国内及び海外学会への参加・発表を推奨しており、論文投稿も 積極的に行っている。また、向上心のある若手医師に対しては海外留学への推薦/学 費支援を行っている。 学会指定状況 日本循環器学会循環器専門医研修施設 日本心血管インターベンション治療学会研修施設 日本不整脈学会・日本心電学会認定不整脈専門医研修施設 経カテーテル的大動脈弁置換術実施施設 ステントグラフト実施施設(腹部大動脈瘤) ステントグラフト実施施設(胸部大動脈瘤) (1) (2) (3) 一般目標 循環器疾患全般に関する検査技術、診断法、治療方法を習得する 日本循環器学会認定循環器専門医の取得を目標とする 高度先進的な知識と技術を有する Interventional Cardiologist を育成する (日本心血管インターベンション治療学会認定医の取得) 個別目標 (1) 病歴・身体所見、心電図。胸部レントゲン診断等の基本的研修 (2) 虚血性心疾患の診断及び治療方針の決定と治療の実践 虚血性心疾患の診断に必要な問診・非侵襲的検査の習得* 冠動脈造影検査(CAG)および経皮的冠動脈形成術(PCI)の実施と読影 不安定狭心症、急性心筋梗塞症の治療方針決定と治療の習得 ガイドラインに基づく虚血性心疾患の二次予防と慢性期管理の習得 *当院では CAG/PCI の 9 割以上を橈骨動脈アプローチで施行している。CAG は橈骨動 脈穿刺 50 例経験後、待機的 PCI は CAG 術者を 200 例経験後に術者として施行できる。 これまでの後期研修医は研修開始後約 6 ヶ月で PCI 術者となっている。なお、急性冠 症候群に対する PCI は各々の習熟度を考慮して開始時期を決定しており、概ね待機的 PCI 術者となる前に施行できている。 (3) 大血管・末梢血管疾患の診断及び治療方針の決定と治療の実践 大動脈瘤の診断及び治療方針決定に必要な診察及び画像診断法の習熟 急性大動脈解離の緊急対応を含めた診断と治療方針の決定 末梢血管疾患の診断・治療方針決定に必要な診察法・画像診断の習得 末梢血管疾患に対する血管形成術の習得* 重症下肢虚血の診断と治療法の習得* *末梢血管に対するインターベンションに関しては、PCI 研修開始後より狭窄病変の インターベンションを経験できる。末梢血管の慢性完全閉塞病変に関しても、習熟度 に応じて術者を経験することが可能である。 (4) 不整脈疾患の診断ならびに治療 徐脈性/頻脈性不整脈の診断と治療法の習熟 電気生理学検査(EPS)等の特殊検査の習得 体外式ペースメーカー及び緊急ペーシング手技の習得(経皮ペーシング法も含 む) 植込み型ペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)、カテ ーテルアブレーション治療手技を含めた不整脈疾患に対する非薬物療法の修得 の習得* *植え込み型ペースメーカーに関しては約 10 例助手を行い、その後は指導下で担当 症例の術者として手術を実施する。ICD は習熟度に応じて、指導下で手術も経験可能 である。CRT に関しては主に助手として治療に関わり、手技や管理を学ぶ。EPS は、 基本的原理を学ぶとともに習熟度に応じて実際にカテーテルの挿入・配置を行う。カ テーテルアブレーションに関しては、当院では主に心房細動や発作性上室頻拍、心室 性期外収縮に対して治療を行っている。後期研修医は主に助手として治療に関わる。 (5) Structural Heart Disease(弁膜症・先天性心疾患) 弁膜症/先天性心疾患の診断と治療法の習熟 画像診断(心臓超音波検査/CT 検査)の習熟 包括的な Heart team intervention の習熟 *当院では心房中隔欠損症、僧帽弁狭窄症、大動脈弁狭窄症、動脈管開存症、閉塞性 肥大型心筋症などに対するインターベンションを行っている。症例数は全国有数であ る。原則として後期研修医は助手として治療に参加することになる。ただし、習熟度 に応じて一部のインターベンションは術者として施行も可能である。 (6) 臨床研究テーマの選択と遂行および学会活動 国内・海外学会への抄録投稿と発表 英語・日本語論文の投稿 研修方法 (1) 指導体制 ・ 後期研修医は指導医の下で入院患者を受け持つ ・ 直接の指導医のみでなく他の上級医も包括的に指導を行う (2) 当直・休日当番業務 ・ 当院では上級医 1 名及び後期研修医 1 名で当直/休日当番業務を行っている ・ 常に上級医の指導の下で時間外業務が可能 (3) ローテーション 本研修のカリキュラムは原則 3 年の研修としている。最初の 2 年間は 3〜4 ヶ月お きに循環器内科の各部門(虚血性心疾患、末梢動脈疾患、不整脈疾患、Structural Heart Disease)をローテーションすることで循環器内科医としての基本的研修を行 うと共に侵襲的治療の技術を習得する。3 年次は希望する部門を選択し診断・治療法 のより高度な研修を行う。 なお、2 年次及び 3 年次には関連研修機関(みやぎ北部循環器科・)で 4 ヶ月程度 の研修を行う。関連研修機関での研修先では特に集中的にカテーテル手技を学ぶ。治 療戦略の選択を含めた PCI を実践する。独立して PCI 手技を完結することを目指す研 修となっている。 下記にローテーションの 1 例を提示する。 *ローテーション例 1年次 虚血性心疾患、末梢血管、structure、不整脈、エコー室をローテーション 2 年次 4-6 ヶ月間関連施設に出向し PCI を中心とした、集中的な研修を行う。また残りは本 院で選択的な研修を行う。 6ヶ月間関連病院での研修 本人希望で選択 or ローテーション 3 年次 本人での希望を優先した選択的な研修を行う。希望等を加味して、関連施設への出向 の選択肢もある。 6ヶ月間関連病院での研修 本人希望で選択 or ローテーション 週間スケジュール 7:20〜 8:30〜 16:30〜 症例検討会、アンギオカンフ カテーテル検査、治療など ァ 月 CCU 回診/術前カンファ 火 アンギオカンファ 水 術前カンファ/抄読会 同上 術前カンファ/循環器内 科・心臓血管外科合同カ ンファ 同上 木 術前カンファ 同上 アンギオカンファ 金 術前カンファ 同上 アンギオカンファ カテーテル検査、治療が終わり次第病棟業務を行う。 外来と救急当番を週に 1 回担当する。 アンギオカンファ 循環器内科 インターベンション短期研修カリキュラム 概要 当院は様々なインターベンション治療を行っている全国でも数少ない施設であり、 特に虚血性心疾患、末梢動脈疾患、Structural Heart Diseases の症例数は全国でも 有数である。本カリキュラムは循環器内科後期研修を終了またはこれに相当する学識 を有する者を対象としており、より高度な知識と技術の習得を目指す。そして、各々 の所属施設でのインターベンションプログラム立ち上げを担う人材育成および施設 間交流が目標である。カリキュラム終了後、自施設にてインターベンションプログラ ムを立ち上げる際には当院から講師派遣等を行いサポートする。 募集対象 循環器内科後期研修を終了またはこれに相当する学識を有する者 原則として所属施設長等からの推薦状を必要とする 学会指定状況 日本循環器学会循環器専門医研修施設 日本心血管インターベンション治療学会研修施設 日本不整脈学会・日本心電学会認定不整脈専門医研修施設 経カテーテル的大動脈弁置換術実施施設 ステントグラフト実施施設(腹部大動脈瘤) ステントグラフト実施施設(胸部大動脈瘤) 一般目標 (1) 虚血性心疾患、末梢動脈疾患、Structural Heart Disease に対するインターベ ンションの高度な知識および技術の習得 (2) 国内・海外学会への抄録投稿と発表 (3) 英語・日本語論文の投稿 個別目標 (1) 虚血性心疾患 ・ 安定狭心症に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)の実施と技術習得 ・ 急性冠症候群に対する PCI の実施と技術習得 ・ ロータブレーター等のデバルキングデバイスに関する知識習得 ・ 複雑病変及び慢性完全閉塞病変に対する PCI の知識習得 (2) 末梢動脈疾患 末梢動脈疾患に対するインターベンションの実施と技術習得 腎動脈狭窄に対する治療方針の決定と治療の実施 急性下肢動脈閉塞に対する治療方針の決定と治療の実施 重症下肢虚血患者の治療方針の決定と治療の実施 (3) Structural Heart Disease Structural Heart Disease に対する治療方針の決定 Structural Heart Disease に対するインターベンション術者になるための知識 習得 Heart team に関する知識習得 研修方法 約 1 年間のカリキュラムとする。当院他スタッフと同じく外来、病棟業務、当直/ 日直業務を行いながら、インターベンション研修を行う。虚血性心疾患、末梢動脈疾 患、Structural Heart Disease のインターベンションをローテーションしながら研 修するか、特定のインターベンションを集中して研修するかは面談にて決定する。原 則として本人および所属施設の希望を優先する。
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