2015年8月+9月 盛夏号

人材を育成し、伝統ある札幌トヨタの発展に微力を尽くしたい
札幌トヨタ自動車
中島 好美社長
2008年に取締役(総務部長)に就任以来、7年後の2015年に7代目社長に就任、そして来年は会社創立70周年を迎えると
いう、何かと「7」に縁が深い中島社長に喜びの声と抱負を聞いた。
「当社の常務に就任してからわずか3年目で社長にということでしたので、『こんな私が‥』と正直思った次第です。しかし、
石本前社長から、『社長職とは』のレクチャーを受けて決心しました。会社には社訓や方針そして、優秀な社員がそろっている
のでしっかり引き継ぎ、伝統ある札幌トヨタの発展に微力を尽くしたいと考えています」と心強く決意を語る。
中島社長は入社して今年42年目を迎えたが、営業スタッフ、支店長、営業企画、総務そして組合の専従また、グループ会
社であるネッツトヨタ札幌の営業本部長も経験した異色(?)のキャリヤを持つ。
「企画課長の時代に初めて部下を持ち、部下をどう動かすかを常に考えながら仕事をしていましたが、今度は800人の社員
を抱え原点に戻った心境です。諸先輩や多くのお客様に支えられてきた基盤をさらにしっかりフォローし強固にしたい」と抱負
を語る。
今までで一番嬉しかったことを聞くと「昨年、トヨタ販売店表彰で総合表彰(4年ぶり)、トヨタ店部会表彰のクラウン営業力賞
とダブル受賞したことですね。受賞の吉報が携帯電話に届いたのは新年会の席上でしたが、それまでの約1ヶ月間は心配で
鼓動の高鳴りを覚える日々が続き緊張の連続でした。吉報が届いてから病院で検査を受けたら問題なしと言われ安心しまし
た。『病は気から』ですね。
今年も2年連続で総合表彰を目指したいと思います。幸い、1~6月の新車販売は順調に推移していますので、後半戦の成
績次第ですが、シェンタ、ランクル、プラドクリーンディーゼル、クラウン、プリウス4WDと新型車が続々登場(又は予定)していま
すので、競合他社に売り負けずに増販したいと思います。
サービスの『CR・車検入庫率』はトヨタ店全道??1を目指しています」
「管理部門担当の興村専務と営業本部長の小野専務とコミュニケーションを密にして増販体制を推進していく方針ですが、
今後の札幌トヨタを担う後継者の人材育成が私の大きな使命でもあると思っています。取締役や部門長には志と共に心構え
を持つように指導しているところです」
社員の和、団結心を大事にする中島社長は、何事にも一生懸命で明るい性格の持ち主だ。激動の自動車販売業界を勝ち
抜くのはトップ(リーダー)の資質、明るさそして社風、企業風土にあるといっても過言ではない。来年創立70周年を迎える同社
だが、どんな中島体制を構築し人材の登用で躍進を図るか楽しみだ。
■プロフイール
中島 好美(なかじま よしみ)
1951年12月卯年生まれ、63歳。血液A型。
74年3月 東海大学工学部卒業、4月 札幌トヨタ入社
2000年1月営業企画部次長
07年1月総務部長
08年6月取締役
11年6月取締役を退任しネッツトヨタ札幌常務取締役営業本部長
12年6月ネッツトヨタ札幌常務取締役を退任し札幌トヨタ常務取締役
13年6月専務取締役
15年6月代表取締役社長・トヨタレンタリース札幌
15年6月監査役
カメラ、野球観戦、茶道(黄檗松月流師範の免許を持つ)、散歩など趣味が多い。座右の銘は「因果応報」「志あるところに道
は開ける」
使命感を持った人財育成と一層の効率経営にチャレンジ
トヨタカローラ札幌
池田 義典社長
トヨタカローラ札幌の社長をはじめグループ各社の役員を兼務する池田社長に抱負などを聞いた。
「カローラ札幌を軸にグループの成長、繁栄に役立ちたいと考えています。少子高齢化の進展や業界全体としての保有台
数の減少という私達を取り巻く環境のなかで、ヒト、モノ、カネという経営資源をどう効率的、効果的に活用するかが経営者の
手腕であり使命と考えています」と語る池田社長。
池田社長は2005年、45歳時にトヨタ自動車から同社に籍を移し、今年で11年目になるが、これまでの間、人事労務教育制
度の改革、店舗環境の改善、販売システムの改革に取り組んできた。この10年間で手掛けた店舗の建て替えはジョイック西
(西店)を始め10店舗に上る。今後も市場環境に注意をはらいながら、適正な設備投資をすすめる方針だ。
「現在、東苗穂店の建て替え工事を進め、10月から新店舗での営業を開始する予定です。今後も江別店をはじめ、立て替え
が必要な店舗やバックヤードに対する設備投資は避けられないと考えています。将来の自動車市場を予測することは難しい
ですが、右肩下がりのトレンドにおいて、グループ各社の経営資源の有効活用も含め、さらに効率的な経営に努め、適正利益
を確保し、ヒトとモノに対する投資を続けねばならないと考えています」
「また、札幌管内の新車販売全体に占める軽自動車比率は、レンタカーを除くと4割を超え、軽自動車の存在感が高まって
います。当社でも軽自動車は年間約1千台販売していますが、そのうちの6割は自社客の代替です。軽自動車がなければ、自
社保有の減少は避けられない状況です。また、7月にダイハツのロイヤルショップ『ダイハツ豊平』を本社近隣(トヨタレンタリー
ス新札幌旧本社屋を改装)にオープンしました。当社店舗の一つとして位置付け当面は、営業推進本部直轄で、5名(店長を
含む)体制でスタートしました。店頭営業を中心に新たなお客様づくりに努めたいと思います。」と常に新たなチャレンジを続け
ている。
さらに、社員教育、人財育成の使命感にも燃えている。
「諸々の人財育成制度、研修を実施していますが、その中の一つとして、エンジニア職には入社7~8年目で、一年間の営
業実習を体験させています。将来の営業スタッフの養成でもありますが、その一年間でその後の自身のキャリアプランを描くよ
う、薦めています。私自身の経験も踏まえ、人生の過半を占める40余年におよぶサラリーマン人生を、有意義なものとするた
めに、30代をどう生きるか、あるべき姿は何か、確り思い悩み考えることが肝要だと思います。こうした取り組みの中から、志を
高く持つ社員が増えると嬉しいですね」と語る。
社長就任から1年が経過、メーカー在籍時の豊富な経験と人脈、情報収集を駆使しながら、これからの会社のあるべき姿を
思い切りの良い経営判断でチャレンジする池田社長の経営才覚に期待したい。
メルセデス・ベンツの新しい客層掘り起こしに邁進
メルセデス・ベンツ札幌中央
中居 幸則店長
(輸入車市場の近況)輸入車市場は外国メーカー車と日本メーカー車に分けられるが、外国メーカー車の輸入車販売が好
調に推移している。今年上期(1~6月)の全国外国メーカー車の新規登録台数は14万4639台(前年比100・5%)となり、6年連
続で前年を上回った。国内の登録車販売総数に占めるシェアも0・8%増の8・9%と過去最高を記録。
また、乗用車ブランド新規登録台数のトップはメルセデス・ベンツ(32・677台、前年比119・1%)、上期で首位となるのは16
年ぶり。以下、②フォルクスワーゲン(29,666台、同83・5%)③BMW(22・674台、同100・9%)④アウディ(15,747台、同98・
2%⑤BMW ミニ(10,338台、同132・6%)の順位。
メルデス・ベンツ車の販売が好調だが、今年創立25周年を迎えた同社の販売戦略などを中居店長に聞いた。
「当社の年間販売台数は、前年度205台ですが、今年度は240台を計画しています。特に『Cクラス』が好調で販売増を牽引
していますが、『Aクラス』や『GLA』、そして『CLA』に新型ステーションワゴンの『CLA シューティングブレーク』を追加するなど、
手ごろ感のある商品の拡充が好評の理由と思います」
「今、メルセデス・ベンツの新しい客層を獲得するNGCC(ニューゼネレーションカスタマーカー)を展開、促進してします。そし
て、その効果を上げるためにも、『CS向上、お客様目線で考えよう』をモットーにおもてなし、サービスの向上にスタッフ一同日
夜、余念がありません。また、メーカーでは、アフターセールス部門の総合評価プログラムであるMBSC(メルセデス・ベンツ・
サービス・パーツ・キャンペーン)を毎年実施していますが、当社は2008年以来昨年まで7回受賞の栄を得ています。この
MBSUは全国約300店の中から選定されるものでなかなか受賞できないレベルの高い賞です」
「メルセデス・ベンツ車の好評を受けて、店舗力の増強を図っています。ショールーム内にはメルセデス・ベンツマークのグッ
ズ類を豊富に展示販売、また、ベタルカー(5万円)の展示と試乗も行うなど、品格のあるショールーム内に楽しさを演出してい
ます。また、中古車展示場拡充市商品力もアップしています」
多彩な新型車を活発に国内市場に投入する輸入車、今後も一層の販売増が見込まれるなかで、札幌管内のメルセデス・ベ
ンツを扱う同社の成長拡大の動向が注目される。メルセデス・ベンツの販売に携わって25年、中居店長に同社の増販の期待
がかかる。
■プロフイール
中居 幸則(なかい ゆきのり)
1962年5月札幌生まれ、53歳。北海道自動車短期大学卒。
1990年6月国産ディーラー(札幌三菱)のサービス職から転出し創立期に加わる。メカニック2級取得。趣味はオートバイ
(400cc)でツーリング、愛車はCクラス2.6ℓ4WD。
千歳空港利用客、「利便性」と「付加価値」で他社との差別化を図る
ホンダレンタリース札幌
田口 俊一社長
同社の設立は2003年(平成15年)だが、ホンダクリオ札幌東(現ホンダカーズ札幌中央)のレンタリース部門として1989年
(平成元年)に発足した老舗。レンタリース業界一筋に歩んできた田口社長に販売戦略と業界の状況等を聞いた。
「クルマ社会のライフスタイルの変容と外国人観光客(インバウンド)の増加などで、年々、レンタカーの需要が伸び業界の
お客様獲得競争が激しくなってきている状況です。
当社の現在の店舗は札幌駅北口、南郷通、千歳、千歳空港カウンターの他、乗り捨てサービス(広域では有料)を行ってい
ますが、インターネットでの予約が増えてきています。また、当社の昨年末保有台数は755台(前年比106・3%、管内第6位)と
年々台数を増やしてきているものの目標の1000台を早期に実現したいと考えています」
「レンタカーを利用するお客様のニーズは多様化していますが、多くのお客様は『利便性』と『格安価格』を求めています。競
合他社に勝ち残るのは特にサービス面での差別化が不可欠ですが、例えば当社の新千歳空港カウンターでは『利便性』と共
に、時間短縮という『付加価値』で差別化を図りお客様から好評を得ています。
具体的に言いますと、新千歳空港から無料送迎バスで10分程度、千歳市中心街にも近いため、JRでの来店も可能です。
札幌市やその他郊外へご出発の場合、店舗の近くに高速道路『道東自動車道』があるためレンタカーでの移動出発地点にも
最適です」
「平成26年度札幌・室蘭支局管内における大手レンタカー会社の売上前年比を見ますと、ホンダレンタカーがトップで110・
0%また、千歳空港では142・2%と大きく伸ばしました。今年度に入ってからも札・室管内110%、千歳空港135%と対前年を伸
ばしていますが、後期のインバウンド需要の増加さらに、道外客の利用増を期待しています」
「ちなみに、平成26年度道内の外国人(国別)貸し渡し実績(ヒアリングデータ)を見ますと①香港9579件②台湾4497件③シ
ンガポール1948件④韓国1892件⑤タイ1395件⑥オーストラリア1052件⑦アメリカ814件で、全体では24243件 となっていま
す。今年度に入ってからもタイ、香港が大幅な増加傾向にあります(北海道地区レンタカー協会連合会調べ)」
「札幌ホンダグループでは今年が創業40周年になりますが、当社ではこれに便乗して『創業40周年スペシャルキャンペー
ン』を今年10月1日から12月25日まで実施します。内容は基本料金の40%割引ですが1日10台の限定となっています。ご利用
をお待ちしています」
トヨタ、オリックス、ニッポンなどの大手レンタカー会社を相手に『ホンダブランド』のレンタカーとして存在感を高めている同
社。東京オリンピック、北海道新幹線開業などで観光需要の伸びが期待される道内レンタカー業界のなかで同社がどう戦うの
か、田口社長の経営戦略、手腕にかかっている。