中小企業労働者が誇りを持てる公正社会を実現するために 2014 三重一般同盟政策提言(概要) 私たちは、中小企業で働く人が誇りと生きがいを持って暮らせる社会を実現するため、 これまで中小企業の労働者のための政策提言をおこなってきましたが、残念ながらその成 果が見えてきません。 現状、デフレから脱却し経済の好循環を目指す現在の成長戦略では大企業中心の政策や 規制緩和であり、それに対して疲弊していた地方経済の景気回復や中小企業の回復にはほ ど遠い状態であります。また、4月からの消費税増税や円安の進行などの影響で物価が上 昇し賃上げが追いついていない状況で、大企業労働者・公務員と中小企業労働者の賃金を はじめとする労働条件格差はいっそう拡大する傾向にあり、このままでは日本社会の屋台 骨を支えてきた中小企業や中小企業で働く人から誇りや活力を奪い、国家や経済に深刻な 影響を及ぼして行くことに危惧しています。 そのため、今回は中小企業労働者の労働条件の向上と中小企業格差問題を中心に次のと おり政策要求をまとめましたので、その実現に尽力賜りますようお願い申し上げます。 記 1.政策提言 中小企業の経営への政策から中小企業で働く人のための政策へ 企業の発展や成長不可欠なものを表すことばに「企業は人なり」がある。特に中小 企業支えてきたのは人であり、その技術や知恵であった。この人たちに活力を与え安 心・豊かな生活を送れるようにするため中小企業の経営に対する政策・支援から中小 企業で働く人を中心とした政策・支援への転換を要望する。 [1]中小企業労働者の労働条件の向上 ①所得水準の引き上げ 国民生活水準を引き上げる上で全雇用者の7割を占めると言われる中小企業労働 者の所得水準の引き上げが不可欠である。4月の消費税増税と物価上昇や社会保険 料や電気代などの生活に不可欠な費用の値上げに賃上げが追いつかず実質賃金が低 下している。特に、非正規労働者をはじめとする低賃金労働者や賃上げがされなか った労働者にとっては全くの負担増となり家計を圧迫している。消費マインドを上 昇させデフレ脱却による安定した経済成長を成し遂げるためにも中小企業労働者や 低賃金労働者に重点をおいた所得引き上げのための諸施策・支援を講じることを要 望する。 ②退職金制度の確立 退職金制度は大企業と中小企業の格差が最も顕著な労働条件である。中小企業に よっては制度として無い企業も存在する。公的年金の支給が抑えられていく中で老 後の生活安定にとって退職金は重要となる。現在、民間企業には法律上必ずしも支 払義務が無いとなっているが、退職金制度の法制化・義務化を要望する。 また、中小企業の退職金水準の引き上げのための支援や税法上の優遇、積立の義 務化などの施策を講じる。 中小企業退職金共済制度や特定退職金共済制度への加入促進により、退職金制度 の整備を促す。加入した企業への補助制度の拡充や掛け金に対する補助金制度を導 入する。 -1- ③労働規制緩和から規制強化へ 現在、労働規制の緩和が検討されているが規制緩和を論議する以前に現行の労 働者保護規制(岩盤規制)を強化し実行性のある政策や制度の確立を要望する。 長時間労働や過重労働・・・・一日の労働時間制限 有給取得・消化の義務化 労働基準監督署の強化・・・・労働基準監督署の人員の増員をはかり体制の強化に よる監督と指導の徹底 非正規と正規との格差・・・・最低賃金制度改正 同一労働同一賃金の推進 正社員移行の制度化 [2]中小企業政策全般に対する提言 ①企業規模での政策差別を解消 企業規模を理由とした差別的な政策を排除されたい。「6時間超え時間外労働 割増率」における中小企業への適用猶予などのように対象とする労働者が一番多 い中小企業に適用できないような理不尽な政策を今後は撤廃し、すべての労働者 を対象とした政策を基本とするよう要望する。 ②中小企業を嫌う社会的風潮を排除 就職時に中小企業を避ける原因となっている偏見や風潮をなくすために、中小 企業の存在感や価値を国を挙げて啓蒙すると同時に学校教育で、中小企業が日本 を支えていることを学ぶ機会を増加させ地位の向上を謀るよう要望する。 ③労働組合の結成促進(奨励) 中小企業の労働条件が劣る要因の一つが労働組合組織率の低さである。憲法で 保障された団結権が容易に行使出来るよう、行政が労働組合づくりに指導・推奨 できるよう要望する。 三重一般同盟においては労働者の生活安定と企業の健全発展のため労働組合の 結成が不可欠という観点から、組織拡大を重点課題と位置づけており、身近な未 組織企業の労使に対し労働組合の必要性を説くなど労働組合づくりに一定の協力 をする。 2.その他提言 [1] 消費税法改正による税率10%への増税に反対する意見書の提出について 以下に述べる主旨により、県及び市議会にて消費税率 10 %への増税に反対する 旨の決議を採択の上、国及び関係機関に申し入れたい。 4月の消費税増税と物価上昇や社会保険料・電気代やガソリン代などの生活に不 可欠な費用の値上げや負担増に賃上げが追いつかず実質賃金が低下している。 消費税増税の負担増は国民の消費を冷え込ませ、国内総生産(GDP)が 7.1 % の大幅後退したのをはじめ、その他の経済指標も軒並み悪化している。 このような状況での再度の消費税増税による負担増は低所得者や年金生活者の生 活をいっそう困窮させ国民生活への影響も大きく、需要減退が日本経済に打撃を与 え、大幅な景気の後退を招くことは確実である。 この状況では更なる消費税増税は無謀であり国民の生活を圧迫するものであるこ とを鑑み、平成 27 年 10 月 1 日からの再増税に反対する。 -2- [2]健康保険の一元化 中小企業が加入する協会けんぽと比較し、健康保険組合および共済保険は掛金な ど優遇され労働条件と同じような格差が発生している。早急な一元化により各保険 間の不公平の是正を求めたい。 [3]積極的な賃上げをおこなった企業に住民税減税 所得拡大促進税制により積極賃上げを実施した企業に対する法人税減税の適用期 限が延長され制度化されているが、住民税(法人分)においても減税による所得拡 大促進を中小企業限定で実施するよう求める。また、賃上げを実施できない中小企 業に対しては労働者に対し住民税(県民・市民税)減税の実施を要望する。 また、所得拡大促進税制について減税された法人税が所得拡大(賃上げ)に充当さ れているか(内部留保に回っていないか)を検証し、正しく労働者の所得拡大に反映 されるような政策や規制を要望する。 [4]電気代や燃料費の値上げや高騰に対しての要望 東日本大震災以降、原子力発電所の稼働停止が続き電気代が20%以上値上げさ れている。電気代の値上げは家計を圧迫しており、特に低所得者や年金生活者への 影響が大きい。また、中小企業をはじめとする電気の使用量が多い企業にとっても 経営を圧迫している。また、ガソリン代を始めとする燃料費も価格が高騰しており 家計や企業の経営を圧迫している。特に、都会と比べインフラ整備が進まず車の使 用率が高く燃料を多く消費する地方の人にとっては大きな負担増である。このよう な状態が続けば実質賃金は益々低下し消費マインドを下げることになる。企業にと っては収益を下げることになり景気回復が腰折れすることになりかねない。 早急に電気代や燃料費の高騰を抑制する政策や、地方における家計への負担増に 対する政策や支援を要望する。 [5]議会への反映 上記の三重一般同盟政策要望について議会で取り上げて(質問)いただき、フィー ドバックくださるようお願い申し上げます。 3.加盟組合からの要望 [1]扇港産業労働組合 ①被扶養者且つ非就労者の健康診断を公的財源での受診を希望。 ②狭い通学路の交差点に対し、歩道橋の設置を希望。 [2]オーシーユニオン ①橋の老朽化と通学路の安全性確保について ②国道23号線三重大前自転車専用道について [3]扇港電機労働組合 ①三重県営鈴鹿青少年の森の再活用 ②自転車専用道の設置 ③ご当地ナンバーの普及PR 以 -3- 上
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