221 菌血症診断におけるプロカルシトニンの有効性

〈HP 公開用説明文書〉
1) 研究課題:
菌血症診断におけるプロカルシトニンの有効性についての後ろ向き検討
2)研究の背景:
血中プロカルシトニン濃度は血液検査データの一つで、重症細菌感染症では
著明に増加します。血中プロカルシトニン濃度測定は 1 時間で結果が出ますの
で、早期に感染症の診断が可能となり治療を開始できます。
感染症診断では、血液培養検査を行います。血液培養から菌が検出された場合
には、臨床状況、発育した菌種、発育時間等を総合して、真の菌血症かコンタ
ミ(菌血症の偽陽性)かを判断しますが、判断が難しいことがあります。
コンタミを正確に評価することで, 非感染性疾患に対する不必要な抗菌薬投
与が減り, 耐性菌発生の抑制, 医療費の抑制に役立つ可能性があり、その判断
に血中プロカルシトニン濃度が役立つのではないかと我々は考えています。
また, 血液培養は結果が出るのに 1-3 日間かかりますので、迅速に結果が得
られる血中プロカルシトニン濃度により、グラム陽性菌と陰性菌のおおまかな
区別が予想できれば、抗菌薬選択に役立つ可能性があると我々は考えています。
3)研究の目的:
血液培養陽性となった患者さんにおいて, 血中プロカルシトニン濃度が菌血
症とコンタミの判別に役立つか, 菌血症の原因(グラム陽性菌もしくは陰性菌)
によってプロカルシトニン濃度に違いがあるのかを検討するのが目的です。
4)研究の調査対象
本研究の調査対象は、2012 年 11 月 1 日から 2013 年 6 月 30 日までの間に名古
屋大学医学部附属病院に入院し、血液培養を採取され,血液培養陽性となった患
者さんの内、血中プロカルシトニン濃度を測定した患者さんです。
5)研究方法
調査は全て、今までに記録された診療情報をもとに行い、新たな追加検査は
必要としません。調査対象患者さんのカルテを調べ、真の菌血症とコンタミの
違いを判断するのにプロカルシトニン濃度が役立つかどうかを調べます。また、
菌血症の原因菌(グラム陽性菌か陰性菌か)によってプロカルシトニン濃度に
違いがあるのかを調べます。過去の診療録の情報から、年齢、血液検査データ、
細菌培養結果、感染症部位、入院中の転帰などと照らし合わせて検討いたしま
す。
6)倫理面への配慮:
本研究は、ヘルシンキ宣言を遵守し、臨床研究に関する倫理指針に従って行
われます。
本研究に関する連絡先は以下の通りです。本研究は匿名化データを使用してい
ますので、個人情報漏洩の危険はありません。個人情報の取扱等に関する問い
合わせや苦情の申し立てがありましたら、下記までご連絡ください。
7)問い合わせの連絡先:
研究事務局
名古屋大学大学院医学研究科 救急・集中治療医学分野
助教 江嶋 正志
〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町 65
TEL: (052) 744-2659
FAX: (052) 744-2979
名古屋大学大学院医学系研究科 総務課
〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町 65
TEL:(052)744-1901