第12回日本乳癌学会中国四国地方会 モーニングセミナー2 これからの乳癌骨転移 Management 司会 大住 省三 先生 四国がんセンター 乳腺外科 がん診断・治療開発 演者 板倉 正幸 先生 島根大学医学部附属病院 乳腺・内分泌外科 日時 ・ 会場 9 20 2015年 月 日(日)8:10∼9:10 第 2会場(ホテルクレメント徳島 4F クレメントホール東) 〒770-0831 徳島県徳島市寺島本町西1-61 共催 第12回日本乳癌学会中国四国地方会 第12回日本乳癌学会中国四国地方会 モーニングセミナー2 これからの乳癌骨転移Management 2015年 9月20日(日)8:10∼9:10 第 2 会場(ホテルクレメント徳島 4F クレメントホール東) 〒770-0831 徳島県徳島市寺島本町西1-61 BSIから見えてくる乳癌骨転移の実際 板倉 正幸 先生 島根大学医学部附属病院 乳腺・内分泌外科 【はじめに】乳癌の骨転移の評価は骨シンチを含めて視覚的評価が主体であり、その程度を定量的に評価するこ とが困難であった。MSKCCのグループから骨転移の定量指標として、骨シンチ像を基にしたBone Scan Index (BSI:全骨量に対する高集積部位の割合を示した指標)が提唱され、本邦でもBONENAVIという解析ソフトを用 いて自動的に算出されたautomated BSI(aBSI)を得ることが可能となった。当院で計測した乳癌骨転移症例の aBSIから、乳癌骨転移の定量評価の可能性と、BONENAVIの有用性について述べる。 【乳癌骨転移症例】乳癌における再発では、遠隔臓器への転移が約70%と非常に高く、中でも初再発部位として は骨が最も多い。2000年1月以降、当院において治療を行った乳癌骨転移症例について臨床経過とBSIを検討し てみると、骨転移単独症例の予後は比較的良好であるが、肺転移、肝転移などの骨以外の他臓器転移を合併する と予後不良となった。術後経過観察中に骨転移が出現した例では、Retrospectiveな解析では、臨床的に骨転移 が顕著になる前にBSIの上昇が見られ、骨転移の増悪とともにBSIは上昇した。また、治療効果を反映してBSIの 変動が見られた。乳癌において骨転移は予後にあまり関連しないと考えられるが、患者のQOLには影響を及ぼす。 QOLの尺度の一つとしての骨関連事象(SRE)とBSIの関連を見てみると、BSIの高い群では低い群と比較して累積 のSRE発生を多く認めた。 【BSIの有用性】現時点で考えられるBSIの有用性は以下の如くである。 ①BSIは視覚的評価とよく合致する。②骨転移の経時変化を把握しやすい。③乳癌でも骨転移の定量的評価が可能 である。④乳癌骨転移の病勢を比較的よく反映する。⑤ホルモン療法、ビスフォスフォネート製剤等による、乳癌 骨転移の治療効果判定指標となる可能性がある。⑥SREの発現を予測できる可能性がある。
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