SACのHigg Index 2.0について

LCA日本フォーラム/日本LCA学会 共催セミナー
Sustainable Apparel Coalition
(SAC)への加盟と取組
~グローバル・スタンダードへのチャレンジ~
2015年3月18日
東レ株式会社
繊維GR・LI事業推進室
室長 佐々木 康次
目次
1. 当社LCM経営の経緯、進捗
– 当社の概要
– GRプロジェクト、LCM経営、繊維事業のテーマ
2. SACと東レの参加
– SACとは
– 当社の加盟経緯と参画する活動
3. SAC Metrics の活動 ~PCR策定への参画~
– Metricsとは
– パイロットプロジェクト
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2
東レグループの概要 (2014年9月1日現在)
<事業セグメント>
東レ株式会社
設立 :
1926年1月
基
幹
事
業
<主な製品>
繊維
41%
プラスチック・ケミカル
26%
資本金 : 1,479億円
東レグループ: 253社
(国内102,海外151)
拡戦
大 略 情報通信材料・機器
事的
業
炭素繊維複合材料
13%
拡重
大点
事育
業成
10%
6%
従業員数: 45,881名
環境・エンジニアリング
3%
ライフサイエンス
売上: 1.8 兆円
(2014年3月期)
代表取締役社長:
日覺 昭廣
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中期経営課題 AP-G2016
基本戦略
全社横断プロジェクトとして推進
1.成長分野での事業拡大
2.成長国・地域での事業拡大
グリーンイノベーション事業拡大
(GR)プロジェクト
3.競争力強化
4.営業力強化
5.研究・技術開発戦略、知財
戦略
ライフイノベーション事業拡大
(LI)プロジェクト
アジア・アメリカ・新興国事業拡大
プロジェクト
6.設備投資戦略
7.M&A・アライアンス戦略
トータルコスト競争力強化
プロジェクト
8.人材戦略
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ライフサイクルマネジメント: 基盤ツール
経営方針の実現
全ての事業戦略の軸足を地球環境におき
持続可能な低炭素社会の実現に向けて貢献していく
経済性を追加評価
GHGに特化して評価
「T-E2A」
「CO2削減貢献度」
(エコ効率分析)
製品や企業活動全体の
製品を環境面と経済性
LCA
CO2削減効果を評価
で評価
(ライフサイクルアセスメント)
製品を環境面で評価
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繊維事業のLCAテーマ例
原料・素材の環境負荷
比較品比 GHG排出量
植物由来ポリエステル
石油由来と植物由来のポリエステルを比較。
石油由来比
▲1.0kgCO2eq/着
フィルム屑リサイクル繊維
当社ポリエステルフィルムの端材をリサイクルした繊維と、従来
型の非リサイクル原料を使用した繊維を比較。
石油由来比
▲4.0kgCO2eq/着
常圧可染ポリエステル糸
高温・高圧で染色する従来型のポリエステル糸と、新規開発し
た低温・常圧で染色できるポリエステル糸を、染色工程での環
境負荷について比較。
従来品比
▲0.4kgCO2eq/kg
原着ナイロン糸
タイツ向けナイロン糸を原着化することによる染色工程での環
境負荷削減効果を評価。
従来品比
▲1.2kgCO2eq/足
ヒートテック®
着用により冬の室内温度を1℃低くしても快適を維持できること
を実験で示し、各世帯で暖房温度を下げた場合の環境負荷の
低減効果を評価。
綿インナー比
▲13kgCO2eq
/着・シーズン
ビジネスポロシャツ
アイロン掛けが不要のニットシャツとアイロン掛けが必要な布
帛シャツを比較し、洗濯とアイロン掛けにかかる環境負荷を評
価。
布帛シャツ
(家庭洗濯)比
▲1.1kgCO2eq/着
製造工程での環境負荷
使用段階での環境負荷
システム全体での環境負荷
手術衣を使い捨てる場合とリユース(回収再利用)する場合を
サージカルリネン(手術衣) 比較。
使い捨て比
▲40%/回
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6
例:ヒートテック®のケース
ヒートテック®がもつ保温機能により暖房温度を無理なく下げた場合の
環境影響の低減効果を算出
①暖房温度を低くできる効果の確認
ヒートテックがもつ優れた保温機能により、暖房温度を無理なく1℃下げ
ヒートテック®の着用で無理なく何度
た場合の節電効果・CO2削減効果を算出。
暖房温度を下げられるかを実験で確認
(比較:形状・厚さが同等な綿インナー)
東レ 人工気象室 テクノラマ
②それぞれの最低暖房温度で住宅熱負荷量を計算。世帯当りの
(財)建築環境・省エネルギー
CO2削減量に換算
CO
機構開発の熱負荷計算ソフト
2
前提条件 ・戸建住宅の暖房使用(1シーズン当たり)
・世帯構成は夫婦2人と子供2人
・インナーは2枚/人購入し3シーズン使用
「SMASH」で試算
使用
③CO2排出量は使用段階に加えて製品ライフサイクル全体を考慮
+
+
資源採取
製造
+
使用
廃棄
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例:ヒートテック®のケース
1着あたりCO2排出量
[kg-CO2/着]
CO2排出量
[kg-CO2/着・冬季1シーズン]
13kgの削減効果
廃棄
使用
製造
資源採掘
~原料
使用・廃棄段階を
含めたライフサイクル
全体を評価することで、
ヒートテック®の特長
「あったかインナーで
暖房セーブ」の効果を
示すことができた。
→ 販促資料に活用。
綿インナー
ヒートテック
資源採掘~製造
綿インナー
ヒートテック
ライフサイクル全体
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8
LCA結果の販促での活用
8,000万枚のヒートテック®がもたらすCO2削減効果
1シーズン1着あたりCO2削減量 13kg-co2eq /着・シーズン
×8,000万枚=104万トン
ヒートテック® 1着のCO2削減量は、杉の木 約1本分の
※
CO2吸収量に相当
森林面積に換算すると東京都2,186km2の
※※
約1/3に相当
ライフサイクル全体を計算することで、
素材の持つ力を効果的に訴求
※ 杉の木1本の年間CO2吸収量は約14kg 出典:農林水産省 「平成9年度林業の動向に関する年次報告」
1,040,000,000kg-CO2/年÷14kg-CO2/本・年=7,429万本
※※ 杉の植林密度は894本/ha
出典:農林水産省 「平成9年度林業の動向に関する年次報告」
7,429万本÷894本/ha÷100=831k㎡
東京都の面積は2,186k㎡ 831÷2186=0.38
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SACとは
Sustainable Apparel Coalition(SAC)
=サステナブルなアパレル連合
【設立目的】アパレル・フットウェア製品が環境や社会に及ぼす影響を削減すること。
【2020年に向けたビジョン】
アパレル・フットウェア業界にとって、
• これまでにない事業価値とサステナビリティ影響を達成すること。
• Higg Indexがサステナビリティ測定のグローバルな業界標準となっていること。
• バリューチェーンと製品ライフサイクルが透明性とアカウンタビリティを達成すること。
• 信頼できるサステナビリティ情報に基づいて消費者が製品を選べること。
• SACが他の業界のモデルになること、すなわちコラボレーションのプラットフォーム・
促進者・変革に向けた発言者の先頭に立つこと。
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SAC 概要
【設立】
2009年にPatagoniaとWalmartが提携してサプライチェーンのサステナビリティの評価を呼
びかけたのを契機として、2011年設立。(http://www.apparelcoalition.org/)
【メンバー】
現在、米国を中心とするアパレル・ホームテキスタイル・小売・サプライヤ・学校・研究所・政
府機関等 約150の企業・団体がメンバー。(http://www.apparelcoalition.org/currentmembers/)
日本のメンバーは、アシックス、ファーストリテイリング、帝人フロンティア、東レの4社及び
経済人コー円卓会議(NPO法人)の 計 5社/団体。
【役員】
民間(営利)企業と、団体・機関から、環境・サステナビリティ・CSR関係の管理職・役員が
SAC役員(Chairperson、Director)に就任。
【拠点】米国サンフランシスコ本部。 2013年に欧州オフィス(アムステルダム)設置、2014年
にアジア拠点(香港)を開設。
【活動の主眼】環境・社会面の影響の評価基準であるHigg Indexの構築と普及を主眼とし、
そのために機動的に組織されるTask Team(分科会)やCouncil(協議会)の単位で、日々
の作業や議論が行われている。
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繊維産業のサプライチェーン
紡績業
化学繊維製造業
製糸業
撚糸・糸加工業
糸卸業・商社
炭素繊維製造業
織物業
編物業
不織布製造業
染色業
染色整理業
生地卸業・商社
糸
テ
キ
ス
タ
イ
ル
副
資
材
衣料・アパレル用途
縫
製
品
包
装
・
ラ
ベ
リ
ン
グ
寝装・インテリア
卸業・商社
カーテン、カーペット、
椅子、寝具、カバー類
小
売
¥
百貨店
量販店
専門店
染加
料工
・
顔剤
料・
非衣料用途
縫製業・製品製造業
婦人・紳士衣料、子供服、スポーツ衣料、
フニフォーム、 和服、靴、カバンなど
繊
維
原
料
土木資材・環境
人工芝、コンクリート補強繊維、
アスベスト代替、水処理
工業資材(自動車・航空宇宙・情報通信)
自動車用途:タイヤコード、カーシート、エアバッグ、シートベルト
航空、宇宙用途:構造材料(炭素繊維)
情報・通信用途: 光ファイバー、電磁波シールド繊維
農林水産資材
漁網、農業資材(ネット等)、
護岸ネット、緑化シート
ライフサイエンス
人工腎臓、衛生材料、おむつ
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メンバー例(企業)
最新のメンバー情報はSACウェブサイトを参照:http://www.apparelcoalition.org/current-members/
ブランド・小売企業
製造業
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メンバー例
(NPO・政府機関・大学・研究機関・認証機関・業界団体)
最新のメンバー情報はSACウェブサイトを参照:http://www.apparelcoalition.org/current-members/
NPO、政府機関、学界
関連業界、業界団体
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東レのSAC参加経緯
【加盟のきっかけ】
海外の取引先から紹介を受け、2012年8月に加盟。
【加盟の目的】
• 素材サプライヤとして、ルールメイキング(基準構築)に参加
する必要(意義)がある。
• 環境に関する業界基準が、アパレル・小売(いわゆる川下業
界)だけの視点で策定されるのでは無く、川上業界として
Higg Indexをバランスの良いスタンダードにする。
【参加体制】
東レ 繊維GR・LI事業推進室が意思決定の本部となり、実際の
議論・窓口は米国の子会社(現地シニアスタッフ)が担当
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当社が参加している主な活動
SACメンバー全員が参加するミーティング・会議
Full Member Call
• Webによる「隔月ミーティング」
Full Member (in-person) Meeting
• 世界中からメンバーが集まる「総会」
• 欧・米・アジアの持ち回りで年に1-2回程度
SACメンバー全員参加の、意思決定のための投票・サーベイ
Task Team(分科会)活動
Materials (MSI) Task Team
Higg Indexの素材基礎データ をHigg
Indexに統合する
Metrics Task Team
環境影響評価の計算手法を検討
Collective Impact Projects
拡大チームメンバーとして「Clevercare」プロジェクト
に参加。
Higg Indexの
構築・改善
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参加している活動の内容
東レのSAC活動参加の柱・・・Higg Index と Metrics
ツールの実践
Higg Index
Metrics
•
•
ルールメイキング
•
Higg Indexを使った工場
•
の評価
素材評価ツールへの
データ提出
•
•
総会・サーベイ参加
工場の評価結果の
フィードバック
Task Team(分科会)
参加
関連プロジェクト参加
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Higg Indexとは
SACが開発した環境・社会影響の評価基準・自己評価ツール
アパレル・フットウェア製品のサステイナビリティ
(環境・社会)影響を計量し、理解する
アパレル・フットウェア業界におけるサステイナビリティ測定
の重複を大幅に削減する
リスク低減と非効率性の発見を通じて事業価値を
向上する
サステイナビリティについてのステークホルダー
(利害関係者)とのコミュニケート手段を作り上げる
出典:SACの資料に基づき東レ作成
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Higg Index 2.0の構成
ファシリティ・
モジュール
• 環境
• 社会/労働
ブランド・
モジュール
Higg
Index
2.0
プロダクト・
モジュール
リテール・
モジュール
出典:SACの資料に基づき東レ作成
• 環境:アパレル
• 環境:フットウェア
• 社会/労働
企
業
の
評
価
• 作成中
• デザインツール(Design &
Development Module)(2015)
• 製品フットプリントツール
(~2017)
• 作成中
• 環境 (2015)
• 社会/労働 (2015)
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製
品
設
計
・
素
材
の
評
価
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Metrics(環境負荷の定量化)とは
Metric = メートル法、測定の尺度、距離
→環境負荷を定量化(計算)する基準
ファシリティ・ • 環境
モジュール • 社会/労働
Higg
Index
2.0
ブランド・
モジュール
ファシリティ・モジュール
(今後くみこまれる予定)
ブランド・モジュール
=企業が環境に与える影響を測る
=当該工場・店舗の環境負荷を定量化(計算・報
告)する
• 環境
• 社会/労働
プロダクト・
モジュール作成中
プロダクト・モジュール
=製品が環境に与える影響を測る
=当該製品のライフサイクル全体での環境負荷
を定量化(計算・報告)する
• デザインツール(2015)
• フットプリントツール(~2017)
リテール・
作成中
モジュール
• 環境 (2015)
• 社会/労働 (2015)
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Metrics WGによるPCRガイダンス策定
⇒ 2013年にPCRのガイダンスを策定
(Product Category Rule: LCAのための製品カテゴリーごとの計算ルール)
•
•
•
ガイダンスは個別の(ジャケット、Tシャツ、靴、等)PCRの作成の指針とするためのもの
PCRに基づく環境製品宣言(EPD)を通じてバリューチェーンでの情報公開・コミュニケー
ションを支援する
本ライフサイクル測定手法は、SACのHigg Indexの将来版に統合される予定
Higg Index 将来版
•
•
•
•
環境影響と社会影響の両面の評価
定量評価
プロダクト・モジュール完成版
消費者向けスコアリング
etc
定量評価の方法論(Metrics)
PCRガイダンス:ファーストステップの検討成果
必須の環境影響領域
* 気候変動
* 富栄養化
* 水資源枯渇
* 土地占有
* 廃棄物パーセンテージ
* エネルギー使用 及び 再生可能エネルギーの割合
* 毒性
* 無機資源枯渇
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SACのPCRガイダンス
ガイダンスの目次(抜粋)
1. ガイダンスの目的と範囲
2. PCRsおよびEPDsについて
3. 個別PCRを作る手続き
4. LCAスタディ








5.
6.
スコーピング
機能単位と宣言単位
システム境界
包含項目のルール
データ記述
LCI計算手順
配分ルール
データ品質
ライフサイクル影響分析、
パラメータ選択方法、必須
の指標、EPDで申告される
物質、追加的な環境情報
PCR雛形、EPD雛形、デー
タ収集シート雛形
PCR
スタイル製品PCR:ファッション用途、短寿命
パフォーマンス製品PCR:耐久用途、長期使用
機能単位
•
•
量的単位:物品1つ または 1セット(靴一足、手袋一双etc)
質・期間の単位は、相互に関連ある概念のためケースバイケース
標準サイズの指定
EU サイズ
米国サイズ
Tシャツ (メンズ)
ジャケット(レディス)
Medium (91)
38
Medium (36)
8
システム境界
原料
中間製造
製品製造
化学品製造、エネルギー生成・搬送
包装
小売
使用
除外する項目
• 従業員の通勤輸送
• 生産設備の製造
• 人的影響
• 顧客の移動/輸送
• 廃棄物の再利用
使用後
再生原料
配分:重量比
カットオフ
- 単位プロセスにおけるエネルギーと重量:5%
- 全体のエネルギー・重量の1%以上にあたるフローは参入
データ品質の優先順位
一次データ>SAC総計>査読済みの平均データ
>政府のデータおよび統計>第三者のデータベース
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Metrics PCRパイロットプロジェクト
SACのPCRガイダンスに沿って試験的にLCAを実施してみる
「パイロットプロジェクト」を2014年5月から年末にかけて実施
目的
1. プロダクト・カテゴリ・ルール(PCR)の有効性をテストする。
2. 開発途上のPCRがどこまで対応可能かをテストする。
3. Higg Indexの将来版の構築と戦略をメンバーに理解してもらう。
参加企業
Avery Dennison、H&M、Invista、Lenzing、Levis Strauss、Nike、
North Face、Patagonia、Pratibha Syntex、Puma、東レ、WL Gore 他
実施ステップ
1. SACのPCRガイダンスを理解し、体制を整える。サプライチェーンの関
係者とチームを作る。必要に応じて外部資源(データ、コンサル等)の
選択・利用を検討する。
2. データを収集し、LCAを実施する。
3. ブランド企業がEPDを作り、LCAとEPDのレビューを行う。
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当社のPCRパイロットプロジェクト参加
当社はアパレルP社と共にアウトドアジャケットをLCA対象
製品として素材~ジャケット製造までの計算を実施。
繊維事業本部のLCAチームで作業。
副資材
ライフサイクルフローと当社のシステム境界
資源採掘
~粗原料製造
繊維製造
資源採掘
~粗原料製造
繊維製造
ジャケット製造
原料
用水
不織布製造
販売
(P社計算)
データの収集
副原料
生地製造
電力
燃料
蒸気
製品
くず・廃棄物
使用段階
(P社計算)
他
使用後
(P社計算)
ジャケットのLCA報告書
(cradle-to-gate)
環境負荷を計算
XX kg
水消費
XX kg
資源消費 XX kg
廃棄物
XX kg
CO2
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作業で分かった問題点
 SACのPCRガイダンスに示されている算定手法と、
当社が使っているLCA支援ツール(MiLCA)に搭載
されている手法が異なっていた。
→ 新規ツールの導入にはコストと時間がかかる。
→ 一部の環境影響領域は、PCRガイダンスの
手法通りに算定せず、MiLCA搭載の手法で
算定した結果を提出。
必須の環境影響領域
* 気候変動
* 富栄養化
* 水資源枯渇
* 土地占有
* 廃棄物パーセンテージ
* エネルギー使用 及び 再生可能エネルギーの割合
* 毒性
* 無機資源枯渇
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ガイダンス指定の環境影響と
推奨算定手法
指定通りの算定手法で計算できたもの
参照先
MiLCA搭載の
算定モデル
(2014年当時)
IPCC,
2007
100-year GWP
IPCC, 2007
合計量: MJ 及び
Energy Use
CED、
再生エネルギー
エネルギー消費
feedstock energy除く
割合: %
Inventory
higher heating
value (total)
Land Occupation
土地占有
Inventory m2 (LIME 2006)
指標
Climate Change
気候変動
単位
kg CO2 eq
m2-yr land
occupied
SAC推奨算定手法
TRACI 2.1, CML
2013, ReCiPe 1.08
midpoint (H)
インベントリ; ReCiPe
1.08 midpoint (H)
※Land Occupation(土地占有)は天然繊維の指標として指定されているため、当社作業では算出せず。
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PCRガイダンス指定の環境影響と
推奨算定手法
指定通りの算定手法で計算できなかったもの
指標
単位
SAC推奨算定手法
参照先
MiLCA搭載の
算定モデル
(2014年当時)
Eutrophication
富栄養化
grams P-eq
TRACI 2.1, CML 2013,
リン換算:divide by 3.5
Redfield
EP (Heijungs,
1992, 2000)
Water Scarcity
水資源枯渇
L Water eq
GaBi and SimaPro
software
Pfister et. Fresh water
al.
use
Abiotic Resource
Depletion
無機資源消費
grams
Antimony eq
CML 2013
CML 2013
ADP (Guinee &
Heijungs, 1995)
手作業での算出が求められたもの
指標
Human & Ecotoxicity
人体・生体毒性
Waste Percent
廃棄物の割合
単位
排出の有無
%
SAC推奨算定手法
手作業でチェック
(Manual Search)
インベントリから計算
計算方法
4つのリストと照合して
排出の有無を調べる
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パイロットに対する当社意見・提言
1. LCA結果を比較可能なインデックスとして使うなら、
広範囲の共通データベースと使いやすい評価ツール
が安価に使える必要がある。各地域になじみの深い
評価手法や二次データが使えると良い。
2. 人体毒性・生体毒性を正確に合理的に分析するのであれば、
リストを手作業で調べるのではなく、適切なツール(最低でも
一表に統合したリスト)が必要。
3. 人体毒性・生体毒性のインデックスは、製品への残留化学物
質と誤解される恐れがある。当該インデックスの結果を表示す
る際には、そういった誤解が生じないような明確な説明が必要。
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パイロットプロジェクトの結果報告
LCA報告書と当社意見を
SAC Metrics タスクチームと
P社に送付
ポートランド総会
(2014年10月)での
チーム会議で報告・説明
ポートランド総会でのMetrics会議
SACでは一部の環境影響について見直しを検討中。
今後のPCRの改善、Metrics(計算手法)の改善に
反映されるよう引き続きはたらきかける
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今後の課題
グローバルなルールメイキングへの参画
•
•
•
企業として相応のコストをかけたはたらきかけの継続
社内のキャパシティ・ビルディング
他のメンバーとの連携
LCA支援ツール間の調和、ツールの機能充実
• ユーザーが世界市場で戦うための武器
• 新しいツールの導入はコストも時間もかかる
→MiLCAに欧州の環境フットプリントの特性化モデルが搭載
されたことは大変ありがたい。
が、算定手法が統一されていない影響領域の手法の調和、
データベースの共通化、ユーザビリティ向上に引き続き期待。
Copyright 2014 Toray Industries, Inc. All Rights Reserved.
30
ご静聴ありがとうございました。