6 二足歩行ロボット

平成25年度 電子システム科 課題研究発表会
二足歩行ロボット
二足歩行ロボット班
梅津
齋藤
多機能ロボット班
長岡
四釜
指導者 竹田
目
的
 ロボットの製作を通して、制御を中心に各
種技術を習得する
 イベントなどを通して、ものづくりの面白
さを伝える
 生活や社会に有用な、ロボット技術の研究
をする
今年度の目標
1 ロボットの製作(二足歩行ロボット班)
(1)LED 点灯回路製作
(2)モーションの制作
2 多機能ロボットの研究(多脚ロボット班)
(1)多脚ロボットの段差乗り越え
(2)Android 端末によるロボット制御
3 ロボットイベントへの参加
(1)ナガレンジャー・ファイティングフェスタ
(2)NHK 「今夜は なまらナイト!」出演
(3)山形県産業科学館イベント
「二足歩行ロボットがいっぱい!!」
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悠弥・青木 友哉
海斗
拓也・長岡 優喜
浩也
晴誉
ロボットの製作
スーパー・ナガレブルー
ROBO-ONE 出場やデモ
ンストレーションのために
製作されたロボット
特徴
・コンピュータから数珠
繋ぎ(シリアル)にサ
ーボを結線
・歩行時の安定性向上の
ために、下半身を平行
リンク化している。
図 1 スーパー・ナガレブルー
◎平行リンクとは
脚先は動かせないが、地面に対し常に足裏
が平行になる。また、高い剛性が期待でき、
脚のサーボを 1 つ減らせるメリットがある。
昨年度までの先輩方が製作し、ナガレンジャ
ー・ファイティングフェスタなどで他のロボット
と比較しても、安定して動作でき故障が少なく転
ぶことも少ない。
図2
平行リンク
図3
LED
(1)LED点灯回路
高輝度 LED を2個接続
①頭部の加工(穴あけ)
②基盤・配線
マイコンの5[V]端子から電源供給
電圧が高く、電流が流れすぎたため、
LED が壊れ抵抗で電流制限した。
③表情を出すため、動きによって点滅させる
など次年度は取り組んでほしい。
(2)ロボットの新規モーション製作
テレビ出演に向けて新しいモーションを制作
「テツ&トモのなんでだろ∼」
①問題と原因
昨年までのロボットに動作させようとしたが、
うまくできない。原因は腕の軸数が少ないこと。
②改善策
腕の旋回軸を追加して、腕を「ひねる」動作がで
きるようにした。
モーションプログラムは
①脚の左右移動
②腕の左右ひねり
の連続動作。
多機能ロボットの研究
災害や日常生活に役立つロボットの研究を目的
に多脚ロボットと制御方法の研究に取り組んだ。
(1)多脚ロボットの段差乗り越え
今までの多脚ロボットは、平らな所での歩行のみ
しかできなかったが、災害現場等では当然段差を乗
り越える必要がある。現在の6脚の多脚ロボットで
どのように段差を乗り越えられるか研究した。
する必要があり、現在の構造ではこの高さが限界だ
と思う。
(2)Android 端末によるロボット制御
2
図6 Android ロボットカー
図7 Android 端末コントローラー
今年度製作したデモンストレーション用ロボットの
概略は以下の通りである。
図4
段差上り動作 Ⅰ
図5
段差上り動作 Ⅱ
図4:③と⑥の脚を曲げて、重心を後ろにする。
①と④の脚を前に出す。
図5:①と④で段差を支えた上で、②と⑤の脚
を前後に動かして、前進させる。
②と⑤の脚を前後・上下に動かすモーション
を何回か繰り返し行い、体勢を整え終了。
最大5[cm]までの段差は乗り越えられることが分か
った。これ以上の高さは平行リンクでない脚構造に
○スペック
①本体部
サーボモータ:JR 社製 RBS5802(7.4V)×腕4軸
同
×ステアリング1軸
ブラケット:JR 社製のものを改造
シャーシ:アルミニウム(A5052P×t1.5)
※1年次に製作したライントレーサー
のシャーシを改造
②制御部
マイコン:テクノロード社製マイコンボード
Coron(STM32/M3)
③通信部
Bluetooth モジュール:Viston 社製 VS-BT001
(SPP によるシリアル通信)
Wi-Fi カメラ:Trek 社製 Ai−Ball
(Mjpeg による動画配信)
④端末部
タブレット:acer 社製 ICONIA A200
Google 社製(ASUS 社製)Nexus7
にて動作確認
○機能
①タブレットのボタンに応じたモーション動作
②4つのサーボを自在に動かせるスライダー機能
③加速度センサによる腕・ステアリング・アクセ
ル制御
昨年度製作された Android を使ったロボットは腕の
制御だけだったので、1年時の工業基礎で製作した
ライントレーサーのシャーシやギアボックスなどで
移動できるようにした。また Wi-Fi カメラを搭載し
カメラ画像を見て操作できるようにした。
Bluetooth モジュールで送受信したデータは8ビ
ットの文字としてマイコンで受け取り(シリアル通
信)その情報からモーション再生や個々のサーボの
PWMによる角度調整を行っている。
制作にはロボットのマイコンではC言語、タブレ
ット(Android)では Java を使用してプログラミン
グしている。
(2)第12回ナガレンジャー・ファイティング
フェスタ(H25.10.13 タス)
関東や関西からの強豪も参加する中、ロボットサ
ッカー、ロボットかるた、ロボットバトルに出場し
た。バトルトーナメントではベスト8に入ることが
できた。脚部の平行リンク化による安定化と多彩な
モーションができるようになった影響は大きい。
図10 第12回
ナガレンジャー
ファイティングフェスタ
図8 Android 端末による操作
Android 端末による操作は内蔵されている加速度セ
ンサの値から角度を判断し、前後は0°∼45°ま
では前進、45°∼90°までは後進するようにし
てある。また、ステアリングも左右方向の角度を検
出してステアリング操作ができるようにしてある。
3
その他にも地元企業のナガレンジャーの方々と準
備や運営など協力して取り組むことができた。また
体験操縦などでは多くの子ども達も参加してくれた。
(2)山形県産業科学館「二足歩行ロボットがいっ
ぱい!!」
(H26.1.18)
ロボットイベントの参加
(1)NHK「今夜はなま
らナイト」
(H25.6.1)
スーパー・ナガレブル
ーと多機能ロボットが出
演。
なんでだろ∼のダンス
でテツ&トモと共演
図11 山形県産業科学館イベント
図 9 今夜はなまらナイト
「二足歩行ロボットがいっぱい!!」①
5
まとめ
◎二足歩行ロボットの LED 点灯回路はブレッ
トボードで結線したときにはちゃんと点灯した
が、ロボットに搭載しているマイコン基盤回路
を正しく理解していなかったため実際に接続し
た際に LED が壊れた。簡単に思えることでも理
解と丁寧な作業が大切です。また、人間と同じ
ような形のロボットでも人間と同じような動作
をさせることは大変なことが分かった。
◎多脚ロボットは5[cm]までの段差は上れた。
二足歩行ロボットより頑丈で安定しているが、
脚の構造を変えないとこれ以上の段差を上れな
い。
◎Android ロボットカーは車輪移動と、カメラ
画像の利用ができるようになった。しかし、実
際にはタブレット傾けるとカメラ画像が見にく
いなど、もっと操作しやすい方法を工夫しなけ
ればならない。
来年度は、ナガレンジャー・ファイティングフェ
スタで優勝して ROBO-ONE 本戦に出場してくださ
い!
図12 山形県産業科学館イベント
「二足歩行ロボットがいっぱい!!」②
ナガレンジャーの方々と共にロボットのデモンスト
レーションなどを行ってきた。午前と午後の2回と
も60人位の子ども達が来てくれた。
・バーニックロボのデモ
・各ロボットのデモ
・ロボットカルタ
・まねっこ体操
・ロボット格闘技バトル
・体験操縦
4
感想・反省
◎この課題研究を通して、仲間と協力し合うこと
の大切さを学ぶことができたと思う。
◎年間を通して、様々なイベントに参加していい
体験もできたし、ロボットと直接関わることが
できてよかった。
◎1年を通して、ロボットの魅力とロボット製作
の難しさを肌で感じることができた。
ご協力頂いた方々
・西置賜産業会
・マエタテクノロジー・リサーチファンド
・フラワー戦隊ナガレンジャーの方々
・長井工業高校 電子システム科の先生方
ありがとうございました!
※参考文献
「カメラとセンサを用いた半自律型自動車ロボット
の制御」工学院大学大学院 野崎祐基
「初歩からわかる Android 最新プログラミング」
Impress Japan 日本アンドロイドの会 著
「15 歳からはじめる Androidゲームプログラミング」
Rutles 掌田津耶乃 著
その他 Web アクセス