大腸癌多発肝転移に対するマイクロ波凝固壊死療法(MCN)による 手術治療の意義に関する研究についてのお知らせ はじめに 現在、大腸癌肝転移に対する第一選択肢の治療法は、治癒の得られる可能性が最も高く、 良好な予後が得られている肝切除と考えられています。しかし一方、肝切除は大腸癌肝転 移の約 20%程度しか選択できず、また肝転移が 5 個以上存在している場合には、肝切除の みでは根治できないことが少なくなく、切除不能あるいは切除適応境界域と考えられてい ます。 本研究は、切除不能あるいは切除適応境界域とみなされている 5 個以上の大腸癌多発肝 転移を対象として、当科におけるマイクロ波凝固壊死療法※1(MCN)を用いた手術治療の有 用性を明らかにします。 ※1 肝腫瘍に電極の針を刺してマイクロ波による熱焼灼を行う治療です 対 象 当院において、1994 年から 2014 年における大腸癌肝転移に対し当科で手術治療を行った 方が対象です。そのうち、大腸癌肝転移が 5 個以上であった方が対象です。 ・除外項目;大腸癌肝転移の初回手術治療が他院で行われた方。 研究期間は研究が許可されて以後 2017 年 3 月 31 日までです。 本研究の対象となることを希望されない方はお申し出下さい。 方 法 当施設に下記の臨床情報に関するデータをカルテより収集し検討します。 後方視的に後方視的に大腸癌多発肝転移に対し当科で初回手術治療が施行された症例を対 象に、以下の点を比較検討します。 評価項目 1.術後全生存期間※2 2.術後無再発生存期間※3 3.術前画像を参照し、肝転移をすべて肝切除とした場合の、推定残肝容積の測定 4. 予後因子※4 5. 再発形式、再肝手術の有無許可日から 2017 年 3 月 31 日までです。 ※2 手術日から最終確認日までの期間です(お亡くなりになられた場合はその日を最終確 認日とします) 。 ※3 手術日から再発なく経過しているのを確認できた期間です。 ※4 手術後の治療効果に影響を及ぼす要因のことです。 個人情報の管理について データはすべてコード化し、固有名詞は記号化し、個人の特定を防ぎます。得られた結果 は研究目的以外には使用しません。論文や学会等で公表する場合は個人が特定されないよ うにします。 医学上の貢献 本研究により新たな知見が得られることで科学への貢献が成され、その結果、大腸癌多発 肝転移の患者さんに新たな有効な MCN による手術治療が選択可能となることで、社会への 貢献が達成されると考えられます。 研究機関 国立病院機構九州医療センター 肝胆膵外科 連絡先 〒 852-8501 福岡市中央区地行浜 1-8-1 国立病院機構九州医療センター 肝胆膵外科 (TEL;092-852-0700) (担当医師名) 和田 幸之
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