1974 年 2 月 25 日 第3種郵便物認可(毎月1回 25 日発行) 2015 年 1 月 25 日 全障研しんぶん 2 月号付録 (1) 岐阜支部 2015 年 2 月号 全国障害者問題研究会岐阜支部 ℡/Fax: 058-253-7033 年会費 3,000 円 〒500-8879 岐阜市徹明通 7-13 岐阜県教育会館 401 Email: [email protected] ゆうちょ銀行 名義 全障研 HP: http://www.zenshoken-gifu.com 岐阜支部 記号番号 00800-0-76125 2 月 15 日(日)、岐阜駅前の 岐阜大学サテライトキャンパス において、8回目となるプレ企 画が開催されました。 参加者は 100 名を超え、会場 は熱気、涙、そして笑いでいっ ぱいになりました。 (河合隆平さん) 「子どもの発達と障害児教育の実 践」と題する今回の企画には、金沢大 学より河合隆平さん、鳥取大学より三 木裕和さんをお招きしました。 発達保障の歴史や大事にされてき たこと、具体的なエピソードから見え (三木裕和さん) てくる大切なことなどを学びました。 1974 年 2 月 25 日 第3種郵便物認可(毎月1回 25 日発行) 2015 年 1 月 25 日 全障研しんぶん 2 月号付録 (2) *****************参加者の皆さんの感想***************** ☆河合隆平さん 『発達保障とはなにか?~「ねがい」をもつ・はぐくむ・つなぐ』 軽度知的障害を伴う自閉症児(6才)の母です。この6年、息子にとって充実した生活はどのよう なものなのか、悩み続けてきました。できることが増え続け遊びが広がることで、確かに生活の質は 少しずつ向上してきました。でも、何かよく分からないけれどモヤモヤする…と思い続けてもう来年 度は小学校に入学です。でも今日「タテへの発達」と「ヨコへの発達」というお話を伺い、霧が晴れ たように心がスッとしました。私が息子に願うのは、タテへの発達だけでなく、というかそれよりも ヨコへの発達だったのです。息子の発達を願う自分にはやっぱりモヤモヤしますが…。障害児の母に なってまだ6年。これから少しずつ、息子と一緒に成長していきたいです。糸賀先生の著書、絶対読 みます。 河合先生のお話の中で、「発達とは、ねがいをはぐくみ、他者とは代替不可能な自分を作ること」 「この世は生きるに値する」という手応えや「人っていいな」という信頼安心をはぐくむことを大切 に、という部分が印象に残りました。私も教員として、よりどころ、大切にしたいこと、自分の芯の ようなものを日々探しているところなのですが、最近少しずつぼんやりと見えてきたことが上のよう なことです。子どもの願いが一番大事!そこに発達のチャンスがある。のびのび、じっくり花が咲く のをそばでずっと見ていられる喜びで毎日本当に楽しいです。もっと発達保障を学びそれが広がって いくと障がい児教育の現場はもっともっと幸せになる気がします。ありがとうございました。 発達保障とはどういうことなのか全く分からなかったので参加させていただきました。戦後からの 障がい児に対する取り組みについて学ぶことができました。そして何が大切なのかを改めて考えまし た。発達保障・権利保障とは、人が人として生きていくうえで当たり前のことであり、健常者も障害 者も関係なく求められるものだと思います。その中で障害者が大切にされる世の中が続いていくよう 私なりの努力をこれからも続けていきたいです。素敵な講演をありがとうございました。 「発達保障」ということを改めてというより教員になって30年経って今回初めて考える機会にな ったと思います。訪問教育を担当して教育を受ける権利や人権についてはいろいろ考え自分なりにで きる範囲で取り組んできたつもりでしたが、後半の「ねがいをつなぐ」の話ではいろいろなこと(ま だごちゃごちゃして書けませんが)が頭の中をぐるぐるして涙が出ました。50歳をすぎて若い世代 に引き継いでいくことの重要性をひしひしと感じる今日この頃、河合先生の話を聞く機会にはぜひ若 い教員を誘います! 「生涯かかってもその3歳を充実させていく値打ちがじゅうぶんにある」という言葉が大変心に残 りました。日々の支援でなかなか成果が現れないなあと悩んだり迷ったりすることもありましたが、 もっと「ヨコへの発達」にも目を向けて子どもの姿や発達を捉えていきたいと改めて感じました。自 分のせまい捉えで子どもの成長を見逃してしまっていないか、芽を摘んでしまっていないか、明日か らの実践で考え直していきたいです。 1974 年 2 月 25 日 第3種郵便物認可(毎月1回 25 日発行) 2015 年 1 月 25 日 全障研しんぶん 2 月号付録 (3) ☆三木裕和さん 『障害児教育の名に値するもの~「できなさ」のなかに輝きを見つける~』 今、「自分は教員に向いていないのではないか」とまさに思っていた理由が、先生が言われていた 今学校で求められていることができない自分…だったので、涙が出そうになりました。今日のお話を 聞いて、先生の子どもたちへの愛情が伝わってきて、子どもたちと過ごす毎日、悩みだけでなく、楽 しい発見などがたくさんあることを改めて感じ、がんばっていこうと思いました。 三木先生の『人間を大切にするしごと』という本を読み、子どものねがいを授業にしたい、楽しい (思い切り楽しい!)授業がしたい、と日々考えています。今、担任している小3の女の子は、とっ てもすてきで、ミキちゃんのエピソードに重なる思い出がたくさんあります。たとえば、昨年冬、雪 道を車イスで散歩した時、ガタガタ道でなかなか前に進めず、行き止まりのところもあり、思うよう に散歩ができなかったのですが、今年冬、また雪の日に「先生授業が終わったら散歩に行こう!」と 毎日ニット帽を持ってくるんです。“雪道はガタガタで車イスだといっぱい揺れるし、こわくないの かなあ…心配”と思い、何かと理由をつけて断っていたのですが、本当にそうか?とある日、雪道を 散歩してみました。すると「ガタガタ、ゴトゴト、キャー!ワー!ここは通れなーい!」ハプニング だらけでとても楽しそう。最初はこの子は「わかっていないなあ」と思っていたのですが分かってい ないのは私の方でした。今は、この子の提案でクッキー作りをしています。ドキドキいっぱいで楽し いです。 どのお話もとても印象的で、心をわしづかみにされました。中でも最後にお話しして下さった内容 には驚きました。私はまさに療育機関で子どもと遊ぶよう何度となく言われ、私は上手く遊べないダ メな親だと思ってきました。他のお母さんたちも同じです。センターの先生たちの親を値踏みするよ うな視線に、イヤだなあ…と思いながら子どものために耐えて通いました。どうせ先生たちは私のや り方にあれこれ陰でいろいろ言っているんだろうな、そんな感じです。療育機関や訓練先に期待する な、すべては家庭で育まれる、そんなこと言われたら、ただでさえ精神的に辛いのに、逃げ場がない です。ダメ出しはたくさんされたけど、評価されたことは一度もありません。グチばかりでスミマセ ン!先生の子どもを見つめる優しい目、その子をとりまく家族への包容力、こんなすてきな先生がい ると知っただけで、とてもうれしく元気をいただけました。たくさん泣きました。ありがとうござい ました。ぜひまたお話を拝聴したいです。 実際の現場での話を聞かせていただいて大変興味深く聞くことができました。私は障害者の保護者 であると同時に保育士をしています。日々、仕事場では矛盾を感じながら保育をしているのですが、 今日先生の話の中で「一生懸命やる事には失敗もある」「失敗してもいいのだ」という言葉に勇気づ けられました。私なりの保育、困り感を持った子に対しての寄り添う保育を思い切ってやっていこう と思いました。三木先生のお話が聞けて本当に良かったです。ありがとうございました。 1974 年 2 月 25 日 第3種郵便物認可(毎月1回 25 日発行) 2015 年 1 月 25 日 全障研しんぶん 2 月号付録 (4) わたしの ポップコーン福祉会 生活支援員 井藤 博司 作業所実践 ポップコーン福祉会は、重度・重複障害者を中心にどんなに 重い障害の人たちも受け入れようとしています。生活や生産活動を通して発達を援助し、生活を していく喜びを実感してもらえることを目的としています。 今回紹介させていただきたい仲間は、37歳で男性、ダウン症のKさんです。 Kさんは、日常生活のほとんどの場面で自立されています。仲間と職員がほぼマンツーマンで 生活するポップコーンですが、Kさんには午前の作業中には担当をつけずに、他の班の職員に任 せていました。 Kさんは、 「~しよう」と声掛けをしすぎると「やらない」と否定的な言葉がでたり「あほ」 といった言葉を吐かれたりなかなかスムーズな行動が難しい方です。 その反面、座る際に職員の椅子をひいてくださったり、職員がお茶を飲んでいないと「どうぞ」 とお茶を差し出してくれたりと紳士的でやさしい方でもあります。 昨年4月に入ってから、帰りの会の際に隣に座る職員の背中を叩いたり、職員の腕を自分の方 にひっぱたりすることが増え、ポップコーンの生活を一から見直そうということで急遽作業時間 に担当をつけることにしました。 担当をつけてから数日すると、食事時間のはじめ10分から20分の間窓際に立たれてしまい、 みんなと一緒に食べ始めることができなくなってしまいました。 座れないこと自体を問題にせず、ポップコーンがKさんにとって楽しめる場所なのかという所 に問題意識をもって、Kさんのこと考えていくことにしました。 学習1 ダウン症について知ろう 職員は、障害の基礎的理解を知る機会が少ないという事実がありました。ダウン症とはなに か?原因・症状・性格特性・注意点などが記述された資料を読み合わせ理解を深めることにしま した。 特徴である「頑固」さは、ダウン症特有のコミュニケーション能力における、自分が理解し た言葉と表現したい言葉のギャップに苦しんだり、情報を認知する能力が不十分であったり、急 激で一時的な感情があることを知りました。物事の予測が適切に出来なかったり、応用ができな いことが多いようです。そのため不安が大きくなり、身を守るために頑固になる場合があること を知りました。 1974 年 2 月 25 日 第3種郵便物認可(毎月1回 25 日発行) 2015 年 1 月 25 日 全障研しんぶん 2 月号付録 (5) 学習2 青年期・成人期のダウン症候群におこる「急激退行」ではないか? 急激退行とは、20歳前後のダウン症者に発症し、日常生活のさまざまな適応に困難や支障が 生じることです。急激退行の可能性も考え、菅野他(1997)の「ダウン症成人者と上手に付 き合うため5つの原則」を参考に、関わり方を考え直しました。 ① 本人の意思を無視して強要したり、制止したりしない ② 発達水準から見ると幼くとも、実際の年齢に応じプライドを配慮して接する ③ 作業や課題に際し、厳しい処遇や指導を改め、能力に応じた目標をたてる ④ 余暇の時間を位置づけ、本人の好きな活動に積極的にかかわらせる。 ⑤ 一緒に活動する時間、見守る時間を通して、精神的安定を図る ①②を踏まえ、まず強い口調で行動を促すことをやめ、Kさんの意思を尊重し待つという姿勢 を大切にしました。トイレにおいても失敗が心配で職員がついて行っていたのをやめました。当 たり前であるはずの対応ができていなかったことに気づき見直しました。 ③を踏まえ、作業での失敗が多かったので、難しい部分は職員が手伝い成功体験を増やすよう にしました。その中で仕事ができる喜びを知ってもらえる内容に変更しました。 ④⑤を踏まえ、Kさんにとってポップコーンが楽しめる場所、落ち着ける場所になるよう担 当職員がしっかりつき、好きなことや楽しめることを家庭と連携しながら見つけていくことにし ました。 学習3 発達検査をしてみる 丁度この時期にKさんの発達検査を行いました。結果は、2歳代の課題は、およそクリアで きていました。 「第1反抗期」の様相と捉えることができるのではないかということで、資料より 「第1反抗期」への対応の仕方、 「2~3歳頃の教育指導方法について」職員で読みあわせをしま した。 実年齢37歳のKさんに当てはめる事自体失礼なことかもしれませんが、発達という新しい 視点により、Kさんの心の動きや、なにを求めているのであろうと職員が考えるにはとてもよい 機会になりました。 現在もKさんは、食事の席に最初から座ることができていません。しかし、職員の関わり方は 大きく変わり、見る・考えるという姿勢がすごく強くなりました。Kさんが帰りの会で叩いたり、 ひっぱったりという行動は減りつつあり、笑顔の回数も増えています。 当初リーダーになりたての私はなんとか問題行動を止めなければという思いで必死だった のかもしれません。今回の学習で、Kさんのことを考え、関わる時間が増えたことで、座れなか ったり、叩いたりする行動も、担当をつけることによってKさんが自己表現できるようになった と思えるようになりました。 1974 年 2 月 25 日 第3種郵便物認可(毎月1回 25 日発行) 2015 年 1 月 25 日 全障研しんぶん 2 月号付録 (6) ☆大会スタッフの T シャツ完成! 大会当日、スタッフが着用する T シャツができまし た。緑地に黄色のプリントが準備委員などの要員用、 ピンク地に紺色のプリントがボランティア用です。 合わせて 300 枚の T シャツは、中濃特別支援学校 のみなさんが作ってくださいました。 使われているイラストは、児童デイサービスセンタ 2015 年 岐阜大会の 準備委員会 ニュース ー「かみなりくん」に通う山口悠介さんの作品です。。 なお、今大会の T シャツは、スタッフの着用のため だけに作りました。グッズとして販売をする予定はありません。 みなさん、どんな T シャツなのか、大会当日を楽しみにしていてくださいね。 ☆大会参加の呼びかけを! この 2 年のうちに、8 回を数えるプレ企画を開催しました。どれもそれぞれにテーマを持ち、 意味深い内容でした。そしてどれも、たくさんの参加者を迎え、成功のうちに終えることができま した。 さあ、次は全国大会です。準備委員会では、大会参加者 2,000 名、県内参加者 700 名を目標 に定めました。 今までのプレ企画から、2 倍、3 倍の輪を広げての参加呼びかけを、よろしくお願いいたします! 大会ホームページ(http://www.zenshoken-gifu.com)は、[全障研岐阜大会]で検索を。 ☆分科会でのレポート報告者募集中! 約 50 ある分科会のすべてに、岐阜県から 1 本はレポートを出すことを目標に、レポート報告者 の組織づくりが進んでいます。 分科会が50もあるということは、実に様々なテーマで話し合われる、ということです。障害に かかわることであれば、どのような内容でも どこかの分科会に当てはまると言っても過 言ではないでしょう。 一人では解決できない悩みをお持ちの方、 いろんな方の意見を聞いてみたい方、自分の 実践をみんなと共有したい方、まわりにこう いった人がみえる方、ぜひ準備委員会までご 一報ください。 なお、右ページに掲載したレポート執筆学 習会への参加呼びかけもお願いします。 1974 年 2 月 25 日 第3種郵便物認可(毎月1回 25 日発行) 2015 年 1 月 25 日 全障研しんぶん 2 月号付録 (7) 全国障害者問題研究会 2015 岐阜全国大会に向けて 教育や保育、福祉実践の記録、子育ての記録をまとめて全国のみなさんの前で発表しま せんか? 第 3 回レポート執筆の学習会のご案内 きたる 2015 年 8 月 8 日、9 日に全国障害者問題研究会全国大会が岐阜で開催されます。 1 日目に国際会議場で記念講演や全体会行事を行い、2 日目に岐阜大学に場所を移して、分 科会が行われます。およそ 2000 人の参加者が予想されています。 分科会は 50 以上のテーマに分かれ、レポート報告をもとに参加者がディスカッションをし、 共同研究者がまとめる、というものです。自分の実践を整理することで、振り返ることができ、 明日からの実践や子育ての役に立った、元気づけられた、という声が毎年聞かれます。 この大会に、ご自分や職場の実践や子育ての記録をまとめて、レポートにし、報告してみま せんか。 レポートを執筆するためのお手伝いをさせていただくために、下記のように学習会を計画し、 今まで 2 回の学習会を実施してきました。 みなさまのご参加をお待ちしています。 記 第 3 回目 2015 年 3 月 14 日(土)14 時~16 時ごろ 中部学院大学各務原キャンパス 講義室(当日案内掲示します) 日時 場所 駐車場有。交通機関は恐れ入りますが、大学のホームページをご覧ください 内容 レポート執筆予定の方たちからの報告をもとに、みなさんで議論し、 レポート執筆を励まし合う。 参加費 無料(ただし大会グッズの購入など、全国大会のご協力をお願いする かと思いますので、よろしくお願いいたします) 世話人 中部学院大学 別府悦子(発達臨床心理学) ・平野華織(社会福祉学)・水野友有(発達心理学) 白木一夫(人間福祉相談センター相談員) 問い合わせは [email protected] (_はアンダーバーですのでご注意下さい) までお願いします。 1974 年 2 月 25 日 第3種郵便物認可(毎月1回 25 日発行) 2015 年 1 月 25 日 全障研しんぶん 2 月号付録 全国大会 in 岐阜 2015 第18 回準備委員会のお知らせ 日時:2014 年 3 月 7 日(土)17 時~19 時 場所:岐阜大学地域科学部 5 階 心理学講義室 内容:大会パンフレット内容検討 他 (8)
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