マルカル通信 No.38 ようこそ! サンダン高校 2015.3.20 大阪教育大学附属高等学校 池田校舎 Paper for Multi Cultural Understanding 国際教育委員会 発行 附属池田高校は、ユネスコスクールとして韓国チョンジュにあるサンダン高校と学校交流を行っていま す。毎年交互に互いの国を訪れ、それぞれの生徒宅にホームステイしながら学校見学や合同授業、ESD学 習を兼ねた遠足などを体験します。今年度は、本校がサンダン高校の生徒たち男子5名・女子3名を、11 月 24 日(月)から 11 月 28 日(金)の4泊5日にわたってお迎えしました。京都散策や家庭科実習でのギ ョーザ作りと試食、餅つき大会などを行い、普段はあたりまえになっている風景や食事、学習に、アジアの 文化を再確認する5日間でした。交流の声を紹介します。 サンダン高校との交流 1年2組 佐々木 智美 11 月 24 日から 28 日、私は韓国サンダン高等 まるホテルへ移動し、そこで写真を撮り、その日は 学校の 8 人の生徒さんとの交流でとても貴重な経験 解散した。あっという間に時間が過ぎてしまった 1 をすることができた。 日だった。 私はもともと韓国が好きだったため、国際委員に 立候補し、1 年代表として交流に全力を注いだ。 当日、 24 日の朝に梅田駅で先生と生徒と待ち合わ せをし、関西国際空港に向かった。関西国際空港に 向かうまで、私は韓国語のフレーズや単語をチェッ クしたりして過ごした。そうして関西国際空港に着 いたが、着くのが早すぎた。待ち時間、私は緊張で 意味もなく辺りをうろうろと歩き回っていた。いよ いよサンダン高校のみなさんの乗った飛行機が到着 し、私たちは 8 人の生徒さんとサンダン高校の教頭 先生、そして日本語の先生と対面した。本当なら、 サンダン高校のみなさんの緊張を私たちが解かなけ ればならなかったのだが、逆に私が緊張してしまっ 25 日、附高へ迎える日。朝早くに学校へ来て、サ た。しかし、一度勇気を出して話しかけてみるとす ンダン高校の控え室となるメディアセンターの飾り ぐに打ち解けあえた。そこからバスに乗り、難波へ つけをした。時間がギリギリになってしまったが、 行って、神座のラーメンを一緒に食べた。店の中で なんとか飾り付けを終わらせ、さつきホールでサン 互いに自己紹介をしあい、日本に来るのが初めてで ダン高校を迎えた。この日は主にサンダン高校から あることや、趣味など、いろいろな話を聞けた。昼 の出し物で、2 年生のイ・ジュヒョン君とチョ・ミ 食のあと、自由行動で難波観光をした。観光のほと ンヒ君が歌を歌ってくれた。とてもきれいな歌声で んどを薬局で過ごすことになってしまったが、せっ 感動した。また、1 年生のキム・テヨンさんと 2 年 かく大阪に来てもらったのだからと思い、たこ焼き 生のウ・ヨンヒさんとイ・イェジンさんはダンスを を買ってみんなで分けた。とても喜んでもらえたの 披露してくれた。こちらも本物のアイドルかと思う で嬉しかった。観光が終わると、サンダン高校の泊 ほどとても上手だった。出し物のあと、サンダン高 校からの学校紹介プレゼンがあり、サンダン高校の 勉強熱心さに驚いた。私たち 1 年生にとっては、こ の日の交流はそれだけであったが、とても充実した 時間だった。私は学校帰りに偶然 1 年生のアン・ジ ュンヒョク君に会ったのだが、ジュンヒョク君は私 のことを覚えてくれていて、とても嬉しかった。 26 日。 この日はサンダン高校のみなさんと京都観 光に行った。天龍寺や金閣に行き、京のおばんざい を食べた。一緒に写真を撮ったり話したりして、さ らに仲良くなることができた。帰りのバスではサン ダン高校のみなさんが日本語で歌を歌ってくれ、日 本語の上手さに驚いた。 その後、 学校に到着したが、 この日の放課後、サンダン高校とユネスコ部の交 私たちは翌日の準備をしていなかったため、学校に 流会があった。私はユネスコ部員ではないが、どう 残り、会場設営をした。ハードスケジュールな 1 日 してもサンダン高校のみなさんと話したくて参加さ だった。 せてもらった。私たちのチームはジュヒョン君とイ ェジンさんと一緒で、ひらがなを使ったクイズで 2 人がすらすらとひらがなを書けることに驚いた。ク イズのあとはフリートークで、私はイェジンさんと 話した。私が「韓国が大好きで韓国語を勉強してい る」と言うと、イェジンさんに「私も日本が大好き で、やりたいことの 1 つに“日本に行く”というこ とがある」と言われ、本当に嬉しかった。今、韓国 と日本は必ずしも友好関係であるとは言えない。だ から、交流するまで私はうまくいくだろうかと内心 不安に感じていた。しかし、イェジンさんとの会話 で、それまでの不安が完全に消え、逆に、国など関 係なしで仲良くなれたことにとても感動した。そん な素晴らしいみなさんと翌日にはもうお別れかと思 27 日。59 期生とサンダン高校との交流の日。こ の日は 1 時間目にジュンヒョク君が 1 年 2 組の授業 うと本当に寂しくて、思わず泣いてしまった。する と、サンダン高校のみなさんが慰めてくれ、「ダイ を受けに来た。3・4 時間目はいよいよ交流。サンダ ジョウブ」と日本語で言ってくれた。「また必ず会 ン高校のみなさんは韓国の民族衣装姿だった。私は いに来る。約束する。だから泣かないで。」と励ま この日のために K-POP のダンスを練習していたの され、サンダン高校のみなさんの温かさを感じ、出 で、交流会の最初にパフォーマンスとして、私を含 めた 8 人でダンスを披露させてもらった。みんな手 拍子をしてくれ、終わったあとに褒めてくれる友達 もいて嬉しかった。その後、サンダン高校のみなさ んが民族衣装で民族舞踊を披露してくださった。と ても素敵で見とれた。サンダン高校の用意していた クイズも盛り上がった。私たち国際委員が事前に行 ったアンケートの結果についてプレゼンで共有した あと、餅つきをした。あらかじめ餅つき係に作って もらっていた餅をサンダン高校のみなさんにもつい てもらい、出来上がった餅を食べてもらった。 会うことができて本当によかったと心から思った。 私は今でもサンダン高校の 8 人と連絡を取り合っ ている。私にとって 8 人は何よりも大切で大好きな 私にとって、この日が一番の思い出だ。 友達だ。あっという間の 5 日間ではあったが、この 28 日。 この日の朝でお別れしなければならなかっ た。フェアウェルパーティーには大勢の生徒が参加 5 日間はかけがえのない思い出だ。また 8 人に会う ことができる日を楽しみにしている。 した。今まで 5 日間の思い出のスライドを放映し、 サンダン高校代表として、ヨンヒさんからの挨拶が あった。時間はすぐに過ぎ、メディアセンター前に はもうバスが来ていた。しかし、サンダン高校のみ なさんはギリギリまでバスには乗らず、私たちのそ ばにいてくれ、寂しそうにしていると、頭を撫でて くれたりハグしたりしてくれた。そうしているうち に発車する時刻になり、サンダン高校のみなさんは バスに乗った。バスが動き始めても窓から手を振っ てくれ、見えなくなるまで手を振り続けてくれた。 短い間だったが、見送ることができて本当によかっ た。 サンダン高校 11 月 24 日(月) 交流日程 午 前 関西国際空港出迎え 午 後 難波散策(道頓堀 → 難波花月 → 道具屋筋 など) ホテル泊 午 前 歓迎会・学校紹介・ESD プレゼン 2 年生クラス別交流会・家庭科調理実習(餃子)参加 11 月 25 日(火) 午 後 箕面の滝 紅葉ハイキング など ホームステイ生徒との対面 放課後 クラブ見学 ホームステイ 11 月 26 日(水) 全 日 ホームステイ 午 前 昼 11 月 27 日(木) 京都世界遺産学習(嵐山天龍寺・金閣寺 など) 午 授業参加(日本史・総合学習Ⅰ など) 餅つき体験学習 後 放課後 池田市ラーメン博物館見学 茶道部・ユネスコ部交流 ホームステイ 11 月 28 日(金) 朝 フェアウェルパーティー(スライド上映・挨拶交換) サンダン高校への日本紹介 2年1組 星野遼哉 先日、サンダン高校との交流の際に、僕たちユネス サンダン高校のユネスコ部の方からも韓国のお菓子を コ部はサンダン高校の生徒と交流会を 2 時間ほど行い いただいたので、それも一緒に出しました。全員でそ ました。僕は、この交流会の企画を行いましたが、ま れらを美味しくいただき、写真を一緒に撮ったり会話 ずなぜこのような交流会をしようと思ったのかという を楽しみました。 と、サンダン高校から来る生徒のほとんどが、サンダ ン高校のユネスコ部に所属しているそうで、数年前ま この交流会を通じて、サンダン高校の生徒との親睦 ではこのような交流はサンダン高校の生徒が訪れるた は非常に深まったと思います。事前に心配していたよ びにしていたという話を聞いたからです。 残念ながら、 うな、日本人同士、韓国人同士で固まってしまうこと ここ数年はそのような交流が途絶えてしまっていたの もなく、交流会の間笑顔が絶えることはありませんで で、ぜひ復活させたいと思い、1 年生数人とともに交 した。サンダン高校の生徒たちが帰るときに、ユネス 流会を開きました。 コ部員の中には、別れを惜しんで号泣する生徒もいま した。 当日、僕たちはまずアイスブレークとして、ルール が分かりやすい UNO をすることにしました。このとき、 交流会は、大体のところは、成功したと言えると思 ユネスコ部員 5 人、サンダン高校の生徒 2 人のグルー います。しかし、残念なこともありました。一つは、 プを作ることで、日本人と韓国の方の間のコミュニケ 時間が非常に短かったことです。サンダン高校のスケ ーションを促すよう工夫しました。また、部員にはで ジュール等の関係から、2 時間ほどしか交流の時間を きるだけ日本語を使わないように伝えました。UNO は いただくことができませんでした。 できることならば、 非常に盛り上がり、30 分経ったところで止めたときに、 もっとユネスコ部として交流することができたならば 不満の声が上がったほどでした。 よかったと思います。さらに、今回の交流会がただ「楽 次に、僕たちは日本や韓国の文化に関するクイズを しかった」だけのものになってしまったと思います。 出しました。これもグループごとで行い、最終的にポ 韓国の高校生と交流できる数少ない機会を、より有意 イントを競うという形にしました。 いくつかの問題は、 義に過ごすことができたのではないかと感じました。 日本語と韓国語両方で答えるというものにしました。 また、僕は茶道部のデモンストレーションの際に、通 すると、サンダン高校の生徒の一人がひらがなを書き 訳のようなことをさせていただいたのですが、僕自身 ました。これには、非常に驚きました。彼らは、日本 が茶道を詳しく知らず、うまく伝えることができませ についてよく知っているように感じました。 んでした。日本人として最低限知っておくべきことを 知らなかった自分が恥ずかしかったです。 最後は、全員が歩き回って自由に交流できるフリー とても残念なことに、僕は来年の交流に参加するこ タイムを 1 時間ほどとることにしました。僕たちはこ とはできません。しかし、今回の交流を通じて得た貴 のとき一緒にお菓子を出すことにしました。しかし、 重な体験を、今後の様々な場面において活用していく ただのお菓子ではなく、フェアトレード商品を出しま ことはできます。今後も、今回のことを忘れずに、自 した。そうすることで、日韓のユネスコ部員同士での 分を成長させるためにも、こういった活動を続けてい 交流を深めることに繋がると考えたからです。さらに、 きたいです。 来年度は、本校からサンダン高校を訪問する予定です。身近なアジアの若者達と、どんな出会いがあるでしょ う? また、4月には、新しく国際枠入試の仲間が入学してきます。どんな国からやってくるのでしょう? 今 から楽しみですね! 一部レイアウトや文字を修正させてもらいました。 写真/写 真 同 好 会 風間大樹 仲保 樹 文責/国際教育委員会 植村和美
© Copyright 2024 ExpyDoc